ウイスキー転売は、銘柄や種類などの幅広い知識が必要で、行政への届け出もしないとならないので参入障壁が高いです。さらに、間違えた方法でウイスキー転売を行ってしまうと、赤字になってしまったり、在庫を抱えてしまったりすることもあります。ときには違法になってしまう場合もあり注意が必要です。その分、ライバルが少なく、参入できた場合は大きく儲ける事ができる市場です。
そこで今回はウイスキー転売を中心としたお酒転売の方法と、おすすめ商品、さらには違法にならずにウイスキー転売をする方法を、初心者でもわかりやすく解説していきます。
プレミアウイスキーは転売におすすめ!
お酒にも種類がありますが、最もプレミア化しやすいのはウイスキーです。特に稼ぎやすいウイスキーの銘柄は「山崎」「響」「余市」の3つです。
山崎
一番のおすすめは山崎です。
限定品はプレミア化しており、ヤフオクでも100万円以上で落札されています。
空き瓶だけでも100万円以上で落札されることもあります。
山崎のウイスキーは海外でも人気が高く、過去には香港で100万円の山崎50年(150本限定)が3,250万円で落札された事例もあります。
響
次にご紹介するウイスキーは響です。
こちらのウイスキーも山崎と同じサントリーが製造しているウイスキーになります。どちらも同じくらい有名なウイスキーです。
日本産のウイスキーですが、世界中で人気があるので十分な利益を見込めます。
美品だと中には600万円になるものもあります。(2022年11月現在)
山崎に並ぶ人気というだけあって高額になるケースも少なくありません。
白州
白州は南アルプスで作られているシングルモルトウイスキーです。水のきれいな山梨県北杜市の蒸留所で作られるウイスキーは世界中にファンを持ちます。
特に25年のものは人気になり、高値が付きやすいです。(2022年11月現在)
18年のものも人気があります。(2022年11月現在)
山崎や響ほどではありませんが、値段の上がりやすい人気のウイスキーです。
余市
余市はニッカウヰスキーの作るウイスキーです。蒸留所のある北海道余市が名前の由来となっています。
「日本のスコットランド」と呼ばれるウイスキーの聖地、余市蒸留所では、力強いモルト原酒を育んでいます。
20年のものは人気があり、100万を超える落札もあります。(2022年11月現在)
こちらは10年のものです。数万円単位で落札されるケースも少なくありません。(2022年11月現在)
イチローズモルト
イチローズモルトは株式会社日本ベンチャーウイスキーが作るウイスキーです。創業者の肥土 伊知郎(あくと いちろう)氏がイチローズモルトの名前の由来です。
こちらも世界中で人気のウイスキーなのでプレミア価格になることも少なくありません。
そんなイチローズモルトの中には250万円で落札されたものもあります。(2022年11月現在)
特に抽選販売される限定品は高額になりやすい傾向にあります。抽選販売は、デパートや専門店などで行われるので、気になる方はお店に問い合わせてみましょう。
お酒転売の稼ぎ方
お酒転売で稼ぐ方法には、大きく分けて2つあります。
安く仕入れて定価で売る
1つ目は、定価で売れるお酒を卸問屋などから安く仕入れて転売する方法です。
仕入れ値が安く済むため資金が少ない人でも気軽に始められますが、利益が少ないというデメリットがあります。また、継続して転売するには酒類販売免許が必要です。
定価で仕入れてプレミア価格で売る
2つ目は、前述のシングルモルトウイスキー山崎のようなプレミア化が予想されるお酒を定価で仕入れて、相場が上がったタイミングで販売する手法です。
この方法は、利益率が高い反面、仕入れが困難なのがネックです。また、銘柄によってはプレミア化するまで寝かせる必要があるため、即金性に欠けます。
ツールを使い、相場を知って高く売る
日本最大級のショッピング・オークション情報サイト「オークファン」を使えば、お酒の価格の相場を知ることができます。
相場を知ることで今どんな商品が高値で取引されているのかわかり、仕入れに活かすことができます。どこから仕入れてどこで売るのかの判断もしやすくなるでしょう。
無料会員登録するだけでも、Amazon、ヤフオク、Yahoo!ショッピング、楽天市場といったショッピングサイト過去6ヶ月分の相場検索が可能になります。欲しい商品がメールで通知されるアラート機能も便利です。
また初月無料で利用できるプレミアム会員になると、過去10年間に渡る売買データ約700億件の中から落札相場をリサーチでき、手数料や為替計算が簡単になるツールも利用可能。さらにネットオークションで稼ぐためのノウハウ配信まであります。
仕入れるサイト、販売するサイト、高く売るための販売価格などを判断するためはオークファンを利用するのがおすすめです。
ウイスキー転売が儲かる3つの理由
ウイスキーの転売は、他の転売に比べ儲かると言われています。
それは一体なぜなのでしょうか。その理由を3つ解説していきます。
①価格が上がりやすい
ウイスキーは時間が経つと価格が上がりやすい傾向にあります。
要因はいくつかあるのですが、以下の3つが大きいです。
①大量生産ができない。
②作るのに何年も寝かせた原酒が必要。
③日本のウイスキーは国際的にも人気が高い。
①ウイスキーは大量生産が難しいお酒です。ウイスキーの品質は気候や環境、熟成の時間や樽の材質など様々な要素に左右されます。それらの要素が丁寧に管理され、一定の品質を保たれて、ウイスキーは製造されています。
材料があるからといって、いくらでも大量生産出来るようなお酒ではありません。
②ウイスキーの製造には原酒という物が必要です。原酒とは熟成されたウイスキーをそのまま樽から出したものの事を言います。通常、ウイスキーは、数種類の原酒を混ぜ合わせたり、原酒に割り水をしたりしてからボトリングされています。
この原酒は何年も熟成され作られるものです。中でも10年、20年と特に長い期間熟成された原酒を使っているウイスキーは貴重となっています。
長い期間が必要なため、需要に対し供給が追いつかなくなり、価格が高騰しやすいのです。
③日本のウイスキーは国際的にも高い評価を得ています。特にアジアやヨーロッパでの需要は高く、高いお金を払ってでも日本のウイスキーを手に入れたいという富裕層までいるほどです。
それほどまでに日本のウイスキーは需要が高いのです。
以上3つがウイスキーの価格が上がりやすい理由です。
②買えるところが限られている
人気のウイスキーはどこでも買えるものではありません。デパートやスーパー、酒屋さんなど限られた場所でのみ買えるのです。
貴重なウイスキーは有名デパートで抽選でのみ販売されていることもあれば、商店街の酒屋さんに、ホコリを被って置いてあることもあります。
メーカーやデパートのホームページなどで告知される事があるので、こまめにチェックしていたら抽選に参加出来るかも知れません。
③ウイスキーに関する深い知識が必要
ウイスキー転売において最も重要なのが、ウイスキーの専門知識です。ウイスキーが好きなのも大切ですが、知識さえあればお酒が飲めなくても大丈夫です。
どんなウイスキーが人気があるか、どこでウイスキーを買えるのか、なぜこのウイスキーがプレミア価格になるのかなどは、ウイスキーに関する深い知識がなければわかりません。
だからこそ、誰でも出来ることではなく、知識を身につけた人のみが儲けられるのです。知識を身につければ身につけた分だけ、ライバルと差をつけられるので、より儲けることが可能になります。
転売におすすめの焼酎
焼酎転売では「森伊蔵」がおすすめです。森伊蔵は毎月約1,000本しか製造されないため、幻の焼酎と言われています。当然ヤフオクでもプレミア化しています。
森伊蔵を定価で仕入れる方法
森伊蔵はネットでもたくさん売られていますが、どれも転売品なので価格が定価よりかなり高くなっています。
森伊蔵を定価で購入するには、森伊蔵の公式サイトの抽選に申し込む必要があります。
森伊蔵の抽選方法
森伊蔵の抽選方法は電話予約です。電話番号は099-239-1111で、24時間受付の自動対応となっています。特に操作の必要はありませんが、自動音声を最後まで聞かないと予約が完了しません。
予約期間は毎月15~25日で、抽選結果は翌月1~14日に確認できます。予約した時と同じく099-239-1111に電話すると、自動音声で抽選結果を確認できます。
参考:森伊蔵酒造 電話予約案内
森伊蔵の価格
森伊蔵は1800mlボトルが定価で3,000円弱ですが、ヤフオクでは16,000~19,000円程度で落札されています。
魔王
魔王は、森伊蔵と並んで入手困難な焼酎として有名な焼酎です。
ちなみに、樽で熟成したお酒は熟成の過程で減ってしまうのですが、ヨーロッパではその減った分のお酒のことを「天使の分け前」といいます。
そこから魔王には「天使を誘惑し、魔界へ最高の酒を調達する悪魔たちによって、もたらされた特別のお酒」という意味が込められています。
そのまろやかでフルーティーな味わいのファンは多く、オークションだと定価の何倍もの値段がつくことも珍しくありません。
魔王の蔵元は正規店とのつながりを大切にしているため、正規店には少量でも確実に納品しています。正規店では定価で購入できるので、魔王の仕入れは正規店で行いましょう。
参考:有限会社・酒匠蔵しばさき
転売におすすめの日本酒
日本酒で稼ぎやすい銘柄は「獺祭」です。
参考:獺祭
獺祭は海外でも人気
最近は欧州でも日本酒が人気です。特に獺祭は多くの酒豪から支持を集めており、安倍元首相がオバマ大統領にプレゼントしたことでも有名です。
エヴァンゲリオンにも登場
獺祭は山口県産の日本酒ということで、山口県民に特に愛されています。エヴァンゲリオンの庵野秀明監督もその1人です。
その影響か、エヴァンゲリオンの作中には獺祭を飲むシーンが描かれています。
プレミア化はしていない
獺祭の中でも「獺祭 磨きその先へ」は入手が困難なため、プレミア化しています。
しかし、その他の獺祭は全く入手できないわけではないためプレミア化はしていません。しかし、定価の1~1.5倍程度で売れているため利益は出ます。獺祭の定価を以下に挙げておきます。以下、すべて税込表記です。
商品名 | 720ml | 1800ml |
---|---|---|
獺祭 磨きその先へ | 38,500円 | ‐ |
獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分 遠心分離 | 16,500円 | ‐ |
獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分 | 5,500円 6,270円(木箱) 5,775円(紙箱) | 11,000円 11,840円(木箱) 11,500円(紙箱) |
獺祭 純米大吟醸 磨き三割九分 | 2,640円 2,970円(紙箱) | 5,280円 5,940円(紙箱) |
獺祭 純米大吟醸45 | 1,815円 | 3,630円 |
獺祭 純米大吟醸 スパークリング45 | 2,255円 | ‐ |
獺祭が買えるお店
獺祭の一番簡単な購入方法は、獺祭の公式サイトからの購入です。
他にも獺祭が買える店舗がいくつかあります。
参考:国内にある獺祭が買える店
参考:海外にある獺祭が買える店
転売時の注意点
獺祭を転売する際は、冷暗所に保存してできるだけ早く販売してください。
日本酒は焼酎より劣化が早いのが特徴です。注意してください。
その他のプレミア日本酒
- 十四代 超特撰
- 菊姫 菊理媛
- 裏鍋島
- 田酒 純米大吟醸
- 而今 純米大吟醸
- 千代の亀 純米大吟醸 銀河の紙ふうせん
- 黒龍 二左衛門
- 継 純米大吟醸
- 磯自慢 Adagio
- 特別大吟醸 朱金泥能代 醸蒸多知
酒類転売の違法性
転売行為自体には違法性はありませんが、扱う商品によっては法律で禁止されていたり、資格が必要な場合があります。お酒の転売もその1つです。
酒類販売免許が必要
自分用に購入したお酒を1~2本販売する程度であれば特に資格は必要ありません。しかし、お酒を継続して売るには酒類販売免許が必要です。
酒類販売免許の申請方法
酒類販売免許は酒類を売り出す前に取得しておく必要があります。無料で申請できますが、免許を取得した場合は、免許1件ごとに登録免許税が課せられます。
申請に必要な書類や詳細は国税庁のホームページをご参照ください。
無免許酒類販売に対する罰則
無免許でお酒を転売し続けると、酒税法違反で1年以下の懲役または50万円以下の罰金が課せられます。
一般酒類小売業免許とは?
一般酒類小売業免許とは、お酒の販売をする上で必要になる免許です。
4つの要件を満たすことで取得が可能です。
①人的要件
②場所的要件
③経営基礎要件
④需要調整要件
①人的要件では、過去に処罰されていないかを見られます。本人だけでなく、法人役員や支配人についても同様です。未成年者については親や代理人も見られます。
②場所的要件では、販売する場所がお酒の製造所ではないか、レストランや飲み屋さんではないかなどを見られます。また、販売する場所が、他の営業と明確に区分されているか、レジが独立しているか、専属の販売員がいるかなどについても見られます。
③経営基礎要件では営業をするのに十分な知識や資金があるかなどを見られます。過去に破産をしていないか、破産から一定期間経っているか、税金を滞納していないか、資金は十分にあるかなど、細かい部分も対象となります。
④需要調整要件はお酒の販売先が、法人や飲食店に限られていないかを見られます。
以上4つが要件です。細かい部分もあるので、対応するのが難しいかも知れません。しかし、誰でも取得できるものではない分、取得できれば大きく稼げる可能性もあります。
要件をしっかり満たして取得を目指しましょう。
参考:国税庁|パンフレット手引
プレミア酒の転売は免許不要?
ただし、入手困難なプレミア酒を転売する場合は酒類販売免許がなくても、問題がないケースがほとんどです。
プレミア酒は継続的に売れない
酒類販売免許は、あくまで継続的なお酒の販売に必要な免許です。
プレミア酒は仕入れが困難であるため、転売の頻度が少なくなりがちです。したがって、無免許で転売しても「継続的な販売」と判断される可能性は低くなります。
グレーゾーン
ただし、継続的かどうかの判断は役所のさじ加減次第です。心配な方は、管轄の税務署に確認をとってください。
ウイスキー転売は各サイトでできるの?(Amazon・メルカリ・ヤフオク!)
転売をする上で、Amazon・メルカリ・ヤフオク!といった販売サイトが利用されることはよくあります。
ここで気になるのは、販売に許可や申請が必要な特殊な商材であるウイスキーを、そういった販売サイトで転売できるのかという点です。
ここでは代表的な販売サイト、Amazon・メルカリ・ヤフオク!でウイスキーを転売できるのか紹介していきます。
Amazon
原則として、Amazonではウイスキーの転売はできません。ただし、アルコール度数が1%未満のものや、アルコールを含むお菓子類、空箱や瓶などの収集品や記念品は販売できます。
例外として、酒類販売業免許を持っている場合はウイスキー転売もできます。
参考:Amazon seller central|酒類の取り扱い
メルカリ
メルカリもAmazonと同様、免許がなければ酒類の販売はできません。したがって、原則としてウイスキー転売もできません。
しかし、譲り受けたり、飲まなかったりしていらなくなったお酒は出品できます。
要は、転売目的で購入したウイスキーを出品するには免許が必要、飲む目的で購入したものは免許なしで出品可能です。
ヤフオク!
ヤフオク!はメルカリとほぼ同様です。免許のない者のウイスキー転売は違法となりますが、譲り受けたものや、飲む目的で購入したものを出品するのは問題ありません。
ヤフオク!でも、販売目的で購入したウイスキーを出品するには免許が必要、飲む目的で購入したものは免許なしで出品可能ということになります。
Amazon・メルカリ・ヤフオク!などの販売サイトを利用したウイスキー転売においても、免許は必要となるのです。
ウイスキー転売で注意すべきこと
ウイスキー転売はお酒という特殊な商材を扱います。さらに、ウイスキーは食品であり、デリケートなものです。
そのため、他の商材に比べ、注意すべきことも多いです。ここではウイスキー転売をする上で注意すべきことを解説していきます。
ある程度まとまった資金が必要
ウイスキーは単価が高いものが多いです。人気のものは、仕入れをするだけで10万以上することも少なくありません。
安いウイスキーはその分一般流通していたり、そもそも人気がなかったりするので、赤字になることもあります。
さらに、人気のウイスキーを苦労して仕入れたとしても長期間売れなかった場合、すぐに売上が立たないこともあるため、資金繰りには注意が必要です。
ヴィンテージ銘柄=人気というわけではない
ウイスキーの中でも、40〜50年前に製造された銘柄をヴィンテージ銘柄といいます。
古い分現存するものも少なく、その分価値も上がりやすい傾向にはあるのですが、ヴィンテージ銘柄だからといって必ずしも人気があるとは限りません。
メーカーや製造年月日はもちろん、樽の個性や原酒の原料、樽を管理した人によっても人気が左右されます。
ヴィンテージウイスキーは目利きを間違えると大きく損をする可能性があるので気をつけましょう。
賞味期限付きのウイスキーもある
ウイスキーはアルコール度数が高く、長期間の保存に耐えうるため、賞味期限・消費期限は省略していいことになっていますが、中には表示されているウイスキーもあります。
そういったウイスキーは賞味期限・消費期限が過ぎてしまうと価値が下がってしまいます。
ウイスキーに賞味期限・消費期限が表示されているかは必ず確認すべきです。
ビジネスとしてウイスキー転売をする場合は免許が必要
先述の通り、酒類の販売には免許が必要です。
転売目的ではなく、もらったり、飲むために買ったりしたウイスキーをメルカリやヤフオク!で数回出品する程度なら問題ありません。
しかし、利益を得る目的でウイスキーを仕入れ、継続的に転売する場合は免許が必要です。
酒類の無免許販売は重い刑罰が下されます。ウイスキーの無免許転売は絶対にやめましょう。
プレミア酒は空き瓶でも儲かる
入手が困難なプレミア酒は定価の数十倍で売れるため、非常に稼ぎやすくなっています。
しかし、プレミア酒をせっかく仕入れたのに転売してしまうのは勿体無いと感じる人も多いことでしょう。
その場合は、お酒は自分で飲んでしまい、空き瓶と外箱だけを転売しましょう。前述した通り、プレミア化している銘柄だと、空き瓶だけでも100万円以上で売れることがあります。