転売ビジネスの中でも、中古車転売は極端にライバルが少ない市場です。
理由は自動車が高額だからです。高額な商品を仕入れるにはそれなりの資金が必要であり、また、不良在庫を抱えた場合は大きな赤字を背負うことになると思っている人は多くいます。
これは必ずしも間違いではありません。しかし、やり方次第では貯金0円からでも中古車転売は可能です。
中古車転売は他のジャンルと比べて極端に利益単価が高くなっています。例えば、10万円で仕入れた中古車が1.5倍で売れたとすれば5万円の利益です。1ヶ月に2台売れれば最低限の生活はできますし、4台売れば遊ぶ金もできます。10台売れば家族も養えるでしょう。
そこで今回は、中古車転売の特徴やおすすめ中古車などを紹介します。
中古車転売は儲かる?
街にある中古車販売店のように、土地や店舗を借り、従業員を雇って事業を運営し利益を出すことは非常に難しいでしょう。
実店舗での中古車販売では、客をお店に呼び込むこと自体が大変です。知り合いにお客さんを紹介してもらい、なんとか食いつないでいるお店がほとんどです。また、土地の賃借料を始めとした必要経費がかさむため、よほど売上を上げないと手元に残る利益はわずかなものです。
しかし、個人転売は別です。店舗も土地も借りないのであれば必要経費はほとんどかかりませんし、ネットを使えば集客も簡単です。
中古車転売屋は増えている
現在はネットオークションやECサイトで全国どこからでも簡単に自動車の仕入れ・出品が可能です。
そのため、仕入れた中古車を管理する駐車場と、最初の仕入れ資金があれば、誰でも中古車転売を始めることができます。
中古車は数十万円のものから数千万円するような高級車まであります。価格帯が広いため自分の予算に合わせた商材選びが可能です。
古物商許可を取る
中古車転売をする上で一つ必要な資格があります。それは、古物商許可です。
古物商とは、自動車に限らず中古品を事業として販売することができる資格です。
古物商許可は営業所を管轄している警察署に申請することで取得できます。申請には19,000円かかります。
許可のない中古車転売は違法!
ネットで中古車を転売する場合は、必ず古物商許可を取得する必要があります。
この許可を取らずに営業をすると古物営業法違反となり重い罰則が課せられてしまいます。
3年以下の懲役または100万円以下の罰金、もしくはその両方が課せられます。そしてその後5年間は古物商許可を取得することが不可能になります。
法律違反を犯しビジネスを失ってしまわないためにも、許可はきちんと取りましょう。
中古車の転売をするときに必要な書類とは?
中古車の転売をするにあたって、必要な書類がいくつかあることはご存知でしょうか。
それぞれいったいどんな書類が必要なのか詳しく見ていきましょう。
中古車を仕入れる時に必要な書類
仕入れの段階で必要な書類は、以下の2つです。
1.車庫証明
2.印鑑証明
「車庫証明」は管轄の警察署の窓口で申請し発行してもらいます。
車庫証明の目的は、車を保管するための駐車場やスペースを持っていますよ、という証明となります。
保管場所は自宅から2キロの範囲内という決まりがあります。また対象の車が出入りしたり駐車するにあたって、必要な高さや広さであることもルールとなっています。手数料はだいたい2,000~2,200円程度で、証明書発行後におよそ500円の標章代がかかります。
「印鑑証明」はお住まいの市区町村役場で実印を登録完了していれば、誰にでも簡単に手に入るものです。
まだ実印登録が済んでいない場合は、登録後に印鑑証明の発行が可能になります。
中古車を販売する時に必要な書類
次に中古車を販売する際には、以下の3つの書類が必要です。
1.自動車検査証
2.自賠責保険証明書
3.自動車税納税証明書
これらの書類は車を購入したことがある人や所有している人にとっては見慣れた書類であることがほとんどです。
「自動車検査証」は車の名義変更を行う際に必要になります。残りの2つはそれぞれ必須の保険加入や納税の証明となります。
さらにこれら3つに合わせて「委任状・譲渡証明書」「印鑑証明書」「リサイクル券」も用意しておきましょう。名義変更の際は「譲渡証明書」と「印鑑証明」も必要となりますので、注意してください。
リサイクル券に関しては以下でさらに詳しく説明していきたいと思います。
自動車リサイクル券とは?
リサイクル券とは、車が廃車となる際に必要なリサイクル料を納めていますよ、という証明書です。
普通自動車と軽自動車が対象で、料金を支払った際に発行できます。紛失の際は再発行は不可能ですが、HPから「リサイクル料金の預託状況」のページを印刷することで証明の代わりとして利用可能です。
契約書・念書・委任状について
あなたが中古車を販売する売却者本人である場合は、他にも「契約書」「念書」「委任状」といった書類が必要となります。
ネット上にも参考例やテンプレートがあるのでそちらを使用しても特に問題はありませんが、もし中古車販売の初心者で契約内容など不安がある場合は、プロの力にお任せするのがおすすめです。
領収書について
中古車の個人売買の際、収入印紙は不要ですが万が一の中古車売却後のトラブルがあった際のためにも控えは必ず保管するようにしましょう。
領収書に関してもネット上でテンプレートなどがあるのでそれを使用するか、一般で販売されているものを使用して作成します。
中古車のオススメ仕入れ方法4選
中古車の仕入れに関しては、次にご紹介するような販売会社や販売者から直接購入できる中古車専門サイトを活用していきましょう。
中古車専門サイトはその流通台数の多さと、比較的に簡易な書類手続きといった点がメリットとして挙げられます。
オススメ方法①セルカ
セルカは中古車をユーザーから直接仕入れて販売するインターネットオークションシステムとなっています。
セルカで中古車を仕入れるメリットは査定提携店による厳格な査定を代行で行ってもらえる点です。現在セルカには6000店舗の参加バイヤー数と188店舗の査定提携パートナー店数があります。
また中間業者が入ることもなく、直接車を売りたい人から買うことができるため、一般的なオークションサイトのような余計なサイト手数料や買取手数料、発送手数料などは一切かかりません。
かかるのは売却時の仲介手数料(税抜2万円)のみです。面倒な代金支払いや書類作成などもありませんし、煩わしい営業電話がかかってくることもありません。
デメリットとしてはオークションに参加する企業が多いことも特徴で、人気の中古車の場合はどんどん値段が上がってしまうということがあります。
オススメ方法②ユーカーパック
ユーカーパックもセルカと同じくC to Bのビジネスモデルを採用している企業の一つです。
2022年9月現在買取店は8512店舗、査定店は246店舗となっています。仲介手数料はかからない直接取引の仕組みになっていて、全国で数十万台の中古車を扱っています。
ユーカーパックを使用するメリットは、仲介手数料が不要であること、そして査定までを代行してくれることで余計な電話や取引がいらないといった点があります。
デメリットとしてはオークションに参加している企業が8000社とセルカよりも多いため、セルカよりも人気中古車は高値になってしまうケースもあり得るということです。その他の違いとしては、ユーカーパックはオークション時間が48時間と決まっているのに対し、セルカは時間が不明となっています。
一般的には時間が長ければ長いほどライバルが商品に目をつけてしまう可能性も高いため、よく注意してサイトを吟味しましょう。
参考:あなたの愛車は今いくら?UcarPACが1分でカンタン相場チェック
オススメ方法③ガリバーフリマ
次にご紹介するのは、圧倒的な知名度と車買取台数業界No.1のガリバーです。
車の買取台数はおよそ28万台、店舗数はおよそ500店舗もあり安心感も抜群です。
ガリバーフリマで中古車を購入するメリットも、ガリバーが面倒な代金のやりとりや書類などの手続き、さらに納車まで行ってくれる点です。さらに中間業者を挟まないため余計な手数料がかからない点や完全匿名性で個人情報保護の観点からも安心できるといった点があります。
さらにガリバーフリマでは他のディーラーなどで買取されなかった車も多く買取しています。そのため比較的値段が安く、レアな車に出会えるケースもあります。
デメリットとしては中間業者を挟まない個人間での取引となるため、トラブル時には注意が必要といった点が挙げられます。
オススメ方法④楽天スーパーセールを利用した中古車転売
楽天スーパーセールを利用して、中古車を仕入れる方法があります。楽天スーパーセールとは、楽天市場にて3ヶ月に1回開催される大型イベントのこと。いつもより安く購入できたりポイントがたくさんもらえたりします。
この楽天スーパーセールで、新車が半額で出品されています。(一度でも取引されたものは中古物と見なされます)タイムセール中に各種新車が1台限定で出品され、早い者勝ちで購入が可能です。
実際には、開催と同時に売り切れるため、購入できる可能性は低いと言えるでしょう。
Twitterでは「転売屋が特殊ツールを使って、真っ先に購入しているのでは?」と、普通にはなかなか買えないことが考えられるコメントもあります。
しかし、「ダイハツのミラ・イースが50万円で購入できた」というコメントもあるので、購入できる可能性は低いものの購入するのは夢ではありません。
少しでも興味のある方は、楽天スーパーセールの新車半額セールに参戦してみてください。
中古車国内転売の特徴
中古車転売には大きく分けて2種類あります。
・国内転売
・輸出転売
まず最初に国内転売の特徴を解説します。国内転売は、日本で仕入れた中古車を日本で売るだけです。
CDや書籍の転売より稼ぎやすい
中古車の転売の基本は、安く仕入れて高く売ることです。これは他のジャンルと同じです。
他のジャンルと違う点は、仕入れに必要な金額が高いことと、車を保管する駐車場が必要なことです。
しかし、前述の通り、安い車であれば10万円程度で仕入れが可能ですし、駐車場は月額数千円程度で借りることができます。そのため、中古車転売の必要資金・経費は実はそこまで高くありません。
CD・ゲーム・書籍・雑貨などを扱う場合でも、10万円分仕入れるとなれば保管場所が必要です。一般的な商品は屋内で保管する必要があるため、むしろ倉庫代は駐車場代より高くなります。そう考えると中古車の方が必要経費が少ないとも言えます。
中古車転売にはもう一つメリットがあります。それは値崩れしにくいことです。一般的な商品は相場の変動が激しいため、値崩れして損をするリスクがあります。しかし、車の相場はほとんど変動しません。有名な車種であればほぼ変わりません。だから、銀行も車を担保にすればお金を貸してくれるのです。ちなみに、CDや書籍をいくら担保にしてもお金は貸してくれません。それほど車には信用があるのです。
国内転売でなぜ利益が出るのか
中古車は相場の変動が少ないため、利益を出せないと思っている人も多いようですが、それは違います。
なぜなら、中古車には2つ市場があるからです。自己利用目的で車を購入する人が集まる一般市場と、販売目的で車を購入する業者が集まる業者市場です。業者市場の相場は一般市場より安いため、この差額が利益になります。
「業者市場って個人でも入れるの?」と思うかもしれませんが、安心してください。古物商許可を持っている人ならもう業者扱いです。少し手続きすれば業者市場から仕入れられるようになります。
中古車転売のリスク
ただし、中古車転売にはリスクもあります。
最大のリスクは赤字リスクです。思うような価格で売れなかったり、仕入れ値が高くなると赤字になることがあります。車の仕入れ値が安くても、仕入れ先が遠い場合は送料が高くなります。そのため、関東近郊など、中古車の仕入れ先に困らない地域に住むことをおすすめします。
また、ネットで仕入れる場合は事故車のリスクもあります。知らずに転売してしまった場合でも、責任は全てあなたが背負うことになります。
個人売買で発生するトラブル
以下に実際の個人売買の際に発生しうる万が一のトラブルをまとめました。
事前にこうしたトラブルに関して理解を深めておくことで、トラブルを回避することができます。
車を売却したが支払いが未払いのまま。詐欺に遭ってしまった場合
まずは落ち着いて、契約内容等を見直しましょう。そしてできる限り(電話やメール郵便など)様々な手段で相手側と連絡をとって、問い合わせをしましょう。もしかしたら何らかの理由により代金の支払いが遅れているケースも考えられます。
それでも連絡が取れない、または代金が支払われない場合は相手とのやり取り内容や契約、振り込み控えやオークションページのコピーなどなるべく多くの証拠を用意しましょう。そしてまずはお住まいの警察署の相談窓口に相談しましょう。警察庁のHPから相談窓口の確認ができます。
参考:警視庁相談窓口
相手側が名義変更をしてくれない場合
個人売買に関して取引は素人の個人間での契約となるため、相手側がしっかりと名義変更をしてくれないケースがあるので注意しましょう。
このケースも相手側の書類の不備など何らかの原因がある可能性もあるので、まずはしっかりと連絡をとってみて、内容証明を相手側の住所に送り名義変更を督促する手段もあります。この場合は内容を証拠としてしっかりと保存しましょう。
それでも名義変更に応じてくれない場合は弁護士や警察への相談が必要になります。
名義変更をしてもらえない場合、後々の自動車税の納税義務や交通違反時の責任の所在など、大きなトラブルになるので気をつけましょう。
中古車転売に必要な税金とは?
自動車税は車の排気量によって支払う税金で、毎年支払いの義務があります。
自動車税の支払いに関しては、販売者と購入者のどちらが払っても良いとされています。
そのため双方どちらかが損をしてトラブルにならないためにも、事前にきちんと話し合いをして簡単な契約書などを作り、互いに税金負担者の認識をはっきりと一致させておきましょう。
自動車税は4月1日に課税されるので、一般的に月割で計算をしてからその期間に応じ販売者と購入者がそれぞれの割合の納税額を支払うケースが多いです。
購入した車が事故車や盗難車だった場合
もし中古車の価格があまりにも市場価格に比べて安かったり、不審に思った点がある場合にはしっかりと車両情報を調べることが必要です。
万が一購入した中古車が事故車の場合は、修理をして一見外見に問題はないように思えても内部には自己の傷痕が残っているなど、運転者に危険を及ぼす場合もあります。
中古車の事故歴を確認する方法には、「財団法人 日本自動車査定協会」に依頼をして事故歴や修理歴などをチェックしてもらう方法もあります。チェック後に発行してもらう「車両状態確認証明」がついていれば一先ずは安心です。
さらに購入した中古車が盗難車であった場合には、いち早く警察に相談しましょう。
実際に、2021年は全国で約5,182台もの車が盗まれており、中古車市場にそういった車が流れている可能性も十分に考えられます。購入後に泣き寝入りをしないためにも中古車の下調べは慎重に行いましょう。
万が一トラブルが起きてしまった際の弁護士相談費用の相場は?
万が一トラブルが起きてしまった場合はプロの弁護士に依頼をし、解決してもらいましょう。
その場合の費用は請求額や弁護士により変動があります。まずは無料相談ができる弁護士サービスなどもあるので、そちらを利用してみるのがオススメです。
中古車輸出転売の特徴
続いて、輸出転売について解説します。
中古車の国内転売では仕入れ資金と駐車場のレンタル代が初期費用として必要です。しかし輸出転売の場合は初期費用は必要ありません。資金0円でも始められます。
無在庫転売ができる
輸出転売に初期費用が必要ない理由は、無在庫転売ができるからです。
無在庫転売とは、先に販売しておき注文が確定してから実際に仕入れて発送する販売手法です。在庫を保管する場所が必要ないため、費用倒れになる心配がありません。
国内転売の場合は、発送が遅れるとクレームが寄せられたり注文をキャンセルされやすいです。そのため、まず中古車を仕入れ、在庫を確保してから販売する有在庫転売が主流です。
しかし、輸出転売の場合は国際配送です。国際配送は時間がかかるものなので、購入者も気長に待ってくれる傾向があります。日本国内の配送スピードは世界的に見ても早いため、輸出転売の場合は注文が確定してから仕入れても、発送遅延によるクレームが寄せられることが少ないです。
また、現在のインターネット取引は先払いが基本です。そのため、受け取った代金を使って仕入れができます。だから、初期費用が必要ないのです。
中古車の輸出転売市場はブルーオーシャン
輸出転売はほとんどリスクがありません。通常、リスクがない市場はライバルが多く飽和している事が多いのですが、中古車の輸出転売市場は全く飽和していません。それどころかライバルはほとんどいないのが現状です。
理由として第一に挙げられるのは、やはり「輸出業=難しくて面倒くさい」というイメージがあるからです。
中古車市場に大企業はいない?
自動車販売は利益の大きな市場です。利益が大きいということは、当然大企業が入ってきます。
実際、日本の自動車市場のほとんどはトヨタ・HONDA・日産など巨大企業に独占されています。
しかし、それは新車市場の話です。新車販売の場合は、同じ車種の車を大量生産して販売できるため、資金力のある企業が有利です。
ですが、中古車の輸出市場は話が別です。
中古車輸出市場は個人の市場
中古車の輸出転売では、海外の購入者一人一人欲しい車種や要望が全く違います。それぞれの要望を聞いて、一人一人対応していかなければいけません。形としてはオーダーメイドに近いです。
そして、オーダーメイドは大企業の苦手分野です。なぜなら、オーダーメイドでは工場で大量生産ができないからです。
したがって、中古車の輸出転売市場は個人や小さい企業の独壇場と言えます。
中古車輸出販売のデメリットとは?
次に中古車の輸出販売のデメリットについてご紹介していきます。
1.海外バイヤーを見つける難易度が高い
海外に何かしらのツテがある場合はハードルは低くなりますが、海外バイヤーを見つけることは一般的には非常に難しい問題です。
以下に海外バイヤーを見つけるための対策をまとめます。
・英語でHPを立ち上げ、海外の検索エンジンに登録する。
・世界中の商工会議所にFAXやメールでバイヤーを紹介してもらうよう依頼する。
・JETROなどの機関で引き合いの案件を閲覧する。
・対象国の新聞や関連雑誌等の発行会社に、広告を載せてもらうよう依頼する。
さらにバイヤーとのやり取りには英語など語学面でのハードルもあります。
しかし近年はGoogle翻訳や外注の翻訳サービスなども整っているので、語学に関してはあまり恐れる必要性はありません。
2.売上が安定するまでにはある程度時間がかかる
中古車販売に関しては、トレンドや売れ筋の情報を手に入れることが難しく、いったいどんな車が売れるのかといった予測はなかなか難しいことが現状です。
そのため最初はなかなか売れない期間があるなど、利益が安定するまでにはどうしても時間がかかってしまいます。
3.関税や輸出入規制
中古車の輸出販売に関しては、関税や輸出入規制といった様々な守らなければならないルールがあります。
しかしこの関税や輸出入規制は世界で統一されているわけではなく、それぞれの国によって異なり、またそのルールも度々変更される場合があります。
円高や円安など為替の値動きによってもビジネスの利益が関わってくるので、中古車の輸出販売を行う際は、日頃から輸出入に関わる規制や経済情報、世界情勢などを学ぶ必要があります。
関税に関して、関税率は国ごとに様々で車の排気量や車高、シリンダー容量などをもとに基準が設定されています。
例えば排気量1,800ccの車の場合、関税率はシンガポール0%、アメリカ2.5%、中国15%、インド125%となっています。さらにマレーシアのように新車には高い関税率が定められているが中古車の関税率は安いといったケースもあります。
また輸出入規則に関しては、自国産業保護育成などの観点から中古車の輸入を禁止・制限している国があります。
例えばアジアでは中国、タイ、インドネシア、ベトナム、パキスタンなどといった国が中古車輸入の禁止、または事実上不可能とされています。
その他にも中古車を輸出する際には以下の書類が必要となるので、JETROのHPや現地のバイヤーに確認し不備のないようにしましょう。
・インボイス
・パッキングリスト
・船荷証券(B/L)
・輸出抹消登録証明書(日本語、英語併記のフォーム使用)
・船積前検査証明書(バイヤーから指示された場合のみ)
転売で稼ぎやすい中古車
扱う車を選定する時のポイントは以下の3つです。
・希少性
・地域性
・季節性
まずは、希少性が高い車です。あまり市場に流通していない車の方が当然高く売れます。
そして、地域性も重要です。特に、輸出転売をする場合は重要です。なぜなら、地域によって需要のある車の種類が違うからです。例えば、雪国では4WDの車が好まれています。ちなみに、4WDとは4輪駆動の自動車のことです。日本で走っている一般車のほとんどは前輪だけが動くFF車か、後輪だけが動くFR車です。4WD車は雪道や砂浜でも窪みにはまって動けなくなることが少なく、スリップもしにくいため、雪国では非常に重宝されます。しかし、その分燃費が悪いため、都市部ではあまり需要がありません。
あとは季節性です。季節によって需要のある車種は異なります。春先は新生活をスタートさせる新社会人が多いため、トレンドの車がよく売れます。秋は冬に備えて4WD車の需要が高まります。
個人客に高く売れる中古車の特徴
日本車は性能が高く丈夫で長く乗れるため、海外での評価が高くなっています。特に人気の高い車種を以下に挙げておきます。
・ランドクルーザー(TOYOTA)
・ハイラックスサーフ(TOYOTA)
・ハイエース(TOYOTA)
・クラウン(TOYOTA)
・セルシオ(TOYOTA)
上に挙げた人気車を見ていただくとおわかりのとおり、メーカーで言うとトヨタが一番人気で、マツダや日産がその次に続きます。
輸出業者に売れやすい中古車の特徴
中古車転売は、直接一般客に販売する方法以外にもブローカー(輸出業者)に売る方法もあります。
人気のある中古車は直接一般客に販売した方が利益が大きくなります。しかし、以下のような中古車は個人には高く売れないため、ブローカーに売ることをおすすめします。
・年式が古い車
・走行距離が長過ぎる車
・修復歴のある車
上記のような中古車は、日本を含めた先進国ではあまり売れません。しかし、新車には手が出ない発展途上国や新興国では需要があります。発展途上国でも日本車のブランド力は高いため、年式が古かったり過走行であっても、動く限り高く売れます。
また、海外では修復歴という概念があまりないため、修復車も問題ありません。ただし、売れる車種は国によって決まっています。なぜなら、発展途上国では車を乗り換える習慣がないためです。同じ車に長く乗り続けたいと思っている人が多いため、交換部品が流通していない車は売れにくくなります。流通している部品の種類は限られているため、国によって売れる車種は限定されます。
個人で発展途上国に輸出することは難しいため、このような車はブローカーに売った方が賢明です。
ビンテージカー転売について
価格が急騰して、購入価格よりも高く売れる車が稀にあります。
ビンテージカーは価格高騰する可能性有り
数十年前の日本の名車や海外のビンテージカーは、状態さえ良ければ新車価格を上回ることがあります。次のような車が特におすすめです。
・フェアレディZ S30系(日産)
・スカイラインGT-R(日産)
・トヨタ2000GT(TOYOTA)
・ポルシェ
・フェラーリ
価格が高騰した限定車
他にも次のような製造数が少ない限定車も価格が高騰しやすくなっています。
・トヨタ 86GRMN(限定100台)(TOYOTA)
・スバル WRX STI S207(限定400台)(SUBARU)
・アバルト 695トリブートフェラーリ
過去に海外で価格が高騰したビンテージカー
海外で価格が高騰したビンテージカーと言えば、以下の2車が有名です。
・ヴェルファイア(TOYOTA)
・アルフォード(TOYOTA)
ハイリスク・ハイリターン
しかし、ビンテージカーは仕入れ価格が高いためハイリスクです。
また、ビンテージカーはすぐ供給過剰になるため、値崩れしやすいのも気がかりです。したがって、すでにビンテージカーを持っている場合を除いて、ビンテージカーの転売はおすすめしません。
必ず売れる中古車はない
売れる車の情報が表に出ることはまずありません。なぜなら、そのような情報を持っている人は、自らその情報を使って市場を独占するからです。情報を外に漏らしたら、ライバルが増えて自分の利益が減ってしまいます。
情報が表に出てくる頃には、すでに市場が飽和してきています。したがって、市場に出回っている情報を鵜呑みにして高い車を仕入れないように注意しましょう。
中古車の転売を行う際のポイント4選
ここでは中古車の転売を行う際のポイントを4つご紹介していきたいと思います。ぜひ参考にしてみてください。
1.徹底的にリサーチしよう!
まずはどんな中古車が人気があって売れ筋商品は何か、どんな中古車がニーズが高いのかを徹底的に調べることです。
インターネットサイトや雑誌など様々な媒体から人気の車種の特徴や価格帯を見つけましょう。
もともと車好きな人はそのセンスを生かして、自分の得意な分野を持つのもいいかもしれません。
売るのが難しい中古車ばかりを仕入れてしまうと、後々在庫を抱えてしまうことにもつながるので、仕入れ前のリサーチは特に念入りに行うようにしましょう。
2.価格相場の調べ方を知ろう!
個人間での中古車販売における成功とは、以下の2点です。
・購入者にとっては中古車販売店よりも安い値段で車を買うこと
・販売者にとっては中古車販売店よりも高い値段で車を売ること
中古車販売の価格相場について調べる際は、この2点を意識してインターネットサイトなどで調べることで双方にとってメリットのある取引が成立します。
3.まずは国内の転売から始めよう!
中古車販売の初心者にとって、海外からの輸出入販売は関税や輸出入規制、語学といった様々なハードルがあるためその難易度は高くなります。
そこでまずは国内の中古車転売から始めてみることをオススメします。
基本的に国内転売の方が手続きが少なく、価格交渉なども日本語で可能なためリスクが少ないでしょう。
どうしても海外から人気の車を仕入れて販売したい場合は、まずは国内で実績を積み上げてビジネスを安定化させたのちに、事業拡大として海外展開していくという方法もあります。
4.名義変更手続きはできるだけ自分でしよう!
中古車販売の際の名義変更は、代行で依頼する場合1件につきおよそ2万円ほどの費用がかかります。
ビジネスを成功させるためのコツはいかにコストを削減し、利益を出すことができるかが重要です。自分でできる手続きや書類作成などは、なるべく自分で行いましょう。
ビジネスが少しずつ大きくなってきたら部分的に外注するなど、自分一人で手続きをする場合と代行を依頼して自分の時間を他の必要な業務に充てることと、どちらがコストがより少ないかを検討しましょう。
まずは必要書類や手続きを知識として自分自身で覚えるためにも、自分でその作業を行ってみることが大切です。
中古車転売は輸出転売がおすすめ
中古車転売は、極端に高い車を扱わないかぎり、そこまでリスクは高くありません。輸出転売なら駐車場も初期費用も必要ありません。車好きの人は、ぜひ一度中古車オークションを覗いてみてください。