せどりは、ただ闇雲に売りたい商品を出品しても、そう簡単に業績を伸ばし続けることはできません。成功しようと思えば、ポイントを押さえた対策が肝心です。
そこで今回は、せどりで収益を上げるコツや売るべきおすすめ商品、仕入れ先、便利なリサーチツールについて解説します。
せどりで儲かるコツ
まず、せどりで売上を確実にアップするためには、どのようなポイントに留意すべきかお伝えしましょう。
売れ筋をしっかりリサーチする
せどりで成功する人は、ニーズの高い商品を安く仕入れるのが上手です。同じ商品でも高額で仕入れてしまうと、売れても利益が少なくなります。しかし、安く仕入れれば利益率が高くなるためお得です。
そこで、せどりで儲けるためには、常にリサーチを欠かさないことが大切です。どのような商品がいくらで、どれくらいの数売れているのか、また、どこで安く仕入れることができるのか、を小まめにチェックしましょう。
出品先にこだわらない
せどりをする際、とくに初心者の場合は、出品先を一つに絞ることが多いでしょう。ECサイトによって出品方法が異なり、ルールも細かく規定されているため、最初から複数に対応するのは難しいからです。
しかし、決めた出品先で結果が出ない場合は、他のECサイトで売ることも視野に入れましょう。例えば、Amazonや楽天でうまくいかなければ、メルカリやラクマといったフリマサイトがおすすめです。出品する商品さえ手元にあれば、簡単な手続きでその日からでも出品できるからです。売れたら手数料が必要ですが、出品は無料のため、初期費用はほとんどかかりません。
損益分岐点をしっかりと把握する
いかなる商売も損益分岐点が存在します。商品がいくらで何個売れたら黒字になるか、という最低ラインです。厳密には、商品の仕入れと販売だけでなく、発送や梱包にかかる費用や備品代、ECサイトに支払う手数料なども正確に計算に入れる必要があります。
損益分岐点を下回るようなら、仕入れ値や売値などを見直さなければなりません。大幅に下回ってからでは遅いので、頻繁にチェックして早めに対処できるようにしておきましょう。
ターゲットを明確にする
せどりをする上で大切なことは、ターゲットを明確にすることです。性別、年齢、職業、趣味などを想定すると、どのような商材を売れば良いかが浮き彫りになってきます。
乳幼児を抱えた母親、メイクとファッションに興味のある10代の女性、新社会人、車やアウトドア好きの40~50代の男性、自宅介護している主婦など、ターゲットの属性を想定して、日々の生活を具体的に想像すると、何が必要かが見えてくるでしょう。
例えば、同じアイテムでも年齢層が異なれば求める商品の価格帯も違ってきます。10代の女性にもっとも売れるファッションアイテムの価格帯は、1点3,000円前後と言われます。この層をターゲットにしながら、8,000円以上のアイテムを多数揃えても、恐らくうまくいかないでしょう。それより高校生や大学生のお小遣いやアルバイト代などを念頭に、なぜ3,000円なのかを想像します。ファッションといってもトップスだけではありません。ボトムスにアウター、アクセサリーにバッグ、シューズ、そこにコスメ類も加わってトータルで考えますから、数点買えばすぐに10,000円を超えてしまいます。もちろん、ここまでくると消費税の額も見過ごせません。秋冬になればアイテム数が増えるので、高い商品は敬遠されがちです。
こう考えると、1点で3,000円を超えると、予算的にはかなり苦しくなるのが予想できるでしょう。懐事情をリアルに見抜いた上で、ターゲットに優しく寄り添う気持ちも必要です。ただ売れれば良い、という粗末な考えだとターゲットは離れていきます。ニーズの高いアイテムをセットで安くしたり、お金がかかる秋冬シーズン前にセールをしたりして喜ばれれば、リピーターが増えます。良い噂がSNSで広まれば新規顧客も期待できるでしょう。10,000円の商品を無理して5点売るより、3,000円の商品が100点売れる方が、商売としてはずっと発展性があります。
このようにターゲットを絞って、その生活をストーリーにして想像、追跡すれば、せどりをどう展開していくべきかが、自ずと分かってくるに違いありません。
儲かる商品を把握する
ターゲットを明確にすれば、出品すべき商品の候補はどんどん見つかるはずです。競合のサイトを参考にすると、カテゴリーだけでなく、具体的なメーカーと製品についても絞りやすくなるので、なお良いでしょう。これは、という商品が見つかれば、リスト化します。一通りリサーチできたら、いよいよ何をどれくらい、どんな方向性で売っていくのかを決めていきます。
出品する商品の見極め方
どのメーカーのどの商品を売るかを決める際には、後ほどご紹介するリサーチツールを活用します。
その上で、主に商品の回転率や利益率、仕入れルートが確保できるかどうか、という点を見極めます。そして予算に問題なければ、仕入れに動きましょう。
せどり初心者におすすめのカテゴリー
せどり初心者でも扱いやすいカテゴリーをご紹介しましょう。
コミック・ライトノベル
若年層の活字離れが指摘されていますが、ことコミックやライトノベルに関してはそうでもありません。むしろ、他の書籍が売れない分を補うごとく、多くの作品が読まれています。近年は、それらの中からドラマ化・映画化されるのがスタンダードとなっています。売れるとなると、あっという間に在庫がなくなる可能性もあり、おすすめです。
CD・DVD
CD・DVDは、初回限定盤や引退記念などメモリアルなものは、非常に売れやすい傾向があります。ただ、デジタル配信が主流になりつつあるため、CDは余程吟味しなければ、売れません。一方、DVDは特典のグッズなどが付いていれば、中古でもかなりの高額で売れると期待できます。CDもDVDも収納しやすいので、在庫管理が楽で扱いやすいでしょう。
家電・デジタル機器
家電やデジタル機器も、売れ筋をしっかりキャッチすればよく売れます。とくに家電は、シーズンごとに何が売れるかを予測しやすいため、失敗のリスクが少ない点が初心者におすすめです。ただし、故障や不具合に関するクレームもあるので、ある程度の商品知識が求められます。
ゲーム
ゲームはソフトだけでなく、それに紐づいてゲーム機器も売れるので、初心者でもまとまった売上を確保しやすいです。とくに昭和や平成初期のゲームは、その頃に楽しんだ経験のある大人が懐かしんで大量に買うケースがあるので、狙い目です。ただし、故障へのクレームが出ないように、商品管理や動作確認を徹底しましょう。
おすすめの仕入れ先
せどりは、商品を仕入れなければ始まりません。しかも安く仕入れて高く売るのが基本のため、良い仕入れ先を見つけることが大切です。そこでここからは、おすすめの仕入れ先をご紹介しましょう。
ネットショップ
副業でせどりを行う場合は、商品のリサーチや手配に時間をかけられないことが多いです。できれば、仕事の合間や家事や育児のスキマ時間を活用できると便利でしょう。そこで、スマホを最大限利用して、ネットショップで仕入れるのが有効です。
スマホならパソコンよりスピーディーに検索できる上、外出時や移動中でも操作できるため、仕入れがとてもはかどります。仕入れ先やクライアントとのやり取りはメールが多いので、その意味でもスマホはおすすめです。
ドラッグストア
ドラッグストアは、規制緩和により扱えるカテゴリーが非常に増えています。その分、大量の商品を効率よく販売しなければならないため、ワゴンセールがよく行われます。そのチャンスを逃さないようにしましょう。
近所や職場と自宅の間に複数のドラッグストアがあれば、品揃えや価格を比較するのもおすすめです。とくに経営する企業が異なると、安くなる商品が違うだけでなく、同じ商品でも値引き額が大きく異なることが珍しくありません。極端な場合は倍ほど違うケースもあるので、念入りにリサーチしてみてください。
ディスカウントストアやホームセンター
ディスカウントストアやホームセンターも品揃えではドラッグストアに負けません。ドラッグストアにない家電製品やインテリア、ファッションアイテムもあるので、仕入れの幅が広がるでしょう。
特にドン・キホーテでは、「1,000円」など、切りのいい数字で売られているものは、かなり安くなっている可能性が高いです。「店舗限定」や「値下げしました」という表示も要チェックです。さらに、最も値下げ幅が大きいと考えられるのが、「驚安」とか「最驚安」の商品です。コスメやシャンプー、洗剤といった日用品がその対象となっていることが多いので、ドラッグストアと比較して、安ければ仕入れるチャンスです。もう少し安ければ、と思う商品があれば、思い切って値切り交渉してみましょう。店によっては店長の一存で表示価格より安くしてくれる場合もあるので、試してみる価値はあります。
せどりでおすすめのリサーチツール
最後に、せどりでおすすめのリサーチツールをご紹介します。
せどりでは、自分が好きな商品を出品したいと思う方も多いでしょう。しかし、売りたいものを売るのと、それがビジネスとして成り立つかどうかは別です。いくら自分が好きでも、ユーザーが買ってくれるとは限りません。そこで役立つのが、リサーチツールです。
リサーチツールを使えば、売れ筋商品や利益率が分かるだけでなく、仕入れたい商品が希望価格まで値下がりした際に通知したりや、競合の動きを捉えて24時間自動で価格調整したりするものもあります。自分に合ったリサーチチールを見つけて、積極的に活用しましょう。
今回は、Amazonのせどりで役立つ
・Keepa
・デルタトレーサー
・プライスター
以上3つのリサーチツールをご紹介します。
Keepa
Keepaは、もっとも信頼のおけるAmazon商品のリサーチツールの一つです。その商品が過去にどのような価格変動を経てきたかが、商品ページの下にわかりやすくグラフ表示されます。カーソルを日付に合わせると、新品価格、中古価格、最高・最低値、平均価格が瞬時に確認可能です。価格変動の履歴も、1日前から、1週間、1ヶ月、3ヶ月、全期間(商品によって異なる)の5パターンで追跡できます。希望の金額まで価格が下がった時に通知してくれる機能があり、何人のセラーがその商品を追跡しているかも分かるので、仕入れるかどうかを判断する目安に使えます。
参考:Keepa
デルタトレーサー
デルタトレーサーでは、商品ごとの新品、中古のそれぞれの最安値、出品者数が一覧で確認できます。Amazon商品内のランキングや価格推移の様子もグラフで確認できるので、人気が出始めているのか、逆に低迷しかかっているのかが、一目瞭然です。
せどりをする際に欠かせない指標の損益分岐点も計算できるので、出品価格を想定した上で、仕入額をいくらに抑えれば利益が出るのか確認できます。その金額を目安に商品を探せばよいので、仕入れ作業がとても楽になるでしょう。
参考:DELTA tracer
プライスター
プライスターは、商品ごとの過去1年間の価格推移やランキングの動向をチェックすることができます。直近のデータだけで売れるかどうかを判断するのはとても危険です。ある時期だけたまたまよく売れたというケースがあるからです。その点、1年というスパンで追跡すれば、シーズンごとの売れ行きがトータルで分かるため、仕入れ時にとても信頼できるデータとなるでしょう。
せどりでは、出品の際の値決めも成否を左右する大きなポイントです。自分は最適と思っていても、知らない間に競合が軒並み価格を下げているというケースもありえます。プライスターには、24時間365日、自動で価格調整する機能があります。これを使うと、全セラーの中で常に最安値に合わせるといったことが可能です。
プライスターでは、Amazon自体が出品している商品以外のアイテムだけをリスト化することもできます。Amazonが売っている商品へのユーザーからの信頼度は、圧倒的に高いです。とくに個人のセラーでは、同じ商品を同サイト内で売ってもまったく太刀打ちできないでしょう。それより、Amazonがノーマークの商品を狙う方が勝機があるので、それらをリスト化できると大変便利です。
また、自分がAmazonセラーの中で売上ランクが何位かを調べることもできます。せどりを続けていると、中だるみしたり、疲れてやめたくなったりすることがあります。そのような時に「あといくら売れば、○○位!」などと自分を鼓舞できるため、おすすめです。
参考:pricetar
まとめ
せどりで儲かりやすい商品や収益を上げるためのポイントについて詳しくお伝えしました。 せどりは、買いたいと思っているユーザーに、いかにタイミングよく買いたい価格で提供できるかが勝負です。そのためには、ターゲットを絞ってニーズに合った商品を揃えることが大切です。
アイテムによっては、時期が異なると売れる値段が変動することがあるので、リサーチツールを使って価格調整したり、回転率の良い商品を仕入れたり、といった対策が不可欠です。また、せどりは、スモールスタートがおすすめです。最初から手を広げ過ぎると、在庫過多になり資金繰りに行き詰まる恐れがあるため、売れ行きを見ながら少しずつステップアップしていきましょう。