せどりをする場合でも開業届は出した方がよい?開業届のメリットや提出方法を徹底解説!

せどりで安定した利益を出せるようになってくると、開業届を出そうと考える方も多いのではないでしょうか。

開業届は出さなくても、特に罰則はありません。しかし、提出することで様々なメリットを得られるため、稼ぎが増えてきたのなら検討する余地があります。

そこで今回は、開業届のメリットや提出方法、注意点などについてご紹介いたします。開業届について詳しく知りたい方は、ぜひ目を通してください。

目次

開業届とは?

せどりを始めたばかりだと、そもそも開業届が何なのか分からないという方も多いでしょう。事実、開業届を出さなくてもせどりに支障はないので、開業届を出さないまま副業を続ける人も少なくありません。

とはいえ、こちらにメリットのある制度を知らないのは非常にもったいないです。うまく利用すれば、今よりも利益を伸ばせる可能性があります。

そこで、この項目では開業届について簡単に解説します。概要を知っておきたい方は、一通り目を通してください。

開業届を出すと税制面で有利

開業届のメリットを一言で言うなら、税制面で有利になることです。開業届を提出して条件を満たすと、青色申告を受けられるようになり、支払う税金を減らせます

もちろんメリットはそれだけではありませんが、最も分かりやすく大きなメリットは、間違いなく税制面の優遇と言えるでしょう。

せどりをはじめとした副業にとって、税金は常に頭を悩ませる問題です。その税金が減るのであれば、開業届を出さない手はありません。少しでもせどりの利益を増やしたいなら、開業届の提出は理に適っています。

開業届を出さなくても税金は支払う

「開業届を出さなければ税金を払わなくてもバレないのでは?」と考えた方もいるでしょう。しかし、税務署はこちらの収入および支出をしっかりチェックしているため、確定申告でしっかり税金を納めなければいけません。

何年も税金を納めていないと、ある日突然税務署職員が訪問してきて、今まで未納だった分の税金を納めなければいけなくなってしまいます。そうならないためにも、必ず確定申告はおこないましょう。

サラリーマンのように給与所得でない場合、年間の所得が20万円を超えると、確定申告をして税金を納めるのが義務です。所得とは、収入から経費を引いたものであり、収入がちょうど20万円の場合は、確定申告をする必要はありません。

せどりの場合、収入とは売上、経費とは主に仕入れ代金や送料などを指します。なお、会社で働いておらず給与所得がない場合は、年間所得が48万円までなら確定申告をせずに済みます。

開業届のメリット

開業届のメリットは税制面での優遇だということは先述した通りです。しかし、開業届のメリットはそれだけではありません。

せどりに役立つメリットも多いので、開業届を提出することによって、さらに売上を伸ばしたり、経費を抑えたりできます。

この項目では、開業届のメリットについてご紹介いたします。せどりをしていて開業届を提出しようか迷っている方は、今後の方針を決めるためにもぜひ参考にしてください。

青色申告が可能になる

青色申告とは簡単に言うと、所得金額を正しく計算して申告することで、税制面での優遇を受けられるというものです。

同じ申告制度である白色申告に比べ、必要書類の多さや、複式簿記による正確な収支の記帳が求められます。代わりに、最大で65万円分の控除を受けられるため、その分納める税金を減らせるのは、大きなメリットです。

また、家族に支払う給与を経費にしたり、損失を繰り越せたりと、様々な方法で税負担を軽減できます。申告は大変ですが、それに見合ったリターンのある申告制度と言えるでしょう。

自分だけの屋号が持てる

屋号とは、自分がおこなう事業の名前です。開業届を提出すると、自分だけの屋号を持てます。

屋号を持つことで、事業の信用度を上げたり、屋号名義で銀行口座を開設できたりといったメリットを得られます。

せどりは商品だけでなく出品者のブランドや信用も大きく影響するので、屋号を持つのと持たないのとでは、売上が段違いです。

法人としてクレジットカードを作成できる

開業届を提出すれば、個人ではなく法人としてクレジットカードを作成することが可能です。法人用のクレジットカードがあれば、事業の信用度を高められるので、様々な取引がしやすいです。

元々せどりは、資金の出入りが激しいため、私物のクレジットカードと分けないと正確な支出は管理できません。そういった意味でも、法人用のクレジットカードを持てるのは大きなメリットでしょう。

小規模企業共済に加入できる

小規模企業共済とは、個人事業主や小規模な企業が退職金を積み立てるための制度です。

納めた掛け金は全額所得から控除されるため、節税効果が見込めます。また、低金利でお金を借りられたり、廃業する際に共済金を受け取れたりするなど、メリットが盛りだくさんです。

掛け金の設定も融通が利くため、自分の可能な範囲で無理なく継続できます。老後資金や、従業員の退職金を用意するためには非常に役立ちます。

開業届の提出タイミングは?

開業届を提出しようと思い立ったときに、いつ提出したらいいのか分からないという人も少なくありません。提出タイミングが分からないせいで、開業届に二の足を踏んでいる方もいるでしょう。

そこで、この項目では開業届を提出するのはどのタイミングが適切なのか、具体的な日数をお教えいたします。提出が遅れたことによるペナルティの有無についても解説しますので、併せてチェックしてください。

提出のタイミングは開業してから1ヵ月以内

結論から言うと、開業届を提出するタイミングは、開業日から1ヵ月以内です。

ただし、1ヵ月以上前の日付の開業届であっても、受理されるケースは多々あります。もちろんペナルティなどはないので、1ヵ月以上前に開業したとしても、全く問題ありません。

また、ここで言う開業日とは、必ずしも事業を始めた日である必要はありません。ある程度個人が自由に設定できます。

たとえば、せどりを3年前から継続していたとしても、開業日は10日前として提出可能です。開業から1ヵ月以内という期限にそこまで大きな意味はないため、いつ始めたとしても気にせず開業届を提出しましょう。

提出遅れや未提出によるペナルティはなし

開業届に関する法律には、罰則に関する記述がありません。つまり、開業届の提出が遅れてしまったり、そもそも開業届を提出しなかったりした場合でも、一切ペナルティは受けないのです。

ただし、屋号の取得や法人用のクレジットカードなど、開業届を提出しないことによるデメリットは、甘んじて受けなければいけません。基本的に開業届はメリットの多い制度なので、遅れたとしても必ず提出すべきでしょう。

開業届を提出する際の注意点

ここまでは、開業届を提出することに対するメリットについてご紹介してきました。しかし、何事もメリットばかりとはいきません。

開業届を提出することによって、考慮すべき点やおこなうべき作業が増えてしまうことも事実です。事前に把握していないと、後になって損をしてしまう可能性もあります。

この項目では、開業届を提出する際の注意点についてご紹介いたします。いずれも重要な項目なので、必ずすべて覚えておきましょう。

個人事業税がかかる

開業届を提出すると、個人事業税と呼ばれる税金を納めなければいけません。

この個人事業税は、職業によって納めるべき税率が異なってきます。基本的には5%の場合が多いですが、中には4%や3%のものも存在します。

せどりの場合は、年間所得に対して5%の納税が必要です。ただし、年間所得が290万円以下の場合は、個人事業税がかかりません。

せどりははまると大きな利益を出せるため、個人事業税がかかるケースも珍しくありません。現在の所得を正確に把握して、過不足なく納税しましょう。

配偶者の扶養から外れる可能性がある

配偶者の扶養に入っている人が開業届を提出した場合、不要から外れてしまうケースがあります。扶養対象となるかは様々な要因が関係してくるので、必ず扶養から外れるとは限りません。

万が一扶養から外れた場合、国民健康保険料と国民年金保険料を自分で納めることになってしまいます。扶養に入っている人が開業届を提出する際は、慎重に検討すべきでしょう。

失業給付が受けられない

開業届を提出すると、失業給付が受けられなくなる可能性があります。開業した時点で、失業していないと判断されてしまうからです。

開業届を提出してしまうと、売上の有無にかかわらず失業給付はストップされます。今現在失業給付をもらっている方やもらえる予定のある方は、開業届の提出を遅らせましょう。

もしくは、個人事業主が受給可能な再就職手当の条件に当てはまっていないか、確認してください。

青色申告の作業量は膨大

開業届の最も大きなメリットは、青色申告による税制面での優遇です。しかし、青色申告をおこなうのは容易ではない点には注意が必要です。

収支は複式簿記を用いて、もれなく記帳が必要です。提出書類も多くなるので、管理の手間もかかってしまいます。

個人ですべておこなうのは難易度が高いので、会計ソフトを活用するのが一般的です。それでも大変な手間がかかるので、ある程度覚悟のうえで開業届を提出しましょう。

開業届の提出方法

開業届は、最寄りの税務署に提出します。事前準備が必要なものもあるので、あらかじめ用意しておくことが大切です。

開業届の提出には、特別面倒な手順や、複雑な仕組みはありません。ただし、記入する項目が多いので、慣れないうちは時間がかかることが多いです。

この項目では、開業届の提出方法についてご紹介します。スムーズに提出を終わらせるためにも、ぜひ確認に役立ててください。

事前に用意するもの

開業届を提出する際は、事前に以下のものを用意してください。

  • 開業届
  • 本人確認書類
  • 印鑑
  • マイナンバーカードまたはマイナンバー通知カード

開業届に関しては、税務署で貰えるのでその場で記入できます。事前に記入を済ませたい場合は、国税庁の公式ページからダウンロードも可能です。

マイナンバーが分からない場合は、市役所で住民票を発行してもらうことで、自分のマイナンバーを確認できます。

開業届の書き方

基本的には、記載されている項目に従って記入していきます。氏名や生年月日、マイナンバーなどを漏れなく記載してください。

所在地に関しては、どこで事業をおこなうかで変わってきます。自宅でおこなうなら「住所地」、自宅とは別の事務所でおこなうなら「事業所等」、居住地が海外の場合は「居所地」にチェックを入れてください。

屋号については、開業届の提出時点で決まっていなくても問題ありません。ひとまず空欄でも大丈夫です。 事業の概要については、せどりの場合、商品の仕入れや販売、といった内容で記載してください。

細かい書式などは、以下のリンクを参考にしてください。

参考:個人事業の開業・廃業等届出書(PDF)

開業届が受理されるまでの期間

直接税務署に足を運んで提出した場合は、即座に受理されて控えを受け取ることが可能です。一方、郵送で開業届を送った場合、返送まで1週間程度かかる場合があります。

この控えは、法人名義の銀行口座やクレジットカードを作成する際に必要になるので、必ず手元に持っておきましょう。

万が一無くしても再発行できますが、最大で1ヵ月程度時間がかかるため、紛失には注意してください。開業届が受理されていなくても、事業に制約はないため、提出したら気にせず事業に専念して問題ありません。

まとめ

せどりを続けるのに、必ずしも開業届は必要ではありません。しかし、開業届を提出していれば、青色申告をはじめとした様々なメリットがあるため、提出には積極的になるべきでしょう。

開業届は、原則として開業から1ヵ月以内に提出が必要です。しかし、罰則などは特にないので、遅くなったとしても必ず提出すべきと言えます。

ただし、扶養を外れたり失業給付が受けられなくなったりと、開業届を提出した場合のデメリットもあります。自分の現状や、メリットとデメリットをよく検討したうえで、開業届を提出しましょう。

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この記事を監修した人

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