せどりが軌道に乗って忙しくなってきたり、副業から本業に切り替えたりする際には、外注化がおすすめです。
自分でなければできない作業以外は外注化すると、負担が大きく減るうえ、作業効率が高まって売上アップも期待できます。
そこで今回は、せどりを外注化するメリットやデメリット、外注化を決めるタイミング、また外注化の流れや外注先の探し方についても解説します。
一人でせどりを行うことに限界を感じている方や、これから本格的に事業化していきたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
せどり外注化のメリット
まずは、せどり外注化のメリットについて解説いたします。具体的には、以下の3点になります。
- 負担が軽減する
- コア業務に集中できる
- 売上が増加する
負担が軽減する
せどりを外注化できれば、作業負担が大幅に減少します。どこまでの作業を依頼するかにもよりますが、責任をもってきっちりとしてもらえる相手が見つかれば、肉体的な負担だけでなく、精神的にも非常に楽になります。
全ての作業を一人で行なっている場合は、仕入れから梱包、発送、カスタマー対応に至るまで、すべて自分でこなさなければなりません。注文も24時間・365日いつ入ってくるかわかりません。
もちろん受注時間を区切ったり、受注制限したりすることもできますが、対応が遅いとユーザーからの評価が下がり、他のショップに流れてしまう可能性が高まるでしょう。そうした事態を回避するには、迅速な発送も必須となります。
すると、常に注文の有無が気になって気持ちが安まらず、精神的に疲れてしまうのです。しかし、せどりを外注化できれば、その心配も大きく軽減されるでしょう。
コア業務に集中できる
せどりを外注化すると、作業時間が浮くので、自分にしかできない商品リサーチや仕入れといった重要度の高いコア業務に集中することができます。
また、確定申告や決算業務にも注力しやすくなるでしょう。
売上が増加する
せどりを外注化すると、以下のような好循環が生まれます。
- 作業効率が高まる
- 売れる商品を大量に仕入れることができる
- 売り上げがアップする
- 売れる商品をさらに効率よく大量に仕入れることができる
- さらに売上が増加する
もちろん外注コストはかかります。しかし、商品の取扱高が上がれば、全体の売上も、利益も底上げされるので、自身の収入アップも大いに期待できるでしょう。
せどり外注化のデメリット
続いて、せどり外注化のデメリットについて見ていきましょう。具体的には、以下の2点です。
- コストがかかる
- 外注化までの手間が大変
コストがかかる
せどりを外注化しようと思えば、当然コストがかかります。後述しますが、特にせどり代行を専門としている会社の場合は、料金プランが決まっているうえ、割高に感じる可能性があります。
すでにそれなりの利益を確保している状態なら、資金に余裕もあるでしょうからあまり問題はないかもしれません。しかし、まだビジネスとして軌道に乗っているとは言い難い段階では、外注費用が負担となる恐れが十分にあるでしょう。
外注化までの手間が大変
せどりの外注化は、実際に行うとなると思いの外、手間がかかります。
例えば、せどりで洋服を売るとします。すると、以下のような内容を1から教える必要があります。
- ショップのコンセプトに合った商品を理解してもらう
- 仕入れる商品のクオリティや価格についてルール化する
- 発送に際しての畳み方や梱包の仕方をマスターしてもらう
- 問題があれば報告してもらう
しかも、一度教えたからといってすぐに完璧にこなせるとは限りません。多くの場合、外注相手とはリモートでのやり取りとなるため、直接作業現場に出向いて指導することはほぼないでしょう。
すると、こちらが期待しているようにことが運ばず、かえって業務が滞ったり、ユーザーに迷惑をかけたりする恐れがあります。
特に最初の段階で、せどりの外注をシステム化していくのは想像以上の手間と時間がかかる可能性があると認識しておく必要があります。
外注化すべき作業や時期の目安
外注化のプロセスで悩みとなるのが、「何を」「いつから」外注するのかという点です。外注化をするとなると、以下のような点が気になる方も多いのではないでしょうか。
- 自分が思うように代行業務を行ってくれるのか
- コストがかかりすぎないか
- 実際に発送された商品が見られなくて不安
そこで、この項目では外注化すべき作業内容と時期の目安について解説していきます。
「梱包・発送」は積極的に外注する
せどりのおおまかなプロセスは、以下のような流れになります。
- 売る商品のリサーチ
- 仕入れ
- 出品
- 梱包・発送
- カスタマー対応
この中で、もっとも外注に適しているのは、「梱包・発送」です。こちらが手配した商品を指定の段ボールなどに詰めて封をし、決まった方法で発送するだけで、作業をマニュアル化しやすいからです。
状況に応じて臨機応変な判断が必要となる要素が多いほど、マニュアル化は難しくなります。作業する人によって何が正しいかに差があり、トラブルが生じた時には責任の所在を巡ってゴタゴタするリスクも高いでしょう。
その点で、梱包と発送は外注しても問題になりにくいのでおすすめです。
「リサーチ」と「仕入れ」の外注化は慎重に
「リサーチ」と「仕入れ」の外注化は、慎重に考えるべきでしょう。というのも、せどりが成功するかどうかの鍵を大きく握るのが、商品選びと仕入れだからです。
簡単に言うと、せどりでは「売れる商品を1円でも安く仕入れる」のが鉄則です。そうした商品を多く販売できれば、利益率が高まります。しかし、安いからといって粗悪品を仕入れても誰も買ってくれず、在庫になれば損をするだけです。
また、良品でも高すぎると利益が出ないケースもあるでしょう。そのあたりの目利きができるかどうかは、外注先や担当者によってかなりばらつきが出る恐れがあります。
こちらの意図しない仕入れをされて、売れ残ればどうしても外注先との関係が難しくなってきます。それでも作業分のコストは支払わなければならないため、自分ですべて行って方がましだったと後悔する結果になりかねません。
したがって、どうしても手が回らない場合を除いて、リサーチと仕入れは自分で行うのが無難です。外注化するにしても、よほど実績のある代行会社か、気心が知れていてこちらの意図を正確に汲み取ってくれる相手でなければかえって危険でしょう。
外注化する時期の目安
外注化する時期やタイミングは、人によって異なります。必ずしも「半年後」や「1年後」というように明言はできません。強いて言うなら、数ヶ月にわたって利益が確保できるようになり、軌道に乗った頃に検討し始めるくらいがよいでしょう。
すぐに外注化するということではありません。あくまでも「検討する」ということです。というのも、外注化は、その内容や委託先にもよりますが、月に1万円以下では収まらず数万円単位のコストがかかってくることも考えられます。
そもそもせどりは、薄利多売なビジネスのため、月数万円の外注コストを支払うとかなりの利益圧迫になる可能性があるでしょう。
せどりはライバルが多いので、常に価格競争にさらされる恐れがあるうえ、季節によっても売れ行きや売れる価格が変動します。春から夏にかけてよく売れたとしても、秋から冬には売り上げが激減することも珍しくありません。
そのため、数ヶ月間利益がで続けたからといって外注化を急ぐと、その後に流れが代わり、外注コストが重くのしかかって負担になることもあるのです。
その辺りのことをよく考慮して、忙しくなっても、まずは家族や気心の知れた友人などに梱包や発送などを手伝ってもらいながら様子を見るという考え方を大切にしてください。
そして、シーズンが変わっても継続的に利益が確保でき、家族や知人だけではどうしても手が回らなくなってきたら外注先を探すようにしましょう。
外注先の見つけ方
この項目では、外注先の見つけ方について解説いたします。具体的には以下の3通りです。
- 代行会社に依頼する
- クラウドソーシングを利用する
- 知人に依頼する
代行会社に依頼する
代行会社は、せどりのノウハウや押さえるべきポイントをよく心得ているので、安心して依頼することができるでしょう。
ただしその分コストがかかるうえ、相性もあるため、料金プランや実績を事前によく調べてから外注するようにしてください。
クラウドソーシングを利用する
クラウドソーシングを利用するのもおすすめです。クラウドソーシングは、仕事を発注したい側と受注したい個人をマッチングするクラウドサービスです。
スマホがあれば簡単にアカウント登録でき、自分のページから条件などを記載して募集をかけると、希望者が応募してくるという流れになります。
条件が折り合えば、システム上で契約し、その日からでも仕事を依頼できます。
システム使用料がかかりますが、スマホさえあればいつでもどこからでも募集や依頼ができるので、非常に便利です。
知人に依頼する
せどり経験のある知人がいれば、手伝ってもらうのもおすすめです。梱包や発送といったマニュアル化しやすい作業なら未経験でも問題ないでしょう。
ただし気心が知れているからといって、馴れ合いで行うのは要注意です。しっかりと条件を決めて契約するなど、ビジネスとして委託するようにしてください。
せどり外注化の流れ
この項目では、せどりを外注化する流れを解説いたします。具体的には、以下の通りです。
- 作業マニュアルを作成する
- 単価などの条件を決める
- 外注相手を採用する
- 契約をする
- 試験期間を設けてスタートする
作業マニュアルを作成する
まず、「何を」「どのように」「どんなペースや時間帯に」行ってもらうかといった作業マニュアルを作成します。オンラインで説明する場合でも、書面にしておくと何度でも見返すことができます。
誰が読んでも理解できる平易な表現で記載するというのも大事なポイントです。言葉で伝わりにくい点は、動画で解説するのもよいでしょう。
また、絶対に避けて欲しいこと、禁止行為についても明確に伝えるようにしてください。例えば梱包作業中に商品を傷つけた場合は、そのまま送るとユーザーに損失を与えるだけでなく、クレームの対象になりかねません。
発送をストップし、すみやかにこちらに連絡のうえ指示を仰ぐという点などは、徹底する必要があるでしょう。
単価などの条件を決める
作業内容について、いくらで発注するかという条件を決めます。
1点の梱包につき単価を設けたり、時間給で支給したりするのが一般的です。電脳せどりはネットでの仕入れになりますが、実店舗せどりで仕入れまで依頼する場合は、交通費についても考慮する必要があります。同時に支払いのタイミングも決めておきます。
また、外注は実際に始めてみないと見えてこない点もあるため、どのような場合に契約を解消するかなどのルールも具体的に決めておく方がよいでしょう。
もちろん相手の都合もあるので、すべてが想定通りになるとは限らない点は留意しておいてください。
外注相手を採用する
続いて、外注相手を決めます。せどりの外注化は、繁忙期にスポットで依頼するケースもありますが、長い付き合いになる可能性が高いので、できるだけ直接会うか、オンラインで顔を見ながらの面接をおすすめします。
こちらが言うことを正しく理解しているか、受け答えの様子は感じが良いか、社会人として責任感があるかといった点は、直接顔を見ながらでなければ分かりません。
特に初対面の場合はなおさらです。こちらの目を見なかったり、態度が横柄だったりする場合は、採用を見送る方がよいでしょう。
契約をする
採用が決まれば、必ず契約書を交わすようにします。最低でも以下の内容は記載して契約するようにしてください。
- 契約期間・試験期間について
- 報酬の金額や支払い方法・タイミング
- 作業内容
- 禁止事項
- 契約解消の条件について
- 業務報告について
- 損害賠償について
- トラブル発生時の裁判所の管轄について
心配な場合は、弁護士などの専門家に相談したり、業務委託契約書のテンプレートをネットで見つけて参考にしたりするのもおすすめです。
試験期間を設けてスタートする
契約が済んだら、いよいよ外注開始です。せどりの外注が思うように進むかは、実際に始めてみなければわかりません。
そのため、必ず試験期間を設定し、仕事ぶりをチェックして契約を継続するかどうか検討するようにしてください。
まとめ
せどりを本格的に行うなら、外注化がおすすめです。外注化すると、作業負担が大幅に減り、リサーチや仕入れといったコア業務に集中できるうえ、売り上げアップも期待できるでしょう。
ただし、外注先によって仕事レベルやコストはまちまちのため、何をどれくらいの予算で委託するかを、あらかじめ明確にしておく必要があります。また、実際に外注する場合は、必ず契約書を交わすようにしてください。