せどりは副業で行う人も多いですが、最近になりその人口が増加傾向にあるため、成功するのが難しいという声も聞かれます。せどりで儲けることは本当に難しいのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回の記事ではせどり人口が多い理由や、メリットやデメリット、せどりで勝ち抜くコツなど、せどりに纏わる様々な情報についてまとめました。
せどり人口が多い理由
まず、せどり人口が多い理由について解説いたします。具体的には、以下の5点が挙げられます。
- 参入障壁が低い
- 副業ブーム
- 在宅ワークの台頭
- 手段の多様化
- リスクが低い
参入障壁が低い
せどり人口が多い理由として、立場や年齢に関係なく、その気になれば誰でも始められる点が挙げられます。
せどりは、実店舗で仕入れてネット販売する「店舗せどり」と、仕入れも販売もネットで行う「電脳せどり」に大別できます。
いずれにしてもパソコンとスマホがメインツールになるため、これらを保有している方なら自宅でも気軽に始めることが可能です。
商品によっては許可や資格が必要ですが、そのようなケースはむしろ稀です。中古品を扱う場合は古物商許可が必要なくらいで、他に特別な条件はないため、参入障壁が低いのが特徴です。
副業ブーム
2010年代半ばから後半にかけ、働き方改革の必要性が強く訴えられるようになりました。その流れに乗って働き方の多様化が注目され、副業を解禁する大企業が次々に現れたことも、せどり人口の増加を後押ししたと考えられます。
販売経験のない人たちが、初期費用や運転資金がさほど必要ではなく、スキルがなくても始めやすいせどりに注目したのが、せどり参入者の増加要因となっています。
在宅ワークの台頭
副業ブームが到来したあとにコロナ禍となって在宅ワークが急激に普及したことも、せどり人気を高めました。
経済的にも社会的にも、健康面でも未曾有の危機が押し寄せ、身の安全を確保しながら収入を得られる方法を必死で模索する動きが広がります。そこで、在宅でもできるせどりを始める人たちが増加したのです。
「巣ごもり需要」という言葉が生まれ、外出せずとも楽しめるグッズやトレーニング・ダイエット商品、抗菌グッズ、嗜好品や食品、飲料などが爆発的な売れ行きを見せました。この動きに商機を見出したせどらーが大勢誕生したのです。
手段の多様化
2010年代に入り、スマホの台頭によって国民全体のデジタル化が一気に進みました。これによりネット通販の売上が急増します。
それだけでなく、企業から個人のBtoCに加え、個人同士のCtoCの取引とそれを後押しするサービスも続々と誕生しました。
その典型が、メルカリを始めとするフリマアプリです。スマホがあれば簡単に不要品が売れるとあってその取引数は、わずか数年のうちにメルカリだけでも億単位にまで拡大します。
その手軽さから、Amazonや楽天といったECモールには抵抗があっても、フリマアプリならやってみようと挑戦する人たちが大幅に増加したのです。この流れで、フリマアプリをせどりツールに活用する動きが活発になりました。
リスクが低い
せどりは、リスクが低い点も人気の理由です。最初は売れる分だけ仕入れて出品すれば、多額の初期費用や運転資金を準備する必要はありません。
賞味期限のあるものを除くと、しばらく売れなくても自宅で無料保管しておくことができます。万が一売れない場合は、リサイクルショップに持ち込むといくらかの現金に換えることも可能です。
つまり、いつでも始められていつでもやめることができ、人に迷惑もかけないというのが、他の仕事にはないぜどりの良さであり、気楽さでもあるのです。
せどりのメリット
この項目では、せどりのメリットについてさらに掘り下げていきます。メリットとして挙げられるのは、以下の3点です。
- ビジネスモデルがシンプル
- 副収入が増える
- スキマ時間が有効活用できる
ビジネスモデルがシンプル
せどりは、ビジネスモデルがとてもシンプルなため、誰でもとっつきやすいのがメリットです。
家電量販店やリサイクルショップといった実店舗やネットショップから商品を仕入れ、利益を上乗せしてネットで売るという、大変分かりやすい仕組みとなっています。
多くは個人事業主として活動し、売上規模が大きくなれば法人化して会社組織とし、従業員を雇う例もあります。とはいえ、扱うのは目に見え、手に取り、人が日常生活で使ったり、コレクションしたりする現物です。
株や債券、暗号資産などのように複雑なメカニズムで取引されるものではありません。現物の商品を売り、売上金を手にし、商品を仕入れてはまた売るといった非常に簡単なシステムです。
副業でも所得が20万円を超える確定申告が必要になりますが、その計算も商品の売却額からコストを差し引くというシンプルなものです。そのため、あまり大変な思いをせずに済むでしょう。
副収入が増える
多くの場合、せどりは副業からスタートすることになるでしょう。そのため、せどりを行うことによって副収入が得られます。
この場合の副収入というのは、所得と言い換えることもできますが、商品の販売価格のトータルから、仕入れ値や送料、梱包資材費などすべての費用を差し引いた金額を指します。
どれだけ売上額が増加しても、せどりに必要なコストが高ければ、手元に残るお金は少なくなってしまいます。そのため、常に売上だけでなく、仕入れ値を安くするなどして経費を1円でも抑えることが大切になります。
こうして利益が出れば、その分は副収入になるので新たなやり甲斐を持つことができるでしょう。
スキマ時間が有効活用できる
せどりは、一日中パソコンに張り付かなければ成り立たないという仕事ではありません。ある程度パターン化できれば、家事や育児、仕事の休みといったスキマ時間を活用して続けることが可能です。
特に副業の場合、多くは自宅で行うことになるので、通勤時間も必要なければ、わざわざ仕事着に着替えたり、メイクをしたりする手間もいりません。
夜中でも早朝でも、入浴後でも、都合の良いタイミングで好きな時間だけ仕事をして切り上げることができる点は、大きなメリットでしょう。
せどりのデメリット
続いて、せどりのデメリットについて見ていきましょう。デメリットとして挙げられるのは、以下の3点です。
- ライバルが多い
- 在庫リスクがある
- プライベートとのオンオフが難しくなる
ライバルが多い
せどりは参入障壁が低い分、ライバルが非常に多いのが特徴です。特に仕入れやすい商品に関しては、多くのせどらーや業者がさまざまなスタイルで販売しているため、その中で頭角を表すのは容易ではないでしょう。
試しに自分が売って見たい商品を検索してみてください。よほど珍しいものでない限り、数多くのECモールやネットショップが数多く表示されるのではないでしょうか。
その中から自身のショップや商品ページを見つけ、しかも購入してもらおうと思えば、さまざまな戦略を立てる必要があります。
在庫リスクがある
せどりは、多くが素人からスタートします。自分の判断で商品や仕入数を決めるため、それが妥当かどうかは結果を見るまで分かりません。
売れると思った商品が全く売れなかったり、売れたからといって大量に仕入れると途端に売れなくなることもあり得ます。
すると売れない分は在庫となります。その数が多くなると、利益は出ないばかりか、やむを得ずセール販売して二束三文の売上にしかならないリスクも考えられます。
在庫の仕入れ数の加減を心得て適切な判断ができるようになるには、それ相応の時間と努力を要します。
プライベートとのオンオフが難しくなる
メリットの項目でスキマ時間が使えると述べました。しかし、別の角度から考えるとプライベートとのオンオフの切り替えが難しくなるとも言えるでしょう。
せどりは、24時間・365日、いつ注文が入るかわかりません。欠品になると機会損失につながるので、適宜タイミングよく仕入れる必要もあるります。
また、自宅内で商品を管理するとなると、プライベート空間が狭くなったり、家族からクレームが出たりする可能性もあります。ペットを飼っている場合は、商品が傷ついたり、臭いがついたりしないための対策もしなければなりません。
こうした様々なことを処理し、バランスをとりながら継続していくのは、思いのほかストレスになります。最初のうちは緊張感があるので頑張れるかもしれません。しかし、段々苦しくなって続けるのが辛くなるケースも考えられます。
せどりは時代遅れ?
昨今ではせどり人口が多すぎて飽和状態にあるという世論があります。では果たして、せどりは時代遅れなのかというと、決してそうではありません。
この項目では、せどりの現状について、より踏み込んで解説していきたいと思います。
成否の差が大きい
せどりは、稼いでいる人たちと、なかなか稼げずに苦戦する人たちとの差が大きいです。しかも、上手く行かずにやめてしまう人の数の方が圧倒的に多いため、あたかもせどりそのものが時代遅れであるかのように言われることが少なくありません。
しかし、現に稼いでいる人の中には、月100万円を優に超えるケースがあります。年に換算すれば1,200万円以上となり、全業種の平均年収の3倍近くにも迫るレベルです。
ただこのような格差は、せどりに限ったことではありません。国税庁の調査では、10年生き残る企業の割合は全体のわずか6.3%、20年生き残る企業はたった0.4%にすぎません。
そう考えると、せどりだけが成功しにくいビジネスとは言い切れないでしょう。
悪質な転売と勘違いされるリスク
せどりが時代遅れと揶揄される要因のひとつに、悪質な転売業者と勘違いされているケースがあるからという理由が挙げられます。
せどりは、商品の仕入れ値よりも高く売り、その差額を儲けとする商売です。その利益は、常識を超えるような額ではありません。
しかし転売の中には、人気商品を発売と同時に買い占め、数倍の価格で売って利益を貪るという悪質な例が後を断ちません。こうした行為はあちこちで横行し、一種の社会問題と化しています。
せどりは時折、このような転売と同一視されることで批判の的になり、疎ましく思われることがあるのです。
そのため、周囲の人から「せどりはやめておけ」と止められるケースが少なくありません。しかし多くのせどり業者は正当な商売を行っており、何ら軽蔑されるいわれはありません。
せどりで勝ち抜くコツ
この項目では、せどり人口が増加する中でも勝ち抜くコツを4つご紹介いたします。
売れる商品を仕入れる
当たり前のように聞こえるかもしれませんが、せどりで成功するには売れる商品を仕入れることが大切です。これができているようで、実際にはできていないケースが多いのです。
具体的には、つい売りたい商品、自分が好きな商品を仕入れてしまって、ユーザーが欲しい商品を出品できていないというパターンがあります。
ユーザーが買いたいと思ってくれなければ絶対に売れることはありません。その当たり前のことを深く理解して、よく売れる、回転率の高い商品をチョイスすることが重要です。
リサーチを徹底する
売れる商品を適切に仕入れて販売するには、リサーチが欠かせません。
どんな商品が、どこでどれくらい、いくらで売られているのか、また売れているのかという情報をリアルタイムで把握する必要があります。
綿密なリサーチを行うには、リサーチツールを活用します。商品によって、よく売れるサイトとそうでないサイトがあります。単に値段だけでなく、どこに出品すれば売れやすいかという相性までをしっかりと見抜く目を持たなければなりません。
顧客を大切にする
せどりで成功する人たちに共通するのは、とにかく顧客を大切にするという点です。売ってあげている、購入してもらうのが当たり前という態度では、最初は良くてもすぐに相手にされなくなるでしょう。
商品は丁寧に梱包のうえ、迅速に発送します。商品が無事届いたかどうかの確認や、不備があった際の対応方法、そして購入のお礼などは欠かさず行いましょう。
親切で丁寧なメールを送ったり、要望には最大限の努力で応えるようにするなど「このお店は他とは違う!」「またここで買おう」と思ってもらえるためにライバルと少しでも差別化できるよう地道な努力を続けることが大切です。
ブランディングに注力する
せどりで成果を上げるには、ショップをブランディングすることも重要です。
コンセプトや仕入れに対するこだわり、ショップ名、コンセプトカラー、ショップのロゴ、画像や動画による訴求の仕方など、統一されたお店ならではのイメージが伝わると、ユーザーの記憶や印象に残りやすいです。
場当たり的に商品を並べるだけでは、その場限りのユーザーにしか興味を持ってもらえず、リピーターが定着するのは難しいでしょう。それでは多くのライバルがひしめく中で勝ち抜くことはできません。
まとめ
せどりの人口は増える傾向にあり、その中で成功することは容易ではないかもしれません。しかし、記事内で紹介したコツをしっかりと押さえて地道に努力すれば、勝ち筋が見えてくるはずです。
ひとたびやるとなったら、周囲のネガティブな発言は気にせず、成功している人たちがしていることを徹底して真似ることが大事です。
そして自分なりのオリジナリティが発揮できるようになれば、本業を超える稼ぎも夢ではありません。ぜひ頑張ってください。