せどりは、店舗や個人から仕入れた商品を別の店舗や個人に転売してその差額で儲けるシンプルなビジネスです。しかし、そのシンプルさゆえに、店舗を持たないライバルも急増して、現在は稼げないと言われています。
確かに、昔と比べると稼げない状況にはなっていますが、全く稼げないわけではありません。ただ稼ぎ方が変わっただけの話です。
今回は、せどりで儲からない・稼げない原因とせどりで稼ぐ方法を解説します。
せどりが儲かりにくくなっている
せどりが稼ぎにくいと言われる主な原因は以下の4つです。
ライバルの増加
現在はメルカリやヤフオクなど、個人でも店舗をもたずに簡単に出品できる個人間取引サイトやアプリが多くあります。せどりがしやすくなったことで、ライバルも増加して多くの市場が飽和しつつあり、稼げない状況になっています。
そのため、今からせどりで稼ぐには綿密なリサーチとライバルとの差別化が必須です。
法整備が進んでいる
せどり(転売)行為自体には違法性がないにもかかわらず、せどりに対する世間のイメージはあまり良いものではありません。
なぜなら、過去にチケットを高額で転売したり、PlayStationなどの人気商品を予約段階で買い占めて高額で売るようなマナーの悪い転売屋に関するニュースが多く報道されたためです。
その影響もあり、近年急激にせどりに対する法整備が進んでいます。2019年6月14日からは、チケット不正転売禁止法が施行されました。これにより、チケットを購入価格以上の値段で転売することが正式に違法となりました。
販売規制が増えている
また、業者や転売屋が勝手に自社製品を販売するのを禁止する「メーカー規制」を実施するメーカーやブランドも増えています。不当な転売行為はメーカーやブランドにとって死活問題であるため、「メーカー規制」は今後もっと増える見込みです。
手数料の高騰
また、多くのプラットフォームでは出品者に販売手数料が課されます。そして、この販売手数料が、少しずつ高くなってきています。
2018年には、それまで無料で販売できたラクマでも3.5%(税別)の手数料を、そして2022年現在では6.0%(税別)の手数料を徴収されるようになりました。
初心者が儲からないせどりのジャンル
初心者がせどりで儲からないジャンルは以下の通りです。
・中国輸入せどり
・ポイントせどり
・家電せどり
特に中国輸入せどりは、YouTubeなどの広告で頻繁に見かけることもありますが、初心者が簡単に手を出せるものではありません。
また、ポイントせどりはそもそも儲かりません。家電せどりもスキルがある人しか儲からない難易度の高い手法になります。
ですが、あくまで初心者が儲からないというだけであって、スキルやせどりのやり方さえ覚えれば儲けることができるビジネスです。
上にあげたせどりがなぜ初心者には儲からないのか解説していきます。
中国輸入せどり
広告などでもよく見かけ、実践している人も多い中国輸入せどりですが、儲かるという点においては事実です。
ですが、まったくの初心者が実践するのであればほぼ間違いなく儲けを出すことはできません。コンサルなどを受け、知識とスキルを取得したうえで儲けを出せるのであって初心者が手を出すのはやめておいたほうが無難です。
また、商品リサーチの面倒な点や想像しているよりも手間がかかるので、それならば国内でせどりをしたほうが良いです。
中国せどりの流れとしては
1、仕入代行業者の選定。
2、アリババ、タオバオで売れる商品を探す。
3、Amazonで販売可能か確認。(販売可能な場合は代行業者に発注依頼。)
4、FBA直送サービスを利用もしくは事務所に送る。
5、Amazonに転売。
となります。
簡単そうに見えますが、仕入先に商品が多い点と市場に多くの商品があふれかえっているという点から『売れる商品』探しにかなり苦労します。
どうしても中国輸入せどりをしたいのであれば、国内で実績を積み、せどりについての知識やスキルをつけてから実践することをおすすめします。
ポイントせどり
ポイントせどりとは、店舗や個人が商品を仕入れて転売することによって利益を出す通常のせどりとは異なり、還元されるポイントで利益を出すせどりの方法になります。
楽天ポイントせどり、PayPayせどりが代表的なものになります。
楽天ポイントせどりを例にとって説明します。
まず流れとしては
1、SPU(スーパーポイントアッププログラム)を10倍以上にする。
2、ポイント還元率が高い商品を探す。または楽天DEALで探す。
3、利益シミュレーションを販売先で行う。
4、ポイント獲得分で利益が出る場合、仕入を行う。
5、ポイントを獲得して利益確定。
以上の5つの流れを行います。
この流れを意識すれば楽天ポイントせどりで稼ぐことは可能ですが、大半の人は最初の『SPUを10倍にする。』の部分でつまづいてしまい稼げない結果となっています。
もう少し具体的な例を出すと楽天で10,000円の商品があったとします。この商品をメルカリなどで9,500円で転売したとします。
・SPUが10倍の場合(送料、手数料は考えないものとして。)
10,000円の10%で1,000円。9,500円で転売した場合10,000円ー9,500円+1,000円(ポイント還元分)=利益500円になります。
SPUが10%になったとしても、その還元率では500円の利益です。そこまでに費やす時間を計算すると割に合わずに離脱してしまいます。初心者であれば、SPUを10倍にする段階で作業が進まなくなり、結果儲かりません。
家電せどり
せどり初心者の方が家電製品を取り扱う方も多いようです。確かに家電製品は、利益が出しやすく需要もあるため、利益率が高くなるためおすすめです。しかし、そのぶん参入してくるライバルが多く、初心者の方にはおすすめしません。
また、家電せどりで最もむずかしいことは、中古家電を仕入れた場合の検品作業です。販売商品の検品をやらず出荷してしまうと、購入先からクレームが届きます。
販売サイトを利用して転売する場合には、「出品者評価が低評価になる」「レビューで製品トラブルの内容が記載される」などトラブルにより評価が下がります。家電せどりは、本などのせどり商品と比べ、販売する価格も高いです。そのため、検品をしっかりすることで、信頼の獲得や維持することが大切になります。
また家電製品は、価格競争に参加して戦っていかなければなりません。同じ商品を選ぶのであれば、安いほうの商品を購入される方が多いです。そのため、家電を販売する多くの個人や企業は、他の家電商品より価格を安くしてきます。そのため、価格競争に巻き込まれ、「商品が売れない」「価格を下げすぎて利益が出ない」ので稼げないと言われることが多くあります。
したがって家電せどりは、せどり上級者向けの手法のため、初心者にはおすすめしません。
せどりで稼げない人の特徴
せどりが儲からない原因は、法整備や販売規制などの外的要因のみにあるわけではありません。本人にも原因があります。
せどりで稼げないと嘆いている人の特徴を4つ紹介します。
リサーチ不足
一番多いパターンがこれです。市場調査はせどりで最も面倒くさい作業と言えます。しかし、これをやらなければ価格差のある商品が分からないため利益を出すことは困難なので稼げないのです。
レッドオーシャンで戦っている
次に多いのが、ライバルが多い商品ばかり扱っているケースです。
売れ筋商品は、強いライバルがたくさんいるため、新規に出品してもなかなか売れません。
最初のうちは人気商品を扱うのではなく、その周辺機器や関連商品に目を向けましょう。少し視点をずらせば、ライバルの少ない商品が意外と見つかるものです。
売り方が雑
Amazon・ヤフオク・メルカリなどのECモールに出品する際は、商品画像・商品説明を自分で用意する必要があります。この画像や説明がいい加減だと、売れ筋商品であっても全く売れなくなってしまいます。
成果報酬に馴染めない
せどりは成果報酬型のビジネスです。何時間働いても商品が売れなければ収入は0円です。
今まで時給制の仕事しかしたことがない人は、成果報酬に馴染めず止めてしまうケースが多いと言われています。
利益の金額を計算できない
利益を単純計算すると、たとえば900円で仕入れた商品が1,000円で売れれば、100円の利益になります。このような単純計算でせどりをやると稼げません。せどりで販売するやり方で違いますが、せどりでこの単純計算は、赤字になる可能性があります。
たとえば、Amazonを利用して商品を販売する場合には、以下のような費用が掛かります。
・基本成約料(大口出品:月額5,390円(税込)の費用のかわりに基本成約料は無料。 小口出品:1商品につき:110円(税込))
・配送料(大口出品:本・ミュージック・ビデオ・DVD以外の商品は独自の配送料を設定できます
・小口出品:Amazonが設定した配送料が掛かります)
販売手数8〜45%(販売するカテゴリーによって違います)
カテゴリー別成約料(カテゴリーや取引先が国内、海外で違います)
条件や利用内容によっては、大量出品手数料・返金手数料・FBA手数料などの費用も掛かります。
たとえば、2000円で仕入れた本をAmazonの小口出品プラン契約で3,000円で国内取引した場合の売上計算方法について説明します。まずは手数料など掛かる費用について計算します。
1.基本成約料:100円
2.配送料:262円(本でのAmazon設定金額)
3.販売手数料:本なので、15%の450円
4.カテゴリー別成約料:本なので、80円
5.消費税:89円(892円(1~4)の10%)
合計981円
続いて利益の計算です。
3000円(販売価格)-2000円(仕入れ価格)-981円(手数料などの費用)=19円が利益になります。
このように利益が計算できなければ、手数料などの費用によって利益がマイナスになり、思った以上の利益がだせない場合があります。そのため、せどりで利益を出すためには、利益の計算ができることは必修です。
資金を注ぎ込まない
せどりは、資金が多ければ多いほど、利益があがる可能性を広げます。せどりは、最低でも10万円の費用が必要であると言われているほどです。
そのため、「在庫を大量に抱えてしまって売れないのが怖い」というような考えの方は稼げない可能性があります。せどりは、仕入れ額に対し、利益率を計算して稼いでいくものだからです。
たとえば、利益率を20%に設定し、月の利益目標を1万円と設定した場合には、必要な仕入れ額は5万円必要になります。月の利益が10万円なら、50万円の仕入額の資金が必要です。
したがって、資金を注ぎ込まない人は、稼ぐのが難しくなります。
在庫の管理をしない
せどりでは、需要のある商品のリサーチに多くの時間が必要であり、リサーチから仕入れ、販売までの順を効率的に行っていかなければ、儲かりません。そのため、必要になるのが在庫管理です。
在庫管理をするうえで、エクセルやGoogleのスプレッドシートを利用して在庫管理表を作成することがおすすめです。在庫管理表を作成することで、売れている商品や利益が出やすい商品も在庫管理表で判断ができます。
売れ行きが良ければ、リピート仕入れすることもできるようになり、リサーチの時間が短縮できます。在庫管理表に記載したい主な項目は以下の通りです。
・在庫状況(売却完了・在庫・発送中・仕入れ中など)
・仕入れ先(Amazon・楽天・Yahooなど)
・商品名
・仕入れ個数
・仕入れ日
・仕入れ金額
・売却金額
・利益
・在庫期間
などです。その他に必要な情報があれば追加していくといいでしょう。在庫管理をしていない方は、今から在庫管理表を作成してみてください。利益があがるかもしれません。
回転率を意識しない
100円の利益がでる商品を100個売ったら、1万円の利益。1000個売ったら10万円と大きな利益になります。一撃10万円の利益と高額な商品を販売するのは簡単ではありません。販売金額が高額になるほど需要は減り、在庫期間も長期になりやすくなります。そのため利益がない月もあるなどリスクがあるため、回転率の悪い商品は稼げないので選ばないことです。
特に初心者のせどりでは、需要のある商品をたくさん売っていくような、回転率を意識することが大切です。需要があり、回転率をあげる商品でおすすめなのが以下の商品です。
・ゲーム
・おもちゃ
・日用品
・食品
これらは需要が高く、購入される確率も高いとされる商品です。このような商品を選ぶことで回転率も自然にあがります。しかしこれら商品の利益率は低いため、回転率を上げてやらなければ、利益は増えていきません。したがって、せどりで利益を出すためには、回転率が重要になります。
まだまだせどりは稼げる
せどりは確かに昔と比べると稼ぎにくくなっています。しかし、次の2つの理由から、今から参入しても稼ぐことはできます。
中古品を扱えば良い
チケットや新品商品の転売と違って中古品転売はほとんど規制がない状態なので、まだまだ稼げる手法です。中古品は、安く仕入れられるお店が多く、少し手入れすれば状態が良くなるため、価格差を出しやすい商品と言えます。
ただし、中古品を扱う場合は古物商許可が必要です。古物商許可がない状態で中古品転売事業をした場合、古物営業法違反により3年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられます。
古物商許可は所轄の警察署に19,000円を払って申請すれば取得できます。申請に必要な書類は警察署でもらえます。
リサーチツールが充実している
また、現在はせどりのリサーチ作業を効率化してくれる無料ツールがたくさんあります。
ライバルが増えたため綿密なリサーチをしないと稼げなくなりましたが、きちんとリサーチすれば稼げる商品はいくらでも見つかります。
せどりの仕入れのコツ
せどりはいかに安く仕入れるかが利益を大きく左右します。ぜひ、以下で紹介する仕入れのコツを試してみて下さい。
ポイントを活用する
最近は購入時にポイントが貯まるお店が多くなりました。
普段の買い物ではポイントはなかなか貯まりませんが、仕入れだとプライベートの場合とは違って買い入れる商品の数が多くなるので、ポイントが大量に貯まります。失効してしまっては勿体無いので、使えるポイントはすぐ使ってしまいましょう。使い切っても、またすぐ貯まります。
商品券などを有効活用する
商品券や株主優待券などがある場合は、仕入れ時に積極的に使っていきましょう。
クレジットカードで決済する
仕入れ時はクレジットカード決済をすると便利です。クレジットカードにはポイント還元がありますし、メルカリであればカードの請求日前に売上金を受け取ることができるため、仕入れの幅も広がります。
仕入先と信頼関係を築く
最初のうちは様々な仕入先から仕入れるようにしてください。良い仕入先が見つかったら、後はそのお店から優先的に仕入れるようにしましょう。長く取引していると信頼関係ができて、緊急時にも柔軟に対応してくれるようになります。また、他の人より安く売ってもらえたり、お得な情報を教えてもらえたりすることもあります。
売れる商品のジャンルを選定する
仕入れで大事なことは、売れるジャンルで仕入れすること。当たり前ですが売れなければ利益になりません。せどりをやっていくうえで、売れるジャンルや、売れないジャンルが少なからず存在します。
仕入れする前に売れるジャンルを選定することが大切です。せどりで売れるジャンルと言われているのが以下のジャンルです。
・ゲーム
・おもちゃ
・美容・コスメ
・食品
・スマホ用品
また売れない商品とは、メルカリやヤフオクなどで売れていない商品をみることで、ある程度把握することができます。出品しているけど、買い手が少ない商品です。
売れている商品があれば、そのジャンルを把握し、更に同じジャンルで仕入れを検討すると効果的です。そのため、仕入れのコツはその商品ジャンルが今売れているのか。まずジャンルを選定してみることです。
売れた商品は繰り返し仕入れる
売ったらおしまいではなく、何をいくらで仕入れ、いくらで売れたかという記録はきちんとし、売れた商品はくり返し仕入れるようにしましょう。
売れた商品は需要がある商品と言えます。それを繰り返し仕入れ売ることでリサーチの手間を大きく省くことができます。
せどりに限らず物販全般において、商品リサーチは多くの手間や時間が必要です。それらを省ければ実質的な時給を上げられるので、せどりの利益も増やせます。
コンサルや情報商材で学ぶ
どうしても行き詰まってしまった場合は、上級者向けの手段ですがコンサルや情報商材で学ぶのも手段の一つです。
すでにせどりで稼いでいる方から、書籍にはなかなか書いていない生のノウハウを学べたり、コンサルを通じコネクションを作ったりする事もできます。
しかし、情報商材やコンサルの中には、価値が低かったり詐欺であったりするものも多いのも事実です。せどりで稼いでいると言いつつ、実は利益の殆どは中身の薄い情報商材であったというパターンもあります。
こういったものの被害に遭ってしまうのは決まって初心者です。情報商材やコンサルは、すでに利益が出ており、情報の良し悪しがある程度判断できる中〜上級者が購入すべきものと言えます。
情報商材やコンサルは絶対に稼げる裏技ではないので、初心者はまず書籍やせどり専門サイトから学び、少しずつ利益を出すのが無難でしょう。
せどりのリサーチ方法
前述の通り、せどりで稼ぐには綿密なリサーチが必要です。
リサーチ作業を効率化してくれるおすすめのツールを3つ紹介します。
オークファン
オークファンは国内外のショッピング・オークションサイトをまとめて検索することができるサイトです。
参考:オークファン
オークファンなら商品名で検索するだけで過去の落札数や落札相場を確認できます。
・限定品
・非売品
・賞品
・廃盤商品
など希少価値の高い商品は、ヤフオクにオークション形式で出品すると、一般相場を大幅に上回る価格で落札されることも珍しくありません。お店で限定品を見かけた際は、オークファンで調べてみてください。
FBA料金シミュレーター
これはAmazonせどりに特化した損益計算ツールです。FBA料金シミュレーターを使えば、商品価格や仕入れ値、FBA倉庫への送料を入力するだけで、出品手数料やFBA利用にかかる手数料などを自動で計算してくれます。損益率も算出してくれるため、ひと目で利益の出る商品かどうかの判別ができます。
まずは、FBA料金シミュレーターのページを開いてください。
参考:FBA料金シミュレーター
商品名やASINコードで検索して、商品を選択してください。
下に代金の入力フォームが表示されるので、「Amazonから出荷」の列にある売上の合計・販売された商品原価を入力してください。
すると、出品手数料・FBA手数料が自動計算されます。
せどりは儲かる
昔と比べるとせどりの難易度は上がっていますが、やるべきことをやれる人はまだまだ稼げます。
最初は作業の割に利益が少なく、割りに合わない仕事だと思うかもしれませんが、せどりは店舗のあるなしに関わらず、経験を積めば積むほど稼ぎやすくなっていきます。ぜひ継続してみてください。
ところで、ビジネスで成功するためには独学よりも体系化された教材やサービスを活用して学ぶ方が結果が早く出ます。
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