せどりは特別な資格がなくても、だれでも始めることができるので、サイドビジネスとしてもおすすめです。
ただし、稼ぐためにはポイントがあるため、始めるにあたっては予備知識が必要ですし、事前に揃えなければならないものもあります。
そこで今回は、せどりがおすすめの理由や必要なもの、始め方や稼ぐコツを解説します。これからせどりを始めてみたい方や興味がおありの方は、ぜひ参考にしてください。
せどりがおすすめの理由
まず、せどりがおすすめの理由について簡単に解説しましょう。
だれでも始められる
せどりは、仕入れた商品の利益を上乗せして販売し、差額を稼ぐビジネスです。
自分で商品を生産するわけでなく、メンテナンスに出向くこともなく、また配達や集金を行うわけでもありません。物理的かつ経済的に仕入れ可能な商品を見つけてネット経由で販売するだけなので、その気になればだれでも始められます。
ただし、中古品を仕入れて販売する行為は、古物商取引に該当するため、最寄りの警察署で「古物商許可」を取得する必要があります。
初期費用が少なくて済む
せどりは、パソコンやスマホ、プリンターさえあれば始められるので、初期費用があまりかかりません。
取り扱う商品も高級品ではなく、売れ筋の中から安価なものをチョイスすれば、数万円で済ますことも可能でしょう。
スキマ時間でできる
せどりは、時間に縛られずに行うことができます。出勤前や帰宅後、家事や子育ての合間、休日など都合に合わせて仕入れたり、梱包・配送したりすることが可能なため、決まった曜日や時間帯に働く必要がありません。
自宅でできる
せどり作業の多くは、基本的に自宅で行うことができます。
せどりには、オンラインで仕入れから販売までを行う「電脳せどり」と実店舗で仕入れてオンラインで売る「実店舗せどり」があります。
実店舗せどりの場合は、仕入れ先に出向いてリサーチしたり、仕入れたりしなければならないため、すべて自宅というわけにはいきません。
しかし、電脳せどりならすべてのプロセスを自宅で完結できます。集荷サービスを利用すれば、発送も自宅から可能なため、コンビニや郵便局などに出向く必要もないでしょう。
せどりをいきなり本業で始める方は少ないでしょうし、かなりリスクがあります。多くは副業からのスタートと考えられるので、自宅でできるというのは大きなメリットとなるでしょう。
いつでもやめられる
せどりは、いつでも止めることができる点も魅力であり、安心材料です。
例えば、本を販売するとしましょう。
本は売れなくても腐るわけではありませんから、長期にわたり在庫保管しておくことが可能です。
仮にどうにもうまくいかず、それ以上頑張れないとなれば、古書店やリサイクルショップで売って止めることができます。
さほど損失もありませんし、社会的に迷惑をかけたり、トラブルに発展したりすることもないため安心です。
入金サイクルが早い
せどりは、商品が売れてから代金が入金されるまでのサイクルが比較的短い点も魅力です。
Amazonの大口出品なら、約3週間弱で入金されますし、フリマアプリのメルカリは、取引が終了したと同時に入金が完了します。
売上金が早くに入手できれば、それを元手に新たな仕入れができます。つまり運転資金が少なくて済むので、リスクを回避しやすくなるでしょう。
せどりに必要なもの
続いては、せどりを始めるために必要なものを紹介しましょう。
パソコン・スマホ・プリンター
まず必ず用意しなければならないのが、パソコンとスマホ、そしてプリンターです。
パソコンは、商品のリサーチや仕入れ、出品、購入者やその他ユーザーとのメッセージのやり取りなどに必要です。
スマホがあれば、実店舗でのリサーチが飛躍的に効率化できるうえ、仕入れや出品作業が楽になることも多いです。
プリンターがあると、請求書や納品書、宛名といった伝票類をその場で印刷できるので便利です。
クレジットカード
クレジットカードは、絶対になければならないものではありません。しかしあると便利です。
というのも、仕入れ資金の支払いを長ければ2ヶ月近く送らせることができますし、ポイントを稼ぐことも可能だからです。
売上代金の回収を早め、支払いを遅くできると手元資金に余裕ができます。また、ポイントもわずかずつかもしれませんが、塵も積もれば山となるで、長い目で見ると得でしょう。
例えば、メルカリを使うならポイントが最大で8%も付与されるメルカードを使うというように、仕入れ先に合わせてお得なカードを使い分けるのもよいかもしれません。
運転資金
先ほど、初期費用は少なくて済むと述べましたが、ゼロというわけにはいきません。仕入れのためにはある程度の運転資金も必要です。売れたら商品を発送するための送料もかかります。
実店舗せどりなら交通費やガソリン代がいりますし、出品に利用するECサービスへの手数料も確保しなければなりません。
ただ、もっとも多くのコストがかかるのは、やはり仕入れでしょう。メインで売る商品や数量によって金額は変わってきますが、事前にできるだけ正確に見積もりを行い、その額よりも多めの金額を用意しておくようにしてください。
梱包資材
商品が売れたら、それを梱包して発送しなければなりません。
梱包には、段ボールやガムテープ、OPP袋、プチプチなどの緩衝材などが必要です。ギフト包装をするなら専用のリボンなども用意しておかなければなりません。
段ボールについては、スーパーやドラッグストアでタダで貰えるかもしれませんが、それはおすすめしません。見た目が良くない上に、商品サイズとギャップがあると、梱包が難しかったり、配送中に破損リスクが生じたりするからです。
ネットでまとめて買うと意外と安いので、ジャストサイズの新しいものを使うようにしてください。それ以外のものは、百均で揃えられるでしょう。
せどりの始め方
それでは、ここからせどりの始め方について解説しましょう。
具体的には、以下のようなプロセスになります。
環境を整備する
↓
リサーチと仕入れ
↓
販売
↓
梱包・発送・カスタマー対応
環境を整備する
まず、せどりを始めるにあたり、必要な環境を整えます。
・パソコンやプリンターが設置できる作業スペース
・高速かつ安定した通信回線
・在庫と梱包材を収納するスペース
・実店舗せどりをする場合は、自動車やバイクがあると便利
・確定申告のための会計ソフト(必要に応じて)
最後の確定申告について解説しましょう。
せどりで所得が発生した場合は、確定申告が必要になることがあります。
具体的には、年間の所得が本業の場合なら48万円、副業なら20万円を超えると最寄りの税務署への申告義務が生じます。
この場合の「所得」とは、売上高からすべての経費(仕入費、通信費、交通費、梱包資材費、ECサービス手数料など)を差し引いた額を指します。
取引量が少ないうちは、手書きの帳簿でも確定申告書類を作成することは可能です。
しかし、毎日のように売れたり仕入れたりして、取引高がある程度増えてくると、さすがに手書きの帳簿では会計処理が難しくなるでしょう。
とくに税金が優遇される「青色申告」をする場合は、しっかりとした決算書類を用意しなければなりません。そのためには、会計ソフトが必要です。ただ、自分で処理できない場合は、税理士に委託する方法もあります。
リサーチと仕入れ
せどり環境が整ったら、商品のリサーチと仕入れを開始します。
方法は、ネットと実店舗のいずれかになります。
自分が売りたい商品の相場を調べ、可能な限り安価なショップから仕入れるのが基本です。
相場は、専用ツール(無料と有料がある)を使うと、Amazonや楽天といった主要ECサイトにおける最安値や価格推移などが簡単に把握できます。
実店舗でもスマホの専用アプリでバーコードを読み込んで相場を調べることができます。
ネット経由の仕入れは、時間と手間がかからないのが利点ですが、商品を直接手に取って吟味できない点がデメリットです。
一方、実店舗では直接目で見たり触ったりして商品の状態を確認できる点がメリットですが、交通費や燃費がかかるのと、その場で購入して持ち帰らなければならない点が負担になります。
どちらかに絞る必要はありませんが、状況に合わせながら自身にもっとも有利な仕入れ方法を選択することが大切です。
販売
仕入れが済んだら、いよいよ販売に移ります。
まず大切なのは、儲けをいくらに設定するかです。ライバルより安く出品すれば売れやすくなりますが、利益が圧迫されます。といって高くしすぎると、売れにくくなるでしょう。また、商品の価格だけでなく、せどりでかかる諸々の経費も全て計算に入れなければなりません。
この値決めがうまくできれば、成功に近づきますし、値決めに失敗すると後になって負担が重くのしかかることになるので、しっかりと研究・検討してください。
値決めに並行して、出品するECサービスを決めなければなりません。自分で一からネットショップを開設する方法もありますが、一定レベルのクオリティに仕上げるには、かなりのスキルが求められます。集客もゼロから行う必要があるので、成果が出るのに相当の時間がかかるでしょう。
それよりは、ECサービスやオークションサイト、フリマアプリなどを活用する方が有利です。「Amazon」「楽天市場」「Yahoo!オークション」「メルカリ」など、だれもが知るようなプラットフォームなら、すでに数百万、数千万人という大規模なユーザーが存在します。ゼロからの集客よりも、より早く、多くの人たちの目に触れる確率が高まるため、とくに初心者にはおすすめです。
また、出品に際しては商品画像を鮮明かつ美しく、複数枚掲載するのが基本です。中古品で汚れや傷がある場合は、決して隠さず、その部分がよく見える画像をアップするようにしてください。
隠しても送った後に必ずバレるからです。すると返品や返金、損害賠償など、その後の対応が何倍も大変になる恐れがあります。そうなると二度と購入してもらえなくなるだけでなく、その情報が拡散されれば、信用を大きく失墜する可能性も出てくるため要注意です。
梱包・発送・カスタマー対応
商品が売れたら、できるだけ早くに梱包のうえ、発送します。
梱包は、丁寧に行わなければ配送中に荷崩れを起こしたり、破損や液漏れの原因になったりするので注意が必要です。
また、発送については、例えばフリマアプリなら匿名配送がおすすめです。
匿名配送とは、互いに住所や名前を知られずに取引ができる発送方法のことです。
自身はせどり業者ですから、身分などを明かした方が信頼されやすいでしょう。しかしユーザー側は、個人情報を知られたくないというケースが少なくありません。その辺りを配慮すると、大きく売り上げが変わることがあるので、覚えておいてください。
発送が済んだらそれで終わりではありません。クレームや誤配送、返品といったカスタマー対応も必要になります。あらかじめ出品ページに免責事項を記載し、トラブルの内容に対する対応策なども決めておくと、いざという時に慌てずに対処できるのでおすすめです。
せどりで稼ぐコツ5選!
最後にせどりで稼ぐためのコツを5つ紹介しましょう。
最初から無理をしすぎない
せどりを始めるからには、儲けるのが目的でしょう。
しかし最初から欲を出しすぎて、無理な仕入れを行ったり、あまりに安く出品しすぎたりすると、想定以上のコストがかかって、身動きが取れなくなる恐れがあります。
利益を出して儲けることも大切ですが、その前に大赤字で店を閉めざるを得なくなると元も子もありません。
軌道に乗るまでは、焦らず、冷静に、手堅く進め、一定の利益が安定して確保できるようになったら、徐々に手を拡げるようにしてください。
利益率の高い商品を販売する
利益率の高い商品を売れば、販売数が少なくてもある程度の利益が確保できます。
あまりに利益率が低い商品ばかりだと、数をさばかなくてはならないため、出品や梱包、発送作業が負担になり、在庫スペースの確保も大変でしょう。
その辺りのことも計算に入れて商品選定をしてください。
回転率の高い商品を販売する
回転率の高い商品は入金サイクルが早まるため、余裕をもった経営がしやすくなります。
在庫は、売れるまでは会計上、仕入れコストとして計上できないため、その分、税金を多く納めなければならなくなります。
よって、ある程度は売れ筋のアイテムを販売することも大切です。
レア品を販売する
利益率も回転率も高い商品の典型は、絶版や生産中止になったようなレア品や限定品です。
ブランド品にしてもホビー商品にしても、熱狂的なマニアがいるジャンルは、スピーディーかつ高値で売れやすいので、仕入れる価値は十分にあるでしょう。
複数の仕入れ先を確保する
仕入れ先は複数確保しておくのがおすすめです。
というのも、一つに絞ると、その仕入れ先が潰れたり、商品が枯渇したりした場合に、出品できる商品がなくなってしまう恐れがあるからです。
複数の仕入れ先があれば、そのようなリスクを回避できるだけでなく、もっとも安いところから仕入れることで利益も出しやすくなるでしょう。
まとめ
せどりは、特別な資格がなくてもだれでも始めることができるのでおすすめです。
ただしその分、ライバルが多いため、始めるにはそれなりの下準備とリサーチが必要です。
まずは副業から、少しずつスタートしてみてはいかがでしょうか。