海外へ郵便や小包を送るときは、国際郵便を利用するのが一般的です。
しかし、国際郵便にはさまざまな方法がありますので、初めて利用する方にとっては、どれを選ぶべきか迷うこともあるでしょう。
そこで今回は、国際郵便の中でも小型の荷物を送るのに便利な「小形包装物(スモールパケット)」と「国際eパケット」について、詳しくご紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。
小形包装物(スモールパケット)の基礎知識
まずは、小形包装物(スモールパケット)とは、どのような国際郵便なのかについて詳しく解説します。
※現在はコロナ感染症の影響により小形包装物(スモールパケット)はサービスを一部停止しています。
(コロナ感染症による国際郵便物の影響についての詳細はこちら)
小形包装物(スモールパケット)
小形包装物(スモールパケット)は、国際郵便の一種です。
最大重量2kgまでの小形の物品を小包やEMSより安く送ることができるので、雑貨や本、ちょっとしたプレゼントなどを送るのにおすすめです。
ただし、宛名は荷物に直接記入しなくてはなりませんし、手紙などの信書を同封することもできません。また、万が一の際の補償もありません。
参考:日本郵便 小形包装物
所要日数
小形包装物の送達にかかる日数は、送達方法によって異なります。
送達方法は、以下の3種類です。
【航空便】
約1週間程度。料金が最も高い。
【SAL便】
約1~3週間程度。
【船便】
約1~3ヶ月程度。最も安価だが、到着までに日数がかかる。
サイズ
小形包装物の具体的なサイズは、以下の通りです。
【重量】
2kg以下
【最大の大きさ】
3辺の合計が90cm以下
【最小の大きさ】
長さ 14.8cm
幅 10.5cm
その他、筒状の荷物などのサイズも決まっていますので、詳しくは日本郵便のホームページで確認してください。
料金
小形包装物の料金は、荷物の重量や送り先となる地域によって異なります。
地域は以下のように区分されています。
第1地帯(アジア)
第2地帯(カナダ・中米・中近東・ヨーロッパ・オセアニア)
第3地帯(南米・アフリカ)
第4地帯(アメリカ※グアムなどの海外領土も含む)
詳しい料金表は、日本郵便のホームページで確認してください。
参考:日本郵便 国際郵便料金表
送れないもの
国際郵便で送れないものは各国ごとに定められた禁制品や郵送禁止品などが送れません。下記はそれらの一例です。
禁制品(米国)
- たばこ
- 牛肉
- 酒精飲料
- 弾薬・マッチ
- 富くじ等
- 遺灰
郵送禁止品
- 硬貨・銀行券
- 小切手
- 火薬類
- ガス類
- 引火性液体(一定以上の度数のアルコールなど)
- 毒物
参考:郵便局|国際郵便として送れないもの
参考:郵便局|輸出禁制品
小形包装物に必要な書類
小形包装物を送るためには、必要な書類がいくつかあります。その書類について詳しく解説しましょう。
税関告知書
小形包装物を送る際は、税関告知書が必要です。
税関告知書は、内容物の詳細などを英語や相手国の言語で正確に記入し、荷物に添付する必要があります。また、税関告知書には「CN22」と「CN23」の2種類があります。
CN22 … 300SDR未満の物を送る時に必要な書類
CN23 … 300SDR以上の物を送る時に必要な書類
SDRとは、特別引出権(Special Drawing Rights)のことであり、世界共通の通貨単位です。1SDR=153.7643円(2022年1月時点)です。
300SDR ≒ 46,129円なので 46,129円未満であればCN22、以上ならCN23に記入しましょう。
インボイス
インボイスとは、通関の際に必要な書類です。
小形包装物を送る際に、このインボイスが必要な国はあまり多くありません。しかし、必須の国もあるので注意しましょう。
たとえば、中国、韓国、アメリカ、カナダ、オーストラリアなどに小形包装物を送る際は、インボイスは不要です。
しかし、イタリアへ荷物を送る場合は、たとえ個人による発送であっても、料金が350ユーロを超えるときはインボイスが2枚必要になります。
インボイスの有無も日本郵便のホームページの国・地域別情報に詳しく書いてあるので参考にしてください。
税関通知書の作成方法
米国内では「STOP Act」という法律により、事前に「通関電子データ」を送らないと引受けをしてもらえません。つまり、手書きのラベルでは引き受けてもらえず、郵便局のサイトでラベルを作る必要があるということです。
内容品・重量・値段・原産国を記入する必要があるのであらかじめメモをしておきましょう。
小形包装物の発送方法
それでは、小形包装物の発送方法について解説しましょう。また、発送に際して注意する点なども併せてご紹介します。
宛名と差出人情報を記入する
まずは、「宛先」と「差出人情報」を記入します。
【宛先】
To:○○○○(氏名)
Upper East Side 73th Street(建物・番地など)
New York(州など)
10001(郵便番号)
United States of America(国名)
【差出人】
From:○○○○(氏名)
Mukojima 1-1(地名、番地)
Sumida-ku Tokyo(市区町村、都道府県)
130-0001 (郵便番号)
Japan(国名)
なお、宛先と差出人情報を記入する際は、日本の住所の書き方と反対になるのでご注意ください。
税関告知書を記入する
郵便局で、税関告知書をもらって必要事項を記入します。
【内容品】
Gift …贈り物
Commercial Sample …商品見本
Documents …書類
Other … その他
該当するものに、レ点チェックを入れましょう。
【内容品の数量及び詳細】
基本的に英語、または相手国の言語で記入します。ローマ字は外国人にはわからないのでやめましょう。
内容品は具体的に書いてください。たとえば、食べ物を何点か送る場合は、「FOOD」(食べ物)だけではなく、
SNACK(お菓子) × 2
NOODLE(麺) × 3
のように、内容と数量を詳しく書きましょう。
【重量と価格】
重量と価格を記入します。重量はおおまかでかまいません。価格は、原価ではなく販売価格を記入しましょう。 通貨の単位は以下のようになります。
日本円 → JPY
米ドル → USD
ユーロ → EUR
たとえば、2,000円の物なら「JPY2,000」と記入します。
【署名及び署名日付】
署名と発送日を記入します。 たとえば、2021年1月1日に発送する場合は、
○○○○(署名) Jan. 1. 2021
という記入になります。
すべての記入が終わったら、荷物の左下に貼っておきましょう。
郵便局で発送する
小形包装物を郵便局に持っていきます。荷物にSMALL PACKETのスタンプが押され、送達方法(例:航空便)のシールが貼られます。
その後、合計重量を量って料金が確定します。事前に重さを量り、切手を貼って出すこともできますが、ポスト投函はできません。
小形包装物の注意点
ここからは、小形包装物を発送する際の注意点を解説していきます。
追跡番号・補償がない
小形包装物には追跡番号がつかないので、到着するまで荷物がどのように運ばれているのかがわかりません。
不安な方は、書留(410円)をつけましょう。書留をつけると、追跡番号と保険(上限6,000円)がつくので安心です。
ただし、書留をつけられるのは航空便とSAL便(一部の国を除く)のみです。
信書(手紙)を同封できない
小形包装物には、封をしていない送り状や簡単なあいさつ状などは入れることができます。
しかし、信書にあたる手紙などは同封できないので注意しましょう。また、現金・宝石などの貴重品を送ることもできません。
国際eパケット(国際書留付き航空小形包装物)の基礎知識
国際eパケットとは、どのような国際郵便なのでしょうか?小形包装物とはどのような違いがあるのでしょう?ここでは、その特徴やサービス内容について詳しく解説します。
国際eパケットのサービス内容
「国際eパケット」とは、国際書留付き航空小形包装物と呼ばれる国際郵便の一種です。
サービス内容は以下の通りです。
・2kgまでの小形物品を航空便で送ることができる
・追跡機能あり
・限度額6,000円の損害補償あり
・配達時はポスト投函ではなく手渡し
・ネットで簡単に発送ラベルを印刷できる
簡単に言うと、「小形包装物(航空便)」に「書留」がセットになったサービスのことです。しかし、書留付き小形包装物より安い料金で送ることができます。
ただし、小形包装物と同様、手紙や貴重品を送ることはできません。また、EMSに比べて追跡可能な国が少ないというデメリットもあります。
参考:日本郵便 国際eパケット
国際eパケットの利用方法
国際eパケットを利用するには、専用の国際eパケットラベルを貼る必要があります。
専用ラベル一式は、日本郵便「国際郵便マイページサービス」のオンラインシッピングツールから印刷できます。
国際eパケットの専用ラベル一式の内容は以下の通りです。
・ラベル表紙
・依頼主控および受付店控
・税関告知書
・インボイス(任意)
国際eパケットライト(追跡付き国際SAL小形包装物)の基礎知識
次に、国際eパケットライトの特徴やサービス内容について解説します。国際eパケットとの違いをご確認ください。
国際eパケットライトのサービス内容
国際eパケットライトは、2kgまでの小形物品を追跡付きで送ることができます。ただし、送達手段はSAL便のみです。
サービス内容は以下の通りです。
・SAL便なので航空便よりも配達日数はかかるが、船便より早く届く
・受取人の郵便受けに投函するので受領印は必要ない
・配送状況の追跡機能あり
ただし、大量発送などによる割引サービスはなく、手紙や現金、貴重品などは送れません。
国際eパケットライトの利用方法
国際eパケットライトも、発送の際は専用のラベルを貼らなければなりません。
国際郵便マイページサービスのオンラインシッピングツールから「国際eパケットライトラベル一式」を印刷して使用しましょう。
国際eパケットライトラベル一式の内容は以下の通りです。
・ラベル表紙
・依頼主控および受付店控
・税関告知書
・インボイス(任意)
・引渡証
国際eパケットライトの料金
国際eパケットライトの料金は、荷物の重量や発送先となる地域によって異なります。
地域は以下のように区分されています。
第1地帯(アジア)
第2地帯(カナダ・中米・中近東・ヨーロッパ・オセアニア)
第3地帯(南米・アフリカ)
第4地帯(アメリカ※グアムなどの海外領土を含む)
くわしい料金表は、日本郵便のホームページで確認してください。
海外発送でおすすめなのは「国際eパケットライト」
海外発送で最もおすすめなのは、国際eパケットライトです。
国際eパケットライトは、国際eパケットよりも料金が安い上に、追跡機能があります。そのため、小形包装物を安い料金で安全に送りたいという場合に非常に便利です。
小さな荷物を海外へ送る時は、スモールパケットや国際eパケットを利用しよう!
今回は、「小形包装物(スモールパケット)」や「国際eパケット」、「国際eパケットライト」についてご紹介しましたが、いかがでしたか?
本や雑貨、友人へのちょっとしたプレゼントなど、小さな荷物を海外へ送るときには、安くて手軽なスモールパケットがおすすめです。
しかし、スモールパケットには追跡機能や補償が付帯していないので、不安に感じる方は、追跡機能や補償がついた国際eパケットを利用すると良いでしょう。さらに国際eパケットライトであれば、国際eパケットよりもさらに安い料金で送ることができますよ。
今回ご紹介した情報を参考にして、ぜひ国際郵便を利用してみてくださいね。