メルカリで手作りのお菓子を販売するには?必要な許可について解説!

メルカリは、お得にオリジナル商品の売買ができることも魅力の一つです。最近では、手作りお菓子やパンを販売している人も増えてきました。作ったものを販売したい!そう思う人も多いのではないでしょうか?しかし、作ったものをすぐ販売することはできず、事前に許可を取得する必要があります。

そこで今回は、手作りのお菓子やパンを販売する際に必要な許可について解説していきます。

目次

販売を始めるために必要な3つのステップ

普段から、お菓子づくりやパンづくりを趣味にしているならもちろん、知り合いにそういう人がいれば、「すぐに販売を始められる」と思うかもしれません。ですが、自宅のキッチンでつくったお菓子を、今すぐ販売するのは無理と考えてください。

手づくりでも仕入れでも、お菓子やパンを販売するには。それ相応の準備が必要だからです。最も基本的な準備として、販売に必要な「許可・資格・表示」についてみていきましょう。

保健所で営業許可を取る

まず、必要になるのが「菓子製造業営業許可」です。「そんなに本格的にやるつもりはないのに」という人でも、ビジネスとして利益を得るには、必ず許可証が必要になります。

これは保健所に申請しますが、自治体によって内容が若干異なるため、詳細は最寄りの保健所のホームページ等で確認してください。難易度は高いと思って赴く方がよいでしょう。

食品衛生責任者の資格を取得

「菓子製造業営業許可」は、簡単に言うと「場所」に対する許可です。もし、自分や友人・知人が手づくりをするなら「食品衛生責任者」の資格が必要になります。これは「人」に対する許可で、調理施設を設けるなら誰か一人は責任者として登録しなければいけません。

取得するのはオーナーに限定されず、家族でも友人・知人でも、一緒にいる誰かが取得していれば大丈夫です。

○○責任者となると、一定の経験やそれ相応の知識が必要のように感じてしまいますが、取得は意外に簡単です。誰でも、1日の講習会に参加すれば、容易に取得することができます。

また、下記の資格を既に取得していると免除されます。

  • 栄養士
  • 調理師
  • 製菓衛生師
  • と畜場法に規定する衛生管理責任者
  • と畜場法に規定する作業衛生責任者
  • 食鳥処理衛生管理者
  • 船舶料理士
  • 食品衛生管理者、もしくは食品衛生監視員となることができる資格を有する

詳しくは所管の保健所で確認してください。

販売するには「食品表示」ラベルが必要

営業許可、資格を取得したら基本的な準備は完了です。実際にお菓子をつくって販売するには、製造元、材料、賞味期限、責任の所在などを記した「食品表示」ラベルを貼らなくてはいけません。何を表示するかは、保健所によって定められているので、確認しておきましょう。

商品を販売する際の注意点

続いて説明するのは、商品を販売する際に注意が必要な点についてです。食品を販売することに関しての基本的なマナーの他、法律に違反する行為についても解説していますので、しっかりと目を通しておきましょう。

商品は1つずつ包装する

ネットショップだけでなく、屋外のイベント、フリーマーケットなどで販売する場合、調理済みのお菓子やパンを包装しなくてはいけません。面倒でも、1つずつ個包装してください。

調理済みを販売するには「個包装+品質表示」が原則

前述の「食品表示」について補足すると、現地で調理して販売する場合、これは不要です。調理済みのお菓子、パンなどを発売する際は「個包装+品質表示」が必要になります。

内容は「名称、原材料、賞味期限、製造年月日、内容量、保存方法、製造者の氏名・住所」等です。イベントの主催側から特に求められないこともありますが、「きっちり仕事をしている」という印象を与えるためにも、自主的に行うべきです。

営業許可なしでは委託販売もできない

「自分で販売するには保健所の許可が必要でも、自分でつくったお菓子やパンを、営業許可のあるカフェなどで販売してもらえばいいのでは?」と考える方もいらっしゃるかと思います。確かに、売る場所に許可があれば問題ないように思えますが、これは違反行為となってしまうので注意が必要です。

自分で販売するにしても、カフェ等で販売してもらうにしても、保健所から「許可を受けた場所でつくられたもの」しか販売できないからです。逆に言えば、許可を受けた場所で手づくりしたものなら、カフェ等で自由に販売できます。

プロがつくったものが販売NGになることも

手づくりお菓子、パン、惣菜等の販売で、やってしまいがちな違反行為は次のようなものです。

  • (保健所から製造許可を受けていない)料理教室で先生がつくった惣菜を、イベントやフリーマーケット等で販売する
  • (保健所から製造許可を受けていない)パン教室で先生がつくったパンを、イベントやフリーマーケット等で販売する
  • 家の敷地内に販売スペース(棚など)を設け、台所で手づくりしたお菓子の販売をする
  • お菓子教室の先生が、誕生日に頼まれてつくったケーキを販売する

料理教室で先生がつくったものなら大丈夫と思いがちですが、そこが保健所から製造許可を受けていなかったらNGです。

営業許可を取らないと厳しい罰則の対象になる

では、営業許可を受けないで手づくりのお菓子、パンなどを販売したらどうなるのでしょうか。食品は人が口にするもので、健康に害を与えることも考えられるため、厳しい罰則が設けられています。

食品衛生法違反」となると、飲食店営業許可違反は「2年以下の懲役または200万円以下の罰金」となっています。アルコールを除く飲料を開封せず販売する場合以外は許可が必要です。

営業許可証にはどんな種類があるのか?

少しカタい話ですが、お菓子やパンの販売をするには欠かせない「営業許可証」についてまとめていきます。保健所の基準を満たした調理施設に与えられるのが「営業許可証」です。手づくりお菓子、パンの販売に必要なもので、「菓子製造業営業許可証」と「飲食店営業許可証」に分類されます。

申請は開業予定の場所を管轄する保健所に行い、どこに申請するかは「厚生労働省 保健所管轄区域案内」で確認できます。

スイーツ系の販売には「菓子製造業営業許可証」が必要

では、2つの許可証について説明していきましょう。

製造したお菓子やパンなどを販売するために必要なのが「菓子製造業営業許可証」で、取得手数料は14,000円程度です。必要書類等の詳細は該当する保健所で確認してください。

食事メニューを提供するなら「飲食店営業許可証」が必要

飲食店営業許可証」は、その名称通り、レストランやカフェ等、食事のメニュー全般の販売に必要な許可証で、取得料は16,000円程度です。前述したように、パンを販売する場合であれば「菓子製造業営業許可証」のみで足りますが、併設してパン以外の食事メニューを販売する際には「飲食店営業許可証」が必要となります。

こちらに関しても、詳細は該当する保健所で確認してください。

営業許可証を取るまでの3つのステップ

説明してきたように、お菓子やパンを販売するには「菓子製造業営業許可証」、併設してそれ以外のものも販売するには「飲食店営業許可証」の両方が必要になります。では、「菓子製造業営業許可証」と「飲食店営業許可証」を取得するには、どうすればいいのでしょうか。

初めてだと難しく感じてしまうかもしれませんが、入念に準備すれば恐れる必要はありません。ここで、取得までの流れをチェックしておきましょう。

保健所の基準を確認する

お菓子やパンの販売を許可するのは保健所ですが、営業許可証の許可基準は日本全国で統一されているわけではありません。地域によって、基準が厳しかったり、逆に緩かったり、独自の基準があったりするので、基準は保健所によって変わります。申請の前に、自分が該当する保健所の基準を確認してください。その上で、以下のように整理してから相談するのが第一歩になります。

  • 販売しようとしている商品、メニューの内容
  • 飲食スペースは必要なのか、それとも調理加工だけ行うのか
  • 自宅を改装するのか、新たに建築するのか

水回り、電気工事は専門業者にまかせる

保健所に相談し、許可に必要な施設基準を確認できたら、施設づくりの具体的な検討に入ります。この場合、特に注意が必要なのは水回り、電気工事ですが、ここは専門の業者にまかせたほうが安心です。

コスト削減のためにDIY、自分たちでがんばれるところはがんばってもいいでしょう。自宅を改装・増築し、カフェやお菓子屋さんを始めたいと思う場合、許可を取るには保健所が定めた基準を満たさなくてはいけません。

  1. 建物の構造・面積
  2. 床の材質
  3. 壁・窓の材質、設置の高さ
  4. 器具の洗浄設備・手洗い設備
  5. 給湯設備
  6. 冷蔵・冷凍設備、ゴミ箱、保管庫

また、開業予定の場所が「商売可能な地域かどうか」も確認してください。「市街化調整区域」の場合、商売禁止の可能性もあります。これは、農林水産業を守るため市街化を制限された地域のことで、用途が「住宅」に限られていると、飲食店や商売目的の施設には変更できません。例えば、届け出は住宅なのに、カフェとして営業しているのがバレると、営業停止命令、撤去命令が下される可能性もあるので、必ず確認してください。

市街化調整区域に指定されているかどうかは保健所では把握していません。最寄りの土木事務所に問い合わせるようにします。

保健所の視察を受ける

最後の関門が保健所の視察です。完成した施設に不備はないかを確認するため、写真を撮ったり、設備にあれこれ質問・指摘をしたり、入念にチェックされます。

視察を受け、必要書類を提出して手数料を払えば、ようやく申請が完了です。保健所の指示通りに行えば、ほぼ問題なく約1週間~10日ほどで営業許可証が下りるので、保健所に取りに行きます。

手づくりお菓子、パン販売の保健所Q&A

ゼロから手づくりお菓子、パンなどを販売しようとすると、許可申請を含めて初めて経験することが多くなります。保健所と積極的に関りを持つのも、ほとんどの人は初めてのことでしょう。営業していくために、保健所との関係は重要になっていくため、保健所にはどんな質問が寄せられるのかをまとめていきます。

食品を仕入れ、小分け・詰め直して販売できますか?

あらかじめ調理された菓子やパンを仕入れて販売するには、保健所に「届出」をする必要があります。

しかし、ただ仕入れて並べるだけでなく、詰め直してかわいいパッケージに入れたり、小分けしてきれいにディスプレイしたい人もいるでしょう。その際には、「食品の小分け業」の「許可」が必要です。そのため、勝手に詰め直したり、小分けしたりするのではなく、事前に保健所に相談してください。

また、仕入れて販売する際は、保存方法を間違えたり、賞味期限切れで販売しないよう注意が必要です。

なお、食品の種類に応じて営業許可が必要だったり、販売の許可とは別に「○○製造業」などの営業許可が必要な場合がありますので、事前に保健所に相談してください。

また、食品衛生法やJAS規格に基づいた表示の付けなおしも求められることがあるので、仕入れて販売する際は保健所に確認するようにします。

参考:営業許可と届出関する問い合わせ先 | 食品衛生の窓

仕入れた商品をネットショップで売るにはどうすればいい?

他の店舗で売ってもらうにしても、実店舗を持って売るにしても、実店舗があると納入の手間があるし、商品をすべて陳列できるとは限りません。ネットショップなら、店舗を持つ必要はないし、商品は写真ですべて掲載できるし、いいことづくめに思うかもしれません。

とはいえ、許可が不要なわけではなく、ネットショップで注文を受け、食品を販売する場合、発送まで保管しておく場所に営業許可が必要なこともあります。

食品の種類によって異なるので、所管する保健所に確認してください。

弁当を販売するには、どんな営業許可が必要ですか?

弁当は、食品の販売の中で最も手をつけやすい商材といえるかもしれません。ただし、誰でも売っていいわけではなく、仕入れた弁当をそのまま販売するにも、「届出」が必要です。ただし、客の注文によって調理し、提供(持ち帰り又は配達)する営業は、「飲食店営業」に分類されるため、「許可」の取得が必要となります。

少しややこしいですが、これも所管の保健所に確認するようにしてください。

手づくりのお菓子をネットショップで売るには?

趣味でお菓子づくりやパンづくりをしている人や、料理が好きでこれからお菓子にも挑戦したいと思っているなら、やがて「自分でつくったものを販売してみたい」と思うかもしれません。

そんな時も、ただ「やりたい」だけで突っ走ってしまうのではなく、この記事で記してきたことを思い返してください。

手づくりのお菓子(クッキー等)、パンをネットショップで販売する場合、つくる場所と保管しておく場所(発送の拠点)それぞれに、保健所の営業許可が必要になることがあります。

何を販売するかによって異なるため、必ず所管の保健所に相談してください。

まとめ

これまで解説してきたように、手づくりのお菓子やパンを販売するには、意外に面倒かつ細かな許可申請が必要です。いきなり販売ではなく、まず手づくりの作品をブログ等で発信して、反応があったら動画のレシピ&つくり方配信から始めてもよいでしょう。

手応えを感じたら、例えばワンルームマンションなど安い賃貸物件を借り、ネットショップで製造&販売もできます。軌道に乗ったら実店舗を計画するなど、ステップを踏みながら、少しずつ夢を実現させるように考えてみてはどうでしょうか。

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この記事を監修した人

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