ブランド力はビジネスにおいて効果が大きく、マーケティングにも有益なものです。しかし、世の中には長く愛されるブランドもあれば、すぐに消えてしまうブランドもあります。
この差はどこから来るのでしょうか?
それはブランドコンセプトの違いです。魅力的なブランドコンセプトをあげることでそれに共感する人たちがファンとなり、ブランドが成長していくのです。今回はブランドコンセプトの作る時の考え方やコツ、とその成功例を解説していきます。
ブランドコンセプトの作り方
ブランドコンセプトを作ろう!と思っても、何から始めればいいのでしょうか。ブランドコンセプトの作り方を具体的に説明します。
響くブランドコンセプトとは?
ブランドコンセプトとは「自分のビジネスの目指す理想の世界を一言で表したもの」です。それぞれのブランドがブランドコンセプトを掲げていますが、その中でも響くブランドコンセプトと響かないブランドコンセプトに分かれます。
響くブランドコンセプトは売上に貢献しますが、響かないブランドコンセプトは売上にはつながりません。よって、ビジネスを始めるよりも前に響くブランドコンセプトを作る必要があります。
では響くブランドコンセプトとはどういったものでしょうか?
1.独自性がある
ブランドコンセプトは他にはない、自分だけのオリジナルであることが必要です。他に似たようなものがあるブランドコンセプトをあげても、見た人に「あ、〇〇と同じだ」と思われるだけで、興味を持ってもらうことはできません。むしろ他のブランドの「パクリ」として扱われて、マイナスなイメージを持たれかねません。
2.サイレントマジョリティを代弁する
オリジナリティや独自性があれば何でも良いかと言うと、そうではありません。世の中に求められているということも必須条件になってきます。
「サイレントマジョリティ」とは多くの人が口には出さないけれど心の奥で「こんなものが欲しい」と思っていることです。サイレントマジョリティが満たされるものが発売されると皆が「そうそう、こんなものが欲しかった!」と買ってくれます。
3.自分の本音と合致する
独自性があり、世の中のサイレントマジョリティを満たしていれば、売り上げは確実に上がります。しかし、それが自分の本音に合わないものならば長く続けることはできず、いずれ破綻します。
例えば、ビジネスを教える業界では自分がお金を儲けたいだけなのに、「女性を経済的に自立させるサポートがしたい」等と宣伝している人がいます。そういう人は「空いた時間を使うだけで月100万稼げますよ」と上っ面だけの甘い言葉で多くの人を誘って、集客します。
しかし、自分が儲かりたいだけの場合は、集客した人を本気で稼げるようにサポートしません。結果リピーターが生まれず、ついには集客できなくなって、ビジネスに行き詰ってしまうのです。
リサーチから始めよう
では、具体的にブランドコンセプトを作るための具体的な行動について説明していきます。まず最初に行うことはリサーチです。どんなブランドコンセプトが存在しているのかを知ることで、響くブランドコンセプトを作ることができます。
1.競合のブランドコンセプトを調べる
まずは、自分がビジネスを始めたいと思っている業界に存在するブランドコンセプトを調べることから初めていきましょう。例えば、渋谷で美容室を開店したいと思っている場合、すでに渋谷で開業している美容室がライバルとなります。そのライバルたちのブランドコンセプトをチェックしていきます。
一番簡単なのがインターネットの検索エンジンで「渋谷」「美容室」と検索することです。またホットペッパービューティーにも全国のエステサロンが登録されているので、そこを見るのもよいでしょう。
競合店を見つけたら、ブランドコンセプトを把握するために以下の点をチェックしていきます。ブランドコンセプトとは、「誰に」「何を」「何のために」「どうなって欲しいのか」という、そのビジネスが目指す理想の世界を一言で表したものです。
誰に:ターゲットはどんな人か?
何を:どんな商品やサービスを扱っているのか?
何のため:何のためにその商売をしているのか
どうなって欲しい:商品やサービスを使うことによって、お客さんにどうなって欲しいのか
これらを把握できたら、その店のブランドコンセプトを一言で表してみましょう。そして、実際にホームページに書いてあるブランドコンセプトを確認してみて下さい。正直なところ、ブランドコンセプトを考えているお店は少ないですが、リサーチを重ねることでブランドコンセプトが被ることを防ぐことができます。
2.サイレントマジョリティーをリサーチする
次に行うことはサイレントマジョリティーのリサーチです。皆が常日頃思っているけど口には出さない「不満・悩み・願望」を知ることによって、「世の中で求められていること」を把握するためのものです。これは自分のビジネスのターゲットとなるお客さんとのコミュニケーションの中で発見していくものです。
ただし、いきなり、「あなたの欲しいものはなんですか?」、「今悩んでいることを話してください!」、と言われても大抵の人はすぐに答えることができせん。なぜならサイレントマジョリティは普段自分でも意識していない潜在的な悩みだからです。
サイレントマジョリティを引き出すためには、相手にストーリーを話してもらうことが効果的です。5W1Hを上手に使って、相手の話を聞きだしましょう。
Who:誰が。誰と
What:何を。何で
When:いつから。いつまで
Where:どこで。
Why:なぜ。
How:どのように
例えば、オンラインでパソコンスクールを始めたいと思っている場合
・なぜパソコンを学びたいと思っているのか?
・今までどのようにパソコンを学んできたのか?
・どんな人から学んできたのか?
・誰かと一緒に学んできたのか?
・パソコンを使ってどんな風になりたいのか?
・パソコンの勉強していて、何が特に上手くいかなかったのか?」
など、相手の過去まで遡って色々話を聞いてみて下さい。
そして、このリサーチを多くの人にしていくことで、いろいろな人に共通する「不満・悩み・願望」というのが見えてきます。これらが見えてきたら、一言で良いので言葉にしておきます。
3.自分自身をリサーチする
ブランドコンセプトは自分の本音と一致する必要があるというのは、先の述べた通りです。それには自分自身をリサーチして、自分が理想とする世界を把握する必要があります。
競合店をリサーチした時と同じように、「誰に(どんなお客さんに)」、「何を(どんな商品・サービスを)」、「何のため(ビジネスの目的)」、「どうなって欲しい(理想とする世界)」の4つの要素をひとつずつ書き出します。そして、その4つの要素を一文にまとめましょう。もちろん、建前ではなく自分自身の本音を書いて下さい。
ブランドコンセプトの言語化
ブランドコンセプトの仕上げとして、ブランドコンセプトを言語化していきます。響くブランドコンセプトとは「独自性」があり、「サイレントマジョリティ」を代弁していて、かつ「自分の本音」に合致したものです。ブランドコンセプトはこの3つの要素を一言で表現する必要があります。
「あなたのビジネスはどんなビジネスですか?」
「どんな商品を販売していますか?」
と聞かれた時に、一瞬で答えられなければ、その商品やサービスは伝わっていきません。なぜなら、人は一気に説明されても覚えられないからです。
まず、自分自身のリサーチで言語化した「誰に」「何を」「何のために」「どうなって欲しいのか」という4つの要素を短い文章で表します。そしてこれが「独自性」があって「自分の本音に合致」しているものがチェックして下さい。
この短い文章がブランドコンセプトの「コア」の部分になります。そして、この短い文章を一言にまとめるために以下の問いかけをしてみて下さい。
・その商品・ビジネスが目指す理想の状態は何か?
・その商品・ビジネスのコアは何か?
・その商品・ビジネスが生み出す常識は何か?
ブランドコンセプトの必要性
世の中にあふれるたくさんの商品・サービスの中からあなたの商品・サービスが指名されていくために必要なのがブランドコンセプトです。日本の人口が減る中、今後ブランドコンセプトがないビジネスは消えていくと言っても過言ではありません。
例えば、過去には「たまごっち」という商品が社会現象になるほどブームになりました。
その後たまごっちの真似をした商品が発売されていますが、ほとんど売れていません。ブランドコンセプトのない模倣した商品・サービスは人の記憶にも残らないのです。良いブランドコンセプトを作ることは他にもメリットがありますので、紹介していきます。
価格プレミアム
価格プレミアムとは消費者からブランドの価値が高いと認知されていて、業界の相場よりも高い価格で取引できる状況のことです。
競合相手との価格競争に巻き込まれない強みを持つことができます。
例えば、スターバックスはドトールよりコーヒーの価格が高く設定されています。しかし、スターバックスの価値が消費者から支持されているため、価格だけで比較されることがなく選ばれています。
究極の差別化
ビジネスの成長にライバルとの差別化は不可欠です。しかし、ほとんどの場合「品質の向上」や「商品・サービスの品揃えを少し変える」だけで差別化しようとするので、お客さんからは違いが分かりません。しかし、お客さんの心に残るブランドコンセプトを作ることで、他に比較検討されない状況まで持っていくことができます。
例えばMacを使っている人の中にはWindowsと機能を比較することなく、長く愛用している人も多いです。これこそ、究極の差別化と言えるでしょう。
人の心に残る不滅のもの
実店舗を経営する場合、天災(火事や地震など)で店舗がなくなってしまう可能性もあります。しかし、実店舗が亡くなった場合も人の心に残るブランドであれば、すぐに事業を回復することも可能です。また一からマーケティング活動をする必要がなくなります。
意思決定の時間短縮
ブランドではない商品・サービスは消費者が購入するまでに、「本当にこの商品でいいのか?」「この価格が妥当なのか?」など、決定するまでに時間がかかります。
それに対してブランド化されている場合は顧客からの指名買いなので、意思決定までの時間が短くなります。営業や広告に手間やお金を使う必要もありません。
ブランド戦略の立て方の3ステップ
良いブランドコンセプトを作ったら、それを多くの人に伝えて行くことで自分のビジネスがブランディングされていきます。ここからは自分のブランドを成長させるために必要な3つのステップを紹介します。
自分たちの強みを理解し、ターゲットユーザーを決める
最初に必要なことが自分たちの強みを理解することです。しかし、自分自身のことこそ自分では見え辛いものです。
その場合、ソーシャルメディア分析が効果的です。TwitterやInstgramを通じて、自社に関するユーザーのリアルな声を集めます。リアルな声を知ることで、今まで認識していなかった強みを発見することができます。
自社の強みが分かったら、ターゲットユーザーを決めていきます。SWOT分析、3C分析、PEST分析などのフレームワークで自社の環境を確認した上で、本当に自社が狙うべき層なのか?相性が良い層なのか?を慎重に判断しましょう。
ブランドコンセプトとポジショニングを決める
ターゲットユーザが決まった後は先ほど述べた方法でブランドコンセプトを作ります。その市場で競合他社にはないブランドコンセプトを持つことで、ポジショニングを上手く進めましょう。
最も効果的な広告方法を考える
ターゲットユーザーに向けて広告活動を始めますが、ターゲットによってメディアを選ぶ必要があります。例えば、サラリーマン向けの商品をお昼のTV CMで流しても、サラリーマンがその時間帯にTC CMを見る可能性は非常に低いです。
また若者向けの商品であれば、新聞広告を掲載するよりもSNSの方が効果的なメディアです。ターゲットを分析し、いつ、どこで、どのように広告を行うのかをしっかりと考える必要があります。
ブランドストーリーを作るポイント
ブランドストーリーはブランドコンセプトとの元となる物語です。ブランドコンセプトで興味を持ったユーザーに対して商品やサービスの生まれた過程や思いを伝えるために効果的です。以下の点に注意して、ブランドストーリーを作りましょう。
業界の常識と一般人の常識は違う
どのようなビジネスでも市場認知度が100%になることはありません。つまり、業界人にとっては常識なことでも、一般人にとっては常識ではないということです。
仮に知っている場合も、伝えることをしなければその商品やサービスはないのかな?と思われてしまいます。
自分にとって当たり前のことでも、一般の人の目線に立ってストーリーを作成しましょう。
特徴を伝えるのは良いこと
職人やシェフ出身の経営者に多いのが自分たちの特徴や素晴らしさを伝えることに抵抗がある人です。そのような人たちは良いものをつくれば、顧客は来てくれるはずだと思い込んでいますが、大きな間違いです。
自分たちのビジネスの特徴を伝えないということは、お客さんの評価する土俵にも上がっていないということです。一度体験すれば良さを分かってもらえる自信があるなら、なおさら特徴や良さを伝えて、消費者がその良さを体験できるようにしなければなりません。「言っても素人には分からない」という考えの人もいますが、これも分かってくれる顧客を選ぶ努力をしていないだけです。
長く愛されるブランドの要素は?
自分で立ち上げたブランドを長く売れるブランド、長くユーザーに愛されるブランドにするために、ブランドに必要な要素について解説します。
オリジナリティがある
まず必要なのが、ブランドコンセプトに自分だけのオリジナリティがあることです。もし、他のブランドコンセプトと似ている、あるいは全く同じコンセプトがすでにある場合、ユーザーからは「あのブランドの真似だな」と思われるだけで、印象には残りません。自分のブランドだけの独自性のあるブランドコンセプトが、ユーザーから支持を得るためにも必要です。
心の奥底にある悩みを代弁する
世の中にはユーザーには口に出さないが、「ここが不便だな」「ここが不自由だな」と思っていることが多くあります。そのような心の奥底に抱えている悩みや問題を解決する商品やサービスには顧客を惹きつけることができるでしょう。
例えば、「吹き付けるだけで、服のシワが伸ばせるスプレー」という商品なら、「アイロンがけが面倒だ」と思っている人たちの悩みを解決できます。結果「こんなものが欲しかった!」と売れる可能性は高くなります。
自分の本音と一致する
オリジナリティと心の声を代弁することを意識すれば、売れる商品やサービスを作ることができます。しかし、自分の本音と一致するという条件を満たしていなければ、いずれビジネスは行き詰まります。
例えば、「儲けたい」という本音だけで、ユーザーを甘い言葉で勧誘しているだけでは、リピートにはつながりません。逆にクレームが多くなり、長期的に見て集客できなくなるという状態になります。
逆にブランドコンセプトが自分の本音と一致している場合は、そのコンセプトの実現のためユーザーにあらゆることを提供できます。嘘や偽りがないことがユーザーに伝わることで、ユーザーから愛されるブランドになることでしょう。
得られる未来を一言でイメージできる
あなたのブランドコンセプトを通して商品やサービスを利用した顧客が得られる未来、到達できる未来を一言で表現できますか?例えば自動車なら「短期間で移動できること」、さらに言えば「家族との空間」「彼女とのドライブ」と表現できます。
まず「あなたの商品やサービスを利用することによって、どのような未来が得られるのか?どのような未来が待っているか?」をストーリーを色々と考えてみます。そして、そのストーリーを一言で表現してみましょう。ポイントは難しい表現にしないことです。聞いた人がすぐにイメージできるような、シンプルな一言で表現して下さい。
得られる未来に到達するための解決策を示す
上記で考えた「得られる未来」に到達するまでにはどんな障害や問題が起こりうるでしょうか?まずはそれを具体的に考えます。
次に自分の商品やサービスでその問題を解決するための方法を書き出します。その上で、あなたの提案する商品やサービスが他と異なり、優れていることが
論理的に説明することで、顧客は納得して商品やサービスを購入してくれるのです。
問題解決の方法は一つではありませんが、問題解決までのストーリーをイメージし、それがユーザーに伝わることで売上は上がります。そのためにも今までに挙げた、長く売れる要素について粘り強く考えていきましょう。
ブランドコンセプトの成功例
ここからは実際にあるブランドコンセプトの成功例を紹介していきます。
商品のブランドコンセプトの成功例
・iPod
1000曲を ポケットに
「たくさんの音楽がポケットに入る小さな機械で持ち運べる」という価値を一言で表した、抜きんでたコンセプト。
・ダイソン
吸引力の変わらないただ一つの掃除機
掃除機の1番求められる機能である吸引力を追求した高機能な掃除機であることを一言で表現している。
・モーニングショット
朝専用 缶コーヒー
「朝」というシチュエーションに特化したコーヒーということを表す、「専用化」という戦略。
・ヘルシオグリエ
作りたてのおいしさ&余分な油を落としてヘルシーに焼けるウォーターオーブン
世の中が求めるヘルシー志向に注目したオーブン。それを実現するために過熱水蒸気という技術が開発された。
・やきまる
スモークレス焼肉グリル
「焼肉で煙が出て、部屋に匂いがつくのが嫌」という悩みを解決している焼肉専用グリルであることが一言で分かる。
・走れるパンプス
「パンプスは動きにくい」という問題を解消したということを一言で表現して、ヒットした。
・ウイダーinゼリー
10秒チャージ2時間キープ
「朝ご飯を食べない人が多い」という問題を解消した、手軽に食べれる朝食というコンセプトを表現。
・切腹最中
謝罪の際の手土産に ユーモアのある和菓子
「切腹最中」というネーミングが、取引先に謝罪に行く時の手土産としてぴったりだとして人気が出た。
・うんこ漢字ドリル
日本一楽しい漢字ドリル
子供にとってドリルでの勉強はつまらない、という問題を覆したコンセプト。
・強制プロポーズセット
結婚を煮え切らない彼に 強制的に婚約
ジュエリーの企業としては、フロントエンドとして効果的なコンセプト。煮え切らない彼にやきもきする女性にヒットした。
サービスコンセプトの成功例
・フェデックス
宅急便を 翌日配送で
配送はスピードが命、というのを企業努力で解決した、正攻法のコンセプト。
・サウスウェスト航空
空の旅を 世界一安く
こちらも真向から価格に向き合った、正攻法なコンセプト。
・マッハバイト(旧ジョブセンス)
求人広告を 成功報酬で
企業は求人広告を出したくても費用が高い。そこを無料掲載にし、採用が決まったら支払ってもらう成果報酬型に変更したコンセプト。
・ライフイズテック
中学生、高校生のためのプログラミング・ITキャンプ/スクール
子供にとって楽しくない勉強をサマーキャンプという言葉と組み合わせて楽しそうに表現。
・リアル脱出ゲーム
脱出ゲームのリアル版 体感型イベント
緊迫感が売りの「脱出ゲーム」というゲームコンセプトそのものをリアルに持ってきたコンセプト。エンタメのコンセプトは一目見た時に「面白そう」であることが重要。
・OKweb
わからないことを ネット初心者でも聞けるQ&Aサイト
「ググれ」と言われてしますネット初心者の悩みを解決している。
・乗り換えマップ
電車の乗り換えを マップで便利に
開発者は子育て中のママ。地下鉄の乗り換えが大変で自分で開発したところからスタートしている、ユーザー目線の企業。
お店のブランドコンセプトの成功例
・スターバックス
家庭でもなく職場でもない第3の空間
「サードプレイス」というリラックスできる場所を提供するというコンセプト。実際にスタバで仕事をする人をよく見かける。。
・ドミノピザ
30分以内に熱々ピザを 自宅までお届け
ユーザーの「冷めたピザは嫌」という問題を解決するために、このコンセプトを掲げたことで売上が伸びた。
・アスクル
事務用品が 明日届く
フェデックスの事務用品バージョン。業種を変えただけで、コンセプトは転用できるという良い例。
・カーブス
女性だけの30分健康体操教室
女性専用かつ家事や子育てに忙しい女性のために短時間でもできるというコンセプトのフィットネスクラブ。シンプルだがサイレントマジョリティを代弁したコンセプト。
・QBハウス
10分の身だしなみ
企業目線だど組織化、マニュアル化という表現になってしまう速さを、ユーザーが求めるニーズに置き換えて表現している。
・俺のフレンチ
高級食材を使った高級料理を 低価格で
「良いものを安く食べたい」と皆が思っていることを実現したシンプルなコンセプト。掲げるのは簡単だが、真似するのは難しい。
・デラセラ
誕生日専門のレストラン
ユーザーの誕生日というオケージョンに特化した優秀なコンセプト。誕生日に特化したサービスが多くある。
・旬熟成 GINZA GRILL
耳と口だけで感じる体験型レストラン
目隠しレストランというコンセプト。普通のレストランも暗闇にして、エンターテイメントにするというアイデアが秀逸。
・山形 時の宿すみれ
宿を お二人様専用で
こちらもオケージョン(場合)に特化したコンセプト。家族連れではなく、お二人様のニーズは必ずある。
・高知県 馬路村農協
高知の柚子を 田舎丸ごとお届け
こちらは「田舎を感じたい」というニーズを満足させるコンセプト。素朴で清々しい印象。
ブランドコンセプトの成功例
・シャネル
男性のためだった女性の服を
エレガンスと働くことを両立した女性による女性のための服へ
(女による女のためのモード)
当時は女性が自立ができず、服をデザインするのも選ぶのも男性という時代。その社会への大きな挑戦としてシャネルが掲げたブランドコンセプトです。ブランドコンセプトとの例としてよく揚げられる。
・ディズニーランド
魔法の国
日常から非日常へ、というシンプルながらディズニーの全てを形作るコンセプト。
・ロクシタン
肌に安全なプロヴァンスの自然原料のシアバター
安全で、自然なものを使いたいというユーザーのニーズを満たすブランドコンセプト。他にもラッシュやボタニストも同様の方向性で大ヒット。
・ザ・ボディショップ
動物実験を行わない環境に優しい 天然化粧品
哲学を感じるブランドコンセプト。業界の問題を解決し、ユーザーを新たな世界に連れて行こうという意志が感じられる。
まとめ
ブランドコンセプトはあなたのビジネスの商品やサービスをストーリーに仕立てて、それを一言で表現したものです。その中でも響くブランドコンセプトの条件は独自性があること、サイレントマジョリティを代弁すること、自分の本音と合致することが上げられます。
世の中にまだ無い唯一無二で、人々の共感を呼ぶようなブランドコンセプトを目指しましょう