USBは、デジタル機器同士の接続や充電をはじめとした日常のあらゆる場面で使用されています。ただ、一口に「USB」と言ってもその種類は多く、所有する機器に適合するものを選ばなければ、全く用をなしません。例えば、スマートフォンの充電ケーブルを見ても、AndroidとiPhoneとでは使用している端子が異なるため、使い回すことができませんよね。
そんな多様なUSB規格の中で、最近どんどん適用範囲を拡大しているのが「USB Type-C」と呼ばれる端子です。薄くて平べったい楕円形をしており、上下左右の区別がないのが特徴です。差し込む方向を間違うことがないため、誰でもスムーズに使用することができます。さらに、マグネット式のUSBケーブルを併用すれば、接続はもっと簡単です。しかし、これまで機器に直接抜き差しして使用するUSBケーブルが主流だったため、マグネット式と言われてもピンとこない人も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、USB Type-Cにも対応したマグネット式のUSBケーブルについて詳しく解説します。そのメリット・デメリットから、おすすめの商品までをご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
USB Type-Cケーブルとは
USB Type-Cケーブルは、2015年に登場した比較的新しい規格の端子で、主にMacBookシリーズやAndroidスマートフォンなどに採用されています。
パソコン本体と周辺機器の双方に対応しているため、外部接続時に混乱を招くことがありません。また、転送スピードがUSB Type-AやType-Bと比べておよそ2〜4倍の速さを誇ります。さらに、「オルタネートモード」という機能により、「HDMI」や「Thunderbolt」、「DisplayPort」など他規格の信号を流すこともできるため、これ1本で映像出力まで対応可能です。
直接接続式とマグネット式の違い
機器に直接差し込んで使う従来の方式が「直接接続式」です。ポートに端子を挿入するだけで接続できる簡単さは、家電の配線や機械の扱いなどが苦手な人にとって大きな魅力と言えます。しかし、抜き差しを繰り返すうちに端子が劣化して接触不良を起こしやすく、また、無理な方向へ力がかかるとケーブルが断線・破損しやすいのが難点です。
一方のマグネット式は、端子の付いたアダプタをデバイスに差し込んだまま、ケーブル部分だけをマグネットで付け外しする方式になっています。そのメリット・デメリットについては、次項で詳しくご紹介していきます。
マグネット式USBケーブルのメリット
マグネット式USBケーブルにはおすすめポイントがたくさんあります。以下では、主なものを6つご紹介します。
メリット1:付け外しが簡単
マグネット式なので、ケーブルと専用のアダプターを近付けるだけで接続することができます。また、外す時も簡単なので、無理に引っ張って端子部分が折れたり曲がったりすることもありません。
細かい物が見づらいお年寄りでも、端子の上下を間違うことなく安心して使用することができます。
メリット2:どんな向きでもOK
アダプターとの接合部分は上下左右対称となっているため、いちいちケーブルの向きを気にする必要がありません。
また、マグネットが勝手に適切な位置に接合してくれるため、細かい調整も不要です。
そのため、手元が暗い場所でも使用することができます。
メリット3:充電ポートの位置を探さなくてよい
充電ポートが影に隠れている場合、持ち上げるなどしてポートの場所を探す手間がかかっていましたが、マグネット部分を近づけるだけで接続してくれるので、毎回場所を探す必要がありません。
そこそこの磁力があるため、ある程度近くに差し出すと勝手にくっついて接続されます。軽く引っ張った程度では取れないほどの強度はあるのですぐ抜け落ちる心配はありません。
メリット4:壊れにくい
アダプターを抜き差しする必要がなく、端子の摩耗や劣化が抑えられるので、接触不良などのトラブルが起こりにくくなります。また、接続中に無理に引っ張ったり引っかかったりして強い力が加わっても、マグネット部分が外れて力を逃し、ケーブルの断線を防止してくれるため、頻繁にUSBケーブルを買い替える必要もありません。
目に見える形で物理的に壊れていれば、すぐに破損に気付くことができますが、ケーブルの被覆内部での断線や端子の不良はなかなかわからないもの。いざ使おうと思った時に壊れていては、非常に困りますよね。
そういう意味でも、壊れにくいというのは大きな魅力です。
メリット5:ケーブルを共用できる
デバイス側の端子は、LightningやMicroUSB、USB Type-Cなどさまざまです。直接接続式であれば、端子の種類の分だけUSBケーブルを用意しなければなりません。
しかし、マグネット式なら、適合した専用アダプタを端末の数だけ用意すればケーブルは1本でOKです。MicroUSBのAndroidスマートフォンとLightningのiPad、USB Type-CのMacBookのように、持っているデバイスの端子がバラバラでもケーブルを共有できるため、配線をスッキリさせることができます。
メリット6:暗闇でも見つけやすい
マグネット式のUSBケーブルにはLEDライトが付いています。アダプターとの接合部付近が光っているため、寝室などの手元が暗い場所でも簡単に接続可能です。
ただ、最近はケーブルが通電中であればライトが点灯する仕組みになっているものが多くなっています。点灯イコール充電中とは限りませんので、必ず接続状態を確認するようにしてください。
マグネット式USBケーブルのデメリット
数多くのメリットがある一方で、デメリットも存在しています。
デメリット1:専用アダプターが必要
マグネット式USBケーブルを使用するには、機器側の充電ポートに専用のアダプターを差し込んでおく必要があります。そのため、充電ポートに差し込むタイプのイヤホンなどと同時使用することはできません。必要に応じて、Bluetooth対応のイヤホンなどに買い替えてください。
なお、専用アダプターはケーブルに付属しているのが通常ですが、単品で購入することも可能です。
デメリット2:持ち歩きには向かない
マグネット接続のメリットである付け外しのしやすさが、外出時にはデメリットとなります。
例えば、バッグに入れたモバイルバッテリーと接続した状態でスマートフォンを使用した場合、動いた時の振動や衝撃によってケーブルが勝手に外れてしまうため、思うように使用できません。
屋外での使用には、直接接続の方が向いていると言えるでしょう。
デメリット3:落とした際にマグネット部を破損しやすい
マグネットケーブルは、スマホのケーブル差し込み口にマグネット式の先端部位をスマホに挿しっぱなしにしておきます。そのためスマホの充電ケーブル差し込み口から少し飛び出た状態になっています。
スマホを落とした際に飛び出たマグネットケーブルの先端が破損し、充電できなくなる恐れがあります。
スマホリング、ストラップをつけるなど、スマホ落下防止対策をすることをおすすめします。
デメリット4:見た目が悪くなる
マグネットケーブルの先端を取り付けたままにするので、スマホからケーブル先端が飛び出た状態になり、見た目が悪くなる恐れがあります。
また通話時に女性など髪が長い方はマグネットケーブルの先端に髪が引っかかる場合もあるため注意が必要です。
スマホケースによってはケーブル差し込み口が小さいものがあり、マグネットケーブルが取り付けられない可能性があります。
デメリット5:取り外しにくい時がある
マグネットケーブルは先端が磁石でくっつき、充電の際にケーブルを簡単に取り付けられるメリットがあります。
しかし先端が小さいため、高速充電ケーブルなど他のケーブルで充電したいときに外すのが難しいです。
そのため外す際に手が滑って飛んでいってしまうなど、紛失のリスクもあります。
一度マグネットケーブルを使用したら、なるべく他のものは使用せず同じものを使うことをおすすめします。
デメリット6:スマホメーカーの純正品がない
スマホメーカーはマグネットケーブルを販売しておりません。
充電ケーブルは純正品を使うことを推奨しており、マグネットケーブルのように特殊なケーブルは自己責任で使用しましょう。
それでも便利であることは間違いないので、購入時には口コミをチェックして購入するようにしましょう
マグネット式USBケーブルを選ぶ時の4つのポイント
マグネット式USBケーブルを選ぶにあたっては、次の3つのポイントをしっかりと確認しましょう。
ポイント1:端子が適合しているか?
多くのマグネット式USBケーブルには数種類の端子アダプターが付属しているため、ほとんどの場合、手持ちのデバイスと適合するはずです。
しかし、全ての端子を網羅しているとは限りません。端子が適合しなければ使用することができませんので、購入する際は必ず確認してください。
ポイント2:急速充電に対応しているか?
手持ちのデバイスやその他の周辺機器が急速充電に対応していても、ケーブルが対応していなければ通常充電しかできません。
急速充電を利用する機会が多い人は、急速充電対応のUSBケーブルを選びましょう。
ポイント3:アダプタとの接合部分が回転するか?
ケーブルと接続したままデバイスを使用する際、ケーブルが邪魔に感じたことはありませんか?そんな人には、回転タイプをおすすめします。
回転タイプのマグネット式USBケーブルとは、専用アダプターとケーブルの接合部分を回転させ、好きな角度に調整することができるもののことです。ケーブルを気にすることなく使用できるため、とても便利です。
ポイント4:充電時にライトが点灯するタイプがある
充電ケーブルには充電中に通電すると光るタイプがあります。
光るタイプのメリットとしては以下の通りです。
- 暗くてもどこにあるか分かる
- 充電できているか分かる。
- 見た目がかっこいい
マグネットケーブルはしっかりと接続できているか不安に感じる場合があります。光るタイプのケーブルなら通電できているかひと目で分かるので安心です。
おすすめのマグネット式USBケーブル6選
これまで解説した内容を踏まえ、おすすめのマグネット式USBケーブルを6つご紹介します。商品選びの参考にどうぞ。
おすすめ1:A.S マグネット充電ケーブル 3in1
Lightning、MicroUSB、USB Type-Cに対応した磁気ヘッドが3つ、ケーブルが1mと2mタイプが2本ずつ付属しており用途に幅広く対応する優れたセットです。
先端は自由に角度を設定することができ、充電中も干渉せず快適に端末を操作することが出来ます。
おすすめ2:SUNTAIHO マグネット 充電ケーブル
SUNTAIHOのマグネット式充電ケーブルは0.5m・1.2m・2mの中から用途に合わせて選択が可能で、高耐久ナイロンと航空アルミ材で捻じれや断線に強く絡みにくいため長く使えるコストパフォーマンスに優れた作りになっています。
Q.A3.0 3Aの急速充電にも対応しており、最新の機種にも問題無く使用できます。
おすすめ3:Magic Cable マグネットケーブル
Lightning、MicroUSB、USB Type-C端子が標準でついており、【N52】ネオジム磁石によって接続部分が容易に外れません。
最大の特徴は特許も取得した画像の様に磁石でコードをまとめられる機能で、収納時や持ち運びの際鞄の中で絡まったりすることがなくストレスフリーな設計です。
これらの特色を持ちながら、QC3.0急速充電や480M高速データ転送といった高水準の性能も備えています。
おすすめ4:サンワサプライ「マグネット着脱式マイクロUSB充電ケーブル」
充電専用のマグネットケーブルです。Type-AのUSBも裏表どちらでも差し込める両面タイプになっており、向きを気にせず差し込めるのがメリットです。
また、従来のマグネットケーブルよりも先端がコンパクトで、取り付けたままでも邪魔になりません。
充電中は先端の色が光り、充電中は赤、充電が完了すると緑に光ります。
参考:サンワサプライ「マグネット着脱式マイクロUSB充電ケーブル」
おすすめ5:Ewise マグネット充電ケーブル
USB Power Delivery技術に対応しており、100Wまでの高速充電を行うことができます。
マグネットも強力で、近づけるとしっかりと接続することができ、充電中に外れる心配もありません。
LEDで通電状態を確認できるので安心です。
おすすめ6:ライズクリエイション「3in1 DATA LINES USBセイバーマグネティック」
1つで様々な機器の充電に対応しています。
ケーブルは本体に収納され、先端もLightning、Type-C、MicroUSBの3つがあり、本体に収納されています。
これ1台でいろいろな機器を充電できるので荷物を減らすこともできます。
参考:ライズクリエイション「3in1 DATA LINES USBセイバーマグネティック」
快適なデジタルライフを!
USB Type-Cに適合した機器なら接続は簡単です。そこへ加えて、マグネット式のUSBケーブルであれば、これまでに感じていたUSBケーブルに対する不満やストレスを解消することができるでしょう。
こちらの記事でご紹介した便利グッズを上手に活用して、快適なデジタルライフを楽しんでください。