副業を始めたいならWebライティングがおすすめです。ライティングと聞くと、「自分が作家になるの?」とか「人に読んでもらうような専門知識がない」と考えて、はなから諦めてしまう方もいるかもしれません。
しかし仕事内容をうまくチョイスすれば、実際はそれほど難しくないので安心してください。やる前からあれこれ心配するよりも、むしろ思い切って始めてみる方が意外と上手くいくため驚くかもしれません。
今回は初心者の方に向けて、そんなWebライティング副業の始め方や向いている人、成功するコツや気になる報酬について解説します。
ライティング副業の基礎知識
まず、ライティング副業について概要を解説しましょう。
自分が執筆したものがどのように扱われるのかや、具体的な仕事内容、報酬についてわかりやすく紹介します。
ネット記事はライティング案件の宝庫
日頃みなさんがネットで検索したり、ニュースとして目にしたりする記事のほとんどは、プロやアマチュアのライターが執筆したものといっても過言ではありません。
つまり、もしあなたが副業であってもWebライティングの仕事をした場合、自分が書いた記事がネット上に公開される可能性が高いということです。
平素、目にしているネット記事は、企業をはじめとするサイトの運営者が何らかの目的で発信しており、その目的に叶う記事をライターが担当するという仕組みになっています。
そのライターは、新聞社や出版社のように企業が専属で雇用している場合や、フリーランスや副業のライターに発注しているケースもあります。もし副業でライティングをするとなると、ここに位置するとイメージすればわかりやすいでしょう。
記事のジャンルによっては、医師や弁護士、公認会計士、大学教授など、ライター以外の仕事を専門にしている人たちが執筆しているケースも少なくありません。しかし、副業でも専門知識やスキルがあればこのような案件を受注することも不可能ではないでしょう。
ライティングの仕事内容
Webライティングで担当する仕事内容は、以下のようなものになります。
・オウンドメディア記事(企業が保有するWebサイト内の記事)
・個人が運営するブログ用の記事
・シナリオ・脚本
・レビュー・口コミ
副業の場合、多くはオウンドメディアか個人が運営するブログ用の記事を書くことになるでしょう。
そして執筆した記事に対する報酬をもらうと同時に、著作権は発注者側に譲渡するのが一般的です。つまり、記事が書籍として出版されたり、他の目的で転用されたりしても、いっさい自身の考えを主張する権限はなく、報酬ももらえないということです。
収入はどれくらい?
報酬は、担当する記事やライターのスキルによってかなりの開きがあります。
多くは、1文字=〇円という形で文字単価が決まっていたり、記事1本(1,000字とか5,000字というように文字数が決まっていることが多い)についての単価が定められていたりします。
初心者の場合、多くは文字単価1円以下が主ですが、スキルを重ねるたり専門知識があったりすると、文字単価5円〜10円という案件や1記事で数万円単位の仕事もあります。
記事ごとの単価は低くても記事数を稼げば、月収数万円〜10万円前後も不可能ではありません。
ライティング副業の始め方と向いている人
続いては、ライティング副業の始め方と、向いているタイプについて解説しましょう。
個人ブログかクラウドソーシング
まずWebライティング副業をする方法としては、個人ブログか、クラウドソーシングを使った案件受注の2通りに分かれます。
個人ブログの場合は、個人でブログ運営をしている人の依頼を受けるか、自身がブログ運営をし、掲載した広告費やそこから商品が購入された場合に売上の一部を報酬として受け取るアフィリエイトという形になります。
クラウドソーシングは、仕事をしたい個人と依頼したい企業をマッチングさせるサービスで、アプリ登録するとだれでも受注できます。
個人ブログの運営者から仕事をもらうケースはほぼありません。また初心者が、自前でブログを立ちあげてアフィリエイトで稼ぐには、かなりの時間とスキルが求められるので現実的ではないでしょう。
よって基本的には、クラウドソーシングがおすすめです。試しに「クライドワークス」「ランサーズ」「ココナラ」などで検索してみてください。ライティングだけでも、数十〜数百件、多い場合は千件単位の案件が見つかるでしょう。
パソコンとスマホがあればOK
個人ブログにしてもクラウドソーシングにしても、すべてネット経由で受注して納品するため、パソコンとスマホ、そして通信環境が整っていれば問題ありません。
執筆の仕事は、100%パソコンで行います。スマホでは、まともな仕事ができません。ただ、スマホがあると出先でも案件を獲得できますし、クライアントとのやりとりや、簡単な記事作成や修正くらいは可能なため、とくに副業者には必須といってよいでしょう。
【向いているタイプ その1】文章を書くのが好き
ここからは、ライティング副業に向いているタイプを3つに分けて紹介しましょう。
まず一つ目は、「文章を書くのが好き」であることです。
副業としてある程度の期間、継続するとなると、相当のボリュームの文章を書くことになるでしょう。
例えば、3,000文字の記事を月に5本担当すると仮定しましょう。
文字単価1円の案件なら、報酬は、1記事=3,000円、5本で15,000円になります。15,000円では物足りないという方もいるかもしれません。その倍の30,000円を目指すとすれば、月の執筆文字数は「30,000文字」になります。
実は、文庫本1冊の平均が10〜12万字、新書なら8〜10万字というのをご存知でしょうか。上記の執筆量だと、約3ヶ月で文庫本か新書を1冊書き上げることになります。なかなかのボリュームではないでしょうか。
ましてや上記以上に稼ぎたい場合は、さらに執筆文字数は増加し、パソコンに向かう時間もそれに比例して長くなります。
これらのことを考えると、Webライティングを副業にするには、文章を書くことが好きで、そのボリュームが少々多くなっても苦にならないというのが重要な条件になるのです。
【向いているタイプ その2】リサーチが好き
いくら雑学が多く、物知りであっても自分の知識量のみで執筆できる記事数やジャンルは限られています。多くの場合、与えられたテーマについてネットや書籍などでリサーチすることになるでしょう。
記事の内容にもよりますが、より正確性が求められる場合は、執筆内容を裏付ける客観的なデータやエビデンス(証拠)を明らかにしなければなりません。参考にしたり、引用したりした記事があれば、それらも明記しなければ著作権侵害のリスクが生じるので注意が必要です。
説得力のある上質な記事に仕上げるには、上記のようなリサーチやそれに付随する作業を入念に行わなければなりません。こうしたことが得意で面倒に感じない人は、Webライティング向きといってよいでしょう。
【向いているタイプ その3】好奇心が旺盛
ライティング副業を続けようと思えば、執筆できる記事のジャンルを広げていく必要があります。「こういう記事しか書けない」という枠を作ってしまうと、受注できる案件が限定されてしまうからです。
したがって、自分が知らないとか、詳しくない分野でも好奇心をもってリサーチできる人は、Webライター向きといえるでしょう。
【向いているタイプ その4】素直で我が少ない
最後に非常に重要な条件となるのが、素直であまり我がない、ということです。
しっかりと自分の意見を持ち、考えを主張できる方が有利ではないかと感じる方が多いかもしれません。
しかしそれは、自身でブログを運営したり、自分の名前で本を出版したりする場合です。
Webライターの仕事は、あくまでクライアントの望む文章を執筆することです。自分の言いたいことを自由に書くのではありません。
多くの場合、文字数だけでなく、構成の流れ、強調する内容、キーワードやその使用回数、文体までが厳密に規定されています。これらのレギュレーションに違反すると、どれだけ懸命に時間をかけたとしても何度でも修正を求められますし、報酬ももらえません。
さらに誤解を恐れずにいうと、自分の意見や考えは二の次、というよりどうでもよいのです。クライアントはそれなりの考えがあって執筆を依頼していますから、たとえ反対意見をもっていても、求められることに素直にしたがって我を出さないタイプの方が、Webライティングでは成功しやすいでしょう。
クライアントの修正依頼にいちいち反論しているライターは、嫌われますし、二度と仕事をもらえなくなるのがオチと考えてください。
ライティング案件の基本ステップ
続いて、ライティング案件の受注から納品までの流れを改めて解説しましょう。
案件を受注する
まず案件を受注します。
自分の得意なジャンルや書いてみたい内容があれば、クラウドソーシングのアプリ内でキーワード検索してください。
「ライティング ペット 犬」とか「ライティング ビジネス AI」といった具合です。検索をしたからといって必ずしもピッタリの案件が見つかるとは限りません。表示された中から探してみたり、それでもできそうなものがなければキーワードを変えて検索したりします。
できそうな案件や、トライしてみたい仕事が見つかったら、募集要項に目を通し、プロフィールや経歴、希望金額など指定された項目を埋めて応募してください。テストライティングが必須なケースが少なくありません。ライターのレベルや、案件に適しているかを確認するためのものです。オンラインで面接を行なっているケースもあります。
応募審査やテストライティングにパスすると、本契約に進めます。
テーマやレギュレーションを理解する
クライアントによって、与えられるテーマやタイトル、レギュレーション(執筆に際してのルールや約束事)はさまざまです。
よって、その意味や意図を十分に汲み取ったうえで執筆する必要があります。
メインキーワードやサブキーワード、文字数、禁止用語、画像のテーマや枚数・配置場所、文体、構成や流れなど、を正しく理解して書かなければ、納品しても修正を依頼される可能性が高いでしょう。そして基準を満たすまでは報酬ももらえないので、気をつけてください。
リサーチする
次に、与えられたテーマやトピックスについてリサーチします。ネットで調べるのが手間も時間も短縮できるのでおすすめです。
テーマやクライアントの考えにもよりますが、基本的には複数の記事から情報を集める方がよいでしょう。そうでなければ丸写しのようになり、クライアントの検収が通らなかったり、著作権侵害のリスクが高まったりするからです。
執筆する
記事を書き上げるだけの情報が揃い、全体の流れが定まったら、いよいよ執筆に移ります。ちなみに、記事の構成はクライアントから与えられることが多いですが、中には構成までが込みの案件もあります。その場合は、構成案をクライアントに送り、OKをもらってから執筆に入ります。
先ほども述べましたが、執筆にあたってはレギュレーションに細心の注意を払います。クライアントの意図に沿っているか、もっとも主張すべき内容がわかりやすく書けているかをしっかりと意識してください。
読み返す
執筆完了したら、必ず複数回読み返すようにしてください。
単元や見出しごとに読み返しながら書き進めるのもおすすめです。その方が、最後に読み返したときに修正する手間が少なくて済むでしょう。
自分で書いた記事は、正しいと思い込んでしまう傾向が強まるので、慣れるまでは、黙読より音読したり、家族や第三者に読んでもらったりするのもよいでしょう。パソコンやソフトの読み上げ機能を使うのもおすすめです。目だけでなく、耳で聞くとミスに気づきやすいことが多いからです。
納品・修正する
読み返しが済み、問題なければ納品してクライアントの検収を待ちます。修正依頼が来れば、合格するまでは何度でも修正し続けてください。
ライティング副業で成功するコツ
最後にライティング副業で成功するコツを4つ紹介しましょう。
簡単な案件から始める
最初は、簡単と思う案件からスタートするのがよいでしょう。
文字数が少ないとか、テーマに馴染みがあったり、詳しかったりするものがおすすめです。
最初から難易度の高いものに手を出し、苦労すると、それがストレスやトラウマになって後が続かなくなる恐れがあるので気をつけてください。
クライアントのニーズを的確に理解する
繰り返しますが、自分の考えや常識は排除して、クライアントの考えを100%取り入れて執筆してください。
得意分野を作る
ライティング副業を長続きさせるには、得意分野を作るのがおすすめです。
得意分野なら、クライアントが求めるクオリティ以上の記事が書ける可能性が高まります。また、執筆時間を短縮できることも多いので業務効率も向上するでしょう。
プロフィールを充実させる
クラウドソーシングでは、プロフィールの内容を参考にして審査されたり、まったく知らないクライアントからオファーがきたりします。
そのため、プロフィールには、自身の得意分野や過去に執筆した記事、職歴や経歴、週や月の稼働時間などについて詳しく書いておく方が、受注率がアップするのでおすすめです。
まとめ
Webライティング副業は、パソコンとスマホ、一定以上の通信環境があれば、特別なスキルがなくてもできるので、初心者にもおすすめです。
ただし、クライアントが求める条件を満たさなければ報酬がもらえないため、我を持たず、素直な気持ちで受注することが大切でしょう。
文章を書くのとリサーチが好きという方は、迷わずにぜひすぐにでも始めてみてはいかがでしょうか。