ヤフオクでノークレーム・ノーリターンは通用する?扱いや注意点をご紹介!

ヤフオクを利用していると、商品説明に「ノークレーム・ノーリターン」と記載されている商品があります。この言葉の意味を知らないまま商品を購入してしまうと、後々トラブルとなることもあります。

出品側も同じで、安易に「ノークレーム・ノーリターン」の表記を使うと、トラブルや販売に支障をきたす恐れがあります。

そこでこの記事では、ヤフオクを利用する上で知っておかないと厄介な「ノークレーム・ノーリターン」について、その意味や扱い、注意点などについて解説していきます。

「ノークレーム・ノーリターン」の意味が分からないという人はもちろん、出品者として頻繁にヤフオクを利用している人もぜひ目を通してみてください。

目次

ノークレーム・ノーリターンについて

まずは「ノークレーム・ノーリターン」の意味とその利用場面について解説していきます。特に購入者は、必ず意味を理解しておきましょう。

ノークレーム・ノーリターンとは?

一言で言えば、「この商品は返品もクレームも一切受け付けません」という出品者側の意思表示です。この表記のある商品を買った後に何らかのトラブルがあったとしても、基本的に出品者側はクレームや返品対応には一切応じません。

これは元々ヤフオクが中古品やジャンク品を数多く扱っていることに起因します。中古品に不備や欠損は珍しくなく、それらの商品を安価で提供する代わりに返品やクレームはうけつけないというスタンスなのです。

商品に不備があれば交換や返金などの対応が当たり前ですが、この表記のある商品はその限りではないため購入前によく検討しましょう。

ノークレーム・ノーリターンが通用する理由

この仕組みはあまりに出品者に有利なので、一見通用しないように思う人も多いでしょう。ですが現実として、このノークレーム・ノーリターンはヤフオクで広く利用されています。

この仕組みが通用する理由は、オークションサイトであるヤフオクでは購入者側も金額を決める権利を持っているからです。あらかじめノークレーム・ノーリターンを承知の上で入札を行うため、お互いにこの条件で納得した上で取引が成立したと理解できるというわけです。

そのためこのような一方的な条件が付されていてもトラブルに発展しにくく、商品を非常に安価で販売する条件としてよく用いられることとなったのです。

ノークレーム・ノーリターンと記載されている商品の購入は慎重に行う

ノークレーム・ノーリターンは両者の合意によって成り立つ条件です。ですから購入前にノークレーム・ノーリターンなのかどうかは必ずチェックしてください。

また、この条件で販売されている商品の中にはかなりの粗悪品もあります。多少欠けているだけならともかく、満足に使用できないレベルの商品もないとはいえません。

中古品を安価で購入できるのは魅力的ですが、ノークレーム・ノーリターンの記載のある商品の購入は慎重に検討してください。

ヤフオクでノークレーム・ノーリターンは認められている?

通販サイトやオークションサイトによっては、ノークレーム・ノーリターンに類する表記を禁止している所も少なくありません。トラブルの原因になるため当然の処置といえます。

前述の通り、ヤフオクでは現在でも広く使われていますが、実際のところ使用を認められているのでしょうか。

ヤフオクにおけるノークレーム・ノーリターンの扱いを解説していきます。

ヤフオクではノークレーム・ノーリターンの表記を使ってもいい

結論から言ってしまえば、ヤフオクではノークレーム・ノーリターンの表記の使用に制限はありません。安心して使用してください。

オークションの性質上、中古品の不備を理由に返品されると取引が成り立たないこともまた事実です。お互い承知の上で円滑な取引を行うために、ノークレーム・ノーリターンは貢献していると言えます。

表記した=対応しなくてもいい、ではない

1つ注意してほしいのが、ノークレーム・ノーリターンの表記をしたからといって一切のトラブル対応を回避できるというわけではない点です。極めて重大な不備のある商品を販売してしまった場合は、しっかり返品をはじめとするクレーム対応をしなければなりません。

そもそも「ノークレーム・ノーリターン」は利用者間の暗黙の了解で成り立っているものであり、公式に認められた用語ではありません。そのためいくらこちらが表記したとしても、購入者からの要望を無視できるわけではないことは覚えておきましょう。

返品不可の設定も忘れない

ヤフオクで商品の返品を受け付けたくない時は、事前に返品不可の設定をしておく必要があります。ノークレーム・ノーリターンの表記だけでは不十分なので、必ずこの設定をしておきましょう。

設定方法は「商品の状態」の項目で「返品を受け付ける」にチェックをしないことだけです。これによって出品者側に致命的な落ち度がない限りは、返品対応に応じなくてもよくなるので覚えておきましょう。

ノークレーム・ノーリターンのデメリット

もう1つ覚えておかなければならないのがノークレーム・ノーリターンのデメリット、つまり商品が売れにくくなることです。返品もクレームも受け付けない商品が通常の商品よりも売れにくくなるのは当然といえます。

商品を購入する人にとっては、安心して取引できるかどうかも重要な要素です。ノークレーム・ノーリターンの表記に不安を覚えて入札が減るのは避けられないため、やむを得ない場合にのみ記載するようにしましょう。

ヤフオクで出品・購入する際のノークレーム・ノーリターンのメリット

ヤフオクは日本最大級のユーザーを有するサイトなので、購入者の中にはジャンク品や中古とわかっていてもクレームをつけてきたり取引をキャンセルしてきたりする人もいます。自分が出品者の場合は、ノークレーム・ノーリターンを記載することでそういった購入者を選別できるというメリットがあります。

反対に、明らかに壊れているのに記載なしで出品し、ノークレーム・ノーリターンだからと返金対応をしないという出品者がいる可能性もあります。購入者側は、ノークレーム・ノーリターンなどのルールを設けている出品者かどうか、過去の口コミに商品に対するクレームがあるかを確認しておくことで、トラブルを回避できるでしょう。

ヤフオクのノークレーム・ノーリターンの商品は絶対に返品できない?

ノークレーム・ノーリターンという記載があっても、「何があっても返品を受け付けない」「状態によっては返品も受け付ける」と、背景は様々です。自分が購入した商品の出品者がどちらのタイプかはわからないので、もしも明らかに不備があった場合は、まず出品者に状況を丁寧に説明してみましょう

また、ヤフオクでは運営が返品対応をサポートしてくれることはありません。自分が出品者にメッセージを送って返品対応を求める必要があります。

ただ、合意が得られない・連絡が取れないといったトラブルになった場合に限り、Yahoo! JAPANで返金申請に応じてくれる可能性があるので、そちらも頭に入れておきましょう。ちなみに、取引キャンセルの申請期限は14日以内となっています。

ノークレーム・ノーリターンが通じない場合

ノークレーム・ノーリターンはいかなる場合にも通用するわけではありません。なぜならこのような慣行を全面的に認めてしまったら、出品者側はどれほど低品質な商品でも売り放題になり、ネット通販の治安悪化につながるからです。

以下でご紹介するケースでは、例えノークレーム・ノーリターンの表記をしていても何かしらの対応をしなければいけません。購入者視点でも出品者視点でも大切なことなので、必ず覚えておきましょう。

1.B(事業者)toC(消費者)の取引である場合

ノークレーム・ノーリターンが認められるのは、あくまで消費者同士の取引の場合です。出品者側が企業や個人事業主である場合、ノークレーム・ノーリターンの取引は認められません。これは消費者契約法8条1号、3号、5号にも記載されています。

これは事業者と個人間の取引ではどうしても消費者側が不利になってしまうので、最低限の補償を認めるための措置です。なお、前述のとおり、大企業に限った話ではなく個人事業主も対象となるので、出品の際は十分に注意しましょう。

出品者が意図的に不備を伝えなかった場合

商品の傷や不備に出品者側が気づいていたにもかかわらず、出品時にその旨を一切報告していなかった場合も、ノークレーム・ノーリターンは成立しません。これは民法572条でも定められています。

これは出品者が知らぬ存ぜぬを通しても、常識的に分かるはずの欠陥であれば知っていたと認められる場合が多いです。例えば表面の大きな傷や、機器が全く作動しないなどが該当します。満足に使えないジャンク品を返品不可で販売することはできないのです。

ノークレーム・ノーリターン商品の返品事例

ヤフオクでは、ノークレーム・ノーリターンによるトラブルは珍しくありません。では具体的にどんな商品が返品でき、どんな商品が返品できなかったのでしょうか。

続いては実際の例を見ながら、ノークレーム・ノーリターンの返品事情をご紹介していきます。ぜひ参考にしてください。

1.付属品のついていない雑誌

これは付属品がついていない旨を正確に明記していないと、ノークレーム・ノーリターンとしていた場合でも返品の対象になり得ます。雑誌によっては付属品が目当てで購入する人も多いので、必ず付属品の有無は商品説明欄に記載してください。

2.出品者も知らないうちに経年劣化した靴

続いては、サイズの表記に間違いはなかったが靴自体が経年劣化していて、購入した人が履けなかったケースです。一見出品者の報告不備ですが、普通は気づけないような経年劣化の場合は出品者の過失を問われないこともあります。したがってノークレーム・ノーリターンが成立し返品できない可能性もあります

3.動作確認済みの記載があるのに正常に動作しない電子機器

動作確認の記載があるのであれば、不良品として問題なく返品可能です。ただし動作確認の記載がなくジャンク品として出品されているものは、故障や動作不良が当たり前なので返品は困難と言えます。

返品できなかったノークレーム・ノーリターン商品の処分方法

よほどヤフオク出品者側に落ち度がないと、ノークレーム・ノーリターン商品の多くは返品することができません。では返品できず手元に残った商品はどうしたらいいのでしょうか。

続いては、ノークレーム・ノーリターンで購入した商品の処分方法についてご紹介します。ただゴミに出すのはもったいないので、今回は少しでもマイナスを取り返せる方法について解説していきます。

1.出品者となってヤフオクに出品する

最も良い方法は、自分が新たに出品者となってその商品を出品してしまうことです。これならやり方次第でかかった費用の大部分を取り返すこともできます。

ただし以下の点には十分注意してください。自分が消費者の立場で申し立てたクレームを、今度は出品者の立場で受けることになりかねません。

  • 自分が返品しようと思った理由を必ず記載する。→ 納得した上で購入してもらうため。
  • 偽物は絶対に販売しない。→ ペナルティどころか通報されてしまう。

既に壊れている商品であれば、ジャンク品として出品することで多少なりともマイナスを取り返すことができるでしょう。

2.商品満足サポートの活用

商品満足サポートとは購入者が納得いかない商品に対して、ヤフオク側が返品同様のサポートをしてくれるサービスです。具体的には、落札・購入金額の100%と同額のPayPayポイントを付与してくれます。

実質的に返品されるのと同じことになるので、どうしても納得できない時はこちらのサービスを利用しましょう。ただし付与上限は1万円相当までなので注意してください。

ヤフオクでノークレーム・ノーリターン商品を扱う際の注意点

ノークレーム・ノーリターン商品は、一般的な商品に比べてトラブルが多くなりがちです。とはいえ上手に利用すれば出品者・購入者双方にとってメリットとなるため、リスクを恐れて使わないのは得策とは言えません。

続いては出品者と購入者双方の視点から、ノークレーム・ノーリターン商品に対しての考え方や注意点をご紹介します。

売り手側の考え方

売り手側はノークレーム・ノーリターン商品を出品するにあたって、以下の点に注意してください。

  • 商品の不備(傷や故障)は必ず分かるように商品説明欄に明記する
  • 事業主として販売する場合は、ノークレーム・ノーリターンを明記していても返品に応じなければいけない

トラブルの原因になりそうなことは先に全て説明しておくこと、そして事業主として出品している以上は返品対応は当然であることを頭に入れておきましょう。

購入者側の考え方

購入者側は、ノークレーム・ノーリターン商品を買う前に以下の点について考えてください。

  • 不安な場合は、購入前に可能な限り傷や故障の度合いについて確認する。
  • 例え予期せぬ不備があっても返品できない可能性はあるので、そのリスクを負ったうえで購入するかどうか決める。

酷いものは返品可能とはいえ、基本的には返品できませんし思わぬ傷や不備が隠れている可能性もあります。新品を買うわけではないことをしっかり頭に入れたうえで、購入に踏み切りましょう。

まとめ

ヤフオクでのノークレーム・ノーリターンは、主に細かい傷や不備に目をつぶってもらう代わりに安く出品している商品につけられる表記です。買ったが最後絶対に返品できなくなるというわけではありませんし、どんな酷い商品でもクレームの心配なく販売できるようになるわけでもないことは覚えておきましょう。

ノークレーム・ノーリターン商品であっても商品に不備があればクレームを入れられますし、出品者側はそれを無視することはできません。表記に惑わされず、あくまで商品状態の一部であると考えてください。

とはいえ「ノークレーム・ノーリターン商品=悪」ではありません。双方の利害が一致すれば、お互いにメリットのあるルールとなります。そのため、ヤフオク購入者も出品者も、ノークレーム・ノーリターン商品のリスクと注意点をしっかり頭に入れ、合意の上で利用していきましょう。

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この記事を監修した人

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