洋服の魅力を引き出す撮影テクニックを紹介!

ネットショップやホームページに載せる写真は、店舗でいうところのショーウィンドウにあたります。同じ商品でも写真の出来栄えで、売上も変わってきます。また、どんなに魅力的な商品でも、写真で上手く伝えられなければ売上にはつながりません。

今回はネットで洋服を販売する写真を自分で撮影したい!という人向けに、洋服の魅力を引き出す撮影テクニックを紹介します。

目次

平置き写真の撮影の基本

平置き写真とは、洋服を床などに平らに置いた状態で撮影した写真のことです。ネットショップやフリマアプリ、SNS等でも多く見られます。まずは、平置き写真の基本を抑えておきましょう。

平置き写真の敵「パース」とは?

「パース」とは撮影の角度によるゆがみのことで、撮影対象に対してカメラを構える角度が垂直でない時に発生します。

・パースがついていない例
商品を正面から撮影できているため、パースがありません。

・パースがついている例
商品を撮影する角度が悪く、ゆがみが出ています。ゆがみがない例に比べると、上下の丈が短くなり、プリントのデザインも縮んで見えてしまっています。

パースを避けるための方法

パースを避けるにはどのような位置から撮影すればよいのでしょうか?

商品を床に置く場合、正面から撮影するためには脚立の上からなど、高い位置から撮影する方法があります。しかし脚立の上は不安定で不慣れな人には危険がともない、脚立を上り下りする手間もかかります。

そんな時は、商品を置く台を斜めにしましょう。下の写真では発泡スチロール製の板とブロックを組み合わせて、撮影用セットを作っています。これらはホームセンターなどで安く購入できるうえ、軽くて扱いも簡単です。セットの角度は商品に合わせて、撮影しやすいように調整しましょう。

着用感を出す方法

ただ台に置いただけでは、実際に服を着た時の着用感が伝わりにくいことがあります。着用感を出すためには、シワやふくらみを作りましょう。

まず、汚いシワはアイロンで取り除きます。着用時のシワは縦にできるので、横ジワではなく縦ジワを作るようにします。片方の袖を広げたり、袖をまくったりして、自然なシワを作るようにして下さい。

洋服の胴体部分は少し折り曲げてラインを作ることで、着用感を演出します。チュニックなどゆとりがある服は、ゆったりしたラインを作ることを意識しましょう。ほかにも、わざとクシャッとさせる部分を作り、あえてラフさを演出する方法もあります。

服のふくらみを作るには服の中にフェルトなどを仕込みます。入れ過ぎず、自然なふくらみになるよう気を付けて下さい。

小物や靴、アクセリーを配置するときのコツ

上の例では、白い砂とグリーンをちりばめ、ネックレスを配置しています。靴やアクセサリー、小物などの小道具を置く時は、実際に着る時の配置を意識するようにして下さい。

例えば、ネックレスなら首元に置く、ブレスレットは手元に置くといったことを意識することが大切です。商品の素材や、着る季節に合わせたコーディネートをイメージしましょう。

下地の選び方

商品の背景や下地も、平置き写真の重要な要素です。基本の白いセットペーパーのほか、木目やアーバン系の壁紙を使っても、おしゃれな写真になります。ほかにもサテンの布で高級感を出す、アンティークでシックに決めるなど商品に合わせて使い分けて下さい。

吊り写真の撮影の基本

平置きに対して、ハンガーなどに吊って撮影する吊り写真は、重力のおかげで実際に着用した状態に近く見えることがメリットです。うまく立体感を出すための基本を理解しましょう。

ハンガーの選び方は?

ハンガーの素材もいろいろ種類がありますが、おすすめは木目の幅が広いハンガーです。木目は撮影した時に絵になりやすく、幅が広いと洋服の肩部分に丸みがでて立体的になるからです。自分の販売する洋服のイメージに合ったものを選んで下さい。

背景の作り方は?

背景は白い壁が基本です。壁紙を使う場合は、目立つ柄のものは避けましょう。

またハンガーはテグスで釣るのが一般的な方法です。テグスをテープで留めて、ハンガーにくくりつけて撮影します。テグスをセットできる環境も重要になります。

肩、袖、襟を立体的に見せるには?

肩の線は手で丁寧にハンガーに合わせましょう。袖と襟は手で丸みを作るほか、厚紙を丸めて仕込む方法もあります。(透ける素材の場合は不可)

ウエスト部分は虫ピンで絞ると、立体的にできます。

裾部分は裏をテープで固定して、裾が広がるようにします。

ラフな洋服の場合は、袖をまくると立体的になるのでおすすめです。

トルソーやマネキンを使った撮影の基本

店頭で商品のディスプレイに使われる、トルソーやマネキンを使った撮影方法は、商品の着用感が伝わりやすい方法です。

首回りを変化させる

シャツやパーカーなど、ボタンやジッパーがある洋服は開けた状態と閉めた状態では、表情が変わります。想定される着用シーンによって、どちらか良いかは変わります。

例えば、ワイシャツでもフォーマルな場面で着るようなものは、ボタンを閉めたまま撮影するのが適していますが、クールビズ推しのシャツであれば、ボタンを開けて撮影した方が伝わりやすいでしょう。

またマウンテンパーカーの場合は、雨風をしのぐ商品であることを踏まえ、全て閉じた状態で撮影するなど、実際に着用するシーンに近い状態の方が、商品の良さが伝わりやすくなります。

腕でポージングする・小物を使う

腕の形を変えられるマネキンの場合、用途に合わせたポーズを取らせることができます。また小物を使うことで、商品のイメージを伝えることも可能です。

商品のサイズ感も重要です。「オーバーサイズでゆったり着る」ブランドと、「ジャストサイズでカッチリ決める」ブランドでは、サイズ感の演出は異なってきます。

洋服の写真撮影のライティングの基本

平置きか、ハンガー吊りかに関係なく、ライティングは撮影の重要な要素です。

例えば、上の2つの写真を見比べてみて下さい。左の写真は光を上手く当てて陰影で立体感を出しています。対する右の写真は立体感がなく、影が2つになってしまっています。

この2つの写真はライティングに大きな差があるのです。

ライティングのポイント

撮影するときは、被写体の上から下まで光があたるようにしましょう。自然光を使用する場合は、人が出入りできる掃き出し窓くらいの大きさが必要です。下が暗くなってしまう場合は、レフ板として白い紙を敷いて、光を反射させます。洋服の撮影は、商品の撮影の中でも被写体が大きい方です。特にコートやワンピースはかなりの大きさなので、ライティングに使うライトも大きくなければなりません。

光の固さの調節も大切です。固い光は陰影が出て、素材感や立体感が引き立ちます。夏の晴れの日など、光が固すぎる場合はレースのカーテンで光を分散させて柔らかい光にしましょう。

ライティングに必要なもの

ライティングのためには、照明のほかにレフ板とディフューザーが必要です。

レフ板は撮影時に光を反射させることで、被写体の光を調整する機能を持っています。レフ板は基本白色であれば何でも良いため、段ボールにコピー紙を貼って作ったり、白いパネルを必要な大きさに切りだしたりと、比較的簡単に自作できます。洋服の場合、A2サイズは必要になるでしょう。

ディフューザーには光を柔らかくすることで、影を柔らかくする効果があります。太陽光であればレースのカーテン、白色蛍光灯の場合はトレーシングペーパーを用いるのがおすすめです。暗すぎる場合は、レフ板で明るさを調整できます。

撮影セットの作り方

撮影セットを作る時はまず、シーリングライト、スポットライト、蛍光灯は消しておきます。色温度が異なるものが混ざらないようにするためです。
自然光で撮影する場合、太陽の色温度と同じ白色蛍光灯、ストロボなどは使用しても問題ありません。

平置きでストロボ撮影する方法

可能な限りライトを離して、光が大きくなるように注意して下さい。ストロボは自然光に比べて光が固いので、ディフューザーで調整します。影の濃さはレフ板で調整しましょう。

ハンガー吊りでストロボ撮影する方法

ストロボにボックスライトを縦に並べてつけて、撮影するのがおすすめです。縦に長さがないと、洋服全体を均等に明るくするのが難しくなります。

反対側はレフ板を2枚縦に並べて、陰影を調整します。

洋服の魅力を引き出す写真撮影のコツ

洋服をネットで販売する場合、単に商品の色や柄だけではなく、着用したサイズ感やコーディネートのイメージが分かるような写真を用意することが、売上アップに重要です。

ここからは洋服の魅力を引き出す、写真撮影のコツをお伝えします。

アイロンは必ずかける

アイロンをかけたものとかけてないものでは、写真の見え方は大きく変わってきます。下記の2つの写真を比較してみましょう。

左のように、洋服に畳んだ時のシワが残っているような写真ではデザインは美しく見えず、商品の魅力も半減です。手間がかかっても、アイロンをかけることをおすすめします。

拡大写真も載せる

ネット通販では、お客さんは洋服を実際に手にとることができません。よって、ネットで洋服を販売する時は全体の写真だけではなく、細部を拡大した写真も載せるようにしましょう。

フリマアプリやオークションサイトでブランド品を販売する時は、本物かどうかの確認のため、ブランドロゴ部分を載せることも大切です。

商品を活かす撮影方法を工夫する

例えば、ジーンズの場合だと通常は伸ばした状態で撮影します。しかし、細かいディテールを強調したい時は、ジーンズを折り畳んで撮影する方法も取られます。V字に折ることで、丈の長さが想像できるようにするとともに、ディテールも大きく見せることができます。

またダメージ加工がされたジーンズの写真は、どの位置にダメージ加工があるか分かるように撮影することが重要です。

上の写真のように単にアップにしただけでは、ダメージ加工がどの位置にあるか、分かりづらいです。それに対して下の写真はやや引きにすることで、膝の位置が目安になって、ダメージ加工の位置が想像しやすくなります。

着用イメージにこだわる

ネットショップの場合、洋服の写真だけではなく、着用した時のイメージが分かる写真があると、洋服の魅力が伝わりやすくなります。

着用するモデルがターゲットと合う年齢層や雰囲気の場合は顔出しするのが良いでしょう。そうでない場合は、口元から下を撮影するか、撮影後にトリミングして顔が分からないようにする方がベターです。顔を出さないことで、お客様がモデルの顔を自分に置き換えて想像でき、商品自体に目線が行きやすくなります。

また商品のアピールポイントをモデルの視線の先に配置することや手で持つことで、お客様の目線が誘導できます。

洋服撮影で商品の魅力を伝えよう

今回は洋服を魅力的に撮影する方法を紹介しました。販売したい洋服のデザインや、サイトのイメージに合わせて、適切な方法を選ぶことが大切です。

ネットショップでは直接商品を手に取って確かめることができないので、商品の写真が売り上げを左右します。この記事で紹介したテクニックを使うことで、洋服の写真がレベルアップしますので、積極的に活用して下さい。

「売れる写真」を撮って、売上アップを目指しましょう!

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この記事を監修した人

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