この記事では、eBayやAmazonを使って海外に商品を輸出するビジネスをする場合に、「海外で売れる商品」「海外人気商品」とはどのようなものなのかをご紹介しています。
輸出ビジネスに興味がある人は、この記事から海外ではどのような商品が人気があるのか、海外の消費者に特有のニーズを掴んでください。
輸出ビジネスの基本
具体的な海外人気商品をご紹介する前に、輸出ビジネスの基本となる知識について幾つかお伝えします。
インターネット社会が到来して、個人でも海外の顧客に商品を販売することが簡単にできるようになりました。
輸出ビジネスが非常に始めやすい時代になったといえますが、何も知らずに始めても儲けを出すことはできません。
まずは、以下のような知識を身につけてください。
そもそも輸出とは何か
そもそも輸出とは何かについて、少し考えてみます。
輸出とは、定義的にいえば、ある国の商品を他の国に持ち出して販売することをいいます。
ここまでは当たり前のことを言っているだけかもしれませんが、もう少し深く考えて、なぜ輸出というものが成立するのかを考えてみてください。
それは、国外の商品を欲しいと思う人がいるからです。
その理由は様々です。
「国内の商品よりも安いから」かもしれませんし、「国内の商品よりも品質がいいから」かもしれません。
あるいは、「そもそも国内にはその商品がないから」かもしれません。
共通しているのは、輸入をしてまでも「欲しい」と思う商品であるということです。
これは、ネットを使ってこれから輸出ビジネスを始めたいと思っている人は、肝に銘じておいて欲しいことです。
輸出ビジネスで儲けを出せるかどうかを左右するのは、海外の人が欲しいと思える商品を売ることができるか、この一点にかかっているといっても過言ではないのです。
「欲しい」商品をどうやって知るか
次に問題になるのは、「欲しい」と思われているのはどのような商品かを、どうやって知るかです。
もし、現地に行く機会があるなら、現地のスーパーマーケットなどで売れている商品を見てみるといいかもしれません。しかし、そういった機会はなかなかありませんし、手間も時間もかかります。
こういったときに頼りになるのが、インターネットです。
例えば、eBayでの販売を考えているなら、実際に売上をあげている人や、バイヤーから良いフィードバックをもらっている人がどのような商品を扱っているのか調べることができます。
また、少し難易度は上がりますが、ツイッターでハッシュタグ機能などを使えば、今どのような商品が求められているのかを調べることもできます。
日本に旅行に来た外国人のインスタグラムをチェックするという方法もあります。
日本に興味を持っていて実際に足を運んでいる人たちが、日本のどのようなものに興味を持っているのか知ることができるので、売れる商品を知るための参考にできるのです。
「輸出」に特有の注意点
ここでは、輸出に特有の問題点について、いくつか指摘します。
まずは、サイズの問題です。
これは、衣類や靴などを商品にしたいときに問題になります。
日本人の平均的な体格は、欧米人に比べると小さめです。
逆に、日本人よりも平均的に体格が小さな国もあります。
これらの国に輸出するための商品を仕入れるとき、日本人の平均的な体格に合わせて商品を仕入れると、小さすぎたり、大きすぎたりといった問題が生じます。
ただし、これを逆手にとって、欧米に住んでいる体格の小さな人向けに日本の服を売る、あるいはその逆に、体格が小さな国に住んでいる体格がよい人向けに日本の服を売るといったことも可能です。
大事なのは、無自覚に何となく仕入れてしまわないこと、体格の違い、サイズの違いを意識して、どのような人に売りたいのかを考えて仕入れを行うことです。
次に、季節の違いがあります。
これは、北半球と南半球では季節が逆になるということです。
例えば、日本ではこれから暑くなる時期は、南半球の国では寒くなっていく時期です。
日本の感覚だけで商品を売ろうとすると、商機を逃すことになりかねません。
これも逆用することができます。
日本で夏が終わる時期には、夏物の衣料は安く仕入れることができます。
これを南半球の国であるオーストラリアなどを対象に販売すれば、これから暖かくなる時期にタイミングを合わせて売ることができるわけです。
世界を相手にする場合、相手の国がどんな時期にあたるのかを意識すると、ビジネスチャンスを掴むことができます。
この他にも、相手国の事情によって、売れる商品もあります。
一般的に日本製の商品は安全性が高いことで知られていますから、自国の商品の安全性に疑いを持っている国の人は、日本製を買いたがります。
日本製の食材や化粧品などが中国で人気があるのは、この例です。
相手国の事情を知って、その国の人のニーズを掴むと、売れる商品が見えてきます。
海外で売れる商品の特徴は?
ここからは、もう少し具体的に海外で売れる商品の特徴について解説していきます。
輸出ビジネスを始める際の参考にしてください。
レアもの
最初にご紹介する売れる商品の特徴は、「レアもの」です。
もっとも、単に珍しいというだけではダメで、それを欲しがる人は多いのに数が少ないということが大事です。
販売個数が少ない限定品などがこれに当たります。
そして、輸出ビジネスの場合は、日本では比較的手に入りやすくても海外ではめったに手に入らないものが、レアものといえます。
海外の有名アーティストが、日本国内限定で出した商品といったものが典型的です。
こういったものは、単に売れるというレベルを超えて、高値が狙えるものですから、日ごろから「これは海外で売れるのではないか」という目で商品を吟味することが大事です。
発送がしやすいもの
海外発送がしやすいものは、自分が送りやすいというだけでなく、売れやすいものでもあります。
具体的には、
- サイズが小さいもの
- 重さが軽いもの
- 丈夫で壊れにくいもの
です。
これら3つの条件を満たしたものは、なぜ売れやすいのでしょうか。
それは、買い手の立場から考えると分かります。
小型・軽量のものは、送料が安くなります。
つまり、買い手の側にとっても費用負担が小さくなるのです。
そして、壊れにくいものは、海外から送られてきても安心して受け取ることができます。
これが壊れやすいものなら、海外から送られてくる間に破損しないか心配になって、買い控えることもあるかもしれません。
つまり、売り手が発送しやすいものは、買い手にとっても都合がよい面があり、それが売れやすさにつながるのです。
他の人が売りにくいもの
これは誰にでもすぐに出来るというものではありませんが、他の人には売れない(少なくとも売りにくい)ものは、「売れる商品」になり得ます。
これはどういうことかというと、例えば、極めてマニアックな商品で、商品知識が十分にないと扱えないものなどがこれに当たります。
分かりやすいところでいえば、ヴィンテージデニム(ジーンズ)のような商品は、そもそもどのような商品に価値があるか分からないと、モノを仕入れること自体ができません。
デニムに限らず、骨董品的な価値があるものは、この傾向が強いといえます。
ディズニーの昔のおもちゃなどはコレクターの間ではかなりの高値で取引されていますが、知識がない人には、どんなものに価値が付くのか分かりません。
こういった商品を売買する上で特別な知識が要求されるものは、扱える人が少ないので自然と希少価値が高くなり、「売れる商品」、それも「高値で売れる商品」になる可能性が高くなります。
海外で売れる商品の具体例
ここからは、海外で売れる商品をさらに具体的にみていきます。
日本製品
最初は日本の製品、メイドインジャパンです。
日本の製品の品質への信頼は高く、日本製であるということだけでも一つのセールスポイントになります。
せっかく日本に住んでいるのですから、この日本製品人気を輸出ビジネスに活かさない手はありません。
日本車や日本製のバイクのパーツ
日本のメーカーが製造する自動車やオートバイは、世界的にも高い評価を受け続けています。
本体がよく売れているということは、交換用のパーツもニーズが高いということになります。
特に海外では自分で自分の車を修理する人が多く、パーツを買いたい人も多いという事情もあります。
海外では手に入りにくいパーツを国内で仕入れて海外で売れば、売れる商品になる可能性は高いといえるのです。
宝石、貴金属、高級バッグなど
いわゆるブランド品です。
経済成長が著しい国では、新たに生まれた富裕層が自国の製品では満足できず、日本などの先進国のブランド品を買い求める傾向があります。
配送などの問題はありますが、こういった富裕層向けの高級品も売れる商品であることは間違いありません。
工芸品・民芸品
日本の伝統的な工芸品・民芸品は海外で人気があります。
日本人にとってはやや古くさいと感じるような製品が、外国人に取っては非常に新鮮で美しいものに感じられたりするケースがあるので、どのような商品が売れているのかリサーチする価値はあります。
マンガやアニメのグッズ
日本のマンガやアニメは海外で人気が高いです。
マンガやアニメのグッズは海外では手に入りにくいこともあるので、特に限定品などの希少価値があるものは、海外で高値で売ることも可能です。
レトロゲーム
日本のゲームも人気があります。海外に輸出する商品としては、最近のゲームよりも、ファミコンやスーパーファミコンのようなレトロゲームが狙い目です。
レトロゲームに関しても希少性が高いものは、思わぬ高値で取引されていることがあります。
このジャンルに興味がある人は、狙ってみるとよいでしょう。
楽器、音響機材など
日本に住んでいるとあまり意識することがありませんが、日本には一流の楽器や音響機器のメーカーが数多く存在します。
- ヤマハ
- ローランド
- KORG
- Technics
- AKAI
- ESP
といったメーカー・ブランドです。
デジタル機材も人気ですが、昔のアナログ機材に希少価値が出ていたりするケースもありますから、売れる商品には事欠きません。
家電
日本のイメージを海外で聞いてみると、電化製品という回答が返ってくることが結構あります。
最近では中国や韓国のメーカーに押されている製品もありますが、日本の家電メーカーの製品の評価が世界的に高いことには変わりありません。
日本食が注目されていることから、日本製の炊飯器のニーズが海外で高まっていたりもしますから、売れる商品を上手に探せば、かなり有望な分野です。
海外のバイヤーが購入している人気商品をご紹介
「SD export」という越境ECサイトをご存知でしょうか。
株式会社ラクーンホールディングスの子会社であるラクーンコマースが運営しているBtoB越境ECサイトです。
この「SD export」は商品カテゴリー別に人気商品のランキングを随時発表しています。
BtoB型のサイトなので、これから個人で輸出ビジネスを始めようと考えている方には直接には関係ないかもしれませんが、データとしては興味深いものなので、ここでご紹介します。
世界で売れている人気商品
例として、「インテリア」・「食器 / キッチン用品」・「文房具 & クラフト用品」の3カテゴリーについて、SD exportが世界134カ国で販売している商品のTOP3をご紹介します。(2021年12月13日現在)
インテリア
- 株式会社マーナ 「Fancy Goods Water Absorption Comfortable Ecocarat Tray」
- 株式会社リュウコウドウ 「Chigiri Japanese Paper Plump Frog Ornament」
- 株式会社つるや 「Disney Door Stopper」
「インテリア」では日本の高い技術を活かしたもの、日本風のもの、そしてディズニーなどのキャラクターグッズが売れていることが分かります。
海外の方は伝統的なものに価値を見出す傾向がありますから、日本の伝統的なものに人気が集まるのでしょう。
食器/キッチン用品
- 株式会社ネオ・ウイング 「Tsugaru Bi-doro Japanese Sake Cup Set」
- 株式会社アヅマ 「Yukihira Sausepan Stainless Steel set [ 16cm/18cm ][Made in Japan]」
- 株式会社チップス 「Mug Cup for PRO」
「食器 / キッチン用品」では、酒器や鍋・コーヒーカップがランクインしています。日本製の食器は質が高く、細部まで精巧に作られているところが外国の方にはとても魅力的に映るのではないでしょうか。
文房具&クラフト用品
- 株式会社MDS 「ZEBRA SARASA NANO Ballpoint Pen」
- 株式会社MDS 「uni-ball Ballpoint Pen uni-ball ONE A/W」
- 株式会社リヒトラブ 「PuniLabo Stand Pencil Case」
「文房具 & クラフト用品」では、ボールペンやペンケースがよく売れています。私たちの身近な文房具が海外では人気というのは、とても興味深いデータなので広くアンテナを張っておきたいものです。
世界で人気のダイソー
ここからは少し目先を変えて、100円均一ショップの「ダイソー」について、輸出ビジネスの観点からみていきます。
先ほど「メイドインジャパン」は海外での人気が高いというお話をしましたが、ダイソーでもメイドインジャパンの製品は扱われています。
これらを購入して、eBayのような海外のECサイトで売ると、意外によく売れます。
もちろん、経費や利益を上乗せして販売しているわけですから、100円ショップの商品であると知っていると、かなり高く感じる値段になってしまうのですが、それでも売れるのは、日本ブランドの信頼性からでしょう。
このように「ダイソー」には意外なビジネスチャンスが眠っています。
Daisoで検索してみよう
ダイソーの海外での影響力を知るために、eBayなどのサイトでDaisoと入力してサーチしてみることをおすすめします。
実際にやってみるとわかりますが、数千件単位でヒットします。
これはタイトルなどにダイソー・Daisoの文字が含まれていることを意味しますから、ダイソーの商品であることは隠すようなものではなく、むしろアピールポイントになっていることが分かります。
そこでダイソーのHPを見てみると、2021年2月末現在で、日本国内では3620店舗(直営店2820店舗)であるのに対して、海外でも既に2272店舗を展開しています。
何と24の国と地域に進出を果たしているのです。まさに世界のダイソーです。
人気商品を見てみよう
ダイソーの商品が海外でもよく売れることは分かりましたが、具体的にどのような商品が売れているのかを知るために、eBayで検索してみましょう。
Daisoでキーワード検索をした後に、「Show only」というところの「Sold Items」にチェックを入れると、実際に売れた商品だけを見ることができます。
キティちゃんのグッズや、折り紙、キッチン用品などが売れていることが分かります。
実際に売れている商品を見ることは大いに参考になるので、これから輸出ビジネスを始めたい人は、是非自分でも検索してみてください。
自分なりの売り方も考えてみる
ダイソーの売れ筋商品を把握することが出来たら、自分なりの売り方も考えてみましょう。
単価の安い商品ですから、単品で売っていたのでは中々安定して利益を出すことはできません。
そこで、一つのアイデアとしてはセット売りをする方法があります。
フェイシャルマスクのような消耗品ならいくつかまとめて買いたいという人は多いでしょうし、売る側としても発送などにかかる手間が省けます。
また、カラーバリエーションがある製品を何色か組み合わせてセットにしたりすることもできるでしょう。
日本食がブームになって、日本の食材や調味料に興味がある人も海外に多いので、日本的な食材や調味料をセットにして、日本食セットのようなものを自分で作ってもよいでしょう。
ちなみに、もし家の近くに外国人観光客が多く買いにくるダイソーがあれば、彼らがどのような製品をまとめ買いしているのか見てみると、商品を売る際の参考にすることもできます。
どのような商品をどのように売るか、自分なりに工夫ができないか考えてみてください。
まとめ 海外で売れる商品を探そう
海外で売れる商品、海外人気商品について、色々な角度からご紹介しました。
基本になるのは、海外で手に入りにくいものを売ることです。
海外で売れる商品は、日本人から見ると意外なものもありますから、先入観にとらわれず色々な商品について検討することが大事です。
この記事も参考にして、海外で売れる商品を見つけてください。