メルカリで売り手としてサービスを利用している場合、まれに領収書が欲しいと要求されるケースがあります。仕事で使うものを買う際に、領収書が必要になるためです。
領収書は、個人で出品している場合でも発行しなければならないのでしょうか。また、領収書の発行を断ることが可能なのかどうかについて気になる方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、購入を希望するユーザーから領収書の発行を依頼された時の対処法を、返信の例文も交えて解説していきます。興味のある方はぜひ参考にしてください。
領収書に関する基本的な規則
まずは、領収書に関する基本的なルールをおさらいしていきましょう。もしも領収書を発行する場合は、これらの規則に従わなければならないので、よく覚えておいてください。
請求された事業者は応じる義務がある
事業者として品物を売る場合、領収書の発行を請求された際は応じる義務があると法律で定められています。実店舗、ネットショップのどちらであっても、規則は守らなければなりません。
この際、実店舗の場合は顧客の要望に応じてその場で対応できますが、ネットショップの場合はタイミングに注意が必要です。品物を発送した後で要求されると、領収書だけを再度送らなければならず、二度手間になってしまうため、気をつけましょう。
二重発行はしてはいけない
領収書は、2つ以上発行してはいけない決まりになっています。なぜなら、不正に利用される可能性があるためです。
万が一、取引相手が不正を行った場合、領収書を発行した側にも責任が問われます。領収書を発行する際には、書類が重複しないよう確認を行いましょう。
また、代替の書類があるにもかかわらず、領収書を発行したケースなども禁止されているので注意してください。
保管する必要はない
領収書は確定申告などにも必要となる大切な書類です。しかし、事業者側には顧客のために発行済みの書類を保管しておく義務はありません。つまり、過去の取引のものに関しては、破棄してもOKです。
ただし、領収書には氏名や住所などのパーソナルな情報が記載されているため、処分方法には注意が必要です。シュレッダーにかけるなどしてから捨てましょう。
また、取引相手によっては、後から領収書を要求してくるケースがあります。書類を保存していない場合、対応することは不可能です。相手によってはトラブルへと発展するケースも予想されます。
問題を回避するためには、あらかじめ領収書の取り扱いについてアナウンスするなどの対応を取るとよいでしょう。
記載しなければならない情報
領収書には、記載しなければならない項目が決められています。自分で書類を作る際は、以下の情報を漏れなく記載するようにしてください。
- 年月日
- 宛名
- 品名またはサービス名 ・値段 ・発行者の情報
年月日は西暦か和暦のどちらでも構いませんが、略して書くのは避けましょう。また、値段の部分には改ざんを防ぐため、「¥1,000」のようにコンマを入れてください。
発行者として明記すべき項目は、事業者の名前と住所です。必須ではありませんが、事業所の電話番号が併せて記載されているケースがよくあります。
領収書を発行する機会が多ければ、全ての情報が彫り込まれたショップスタンプなどを作っておくと便利です。
メルカリで領収書を発行してもらうことはできる?
メルカリで品物を売りに出しているのは、基本的には事業者ではなく個人のユーザーです。仕事関連の買い物をした際、領収書をもらうことはできるのでしょうか。この項目では、メルカリにおける領収書に関する規則についてご紹介していきます。
領収書を発行するシステムはない
メルカリ自体に領収書を発行するシステムはありません。実際、利用規約にもメルカリ側から書類を発行することはできないと、はっきり明記されています。
そのため、領収書が必要な場合は、代替となる書類などを用意しなければなりません。
出品者に対して直接依頼するのは可能?
メルカリには領収書が発行できないということであれば、出品者に直接依頼すればよいと考える方も多いのではないでしょうか。
出品者は買い手と直接、金銭のやり取りを行うわけではありません。支払いはあくまでもメルカリに対して行われるものであり、品物を発送する時点では売り手は代金を受け取っていません。つまり、やり取りは確定しておらず、未確定な情報を書いた書類は、不正やトラブルの原因となる可能性があります。
また、正しい情報を記載した書類を送るには、取引後に領収書だけを別便で送らなければなりません。ただし、これはメルカリの取引の内には含まれないやり取りであり、別途、送料が発生します。お互いにとって大きな負担となるため、出品者に対して領収書の発行を要求するのは、基本的には避けるべきだと言えます。
領収書の代わりになるもの
メルカリは、運営が直接買い手と取り引きを行うシステムではないため、領収書が発行されることはありません。ですが、領収書がなくても同等の効力を持つ書類、もしくは画像を用意できれば問題ありません。
この項目では、領収書の代わりとして使えるものを3つご紹介します。
コンビニ決済のレシート
コンビニ決済を利用した場合、購入した品物の名前、日付、金額などの情報が記載されたレシートが発行されます。必要な情報が明記されていれば、わざわざ領収書を出さなくても、十分必要経費を証明する書類として使えます。
購入画面のスクリーンショット
購入画面のスクリーンショットには、品名や値段、日付が記載されています。スクリーンショットの画像を印刷すれば、領収書の代わりとして使うことが可能です。
出品者として領収書の発行を求められた場合は、スクリーンショットの撮影を案内するのがおすすめです。
カード払い時の明細
クレジットカードの利用明細は、領収書の代わりとして使える可能性があります。ただし、品名などが詳しく表記されていない場合は、明細だけでは不十分な場合があるので注意してください。
クレジットカードの明細に品名が明記されていない時には、併せて購入画面のスクリーンショットも添付しましょう。
なお、明細に品名が記載されている場合は、購入画面のスクリーンショットは必要ありません。
領収書の発行を要求された際の断り方の例文
メルカリでアイテムを売りに出した際、取り引きの過程で領収書の発行を要求されることがまれにあります。領収書の発行に応じたくないときは、どのように断ればよいのでしょうか。
この項目では、領収書の発行を断る際の例文をいくつかご紹介していきます。返信の内容に困った際には、ぜひ参考にしてください。
基本の断り方
相手からの要望を断るときには、ただ断るだけでなく、なぜダメなのかといった理由を添えた方が、先方の理解を得やすくなります。以下のような内容で丁重に断りのメッセ―ジを送ってください。
「お問い合わせいただき、ありがとうございます。大変申し訳ありませんが、メルカリでは取り引きが完了するまでこちらに代金が入金されないシステムとなっているため、領収書の発行は致しかねます。」
代替手段を案内するパターン
ただ相手の要望を断るだけでは、冷たい印象を与える可能性があり、心配だという方もいるのではないでしょうか。取引相手に対し親切な印象を与えたい場合には、代替手段を案内するとよいでしょう。以下の例文を参考にしてください。
「お問い合わせありがとうございます。申し訳ありませんが、領収書の発行は致しかねます。お支払いの際の明細や購入画面のスクリーンショットが代替の書類としてご利用いただけますので、そちらで対応していただけますと幸いです。」
一度断ったが納得してもらえない場合
購入者の中には、一度断っただけでは納得してくれないユーザーもいます。改めて代替手段があることをアナウンスし、以下のような文章で丁重に断りましょう。
「お問い合わせいただきありがとうございます。大変申し訳ありませんが、メルカリのシステム上、お取り引きが完了するまで代金を受け取ることができないため、領収書の発行は致しかねます。お支払い時の明細や購入画面のスクリーンショットなどが代替の書類としてご使用いただけますので、そちらにてご対応いただきますようお願い申し上げます。」
それでもしつこく要求を続けてくる場合は、事務局に相談するのも一つの手です。ただし、いくら相手が失礼な言葉を使ってきたとしても、感情的になることのないように注意してください。
領収書を発行する場合のポイント
この項目では、どうしても領収書を発行しなければならなくなった場合の作成方法や、手数料や送料などについてどのように考えるべきなのか、それぞれのポイントについてご紹介していきます。
領収書は手書きでも構わない
必須項目さえ明記されているのなら、すべて手書きの書類だとしても構いません。もしも不安な場合は、ネットでテンプレートを探して印刷するか、市販のものを購入することを推奨します。
手書きで領収書を書く場合は、きれいな字で書くことを意識しましょう。特に数字は読み間違いが起きやすいので、注意が必要です。「1」と「7」のように形が似ている数字は、見分けがつくように丁寧に書きましょう。
また、領収書に不備があった場合には、再発行をしなければなりません。ネットを介したやり取りだとその都度送料などがかかるため、なるべくミスをしないよう心がけましょう。
住所を記載する必要があるので注意
領収書には、氏名や住所を記載しなければなりません。相手の氏名は「上様」とするなど省略することが可能なのに対し、売り手側の個人情報は省略不可となっています。匿名配送を利用している場合は、相手に自分の個人情報が知られてしまうため注意してください。
金額の欄には相手が支払う値段を書く
メルカリでアイテムを売りに出した際には、品物の料金に手数料や送料が含まれます。その結果、買い手が支払う金額と売り手が受け取る金額に違いが生じます。
この際、領収書には購入者が支払う金額を書くのが一般的です。送料や手数料などは差し引かず、そのままの数字を記載しましょう。
五万円を超える品の場合は収入印紙が必要
収入印紙とは、各種手数料や税金を収めるためのものです。印紙税は品物の値段によって変わってきますが、五万円未満なのであれば課税はされません。
対して、五万円以上の品物の領収書には、値段に応じた収入印紙を貼らなければなりません。印紙代の一覧が見たい方は、国税庁の該当ページを確認しましょう。
印紙税は、領収書の発行者側である出品者が負担しなければなりません。
領収書の発行はあくまでも任意
メルカリに不要品を売りに出した場合は、あくまでも不要品の処分が目的であるため、事業者という扱いにはなりません。したがって、領収書の発行の義務の対象外となります。領収書の要求に応じたくなければ、断っても何ら問題ありません。
ただし、購入者の中には自分の要求が通らないと機嫌を損ねるユーザーもいます。トラブルへと発展することも考えられるので、断る際の言葉遣いにはくれぐれも注意してください。本記事で紹介した文例を元に、丁寧な言葉遣いを意識してメッセージを送りましょう。
もしも相手が怒ったり、無理な要求を続けてきたりするようであれば、事務局へ相談するのも一つの手です。場合によっては取引をキャンセルするなどの対処を行いましょう。
また、やむを得ず領収書を発行する場合には、正しい書き方で書類を作成するようにしてください。記載しなければならない項目を確認し、漏れや間違いがないよう注意してください。
なお、匿名配送を選択している場合など、相手にパーソナルな情報を知られたくない場合には領収書の発行ができません。なぜなら、領収書には売り手の名前や住所の記載が必須となっているからです。
もしも匿名配送利用時に領収書を依頼されたら、ルールを説明して丁重に断りましょう。
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