JANコードは日本の商品識別番号!JANコードの構成とPOSシステムの仕組み

JANコードとは商品識別番号のことです。
パッケージに印刷されたバーコードがJANコードを表しています。

今回は、このJANコードの仕組みを解説します。

目次

JANコードとは?

JAN(Japanese Article Number)コードは世界共通の商品識別番号です。
通常はバーコードとして商品のパッケージに表示されています。
JANコードを見れば商品名・事業者名が分かります。

GS1事業者コードとは?

JANコードの設定にはGS1事業者コードが必要です。
日本の事業者がGS1事業者コードを取得するには、「一般財団法人 流通システム開発センター」に登録申請する必要があります。

JANコードは、GS1事業者コードに商品アイテムコードを組み合わせることで設定されます。

GS1事業者コードの登録申請

GS1事業者コードの登録申請をする方法は

  • ネット申し込み
  • 郵送申し込み

の2種類です。

登録申請料は、事業者の申請料算定区分と年商の組み合わせで決まります。申請料算定区分と年商をそれぞれ確認し、料金表を参照してください。

【申請料算定区分】

区分Ⅰまたは区分Ⅱから該当する方を選びます。

  • 区分Ⅰ:「製造事業」または「自社商品の販売事業」での売上が年商の半分以上である事業者。
  • 区分Ⅱ:「卸売事業」、「小売事業」または「サービス事業等」での売上が年商の半分以上である事業者。

詳しい事業内容は「GS1事業者コードの新規登録手続き」で確認してください。

【年商】

事業者全体の年間総売上高をさします。

【料金表】

【区分Ⅰ】

年商登録申請料(3年分)
500億円以上:ランクA264,000円
50億以上~500億円未満:ランクB154,000円
10億以上~50億円未満:ランクC110,000円
5億以上~10億円未満:ランクD77,000円
1億以上~5億円未満:ランクE38,500円
1億円未満:ランクF16,500円

※消費税10%込

【区分Ⅱ】

年商登録申請料(3年分)
1000億円以上:ランクA264,000円
500億以上~1000億円未満:ランクB154,000円
100億以上~500億円未満:ランクC110,000円
50億以上~100億円未満:ランクD77,000円
10億以上~50億円未満:ランクE38,500円
10億円未満:ランクF16,500円

※消費税10%込

世界のJANコード

JANコードは世界共通の仕組みですが、海外では呼び名が異なります。

  • カナダ・アメリカではUPCコード
  • ヨーロッパ諸国ではEANコード

と呼ばれています。

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JANコードの構成

JANコードには2種類あります。

1つは標準タイプです。

  • GS1事業者コード(9桁か7桁)
  • 商品アイテムコード(3桁か5桁)
  • チェックデジット(1桁)

の合計13桁の数字で構成されています。

もう1つは、8桁の数字で構成されている短縮タイプです。

GS1事業者コード

GS1事業者コードの先頭2桁は国コードを表しています。
日本の国コードは45か49です。

そして、先頭3桁の数字を見れば、GS1事業者コードが9桁か7桁かが分かります。

先頭3桁が456~458の場合先頭9桁がGS1事業者コード
先頭3桁が450~455か490~499の場合先頭7桁がGS1事業者コード

商品アイテムコード

GS1事業者コードの後に続くのが商品アイテムコードです。

商品アイテムコードの桁数は、

  • GS1事業者コードが9桁の場合は3桁
  • GS1事業者コードが7桁の場合は5桁

です。

チェックデジット

最後の1桁がチェックデジットです。「チェックデジットの自動計算入力フォーム」で計算できます。

日本以外の国コード一覧

国コード国名
000~019、030~039、050~059、060~139アメリカ合衆国
300~379フランス
380ブルガリア
383スロベニア
385クロアチア
387ボスニア・ヘルツェゴビナ
389モンテネグロ
400~440ドイツ
460~469ロシア
470キルギスタン
471台湾
474エストニア
475ラトビア
476アゼルバイジャン
477リトアニア
478ウズベキスタン
479スリランカ
480フィリピン
481ベラルーシ
482ウクライナ
484モルドバ
485アルメニア
486グルジア共和国
487カザフスタン
48タジキスタン
489香港
500~509イギリス
528レバノン
529キプロス
530アルバニア
531マケドニア
535マルタ
539アイルランド
540~549ベルギー&ルクセンブルク
560ポルトガル
569アイスランド
570~579デンマーク
590ポーランド
594ルーマニア
599ハンガリー
600~601南アフリカ共和国
603ガーナ
604セネガル
608バーレーン
609モーリシャス
611モロッコ
613アルジェリア
615ナイジェリア
616ケニヤ
618コートジボアール
619チュニジア
621シリア
622エジプト
624リビア
625ヨルダン
626イラン
627クウェート
628サウジアラビア
629アラブ首長国連邦
640~649フィンランド
690~695中国
700~709ノルウェー
729イスラエル
730~739スウェーデン
740グアテマラ
741エルサルバドル
742ホンジュラス
743ニカラグア
744コスタリカ
745パナマ
746ドミニカ共和国
750メキシコ
754~755カナダ
759ベネズエラ
760~769スイス
770~771コロンビア
773ウルグアイ
775ペルー
777ボリビア
779アルゼンチン
780チリ
784パラグアイ
786エクアドル
789~790ブラジル
800~839イタリア
840~849スペイン
850キューバ
858スロバキア
859チェコ
860セルビア
865モンゴル
867朝鮮民主主義人民共和国
868~869トルコ
870~879オランダ
880大韓民国
884カンボジア
885タイ
888シンガポール
890インド
893ベトナム
896パキスタン
899インドネシア共和国
900~919オーストリア
930~939オーストラリア
940~949ニュージーランド
955マレーシア
958マカオ

新規GS1事業者コード

GS1事業者コードの申請増加により、2001年以降は7桁ではなく9桁のコードが採番されています。
これから新規取得する場合は9桁になります。

JANコード誕生の歴史

JANコードの発端は、1948年にDrexel大学の学生が作成したバーコードに遡ります。
翌年には分類・識別コードとして特許申請しています。
しかし、すぐには実用に至りませんでした。

バーコードの普及

1960年代になってから、欧米でキャッシュレジスタと電子スキャナによる自動チェッキングシステムが導入され始めました。
ここで商品の識別に採用されたのがバーコードです。

日本のバーコード

1972年には、日本でも自動チェッキングシステムが導入されました。
しかし、バーコードの本格導入には至りませんでした。
なぜなら全ての商品にバーコードラベルを貼るには、バーコードの規格化・標準化が必要であり、当時の日本にはまだ共通のバーコード規格がなかったためです。

そして、1978年、ついに流通システム開発センターによって共通バーコードシンボル「JANコード」が設定されました。

バーコード(JANコード)読み取りの仕組み

JANコードが記されたバーコードラベルは黒いバーと白い余白で構成されています。
バーコードの読み取りにはPOSシステムが採用されています。

POSシステムとは?

POSシステムとはレジのことです。
正確には販売時点情報管理システムと言います。

売上金銭管理

POSシステムができることは2つあります。
1つ目は、売上金の管理です。
レジの会計処理はもちろん、売上の集計も可能です。

在庫仕入れ管理

2つ目は、誰が・いつ・何を購入したのか、消費者の情報を収集・管理することです。

これにより、在庫の把握・仕入れの管理が容易になりました。

経営戦略

また、消費者の動向をもとに今後の経営戦略を立てることもできます。

バーコードマーキングシステム

バーコードの印刷方法は2種類あります。

1つ目は、ソースマーキングです。
製造元・販売元が商品の製造・包装のタイミングでJANコード(バーコード)を印刷します。

2つ目は、インストアマーキングです。
これは販売店が店内で独自のマーキングが施されたラベルを貼ります。
重さによって値段が変わる生鮮食品の販売では、主にインストアマーキングが用いられています。

書籍業界のソースマーキングバーコード

書籍業界のソースマーキングバーコードには、価格を含めた情報もバーコード化されています。

書籍のバーコード

書籍のJANコードは2段で構成されています。

1段目は「978」からはじまるISBN(International Standard Book Number)バーコードです。
これは書籍を1冊1冊分類するためのバーコードです。

2段目は「192」ではじまる日本独自の図書分類と税抜き本体価格を表すバーコードです。

雑誌のバーコード

雑誌のバーコードは、通常のJANコード(13桁)とアドオンコード(5桁)で構成されています。

バーコードには情報がたくさん含まれている

私達が普段何気なく見ているバーコードには、たくさんの情報が含まれています。
ぜひ一度チェックしてみてください。

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この記事を監修した人

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