この記事では、中国のECサイトであるAliExpress(アリエクスプレス)とAlibabaについてご紹介します。
AliExpressとAlibabaは、個人使用目的で商品を購入する場合だけでなく、国内のECサイトで転売するための商品を仕入れるのにも役立つサイトです。
中国のECサイトに興味がある人は、この記事をぜひ最後まで読んでみてください。
中国輸入ビジネスを始める前に
最初に、中国から商品を輸入して国内で販売するビジネス(中国輸入ビジネス)を始めたいと考えている人を対象に、中国輸入ビジネスを始める前に考えておくべきことについて解説します。
販路はAmazonが便利
輸入ビジネスで成功するには、輸入先の選定だけでなく、輸入した商品をどこで販売するかも重要な問題です。
以前は無在庫販売ができたこともあって、メルカリが重宝されました。無在庫販売というのは、商品が手元にない状態で出品しておき、注文が来てから実際に商品を仕入れて発送する販売手法のことです。この手法であれば在庫を抱えることがないので、物販ビジネスのリスクを最小化できるというメリットがあります。
しかし、現在、メルカリは無在庫販売を禁止しています。そのため、今はAmazonのほうがおすすめです。FBAというAmazonが提供している配送サービスを利用すれば、少ない労力で販売できるからです。
中国以外にも目を向ける
輸入ビジネスを始めるなら、AliExpressをはじめとする便利なサイトがあるので、中国輸入ビジネスから手を付けるのがおすすめです。
もっとも、安くて高品質な商品が手に入る国は他にもあります。例えば、ベトナムは、労働者の質が高く、品質の良い商品が安く買える国です。
最初は中国から始めるにしても、他の国の小売事情についても随時調査するようにしましょう。
参考:AliExpress(アリエクスプレス)の登録はこちら
将来的にはオリジナル商品の開発も視野に
中国輸入ビジネスはライバルが多いのがネックです。ライバルが多いということは、複数の出品者が同じ商品を販売する可能性が高まるということです。そうなると価格競争が起こるのは目に見えています。
価格競争を避けるには、自分のオリジナル商品を販売するのが一番です。中国の優秀な工場でオリジナル商品を生産して国内で販売するビジネスに転換できれば、価格競争に巻き込まれずに利益を上げられるからです。
物販ビジネスを始めた当初からオリジナル商品の開発に着手するのは難しいかもしれませんが、こういったビジネス手法があることは頭の片隅に入れておいてください。
中国輸入ビジネスを成功させるポイント
ここでは、中国輸入ビジネスを成功させるためのポイントを簡単に解説しておきます。
トラブルを避けるには代行業者を使う
ひと昔前までの中国製品は価格は安いけれど品質は今一つという印象でした。しかし、最近では中国製品の品質が上がっており、以前と比べると不良品が届くといった中国輸入ビジネスにありがちなトラブルに遭うことは減ってきています。
しかし、それでも国内業者から仕入れる場合と比べると、不良品率は高いですし、品違いなどのミスも多いです。そのため、中国輸入ビジネスを行うなら、ある程度はトラブルに遭うことも覚悟しておかなければなりません。
ただ、トラブルを減らす方法はあります。それは、輸入代行業者を間に挟むことです。手数料を支払うぶんコスト増にはなりますが、現地での検品を依頼できたりするので大幅に手間が省けます。
個人レベルで中国輸入ビジネスを行う方にとっては、費用面のデメリットばかりが目につくかもしれませんが、取り扱う商品の数が増えてくると、代行業者のありがたみが理解できるようになります。事業が軌道に乗ってきた時は、代行業者の利用も検討してみてください。
商品のリサーチが何より大事
中国輸入ビジネスを成功させるためには、何よりも「売れる商品を見つけること」が重要です。
物販事業では、同じ商品が売れ続けるとは限りません。また、価格競争によって儲けが出なくなることもあります。
中国輸入ビジネスを成功させるためには売れ筋商品を常に探し続ける必要があり、そのためにはリサーチが不可欠なのです。
中国のECサイト
ここからは、中国輸入ビジネスの仕入れ先となり得る中国のECサイトをご紹介します。淘宝網(タオバオワン)、阿里巴巴1688.com、AliExpressが有力ですが、その他のサイトもいくつかご紹介します。
ちなみに、以上3つのサイトは、全て中国の阿里巴巴集団(アリババグループ)が運営しているサイトです。もっとも、運営主体は同じでも、それぞれに異なった特徴を持っています。それを把握し活用できれば、より効率的に仕入れられるようになるでしょう。
淘宝網(タオバオワン)
まずは、淘宝網(タオバオワン)です。単にタオバオと呼ばれることも多いサイトです。
中国国内の消費者が使っているECサイトで、ページは中国語で作成されています。
以前は外国からの利用者が少なかったこともあって、決済にAlipay(アリペイ)というオンライン決済サービスを利用することが前提になっていたのですが、現在は、VISA、Mastercard、JCBといった主要クレジットカードが使えるようになっています。
なお、決済手段については、中国語ですが、以下のページに記載があります。
参考:海外及其他地区付款方式
中国国内の消費者向けということもあって、価格が安いのが魅力です。商品1個から買えるのも便利です。
阿里巴巴1688.com
「アリババ」には、後でご紹介するアリババ(Alibaba.com)と、阿里巴巴1688.comの2つがあります。中国輸入ビジネスでよく使われるのは、商品価格が安い阿里巴巴1688.comの方です。1688というのは、中国語でこの数字の発音がアリババに近いことから名づけられたそうです。
他の中国サイトと違うのは、阿里巴巴1688.comが基本的に卸売りのサイトであることです。卸売り価格なので、中国のECサイトの中でも特に安くなっています。ただし、最小ロット数が設定されていることが多く、1個2個といった単位で購入できないところは不便です。
AliExpress
AliExpress(アリエクスプレス)は、海外を意識したサイトです。そのため、中国のサイトでありながら英語で作られています(なお、全てのページが完全に日本語化されているわけではありませんが、日本語サイトもあります)。
淘宝網(タオバオワン)や阿里巴巴1688.comと比べれば、商品価格は高めです。それでも国内のサイトよりは安い場合が多いので、中国輸入ビジネス初心者には使いやすいサイトです。
天猫Tmall
天猫Tmallは、淘宝網(タオバオワン)から分離したサイトです。有名ブランドの直営店などが出店していて、日本企業も出店しています。
天猫Tmallは商品やサービスの質を重視した運用がなされていることもあって、淘宝網(タオバオワン)などと比べると安心感があるサイトです。
一方で、値段の安さをウリにしているサイトではないので、中国サイトで商品を安く仕入れたい人には向いていません。基本的には、個人的な買い物用に利用すべきサイトだと言えるでしょう。
Alibaba.com
Alibaba.comは、もう一つの「アリババ」です。
阿里巴巴1688.comが中国国内向けの卸売りサイトなのに対して、Alibaba.comは国際取引向けのサイトです。そのため、多言語表示が可能となっており、日本語で表示させることもできます。
ただし、国際取引向けの卸売りサイトなので、最小ロット数が大きいことが多く、少量の仕入れには向きません。
京東(JD.com)
京東(JD.com)は、京東集団が運営するサイトです。今回ご紹介しているサイトの中では、唯一、阿里巴巴集団(アリババグループ)が運営するサイトではありません。
自社で商品を買い入れて販売しているだけでなく、在庫管理や物流も行っています。Amazon(amazon.co.jp)と同じような事業を展開している企業というイメージです。
京東(JD.com)は、特にPCや家電分野に強いことで有名です。
中国輸入ビジネスのポイント
ここで一旦これまでの内容をおさらいしておきましょう。大事なことばかりですので、復習のつもりで読んでください。
販売先にはAmazonがおすすめ
Amazonは、その販売力の高さは言うまでもなく、FBAという配送サービスを利用できるところも魅力的です。このサービスを利用すれば、手数料はかかりますが商品の発送にかかる手間を大幅に削減することができます。物販初心者なら、まずはAmazonで物販ビジネスを始めるのが無難です。
ちなみに、日本のAmazonだけでなく、商品によってはアメリカのAmazon(amazon.com)での販売を考えてみるのも面白いでしょう。商品を輸出することになるので手間は増えますが、日本よりも高値で売れる可能性があります。
中国以外の輸入先も考える
中国輸入ビジネスを始めて間もないうちは淘宝網(タオバオワン)や阿里巴巴1688.comを中心に商品を探せば十分ですが、将来的には中国以外の国からの輸入も考えた方が良いでしょう。
すぐに他の国に手を伸ばす必要はありませんが、長期的に輸入ビジネスを行う予定なのであれば、様々な情報を入手するという意味でも広くアンテナを張っておくことをおすすめします。
単なる転売には限界がある
中国輸入ビジネスは、中国から仕入れた商品を国内で売る転売ビジネスです。商品価格が安い中国で仕入れを行うため儲けが出しやすいのですが、単なる転売は価格競争になりやすく、高い利益率は期待できません。
そのため、オリジナル商品の開発や、中国輸入ビジネスのノウハウを生かしたコンサルティングなど、転売ビジネスの次に行うべきビジネスについても考えておくことがさらに儲けを大きくするためには必要です。
AliExpressに出店しているショップの見極め方
ここからは中国輸入ビジネス初心者にもおすすめなAliExpress(アリエクスプレス)について解説していきます。まずは、ショップの見極め方です。
AliExpressには多くのショップが出店しており、中には質の良くない商品を販売しているタチの悪いショップもあります。
AliExpressを使っての中国輸入ビジネスを成功させるためには、ショップを見極める能力が欠かせません。
トップブランドのマークがあるかをチェックする
優良ショップを判別するには、AliExpressが認定しているトップブランドに選ばれているか否かをチェックするのが一番です。
商品ページやストアフロントのページに勲章のようなマークにトップブランドと表示されていれば、基本的にそのショップは信頼できると考えて間違いありません。
ショップの評価をチェックする
商品ページの上の方にあるショップ名の下には、良い評価の率が表示されています。また、その横にはフォロワー数も表示されています。このような数値をチェックすれば、ショップの信頼度がわかるようになっているので、ぜひ活用してください。
また、ショップの名称のところにマウスカーソルを合わせると、ショップの評価のより詳しい内容を見ることもできます。
商品の評価もチェック
個々の商品の品質は、商品名の下にある星の数を見ればわかります。
レビューの件数部分にカーソルを合わせ、「全部のコメント」をクリックすると、具体的なレビューが記載された欄に飛びます。
商品写真が添付されているレビューもあるので、商品を選ぶ際はぜひ参考にしてください。特に、初めて仕入れる商品に関しては、多少面倒でもレビューの文章まで読むようにしましょう。
AliExpressで安く商品を購入する方法
AliExpressの商品は全般的に日本で買うよりも安い場合が多いですが、転売ビジネスの仕入れ先として使う場合は、少しでも安いほうが良いに決まっています。
そこで、AliExpressでより安く買う方法について見ていきましょう。
クーポンを利用する
AliExpressで使用できるクーポンには3種類あります。AliExpress全体で使えるAliExpressクーポン、一部のショップ・商品で使えるセレクトクーポン、発行したショップだけで使えるストアクーポンの3つです。
商品ページにある「クーポンを獲得」をクリックすると、取得することができるクーポンが表示されます。
セール時期を狙う
セール時期を狙って仕入れるのは当然と言ってもいい手法でしょう。
AliExpressは大規模なセールを2つ開催しています。1つ目が3月下旬に開催されるAnniversary saleで、もう一つが11月11日のGLOBAL SHOPPING FESTIVALです。「独身の日セール」として日本でもニュースになることがあるので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。
セールの時期になると多くの商品が大幅に値引きされるので、中国輸入ビジネスをしている人にとっては大チャンスです。
なお、商品ページのハートマークのところをクリックすると、欲しいものリストに登録できるようになっています。気になる商品をあらかじめ欲しいものリストに入れておけば、セール本番時に商品を探す手間が省けるのでおすすめです。
欲しいものリストに登録した商品は、「マイAliExpress」にある「願望リスト」で確認することができます。
値引き交渉も可能
中国輸入ビジネスが軌道に乗ってある程度まとまった数の商品を注文するようになったら、値引き交渉にもチャレンジしてみましょう。
AliExpressの場合ショップと交渉するには英語が必要となるのでハードルが高いと感じるかもしれませんが、上手な英語である必要はないので積極的に交渉を持ちかけていきましょう。例えば、以下の文章は翻訳サイトを使って作ったものですが、これでも十分通じます。
I’m planning to buy 20 of these products, can you give me a discount?
(この商品を20個購入するつもりなのですが、まけてくれませんか?)
中国のサイトを知ってビジネスに生かそう!
中国のECサイトは、日本よりも安く商品が売られていることが多く魅力的です。中国の安い商品を仕入れて、国内で転売するだけで利益が見込めます。
ただ、サイトごとに特徴があるため、それを知らないまま取引すると混乱します。
ぜひこの記事を参考にして、ご自身のビジネスにピッタリの仕入先を見つけてください。