Amazonで中古品を出品する際は、必ずコンディションを表示しなければなりません。しかし、その中で最低ランクの「可」を付けてしまうと、なかなか売れないのではないかと不安に思う方も多いのではないでしょうか。
かといって「可」を避けようとするあまり無理してその上のコンディションを付けてしまうと、後になってトラブルが生じかねません。
そこで今回は、Amazonで中古品を「可」で売る際のメリットや売るためのコツ、コンディションの判断基準や注意点についてまとめました。
中古品のコンディションは4種類ある
中古品のコンディションは全部で4種類あります。出品する際は、必ず自分でその内のいずれかに決めなければなりません。というのも商品を直接手に取って確認することができないユーザーからすると、閲覧中の商品の状態が一定の基準で区分けされていると買うかどうかを決める目安になるからです。
また同じ商品が複数出品されている場合は、それぞれのコンディションと値段の両方を見比べながら総合的にメリットが多い方を購入することもできるでしょう。
買い手にとって必要性の薄い商品なら、新品同様の高いものより古くても安い方で十分かもしれません。その逆の場合は、少々値が張っても保存状態が良い方が安心というケースもあるでしょう。そこで、まずは各コンディションについて詳しく解説していきたいと思います。
「ほぼ新品」
「ほぼ新品」とは、公式のコンディションガイドラインによると、使用状態は「使用軽度」で、本体も同品や部品・パーツにまったくキズや汚れがない商品と定義されています。具体的には、商品の外見が使用済みとはわからない程度を意味します。
新品で購入した際の同梱品や部品・パーツなどがすべて揃っていなければならず、購入後30日以内に動作しなくなった場合は、返品を断ることができません。
なお、ここで説明している各コンディションの定義は、主にスポーツ・アウトドア、カー・バイク用品、おもちゃ・ホビー、ビジネス、家具・インテリア、大型家電、文房具、オフィス用品などが対象です。
本、CD/DVD、カメラ、パソコンやその周辺機器などは、それぞれに違った定義が定められているので、詳しくは以下の「コンディションガイドライン」をご参照ください。
参考:コンディションガイドライン – Amazonセラーセントラル
「非常に良い」
「非常に良い」は、同ガイドラインによると、使用状態は「使用軽度」で、本体や同梱品、パーツ・部品のキズや汚れが軽微なものとされています。
取扱説明書など新品で購入した際の同梱品や、部品・パーツなどの一部がなくても動作にいっさいの問題がない場合なら「非常に良い」として出品して構いません。ただ、買い手がついて30日以内に動作不良が発生した場合は、返品に応じる義務が生じます。
「良い」
「良い」は、使用状態が「使用重度」で、本体や同梱品、パーツ・部品に汚れやキズが多いものと定義されています。新品で購入した際の同梱品や、部品・パーツなどの一部がなくても動作にいっさいの問題がない場合なら「良い」として出品して構いません。
ただ「良い」の場合も買い手がついて30日以内に動作不良が発生した場合は、返品に応じなければなりません。
「可」
続いて、本記事の本題である「可」です。使用状態は「使用重度」で、本体や同梱品、パーツ・部品に汚れやキズが多いものと定義されています。新品で購入した際の同梱品や、部品・パーツなどの一部がなくても動作にいっさいの問題がない場合なら「可」として出品して構いません。
ここまでは「良い」とまったく同じですが、明確な違いは、買い手が消耗品を買い足したり、交換したりとなんらかの作業をしなければ使用に一部制限があるという点です。
「出品不可」もある
「可」を下回る状態の場合は、「出品不可」となるので注意してください。具体的には、破損などで使用に支障がある状態です。加えて、同梱物が紛失していて単体で使用できない、あるいは部品やパーツ、消耗品を交換していないために単体で使用できない状態を指します。
「可」で出品するメリット
それでは、「可」で出品する場合のメリットについて解説していきたいと思います。「可」は出品できる中古品の中でもっとも保存状態が良くないものといえます。
中には売れるかどうか不安で、出品をためらうケースがあるかもしれません。そこまでして販売する意味があるのかと疑問に思う方もあるでしょう。しかしそこでやめてしまうのは勿体ないです。「可」でも出品するメリットは十分にありますので、本章でご説明いたします。
お得感が与えられる
「可」は、買い手にお得感を与えることができるメリットがあります。Amazonを使うユーザーの多くは、自宅にいながら欲しい商品を入手できるのと、価格が期待以上に安価な場合があるという理由で利用していると考えてよいでしょう。
極端な例でいうと中古本がわずか「1円」で売られているケースが珍しくありません。数十円のものもざらにあります。もちろん送料は必要ですが、それを差し引いてもかなりのお得感があるといってよいでしょう。
そして、これをきっかけにリピーターになってもらえる可能性が出てきます。「可」の商品が呼び水となって、もっと単価の高い「良い」や「非常に良い」「ほぼ新品」といった別の商品を買い求めたり、ついで買いしてもらえたりすると期待できるのです。つまり、マーケティング戦略の一つとして「可」を利用するという考え方です。
売り切りが狙える
「可」でも安ければいくらでも買い手はつくので、売り切りを狙えるのもメリットです。せどりをするうえで頭を悩ませる問題に、「在庫過多」や「不良在庫」があります。多く仕入れすぎて売れ残ったり、売れると見込んで仕入れたもののブームが去ってまったく売れなくなった在庫を抱えたりすることです。
仕入れたからには、その代金を支払わなければなりません。在庫保管しておくスペースが必要なうえ、廃棄処分するとしても余分なコストがかかります。これらを考慮すると、たとえ売上は低くても「可」で売り切ってしまう方が無難でしょう。
「出品不可」以外の理由で出品できないもの
コンディションの定義で「出品不可」に該当した商品を売ることはできません。しかし、それ以外にもAmazonでは出品が制限されている商品があるので注意が必要です。
禁止されているアイテムを販売すると、非常に厳しいペナルティが科される可能性が高く、場合によっては即アカウント停止となり、二度とサービスを利用できなくなる恐れもあるので気をつけてください。
本章では、出品制限について詳しく解説します。自分が売りたい商品が出品制限に該当しないか確認する方法もご紹介しますので、参考にしてください。
出品制限に注意
出品制限される商品とは、違法性があったり、危険性が高い商品が主となります。許可や免許がなければ販売を禁止されているものの出品についても厳しく問われます。これらを販売した場合、後になって深刻なトラブルに発展する恐れがあるため、水際対策として厳格に規制しているのです。
加えて、出品が制限されているわけではありませんが、「中古で販売することを禁じられている」商品もあるので注意が必要です。具体的には以下のカテゴリーになります。
- 腕時計
- ビューティー(メイクアップ、バス用品、シェービング・ムダ毛処理、香水・フレグランス、ネイルなど)
- ペット用品
- 服・ファッション小物
- シューズ・バッグ
- ジュエリー
- ドラッグストア
- 食品・飲料
- 消費財
- 摂取製品
- 局所用製品
出品制限の例
出品制限されているカテゴリーは以下の通りです。
- 酒・タバコ・タバコに関連する商品
- 医薬品・医薬部外品・医療機器
- 武器やそれを模した商品
- 化学物質や農薬・肥料
- 自動車
- 通貨・硬貨・現金同等品(商品券・仮想通貨・株式など)
- リコール対象商品・盗品
- 不快感を抱かせたり物議を醸す可能性がある商品(暴力、憎悪、人種差別、宗教的差別を助長したり、煽動する商品など)
- その他の商品(事務局が不適切と判断したものは一方的に削除されたりペナルティの対象になる場合があります)
出品制限の確認方法
出品制限に該当するかどうか確認する方法を、パソコン版とスマホアプリ版に分けて解説いたします。
パソコンでの確認方法
「amazon seller central」の最上部「カタログ」メニューから「商品登録」をクリックします。
商品の検索画面に変遷しますので、検索窓に商品名やJANコードなどを入力して検索してください。
「出品許可を申請」もしくは「利用できません」というボタンが表示されている商品は、出品できません。
「この商品を出品する」もしくは「バリエーションを表示する」という表示がある商品は出品可能です。ただし「コンディション」の一覧に「中古品」と書かれていなければ中古品の出品は不可となっているため注意してください。
スマホでの確認方法
「Amazon Seller」を立ち上げて「商品登録」をタップしてください。
表示された検索窓に出品制限に該当するかどうか調べたい商品名やJANコードなどを入力して検索してください。
「出品許可を申請する」と表示された場合は、「出品制限がかかっている」ことを意味します。「出品できます」と表示された場合は、出品して問題ありません。
さらに新品と中古品で扱いが変わることがあるので、必ず「中古品」をタップしたうえで確認してください。
「可」の商品を売るためのコツと出品の際の注意点
これまでは、販売したい商品の区分や出品制限の有無を確認する方法について説明してきました。この項目では、「可」で出品した商品を売るためのコツと、「可」で出品する際の注意点について解説します。
理由をきっちり説明する
「可」の商品を売れやすくするには、コンディションが「可」である理由を明確にわかりやすく記載するようにしましょう。「可」はコンディションの中で最低ランクですから、ユーザーも「何か問題があるに違いない」とそれなりの心づもりで閲覧しているはずです。
そのため、「可」として出品している具体的な理由がわかると納得して購入しやすくなると考えてよいでしょう。 繰り返しになりますが、「可」の定義は以下の通りです。
- 使用状態は使用重度
- 本体や同梱品、パーツ・部品に汚れやキズが多いもの
- 新品で購入した際の同梱品や、部品・パーツなどの一部がなくても動作にいっさいの問題がない
- 買い手が消耗品を買い足したり、交換したりとなんらかの作業をしなければ使用に一部制限がある
上記のどの部分にどの程度当てはまるかを、嘘偽りなく正確に表記してください。経年劣化や破損など、なぜその状態に至ったのかを付記しておくとより親切でユーザーの心象が良くなるでしょう。
苦情や返品の可能性が高い
「可」で出品するということは、言い方を変えると「訳あり」です。いくら事前に説明していたとしても、ユーザーにとっては届いてみると予想以上の粗悪品だったというケースは実際にあり得ます。
これはユーザーそれぞれの感覚に依存するところも大きいので、ゼロにするのは難しいでしょう。そのため「可」で出品する場合は、クレームや返品の要望が寄せられる可能性があると認識しておく必要があります。
売れにくい場合もある
「可」の場合、ものによってはいくら安く販売しても売れにくいことがあります。その際は、さらに値段を下げるか、商品説明を書き直してください。それでも駄目なら取り下げを検討する必要があるでしょう。
商品状態の判断基準
初心者であったり、不慣れだったりするうちは、自分の判断で大丈夫か不安になることもあるかもしれません。そこで、この項目では商品状態の判断基準について、より分かりやすくご説明いたします。
もっとも悪いコンディションに合わせる
冒頭で説明したコンディションの定義を見ても分かるように、コンディションの決定には、複数の要素が含まれます。必ずしもすべての商品が、その要素全部に該当するとは限らないでしょう。例えば、大きなキズが目立つものの、外箱は新品同様に綺麗といった場合です。
このような例の場合、不慣れなうちは迷うパターンと言えますが、その際は、複数の要素のうちもっとも悪いコンディションに合わせてください。上記の例で言うと、「大きなキズが目立つ」を基準に考えるということになります。
迷ったら「可」にする
コンディションの決定に迷ったら「可」にしておくのが無難です。ユーザーは意外とコンディションについての厳密な定義を理解していません。そのため、画像や説明を見ながら納得のうえで購入し、届いてみると想像以上の良品だったということもあり得ます。この場合はかえって評価が上がるかもしれません。
しかし逆に、自分の独りよがりの判断で「可」レベルの商品を「非常に良い」などとしてしまうと、ユーザーの手元に届いた際に当てが外れてクレームや返品要求がくる恐れがあります。こうなると後が大変面倒です。そのため、迷った場合は最低ランクの「可」にするのが無難と言えるでしょう。
まとめ
自分では売れないだろうと思う「訳あり品」でも、実際に出品してみなければ結果は分かりません。意外なところにニーズがあるとも考えられるので、自分の価値観だけで決めるのは勿体無いでしょう。
特に「可」で出品する場合は、ユーザーの立場に立ち、包み隠さず正直にその理由を記載した方が安心感を与えます。そうすることで、かえって購入してもらいやすくなりますので、出品の際は意識してみてください。