ヤフオクの一円スタートはなぜ危険?現在価格だけを見て入札する際の注意点

この記事では、ヤフオクのオークションに潜む罠について解説します。「罠」というと少し大げさかもしれませんが、ヤフオクでは何も知らずに現在価格だけを見て落札すると、不当に高い値段で落札させられてしまうことがあります。1円スタートなど巧妙な出品者の罠に引っかかって損をしないために、この記事をしっかり読んで、上手に落札するようにしてください。

目次

ヤフオクで不当に高い価格で落札をしないために

ヤフオクは、オークションで商品の値段を決めるサイトです。つまり、落札価格が一番高かった人が商品を手に入れられる仕組みです。ヤフオクではこれを悪用する出品者がいるので注意をしなければいけません。

出品者の自作自演に騙されるな!

ヤフオクはオークションですから、落札希望者が複数いれば、価格は徐々に競りあがっていきます。このこと自体は正常なものなのですが、出品者が自分の商品に入札をして価格を操作しようとする不正が行われていることがあります

例えば、本来であれば1000円くらいの落札相場の商品を、相場の何倍もするような高い金額で出品者が自ら入札し現在価格を吊り上げるのです。冷静になれば、相場よりも異常に高い金額なら入札を控えればよいのですが、オークションに熱くなっていると、つい不当に高い金額で入札をしてしまうことがあります。こういった行為を「吊り上げ」といいます

吊り上げ行為がなされると正常なオークションが行われなくなるので、ヤフオクでも禁止しています。具体的には、禁止事項として「自身の出品したオークションに入札行為を行うこと。なお、入札の成否を問いません。」と「ヤフオク!ガイドライン細則」に書かれています。

更に例として「偽名を使用したり第三者を通したりするなどして商品等に入札する」とも書かれているので、ヤフオクでは、自分自身が偽のアドレスで入札するだけでなく、仲間を使って吊り上げを行うことも禁止されています。

もっとも、別アドレスを用意して入札を行うことは、簡単にできる行為ですし、偽アドレスであることを見抜くのも難しいので、ヤフオクで吊り上げを完全に無くすことは難しいと考えられます。

ヤフオクでの更に巧妙な現在価格の吊り上げ行為

この吊り上げですが、複数の偽アカウントを使うと、もっと巧妙に行うことが出来ます。複数のアカウントを使って、徐々に値段が競りあがっているように装うわけです。複数の人が競り合っていると印象付けることで、商品が魅力的なものに感じられ、つられて入札してしまう人が増える可能性が高まります。

こういった吊り上げ行為によって不当に高い値段で買わされないようにするためには、最初に予算を決めておいて、それ以上の値段のときは買わないようにする方法があります。大事なのは、熱くなりすぎず、冷静な気持ちでオークションに参加することです。

なお、吊り上げ行為をした場合、最終的に一番高値を付けたのが偽アカウント(つまり、出品者自身)になることがあります。このような時、出品者は「落札者と連絡が取れなくなった」といって、次点となっている入札者に「あなたが入札した価格でお売りしますが、いかがでしょうか」といったような連絡をしてきます。

このような順位が繰り上がって落札する繰上げ落札は、普通にオークションが行われた場合にも起こりえることですが、吊り上げ行為の結果として起こった場合は、出品者からの連絡にイエスと答えると、相場よりも高値で買わされることになります。もし、こういった事態に遭遇したら、その現在価格で納得するのであれば買っても構いませんが、一旦冷静になってよく考えて、相場よりも高値になっていて納得できない場合は、申し出を拒否しましょう。

ヤフオクの自動入札を悪用して現在価格を吊り上げる手口も

ヤフオクでは自動入札を利用して、入札者に必ず最高入札額まで支払わせる手口もあります。自動入札というのは、予算の上限(最高入札額)に達するまで、自動的に価格を上げながら入札をする仕組みです。ヤフオクの入札は、自動入札によって行われます。

例えば、他に入札者がいない現在価格が2,000円のオークションがあったとします。このオークションに、最高入札額4,000円の人(Aさん)が入札した場合、入札価格は、入札単位100円が加算された2,100円となって、他に入札者がいなければ、Aさんが落札します。

ちなみに、この加算される入札単位は、現在価格によって決まっていて、現在価格1,000円から5,000円のオークションの場合は100円です。この例の場合、入札後の現在価格は2100円に更新されます。この時点で、他に3,000円を最高入札価格で入札する人(Bさん)がいた場合、今度はAさんの入札価格を3,100円に自動的に変更して、入札がなされます。これが、最高入札額である4,000円に達するまで繰り返されるわけです。

ヤフオクで悪意がある出品者がこれを利用すると、入札者の最高入札額を知ることができます。例えば、先ほどの例で、出品者が偽アカウントを使って6,000円の最高入札額で入札すれば、入札価格は、Aさんの最高落札価格に100円を加えた4,100円になります。つまり、出品者は4,100円で落札したという情報があれば、Aさんの最高落札価格が4,000円であったことが推できてしまうわけです。

最高落札価格が分かったら、偽アカウントの落札を取り消して、別のアカウントで今度は3,900円で入札します。そうすると、自動的にAさんの入札価格は4,000円となり、出品者は、Aさんから引き出せる最高の価格で商品を売ることができたということになります。

この場合、Aさんとしては、もともと自分で出せると思っていた額(最高入札額)で落札しているのですから、損はしていないと言えなくもありません。しかし、本来であれば、もっと安値で落札できた可能性もあるので、やはり不利益があったと考えるべきでしょう。

このような自動更新を使った不正行為に引っかからないためには、最高入札価格を最初は低めにしておいて、オークションの流れを見ながら調節していくことが有効です。

ヤフオクは一円スタートという現在価格だけでなく送料も必ず確認する

ヤフオクだけでなく他のオークションサイトでも、激安で出品している商品を見つけて入札し、運よく落札できてしまう場合があります。本当に運よく落札ということであればラッキーだったで済みますが、最近は激安価格での出品を餌にしたネット詐欺がSNS等で話題になっています。

オークションのスタート価格を激安に設定して落札させ、実は法外な値段の送料を払わせるという手口です。1円やそれに近い金額なら特にリスクはないと判断し、商品の詳細説明をよく読まずに勢いで入札してしまう人が少なからずいることは事実です。

現在ヤフオクのガイドラインではこういった行為は禁止されており、高額な送料を請求することは禁止になっているためそこまで露骨なものは以前と比べれば減っています。しかしガイドライン違反の出品はオークションサイト側で削除するようになってはいるものの、詐欺と思われる出品は今でも多く見かけます。

入札する前に必ず商品の詳細をしっかりと目を通して、ヤフオクのガイドラインに違反していることがあればどんなに欲しい商品だとしても手を出さないようにしてください。

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商品が手元にない状態での出品は禁止行為

俗にいうところの無在庫出品です。商品が手元にないのにオークションに出して、落札されてから商品を購入して配送すれば在庫を出さず赤字にもならないため出品者にとっては金銭的にほとんどリスクのない取り引きになります。しかしこの無在庫出品はヤフオクの規約で禁止されている行為です。

手元に商品がないということは落札されてから仕入れる必要があるため、配送までに時間がかかってしまいます。そこでヤフオク側でも無在庫出品を防ぐことも理由の一因として落札から発送までに7日を超える取り引きは禁止されています。また落札して決済が完了してから8日経過時点で商品が届かない場合は返金申請ができるようになりますが、決済完了から12日経過してしまうと申請ができなくなってしまいます。

詐欺の場合は大半が海外からの発送なので2週間かかるとか、既定の日数が過ぎてからもう少しでつくのでキャンセルしないでくれなどという連絡がきます。これは決済完了から12日経過し返金の申請ができなくなるようにするための噓だと思って間違いありませんから、決済完了から返金申請期限一杯の11日を越えるようなら即座にキャンセルした方が無難です。

ヤフオクでの現在価格の吊り上げ行為に引っかからないためには?

ここからは、いわゆる吊り上げ行為を見抜く方法についてご紹介します。

入札者のIDに注目する

もし、あなたが落札しようとしているオークションに、あなたが入札すると直ぐに少し高い金額を即座に入札してくる人がいたら、吊り上げ行為を疑った方がいいかもしれません。もっとも、単に上のような状態が続くだけなら、「あなたが落札しようとしている商品を是非とも欲しい人がもう一人いて、熱心に入札を繰り返しているだけ」という可能性もあります。

そこで、こういった場合は、入札者のIDを調べてみましょう。そのIDの評価が全くないかごく少数だった場合、それまでにオークションに参加経験がほとんどないIDということになるので、出品者が吊り上げのために用意した偽IDかもしれません。

他の商品もチェックしてみる

もし、偽のIDを使っている可能性が疑われたら、その出品者が出品している他の商品もチェックしてみましょう。他の商品でも同じIDから同様の入札が行われていたら、吊り上げ行為の可能性が高まります。

偽のIDについては、複数用意しているかもしれないので、同じIDが使われていなかったとしても、それだけで吊り上げ行為の疑いが晴れるわけではありません。

吊り上げ行為が疑われる怪しいIDを見つけたら、どんなに欲しい商品でも手を出さないようにしましょう。

繰上げ落札の場合は要注意

この点は、前にもお話ししましたが、吊り上げが行われた場合、出品者自身(あるいは、出品者が用意したサクラ)が、落札者になるケースがあります。このようなときは、出品者は落札をキャンセルして、次に入札価格が高かった人に連絡してきます。

この場合、落札価格は一般的な相場よりも高くなっている可能性がありますから、もう一度、その価格で満足なのか再検討してみてください。

最高入札額は、最初から高くしない

この点も上で指摘済みですが、最高入札額は最初は控えめにしておきましょう。この値動きを注視している暇がない人は、最初から予算額一杯の最高入札額にしてしまいがちですが、これでは吊り上げの絶好のターゲットになってしまいます。できるだけ、最高入札額はオークションの様子を見ながら少しずつ上げていくようにしましょう。

オークションを見ている時間的な余裕がない人は、仮に吊り上げが行われて最高入札額で落札することになった場合でも後悔しないか、よく検討しておいてください。

ヤフオクで一円スタートに飛びつく前に。入札する商品の相場を調べておく

もしかすると、これが一番の対策かもしれません。ヤフオクで欲しい商品を見つけたときは、すぐに入札をするのではなく、過去に落札された結果を見て、大体の相場を調べておきましょう。
オークファンのようなサイトを使えば、過去の落札価格の平均も簡単に知ることができます。
相場を知っていれば、必要以上に高値で落札してしまうこともなくなりますし、予算を考えるときの参考にもできます。更に言えば、相場が分かっていれば、フリマ出品された商品の値下げ交渉をすることもできます。オークションをより楽しむためにも、相場を知っておくことは重要です。

参考:過去の相場を簡単に知りたいならオークファンを要チェック

ヤフオクで一円スタートは怪しい?1円オークションに出品する意味

開始価格が1円スタートのオークションのことを1円オークションといいます。順調に価格が競り上がっていけばいいのですが、上手くいかないと1円スタートのまま、最悪1円で商品を売ることになるオークション形式です。

出品者にとってはリスクが大きいオークションに見えますし、入札する側からすると1円という価格が怪しいと感じますが、なぜ1円スタートで出品するのでしょうか。それは、1円オークションに出品することには、それなりの意味があるからなのです。

【ヤフオク1円スタート】他のオークションの集客に繋げる

1円オークションをすると、入札者が多く集まります。1円オークションに興味がある人は、安い商品を探しているので、同じ出品者の他のオークションについても興味を持ってくれる可能性が高いといえます。つまり、1円オークションをきっかけに、自分のオークション全体に人を集めることが期待できるのです。

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【ヤフオク1円スタート】上位に表示される可能性が高まる

ヤフオクのオークションは、表示される順序をソートして並び替えることができます。「価格の安い順」に並び替えることができるので、安い商品を探している人は、この機能を使います。そうすると、1円スタートのオークションは上位に表示され、興味を持ってもらえる可能性が高まります。

【ヤフオク1円スタート】入札数を増やす

オークションの場合、誰も入札していない商品には、興味を惹かれにくいものです。逆に、入札数が多いと、「人気のある商品なのかな」「お買い得の商品なのかな」と興味を惹かれます。

このように入札数が多いということはそれだけでメリットがあるので、入札数を増やすための手段として1円スタートのオークションを用いる意味があります。

【ヤフオク1円スタート】オークションでの価格の競り上がりが期待できる

オークションというのは不思議なもので、一度入札をすると、その商品を欲しいという気持ちだけでなく、落札すること自体に対する欲のようなものが生まれます。この「落札したい」という気持ちを持つ人が増えると、高値が付く可能性が高まります。

このような出品者にとって良い流れを生むためには、まずは入札者の数を集めることが効果的です。そして、そのためには、1円スタートのオークションが適しています。

【ヤフオク1円スタート】良い出品者であることをアピールできる

ヤフオクのオークションでは最低落札価格を設定することができないため、1円オークションを行った商品の価格は純粋に入札額によって決まります。落札価格が低いと出品者は損をすることになりかねませんが、オークションの結果を全面的に受け入れる、つまり1円で入札されてもその通りに販売することを表明することで、入札者の好感度が上がります。

好感度を上げることができれば、リピーターになってくれる可能性も上がるので、1円スタートのオークションには、一種の宣伝効果もあることになるわけです。

【ヤフオク1円スタート】新規の顧客を掴むことに効果的

初めてオークションに参加するようなヤフオク初心者にとって、1円オークションは、とりあえず入札してみるのに適当なオークションになります。

このような初心者を新規の顧客として取り込むための入り口としても1円オークションは効果的です。

ヤフオクで一円スタートすれば、宣伝効果の他に在庫処分もできる!

なかなか売れない不良在庫であっても、保管スペースは必要ですし、何の管理もしないというわけにもいきません。つまり、不良在庫には、保持しているだけで無駄なコストがかかっています。そこで、不良在庫は、仮に多少の損をしてでも売り切ってしまった方が結果的には得になるということが多々あります。

このような場合には、1円オークションにかけてしまえば在庫は一掃できて、これまでに書いてきたような宣伝効果なども見込めて、出品者にとっては利益があります。このように1円オークションは、怪しい出品者というわけではなく、出品者にとっても意味があることなのです。

ヤフオクの一円スタートのオークションを使った戦略

上に書いたことと重複する内容も含みますが、1円オークションを使った戦略について見ていきましょう。入札する側にとっても、1円オークションの裏にある出品者の意図を知っておくことは、オークションを利用する上でプラスになります。

ヤフオク一円スタートの戦略:集客を狙う

既に指摘済みですが、1円オークションには大きな集客効果が期待できます。1円スタートの商品が、仮にそのオークション単体では赤字になったとしても、顧客を集めることができれば後の利益に繋がるという戦略です。

ヤフオク一円スタートの戦略:露出を増やす

この場合の露出というのは、ヤフオクに長期間掲載されていること、つまり出品日数が長いことを指します。1円オークションにかけることで人が集まります。その状態で出品日数を長くすれば、人目につく機会が増えて、宣伝効果が上がるという戦略です。

ヤフオク一円スタートの戦略:価格調査の代替手段として使う

これは例外的な使い方かもしれませんが、一度1円オークションに出してみて、その商品の市場価値を測るという使い方です。1円スタートで出品し、オークションの結果を次回以降の出品の参考にしようという戦略です。

送料で儲けを出す

この手段は、かつてAmazonの1円出品で使われていた方法です。以前はAmazonの配送料は商品カテゴリーごとに固定されていたので、送料の実費との差額が利益になっていました。

もっとも、配送料の決定方法が変わった現在では、このような形の出品は減ってきています。ヤフオクでは基本的にこの方法で儲けを出すことは行われていませんが、念のため送料についてもしっかりチェックしましょう。

ヤフオク一円オークションのデメリット


ヤフオク1円スタートは在庫処分や集客といったメリットがある反面いくつかのデメリットがあります。ここでは1円オークションの具体的なデメリットを紹介していきます。

【ヤフオク一円オークション】想定外の低価格で落札されてしまう

当たり前と言ってしまえばそれまでなのですが、スタートの1円で落札される場合も十分考えられます。

在庫処分目当てで1円スタートにしたのなら問題ありません。しかし自分にとって価値のある商品で、競争が起こるはずだと思って1円スタートにしたのに低価格で落札されてしまうということが一番のリスクと言えます。

【ヤフオク一円オークション】赤字になってしまう場合がある

スタート価格の1円で落札されてしまったり、想定外の低価格で落札されては赤字になってしまいます。特に誤って1円スタートにしてしまった場合にそのまま落札されると間違いなく大赤字になってしまいますが、誤出品は実際にあるケースなので十分に注意してください。

【ヤフオク一円オークション】利益を出すのが難しい

上記のリスクを背負って商品を1円で出品し(1円スタート)、利益を出すためには、商品のリサーチや見極めが重要であり非常に難しいといえます。

1円スタートで初心者が利益を出すのはハードルが高いため、どちらかというと集客や注目を集めるためにするか在庫を処分する目的のために1円スタートを使った方が無難です。

ヤフオクでの価格の吊り上げや一円スタートに関するまとめ

ヤフオクで行われている出品者による価格の吊り上げや、1円スタートのオークションを開催する意味などについて解説してきました。

オークションで落札するのは楽しいものですが、中には裏がある出品者もいます。あまり神経質になる必要はありませんが、この記事でご紹介したような手口にはのらないようにして、適正な価格で落札するようにしてください。

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この記事を監修した人

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