海外は日本と比べて物価が安いため、海外通販や個人輸入は非常に利益率の高いビジネスと言えます。また、日本で人気の高いブランドの海外限定品などを扱うと、仕入れ値の数倍の値段で売れることもあります。
しかし、海外通販サイトでは基本的に取引先と英語でやり取りしなければいけません。
「Amazonみたいなサイトなら、特にセラーとやり取りしなくても購入できる」と思うかもしれませんが、実はそうでもないのです。
まず、外国人は日本人と価値観が違うため、商品説明がわかりにくいことが多く、問い合わせや質問せざるを得ない状況がしばしばあります。
また、国際配送はトラブルが多いため、商品の所在を調べてもらうなどの理由で問い合わせる機会が結構あります。そのため、英語は必須です。
でも安心してください。中学生レベルの英語力(文法)があれば十分意思疎通が図れますし、取引先とのやり取りで使う英文は限られています。今回は、輸入取引で使う英語の例文をケース別に紹介します。コピペして使ってください。
英語でやり取りする際の注意点
例文を紹介する前に、取引相手に英語でメールを送る際の注意点を5つ紹介します。
簡潔にまとめる
英文のメールでは、余計な前置きは必要ありません。最低限の挨拶だけしたらすぐ本題に入りましょう。
また、要点を簡潔にまとめることが重要です。面倒くさい言い回しや難しい文法を使わずに、中学英語レベルのシンプルな文法で分かりやすく書きましょう。長い文章は、2文以上に分けて書くと伝わりやすくなります。
例えば、メールの冒頭で、「私はこの商品を購入した○○(名前)と言います。」と書きたい場合、これを1つの文章で書こうとすると以下のようになります。
I’m 「自分の名前」 of a buyer.
I’m 「自分の名前」 who bought this item.
どちらも間違いではありませんが、英語圏の人から見ると若干不自然で伝わりにくい英語です。
このような場合は、中学生レベルの文法だけを使って書いた文章に分けてしまいましょう。例えば、「私は○○(名前)と言います。私はこの商品を購入しました。」と分けると、以下のように書くことができます。
I’m 「自分の名前」.
I am the buyer of this item.
これなら誰が読んでも分かります。ビジネス英語は文法の難易度より分かりやすさが重要です。受験英語は一旦忘れて、できるだけ簡単で伝わりやすい表現を心がけましょう。
要望を明確化する
外国人に日本人流の「察する文化」を求めることはできません。何か要望がある場合は、はっきり明文化しましょう。
例えば、商品が届かない場合、日本なら「商品が届かないんですけど…」と伝えれば、相手は「申し訳ありません。商品は今○○にあります。○月○日には到着予定です。追跡番号は○○○○○○○○です。」とこちらの意図を察して返信してくれます。
しかし、欧米では「商品が届かないんですけど…」と言っても、相手は「それは申し訳ありません。それで、私に何をしてほしんですか?」となってしまいます。
したがって、「追跡番号を送ってほしい」「荷物の所在を調べて結果を教えてほしい」「注文をキャンセルしたい」などと具体的な要望を書く必要があります。
主語に注意
英語でやり取りする際は、主語に「You」を多用しないようにしましょう。
例えば、いつまで経っても商品が発送されないことにクレームを入れる際に、「You have not shipped the item.」というように書いてしまうと、「お前はまだ商品を発送していない」となってしまい、クレームめいた印象を与えてしまいます。
そのため、「You」ではなく「The item」を主語にして、「Has the item been shipped yet?」と書くと良いでしょう。
同様に、「商品がまだ届かない」ことを伝える際も、「I have not received the item.」や「The item has not arrived yet.」といった表現を使うようにしましょう。
言葉の選び方
英語で問い合わせるときは、言葉の選び方を意識しましょう。
相手に失礼がないようにすることが大切です。かといって、丁寧すぎる必要はありません。丁寧すぎず、カジュアルすぎない表現を使うのがおすすめです。
例えば、「質問してもいいか」を聞く際に「Can I ask you a question?」よりも「May I ask you a question?」としたほうが、丁寧な表現になり印象が良いです。
日付の書き方
メールに購入日時を書く際、日本では「○年/○月/○日」という書き方をしますが、欧米では「○月/○日/○年」という順番で書くのが一般的です。
また、月名に関しては数字ではなく「February(2月)」というようにアルファベットで書いた方が良いでしょう。
履歴を残して返信
相手のEメールに返信する際、本文の下に相手が送信してきたメッセージが履歴として表示されます。
この履歴は消すこともできますが、取引に関するやり取りではメールの履歴を残したまま返信しましょう。その方が事の経緯が分かりやすいため、より早く返信してもらえます。
逆に、履歴を全て削除して返信してしまうと、後回しにされる可能性があります。
英語のメール構成
ECサイトのコメント欄から質問する際は、要件だけ伝えればOKです。
ただし、メールで問い合わせる際は以下の構成を意識しましょう。
書き出し
まず書き出しですが、「Hello ○○」でOKです。取引相手の名前が分からない場合は「Hello」だけで十分です。
本文
一言挨拶を済ませたら、早速本題に入りましょう。本文に使える例文は後述します。
早く返信してほしい場合は、本文の後に「I look forward to hearing from you soon.」や「I hope to hear from you soon.」といった文言を書き加えておきましょう。どちらも「返信お待ちしております」的な意味です。
末尾
伝えたい内容を書き終えたら、最後に「Regards,」や「Thank you」と書いて締めくくりましょう。どちらも「よろしくお願いいたします。」という意味合いで使われます。
個人輸入で使える英語例文
それでは輸入取引でよく使う例文をケース別に紹介します。
商品や在庫についての質問
海外通販では、商品が売り切れると「Out of Stock (売り切れ)」と表示されます。ただ、どうしても欲しい商品の場合は、ダメ元で問い合わせてみるといいでしょう。実際は、まだ在庫が残っているケースや、入荷時期を教えてもらえる場合もあります。
また、別なサイズや色の商品が欲しい場合も同じく質問してみるのをおすすめします。
Could you tell me if ◯◯ is still in stock?
(◯◯は在庫がありますか?)
Do you know when the ◯◯ will be available at your store?
(◯◯はいつ頃入荷予定ですか?)
Could you send me an email when the ◯◯ comes in, please?
(◯◯が入荷されたらメールをもらえますか?)
Could you let me know when the ◯◯ available again?
(◯◯を再入荷したら連絡をもらえますか?)
Do you have another size(color)?
(別のサイズ/色はありますか?)
発送についての質問
海外のECモールでは、日本への発送に対応していないセラーも数多くいます。通常は商品ページに日本への発送の可否が書いてあるのですが、書いていない場合は、コメント欄などを使って以下のように質問しましょう。
Can you ship off this item to Japan?
(日本への発送は可能ですか?)
また、複数の商品を購入したりロット買いする場合は、以下のようにまとめて発送してもらえるか問い合わせてみましょう。まとめて発送してもらった方が送料が安くなります。
Can you accept combined shipping?
(まとめて発送は可能ですか?)
ちなみに、「まとめて発送する」を翻訳ツールを使って英訳すると「Send it all together」というような訳になりますが、これは欧米ではあまり使われない表現です。「combined shipping」の方が一般的で伝わりやすいため、こちらを使ってください。
お届け日数を聞く
国際配送はとにかく時間がかかります。距離的な問題もありますが、海外の配送業者は日本より対応が遅いことがその大きな原因となっています。
無在庫転売をしているなどで、できるだけ早く商品を受け取りたい場合は、購入する前に次のような例文を送ってお届け日数と発送元を聞いておきましょう。
How many days does it take until you ship it off?
(発送まで何日かかりますか?)
From where do you ship off this item?
(どこから発送しますか?)
送料を聞く
また、国際配送は配送方法・業者によって送料が大きく変わってきます。購入する前に送料を聞いておきましょう。
Please tell me the shipping cost.
(送料を教えてください。)
日本で使用できるかを聞く
海外の製品によっては、日本国内で使用できないものが存在します。そのような商品は、基本的に商品ページに、日本で使用できない旨が表記されています。ただし、もし書かれていない場合は以下のように質問しましょう。
Can this product be used in Japan?
(この商品を日本で使うことはできますか?)
商品のサイズ・重量・素材を聞く
アパレル商品などを購入する際は、商品のサイズや素材が非常に重要になってきます。基本的な情報は商品ページに記載されていますが、たまに書かれていないこともあります。
その場合は、以下のように質問しましょう。
Please tell me the size of this item.
(この商品のサイズを教えてください。)
What is the material of this item?
(素材を教えてください。)
How much weight are these goods?
(これらの商品の重さを教えてください。)
他の色はないか聞く
「この商品は良いけど、できれば別の色が欲しいんだよな。」という場合は、妥協せずに他の色がないか聞いてみましょう。
Do you have this item in a different color?
(他の色はありませんか?)
中古品の状態の確認
中古品を購入する際は、必ず商品の状態をよく確認しておきましょう。状態が詳しく書かれていない場合は、以下のように質問しましょう。
Please tell me the detailed condition of this item.
(この商品の状態を詳しく教えてください。)
付属品の有無の確認
また、中古品を購入する際は付属品の有無もよく確認しましょう。
特に商品の箱の有無については必ず確認してください。日本では「箱も含めて商品」という認識が広く浸透していますが、欧米人は商品の箱にあまり重きを置いていません。ダンボールで梱包せずに、商品の箱に直接伝票を貼り付けることも珍しくありません。
また、家電などを購入する際は説明書の有無も確認しましょう。
Does this item come with original packaging?
(箱はついてますか?)
Do you have a manual for the item?
(説明書はありますか?)
商品写真の提示を求める
中古品の状態は文章だけでは把握しきれないため、商品写真をよく確認する必要があります。
商品写真が少なくて状態がよく分からない場合は、以下のように別の写真はないか聞いてみましょう。親切な出品者であれば、新しく写真を撮影してくれたりします。
Could you show me other pictures for this item?
(他の商品写真を見せていただけませんか?)
値下げ交渉
eBayなどで購入する際は、値下げ交渉ができる場合があります。値下げ交渉でよく使う定型文は以下のとおりです。
Could you give me a discount?
(値下げしてもらえますか?)
Doesn’t this item become inexpensive?
(もう少し安くしてもらうことはできますか?)
I will buy 5 of the item, so please give me a discount.
(5つ買うので値下げしてもらえませんか?)
I will buy 5 of the item, so please sell it to me for 100 dollars.
(5つ買うので100ドルにしてもらえませんか?)
メールで送る際は、以下のように書きましょう。
Hello!!
I’m a ◯◯.I want to buy □□.
Could you give me a discount?
I will buy 5 of the item, so please sell it to me for 100 dollars.
Best regard,
(日本語訳)
こんにちは、◯◯です。□□を購入希望です。
値引きしてもらうことは可能ですか?
5つ購入しますので、100ドルで売っていただけないでしょうか?
よろしくお願いいたします。
問い合わせしたのに返事がない場合
問い合わせをしたのに返事が返ってこないケースは少なくありません。何日待っても返事が来ない場合は、以下のように連絡をしましょう。
I’m wondering if you had received our order a week ago.
I would appreciate it if you could reply to our order.
(1週間前にメールが送られてきたかと思いますが、ご返信いただければ幸いです。)
I’m afraid that my message may not have reached you.
(私が送信したメールが届いてないかもしれないと心配しています。)
I would appreciate if you could response to my email at your earliest convenience.
(ご都合がつき次第、私が送信したメールに返信していただけると幸いです。)
入金完了連絡
商品の代金を支払った時は、以下のような文面で入金完了連絡をするのが一般的です。
Hello!!
I have completed the payment through PayPal today. Please check on it.
If you ship off the item as soon as possible, I’m very happy.
Best regards,
(日本語訳)
こんにちは
PayPal決済が完了しました。ご確認ください。
速やかに発送していただけると幸いです。
よろしくお願いいたします。
購入後に連絡が来ない場合
ネット通販で商品を購入すると、基本的には確認のメールが届きます。たまに来ないケースもあるので、その場合はできるだけ早いうちに連絡をしましょう。
I would like to confirm that I have received my order.
(私の注文を受け取ったことを確認したいのですが)
I bought a product called ◯◯ on △ month △ day, but unfortunately I haven’t heard from you yet.
(△月△日に◯◯という商品を購入しましたが、残念ながらまだ連絡がありません。
)
Your prompt response will be highly appreciated.
(お早めにご連絡をいただけると幸いです。)
I appreciate your quick response.
(迅速にご対応いただけると大変ありがたいです。)
商品が届かない(1)追跡番号を教えて
国際配送は国内配送と比べてトラブルが多い傾向があります。商品がいつまで経っても届かない場合は、すぐに出品者にメールで問い合わせましょう。例文を2つ紹介します。
◆例文1
Hello!!
I haven’t received the item I bought yet.
Please tell me the tracking number.
Thank you.
(日本語訳)
私が購入した商品がまだ届いていません。
追跡番号を教えてください。
よろしくお願いいたします。
◆例文2
Hello!!
I’m 「自分の名前」.
The item I bought from you has not arrived yet.
Please let me know the current location of it.
Best regards.
(日本語訳)
私は〇〇です。
あなたから購入した商品がまだ届いていません。
商品の現在位置を教えてください。
よろしくお願いいたします。
商品が届かない(2)催促メール
商品の所在を問い合わせれば、大抵のセラーは追跡番号を教えてくれます。
ただ、国際配送は追跡結果が反映されるまで時間がかかることが多く、自分で追跡番号を調べても荷物の所在が分からないケースがあります。その場合は、販売者に問い合わせて調べてもらいましょう。
◆例文1
Hello!!
I have not received the item I bought yet.
I checked with the tracking number you gave me, but the location of the package was not revealed.
Immediately, please check it and tell me where it is.
Thank you,
(日本語訳)
私が落札した商品がまだ届いていません。
あなたに教えていただいた追跡番号で問い合わせましたが、荷物の所在はわかりませんでした。
大至急配送業者へお問い合わせいただき荷物の状況をご連絡ください。
よろしくお願いいたします。
◆例文2
Hello!!
I haven’t received the item I bought yet.
I made an inquiry with the tracking number you taught, but I didn’t know the location of the baggage.
Please hurry and contact the delivery company, and report the situation of it to me within 24hours.
Otherwise, I’d report you to ○○.
Best regards,
(日本語訳)
私が落札した商品がまだ届いていません。
あなたに教えていただいた追跡番号で問い合わせましたが、荷物の所在はわかりませんでした。
大至急配送業者へお問い合わせいただき、24時間以内に荷物の状況をご連絡ください。
連絡がない場合は○○の運営に報告させていただきます。
よろしくお願いいたします。
間違って購入したからキャンセルしたい
eBayなどのオークションサイトで間違って入札してしまった場合は、キャンセルしたい旨のメッセージを送りましょう。
I’m sorry.
I bid by mistake.
Please cancel my bidding.
If you cancel it, I would leave a positive feedback for you.
Best regards,
(日本語訳)
すみません。
間違って入札してしまいました。
キャンセルさせてください。
キャンセルしていただけたら、良い評価をつけます。
よろしくお願いいたします。
返品したい
もし商品が破損していたり、違う商品が届いた場合はすぐに問い合わせて返品しましょう。
Since I received a product that differs from the product description, I will cancel the transaction.
Please tell me how to return the product.
Best regards,
(日本語訳)
商品説明の記載と異なる商品が届いたため、取引をキャンセルさせていただきます。
商品の返品方法を教えてください。
よろしくお願いいたします。
返金してほしい
返金してほしい場合は、以下のようなメッセージを送りましょう。
◆例文2
The item you send was broken.
I will request a refund.
Best regards,
送られてきた商品が壊れていました。
返金してください
よろしくお願いいたします。
良いフィードバック例文
日本と同様に、海外のECサイトも商品を受け取って取引が完了した後は、販売者と購入者がお互いのフィードバック(評価)をします。
相手に良いフィードバックをつける際は、以下の定型文がよく使われます。
The item was in the very good condition. Thank you very much.
(商品は非常に良い状態で届きました。ありがとうございました。)
Great item! Item came quickly. Thank you very much.
(素晴らしい商品です。到着も早かったです。ありがとうございました。)
Great seller! Great item! Great response! Thank you very much.
(素晴らしい出品者です。商品も対応も素晴らしかったです。ありがとうございました。)
悪いフィードバック例文
悪いフィードバックを付ける場合は以下の定型文を使いましょう。
This transaction wasn’t good.
(今回の取引はよくありませんでした。)
This transaction was worst.
(今回の取引は最悪でした。)
また、悪いフィードバックをつける際は、他の購入者がフィードバックを見た時に参考になるように、具体的にどこが悪かったのかを明確に書いておきましょう。
I couldn’t receive the items.
(商品が届きませんでした。)
The item I purchased was broken.
(商品が壊れていました。)
The item contains several cracks.
(商品にいくつかヒビがあります。)
The product doesn’t work.
(商品は動作しません。)
I questioned a seller many times, but an answer has not come.
(何度も質問メッセージを送りましたが、返信が来ませんでした。)
ただし、悪いフィードバックをつけると意趣返しをされる可能性が高まります。注意してください。
個人輸入は意外と簡単
日本人と比べると、海外のセラーは何かに付けて雑な傾向があります。商品ページの情報が不十分なために、こちらから質問しなければいけないこともたびたび起こります。また、海外取引はトラブルが多いため、購入後も取引先と英語でやり取りする機会も多くなりがちです。
しかし、取引先とのやり取りで使う英文・表現・単語は限られています。そのため、ケース別のメッセージテンプレートを覚えておけば、そこまで苦労はしません。相手のメッセージに関しては翻訳アプリを使えば大体内容を把握できます。
個人輸入は非常に利益率の高いビジネスなので、ぜひこの機会に始めてみてください。