荷物を送る際に必要となる送料。配送サービスを利用する以上、当然支払うべきものですが、できることなら少しでも安く抑えたいですよね。でも、荷物を配送する事業者は複数あるし、料金設定が複雑だし・・・と、詳しく調べずに、なんとなくサービスを選んでいませんか?
そんな方のために、この記事では、郵便局と大手宅配業者のサービス内容や料金を徹底比較しました。送料を安く抑えるコツも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
ゆうパックと宅急便
荷物の配送を行っている業者は複数ありますが、その中でもよく見かけるのが「郵便局のゆうパック」と「ヤマト運輸の宅急便」です。基本的には、両社のサービス内容に違いはありません。例えば、配達日時指定、土日配送、コンビニ発送、配送状況追跡などは、どちらでも利用可能です。
では、どこが違うのか、詳しく見ていきましょう。
ゆうパックとは?
ゆうパックは、日本郵便株式会社が提供する荷物運送のサービスの一つです。いわゆる宅配便サービスのことを、「ゆうパック」として商標登録しています。
ゆうパックには様々な料金割引制度がありますが、その主なものをいくつかご紹介します。上手に活用すれば、送料を節約できますよ。
・持込割引
郵便局またはゆうパック取扱所に自分で荷物を持ち込むと、1つにつき120円割引
・複数口割引
同じ種類で同じ宛先の荷物を同時に2つ以上発送すると、1つにつき60円割引
・ゆうパックスマホ割
ゆうパックスマホ割アプリを利用して発送すると、1つにつき180円割引
・郵便局受取割引
受取場所を郵便局に指定すると、さらに100円の割引
・継続利用割引
前月までの1年間における荷物の発送数が10個以上になると、割引後の料金からさらに10%割引
各種割引には併用できるものとできないものがありますので、詳しくは郵便局に確認してください。
宅急便とは?
「宅急便」という言葉は、宅配サービスの代名詞のように日常的に使われていますが、実は、ヤマト運輸の宅配サービスを表す登録商標です。トレードマークの黒いネコに由来する「クロネコヤマトの宅急便」の愛称でおなじみですね。
そんな宅急便にもお得な割引制度がありますので、いくつかご紹介します。ヤマト運輸独自の制度があったり、ゆうパックと似た制度でも割引額が違っていたりするので、しっかり比較してください。
・往復割引
旅行や帰省時に便利な「往復宅急便」を利用すると、1つにつき復路分の料金が100円割引。
・持込割
宅急便センターやコンビニなどに自分で荷物を持ち込むと、1つにつき100円割引
またクロネコメンバーズなら、「ネコピット」や「送り状発行システムC2」でデジタル送り状を作ってヤマト直営店へ持ち込むと、さらに50円割引
・デジタル割
「ネコピット」や「送り状発行システムC2」でデジタル送り状を作って送ると、1つにつき60円割引
また、宅急便センター、セブンイレブン、ファミリーマートのいずれかで「宅急便をスマホで送る」を利用すると、1つにつき60円割引
・宅急便センター受け取りサービス
あて先を宅急便センターにすると、1つにつき60円割引
・クロネコメンバー割
ヤマト運輸独自のプリペイド型電子マネーを使って送料を支払うと、クロネコメンバー割なら10%割引、クロネコメンバー割BIGなら15%割引
なお、他の割引との併用が可能なものが多いので、ぜひ利用しましょう。
料金を比較
料金は、ゆうパックと宅急便、いずれも荷物のサイズが大きくなるほど、そして輸送距離が長くなるほど加算される仕組みです。例えば、東京から北海道へ荷物を送る場合の基本料金で比較すると、以下のようになります。
【ゆうパック】
60サイズ | 1,300円 |
80サイズ | 1,530円 |
100サイズ | 1,760円 |
120サイズ | 2,020円 |
140サイズ | 2,260円 |
160サイズ | 2,490円 |
170サイズ | 2,850円 |
【宅急便】
60サイズ | 1,370円 |
80サイズ | 1,590円 |
100サイズ | 1,830円 |
120サイズ | 2,050円 |
140サイズ | 2,290円 |
160サイズ | 2,510円 |
荷物のサイズを比較
どちらとも荷物のサイズを決めるのは、3辺(縦・横・高さ)合計の大きさと重さですが、サイズの判定基準が少し異なっています。
ゆうパックは、重さが25kg以下であれば荷物の大きさのみを考慮。宅急便は、大きさと重さの基準が設けられており、どちらか大きい方のサイズを採用します。
各社の基準は次の通りです。
【ゆうパック】
60サイズ | 60cm以下 |
80サイズ | 80cm以下 |
100サイズ | 100cm以下 |
120サイズ | 120cm以下 |
140サイズ | 140cm以下 |
160サイズ | 160cm以下 |
170サイズ | 170cm以下 |
【宅急便】
60サイズ | 60cm以内 | 2kgまで |
80サイズ | 80cm以内 | 5kgまで |
100サイズ | 100cm以内 | 10kgまで |
120サイズ | 120cm以内 | 15kgまで |
140サイズ | 140cm以内 | 20kgまで |
160サイズ | 160cm以内 | 25kgまで |
180サイズ | 180cm以内 | 30kgまで |
200サイズ | 200cm以内 | 30kgまで |
なお、サイズが170cmを超える荷物を郵送したい場合は、「宅急便」での取り扱いになります。
配達所要日数を比較
両社とも平日だけでなく休日にも配送を行っているため、スピーディに荷物を届けることができます。料金の時と同様に、東京から北海道へ荷物を送るケースで比較してみます。
【ゆうパック】
発送翌々日の午前中に到着
【宅急便】
発送翌々日の午前中に到着
つまり、配達所要日数に違いはありません。
配達指定可能時間を比較
どちらも受取人の都合に合わせて、配達時間を指定することができます。配達指定ができる時間帯区分は、それぞれ次の通りです。
【ゆうパック】
午前中 | 12~14時 | 14~16時 | 16~18時 | 18~20時 | 19~21時 | 20~21時 |
【宅急便】
8時~12時 | 14~16時 | 16~18時 | 18~20時 | 19~21時 |
比べてみると、ゆうパックの方がより細かく指定できるようになっています。
発送可能なコンビニを比較
わざわざ郵便局の窓口や宅急便センターへ行かなくても、近くのコンビニから荷物を送ることができます。対応しているコンビニはそれぞれ以下の通りです。
【ゆうパック】
・ローソン
・ミニストップ
・セイコーマート
・ローソンストア100
【宅急便】
・セブンイレブン
・ファミリーマート
・ニューデイズ
・デイリーヤマザキ
・ポプラ
ただし、店舗によっては取り扱っていないことがありますので、持ち込む前に確認しておきましょう。
小型荷物を送るのにおすすめな8つのサービス
ここまで紹介してきたゆうパックと宅急便以外にも、商品の種類やサイズに合わせた配送サービスがたくさんありますが、その中から、ネットショップなどで頻繁に利用する小型荷物の配送サービスについて取り上げます。
1.日本郵便:定形外郵便
定形外郵便は、定形郵便と並んで普通郵便と呼ばれるサービスの一つで、定形郵便の規定サイズを超えた荷物を送る時に利用します。形状の自由度が高く、長辺+短辺+厚さが90㎝まで、かつ重さ4kgまでであれば、封筒だけではなく、耐久性のある厚紙などでも送ることが可能です。CD・DVD、お菓子、化粧品、衣類、雑貨などを送る場合は、この方法をおすすめします。発送する時は、荷物を規格に合わせて梱包し、必要な額の切手を貼ったら、郵便局の窓口か郵便ポストに出すだけです。
郵送に必要な料金は、次の通りです。
【定形外郵便】
50g以内 | 200円 |
100g以内 | 220円 |
150g以内 | 300円 |
250g以内 | 350円 |
500g以内 | 510円 |
1kg以内 | 710円 |
2kg以内 | 1,040円 |
4kg以内 | 1,350円 |
また、追加料金はかかるものの、オプションサービスも利用できます。
・速達
特に急ぐ場合は、新特急郵便もあり
・書留
配達の過程を記録し、郵便物の破損や紛失などが起きた場合に実損額を賠償してもらえるサービス
・特定記録
郵便物の引受を記録
・代金引換
郵便物と引換えに、差出人が指定する代金を受取人から受取り、所定の方法で差出人へ送金するサービス
・配達日指定
受取人の都合に合わせて、配達日を指定
ここでご紹介したもの以外にも、様々なオプションサービスがありますので、定形外郵便を利用する際は確認してみてください。
2.日本郵便:レターパックプラス・レターパックライト
レターパックは、規定のサイズ内の荷物であれば、信書でも全国一律料金で送れるサービスです。利用する際は、必ず指定の「レターパック」を使用しなければなりません。利用料金や配達方法が異なる「レターパックプラス」と「レターパックライト」の2種類があります。
【レターパックプラス】
・日本全国一律520円
・対面で配達
・追跡サービスあり
・発送方法は郵便窓口、ポスト投函、集荷のいずれか
・サイズはA4サイズかつ4kg以内。なお、サイズと重さが規定内であれば、厚さが3cmを超えても利用できる
【レターパックライト】
・日本全国一律370円
・郵便受けへ配達
・追跡サービスあり
・発送方法は郵便窓口、ポスト投函のどちらか
・サイズはA4サイズ、厚さ3cm以内かつ4kg以内
いずれも補償は付いておらず、ガラスや精密機械、生モノ、現金などは送ることができません。また、海外あてに送ることもできないのでご注意ください。
3.日本郵便:クリックポスト
クリックポストとは、料金の決済と宛名ラベル作成を自宅でできるサービスです。フリマアプリなどで売買した小型の品物を、安く、しかも簡単に送ることができます。CD・DVD、雑誌、スマホケース、衣類などの発送におすすめの方法です。
クリックポストの魅力は、何よりもその手軽さ。34cm×25cm×3cm以下、かつ重さ1kg以内に収まるサイズの荷物であれば、日本全国一律185円で送ることができます。郵便ポストに投函するだけで発送可能で、配送状況も追跡できます。
ただし、利用の際は会員登録だけでなく、Yahoo! JAPANかAmazonのアカウント取得と、Yahoo!ウォレットかAmazon Payの利用登録も必要となります。また、速達などのオプションサービスに対応しておらず、万が一の補償も受けられません。さらに、発送可能な品物に制限がありますので、注意が必要です。
参考:日本郵便 クリックポスト
4.日本郵便:ゆうメール
ゆうメールは、送付可能な品物を限定することで料金を安く抑えたサービスです。利用できるのは、冊子にされた印刷物やCD・DVDを、34cm×25cm×3cm以内、かつ重さ1kgまでに収めた場合です。本やカタログなどの送付におすすめです。ただし、信書や手書きの冊子は送れませんのでご注意ください。
なお、ゆうメールを利用する際には、外側からよく見えるところに「ゆうメール」もしくは「ゆうメールであることがわかる表現」を明記しなければなりません。
また、内容物が基準に沿っているかどうか確認できるよう、次のいずれかの方法を取る必要があります。
参考:日本郵便 ゆうメール
・封筒または袋の一部を開けておく
・包装を一部、無色透明にしておく
・内容品のサンプルを郵便局で提示する
郵送にかかる料金は全国一律で、
150gまで | 180円 |
250gまで | 215円 |
500gまで | 310円 |
1kgまで | 360円 |
となっています。料金を追加すれば、速達や書留、代金引換などのオプションサービスも利用可能です。
5.ヤマト運輸:ネコポス
ネコポスは、小型の荷物をポストへ投函して発送できるサービスです。大きさ23cm×11.5cm以上、31.2cm×22.8cm以内、厚さ2.5cm以内、重さ1kg以内のサイズの荷物であれば、宅急便同様の所要日数で送ることができます。ヤマト運輸と契約を交わした個人事業主や法人、その法人が提供するフリマサイトなどを利用する個人が利用可能です。
料金は全国一律で、1個385円(税込)を上限に、荷物の形状や個数によって決められます。
参考:ヤマト運輸 ネコポス
6.ヤマト運輸:宅急便コンパクト
宅急便コンパクトは、宅急便の最小サイズよりも小さな荷物を手軽かつお得に送れるサービスです。宅急便と同様に手渡しで配達され、荷物1個につき3万円(税込)までの補償も付いています。CD・DVD・スマホ・タブレット・ゲームソフト・腕時計などの小型電子機器、チケット・フィギュア・衣類・書籍などを送るのにおすすめです。
料金は最低610円からで、配送距離によって加算される仕組みです。利用には、ヤマト運輸の営業所やコンビニ、ヤマト運輸のオンラインショップで販売されている70円(税込)の専用BOXを購入する必要があります。「宅急便コンパクト専用BOX」と「宅急便コンパクト薄型専用BOX」の2種類があり、サイズが異なりますので、購入の際は間違わないように気を付けましょう。なお、着払いで送る場合でも、専用BOX料金は発送する側の負担となります。
また、法人限定ですが、専用BOXの規定に沿ったオリジナル専用BOXを製作することもできるので、気になる場合は一度問い合わせてみてください。
7.ヤマト運輸:クロネコDM便
クロネコDM便は、カタログやパンフレット、チラシを郵便受けへ配達するサービスです。ヤマト運輸と契約した法人や個人事業主のみが利用できます。全国一律料金で送ることができますが、その料金は荷物1個あたり167円(税込)を上限に、個数や出荷形態などの条件に応じて個別に決められます。距離によって違いはあるものの、発送から配達までの日数は概ね2〜4日程度です。
クロネコDM便で送ることができるのは、3辺の合計が60cm以内かつ最長辺34cm以内、厚さ2cm以内、重さ1kg以下の荷物。また、11.5cm×23cmより大きくなくてはなりません。ただし、規定のサイズ内であっても、信書、売買取引された商品、受取人の請求に基づいて送るサンプル品、試供品などは送ることができません。
8.佐川急便:飛脚ゆうメール便
飛脚ゆうメール便は、佐川急便が差出人となって郵便局に出すことで、料金を安く抑えることができるサービス。配送の依頼は佐川急便へ行いますが、実際に配達するのは郵便局の配達員です。大きさ34cm×25cm×3cm、重さ3kg以内の荷物が対象で、配達までに5日程度かかります。本や雑誌、パンフレット、カタログ、CD・DVDなどを送るのにおすすめです。なお、内容品に対する補償はありません。
料金は日本全国一律ですが、重さによって変わります。
200g以内 | 115円 |
500g以内 | 168円 |
1kg以内 | 299円 |
2kg以内 | 330円 |
3kg以内 | 456円 |
ただし、売掛払いのみとなりますので、利用の際はご注意ください。
また、利用にあたっては初期登録が必要です。登録から利用開始までは1週間程度かかりますので、時間には余裕を持っておきましょう。
配送料金を安く抑える方法
「すぐに発送しないといけないから、いろんな配送サービスを調べてる時間がない!」なんて時でも大丈夫。配送料金をもっと簡単に安く抑えられる方法をご紹介します。
料金比較検索サイトを利用
実は、郵送や宅配の料金をまとめて比較できるサイトがあるんです。その名も「送料の虎」。荷物の発送地と到着地、荷物のサイズと重さを入力するだけで、各社の料金を一覧で見ることができます。また、集荷対応の可否、集荷依頼の連絡先、持込できるコンビニといった発送に必要な情報が網羅されており、調べたらすぐに発送手配ができるので、非常に便利です。
このサイトでは、メール便や国際宅配便、引越しなどの料金も比較することができるので、ぜひ覚えておきましょう。
参考:送料の虎
荷物のサイズをできるだけ小さくする
梱包し終えた荷物の送料を安く抑える工夫も大切ですが、そもそも荷物のサイズを小さくすれば、料金を下げられます。荷物のサイズには梱包材の大きさも関わってきますので、できるだけ小さく梱包するように心がけましょう。
コンパクトに梱包するコツ
荷物のサイズを小さくするには、まず中に入れる商品をできる限り小さくすること。衣類であれば、きれいに畳むことでコンパクトにまとめることができます。
また、中身のサイズにぴったりの梱包材を選ぶことも大切です。中身は小さいのに箱だけ大きいと、その箱の分だけ料金が上がってしまうので、小さい商品には小さい箱、大きい商品には大きい箱、とサイズに合わせて梱包材を使い分けましょう。過剰包装もサイズアップの原因になりますのでご注意を。
最適な配送方法で余計なコストをカットしよう!
配送方法やサイズによって、また、発送時の工夫の仕方一つでも配送にかかる料金は変わります。たとえ一回一回の金額差は小さくても、回数を重ねるほどその差は大きくなってしまうものです。少しでも利益を大きくしたければ、売り上げを伸ばす努力と同時に、余計なコストの削減にも努めましょう。