JANコードとは商品識別番号のことです。
パッケージに印刷されたバーコードがJANコードを表しています。
今回は、このJANコードの仕組みを解説します。
JANコードとは?
![](https://aqcg.jp/wp-content/uploads/2019/06/e6778de1db18295ce0e81ffd332c8b62_m.jpg)
JAN(Japanese Article Number)コードは世界共通の商品識別番号です。
通常はバーコードとして商品のパッケージに表示されています。
JANコードを見れば商品名・事業者名が分かります。
GS1事業者コードとは?
JANコードの設定にはGS1事業者コードが必要です。
日本の事業者がGS1事業者コードを取得するには、「一般財団法人 流通システム開発センター」に登録申請する必要があります。
JANコードは、GS1事業者コードに商品アイテムコードを組み合わせることで設定されます。
GS1事業者コードの登録申請
GS1事業者コードの登録申請をする方法は
- ネット申し込み
- 郵送申し込み
の2種類です。
登録申請料は、事業者の申請料算定区分と年商の組み合わせで決まります。申請料算定区分と年商をそれぞれ確認し、料金表を参照してください。
【申請料算定区分】
区分Ⅰまたは区分Ⅱから該当する方を選びます。
- 区分Ⅰ:「製造事業」または「自社商品の販売事業」での売上が年商の半分以上である事業者。
- 区分Ⅱ:「卸売事業」、「小売事業」または「サービス事業等」での売上が年商の半分以上である事業者。
詳しい事業内容は「GS1事業者コードの新規登録手続き」で確認してください。
【年商】
事業者全体の年間総売上高をさします。
【料金表】
【区分Ⅰ】
年商 | 登録申請料(3年分) |
500億円以上:ランクA | 264,000円 |
50億以上~500億円未満:ランクB | 154,000円 |
10億以上~50億円未満:ランクC | 110,000円 |
5億以上~10億円未満:ランクD | 77,000円 |
1億以上~5億円未満:ランクE | 38,500円 |
1億円未満:ランクF | 16,500円 |
※消費税10%込
【区分Ⅱ】
年商 | 登録申請料(3年分) |
1000億円以上:ランクA | 264,000円 |
500億以上~1000億円未満:ランクB | 154,000円 |
100億以上~500億円未満:ランクC | 110,000円 |
50億以上~100億円未満:ランクD | 77,000円 |
10億以上~50億円未満:ランクE | 38,500円 |
10億円未満:ランクF | 16,500円 |
※消費税10%込
世界のJANコード
JANコードは世界共通の仕組みですが、海外では呼び名が異なります。
- カナダ・アメリカではUPCコード
- ヨーロッパ諸国ではEANコード
と呼ばれています。
![](https://aqcg.jp/wp-content/uploads/2024/01/image4-5-6-300x203.jpg)
JANコードの構成
![](https://aqcg.jp/wp-content/uploads/2019/06/a50591086e2650bfaa11c321dad9710d_m.jpg)
JANコードには2種類あります。
1つは標準タイプです。
- GS1事業者コード(9桁か7桁)
- 商品アイテムコード(3桁か5桁)
- チェックデジット(1桁)
の合計13桁の数字で構成されています。
![](https://aqcg.jp/wp-content/uploads/2019/08/jan_possystem01.png)
もう1つは、8桁の数字で構成されている短縮タイプです。
![](https://aqcg.jp/wp-content/uploads/2019/08/jan_possystem02.png)
GS1事業者コード
GS1事業者コードの先頭2桁は国コードを表しています。
日本の国コードは45か49です。
そして、先頭3桁の数字を見れば、GS1事業者コードが9桁か7桁かが分かります。
先頭3桁が456~458の場合 | 先頭9桁がGS1事業者コード |
先頭3桁が450~455か490~499の場合 | 先頭7桁がGS1事業者コード |
商品アイテムコード
GS1事業者コードの後に続くのが商品アイテムコードです。
商品アイテムコードの桁数は、
- GS1事業者コードが9桁の場合は3桁
- GS1事業者コードが7桁の場合は5桁
です。
チェックデジット
最後の1桁がチェックデジットです。「チェックデジットの自動計算入力フォーム」で計算できます。
日本以外の国コード一覧
国コード | 国名 |
000~019、030~039、050~059、060~139 | アメリカ合衆国 |
300~379 | フランス |
380 | ブルガリア |
383 | スロベニア |
385 | クロアチア |
387 | ボスニア・ヘルツェゴビナ |
389 | モンテネグロ |
400~440 | ドイツ |
460~469 | ロシア |
470 | キルギスタン |
471 | 台湾 |
474 | エストニア |
475 | ラトビア |
476 | アゼルバイジャン |
477 | リトアニア |
478 | ウズベキスタン |
479 | スリランカ |
480 | フィリピン |
481 | ベラルーシ |
482 | ウクライナ |
484 | モルドバ |
485 | アルメニア |
486 | グルジア共和国 |
487 | カザフスタン |
48 | タジキスタン |
489 | 香港 |
500~509 | イギリス |
528 | レバノン |
529 | キプロス |
530 | アルバニア |
531 | マケドニア |
535 | マルタ |
539 | アイルランド |
540~549 | ベルギー&ルクセンブルク |
560 | ポルトガル |
569 | アイスランド |
570~579 | デンマーク |
590 | ポーランド |
594 | ルーマニア |
599 | ハンガリー |
600~601 | 南アフリカ共和国 |
603 | ガーナ |
604 | セネガル |
608 | バーレーン |
609 | モーリシャス |
611 | モロッコ |
613 | アルジェリア |
615 | ナイジェリア |
616 | ケニヤ |
618 | コートジボアール |
619 | チュニジア |
621 | シリア |
622 | エジプト |
624 | リビア |
625 | ヨルダン |
626 | イラン |
627 | クウェート |
628 | サウジアラビア |
629 | アラブ首長国連邦 |
640~649 | フィンランド |
690~695 | 中国 |
700~709 | ノルウェー |
729 | イスラエル |
730~739 | スウェーデン |
740 | グアテマラ |
741 | エルサルバドル |
742 | ホンジュラス |
743 | ニカラグア |
744 | コスタリカ |
745 | パナマ |
746 | ドミニカ共和国 |
750 | メキシコ |
754~755 | カナダ |
759 | ベネズエラ |
760~769 | スイス |
770~771 | コロンビア |
773 | ウルグアイ |
775 | ペルー |
777 | ボリビア |
779 | アルゼンチン |
780 | チリ |
784 | パラグアイ |
786 | エクアドル |
789~790 | ブラジル |
800~839 | イタリア |
840~849 | スペイン |
850 | キューバ |
858 | スロバキア |
859 | チェコ |
860 | セルビア |
865 | モンゴル |
867 | 朝鮮民主主義人民共和国 |
868~869 | トルコ |
870~879 | オランダ |
880 | 大韓民国 |
884 | カンボジア |
885 | タイ |
888 | シンガポール |
890 | インド |
893 | ベトナム |
896 | パキスタン |
899 | インドネシア共和国 |
900~919 | オーストリア |
930~939 | オーストラリア |
940~949 | ニュージーランド |
955 | マレーシア |
958 | マカオ |
新規GS1事業者コード
GS1事業者コードの申請増加により、2001年以降は7桁ではなく9桁のコードが採番されています。
これから新規取得する場合は9桁になります。
JANコード誕生の歴史
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JANコードの発端は、1948年にDrexel大学の学生が作成したバーコードに遡ります。
翌年には分類・識別コードとして特許申請しています。
しかし、すぐには実用に至りませんでした。
バーコードの普及
1960年代になってから、欧米でキャッシュレジスタと電子スキャナによる自動チェッキングシステムが導入され始めました。
ここで商品の識別に採用されたのがバーコードです。
日本のバーコード
1972年には、日本でも自動チェッキングシステムが導入されました。
しかし、バーコードの本格導入には至りませんでした。
なぜなら全ての商品にバーコードラベルを貼るには、バーコードの規格化・標準化が必要であり、当時の日本にはまだ共通のバーコード規格がなかったためです。
そして、1978年、ついに流通システム開発センターによって共通バーコードシンボル「JANコード」が設定されました。
バーコード(JANコード)読み取りの仕組み
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JANコードが記されたバーコードラベルは黒いバーと白い余白で構成されています。
バーコードの読み取りにはPOSシステムが採用されています。
POSシステムとは?
POSシステムとはレジのことです。
正確には販売時点情報管理システムと言います。
売上金銭管理
POSシステムができることは2つあります。
1つ目は、売上金の管理です。
レジの会計処理はもちろん、売上の集計も可能です。
在庫仕入れ管理
2つ目は、誰が・いつ・何を購入したのか、消費者の情報を収集・管理することです。
これにより、在庫の把握・仕入れの管理が容易になりました。
経営戦略
また、消費者の動向をもとに今後の経営戦略を立てることもできます。
バーコードマーキングシステム
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バーコードの印刷方法は2種類あります。
1つ目は、ソースマーキングです。
製造元・販売元が商品の製造・包装のタイミングでJANコード(バーコード)を印刷します。
2つ目は、インストアマーキングです。
これは販売店が店内で独自のマーキングが施されたラベルを貼ります。
重さによって値段が変わる生鮮食品の販売では、主にインストアマーキングが用いられています。
書籍業界のソースマーキングバーコード
書籍業界のソースマーキングバーコードには、価格を含めた情報もバーコード化されています。
書籍のバーコード
書籍のJANコードは2段で構成されています。
1段目は「978」からはじまるISBN(International Standard Book Number)バーコードです。
これは書籍を1冊1冊分類するためのバーコードです。
![](https://aqcg.jp/wp-content/uploads/2019/06/003-4-1024x146.png)
2段目は「192」ではじまる日本独自の図書分類と税抜き本体価格を表すバーコードです。
![](https://aqcg.jp/wp-content/uploads/2019/06/004-3-1024x163.png)
雑誌のバーコード
雑誌のバーコードは、通常のJANコード(13桁)とアドオンコード(5桁)で構成されています。
![](https://aqcg.jp/wp-content/uploads/2019/06/005-3-1024x352.png)
バーコードには情報がたくさん含まれている
![](https://aqcg.jp/wp-content/uploads/2019/06/b5a7fdc8007af905ef700e1ec3d2d504_m.jpg)
私達が普段何気なく見ているバーコードには、たくさんの情報が含まれています。
ぜひ一度チェックしてみてください。