ヤフオクでは自動入札による吊り上げ行為をする輩が一定数存在します。当然ヤフオク運営は吊り上げ行為を禁止していますが、現状のシステムでは吊り上げ行為がバレにくいため、いまだに横行しています。しかし、吊り上げ行為をしているオークションにはいくつか特徴があります。
そこで今回は、ヤフオクで自動入札による吊り上げ行為を見破る方法と、見破った後の通報手順などの対策を詳しく解説します。
ヤフオクの吊り上げ行為とは?
吊り上げ行為とは、一般的には「自分で出品したオークションに自分で入札して入札額を吊り上げる行為」を指します。たまに入札者による吊り上げ行為もありますが、ヤフオクでは出品者の自作自演が一般的です。
吊り上げ行為により、入札者は落札するために余計な高額入札を強いられることになります。
吊り上げ行為に騙される仕組み
吊り上げ行為を見抜けず、余計な高額入札をしてしまう背景には、「限られた時間の中で金額を競い合う」というオークションの特殊な性質があります。
人は十分に時間があれば冷静に考えられても、時間が制限されると時として冷静さを失うものです。さらに競争という性質がさらに高額入札を掻き立てています。これが吊り上げ行為に騙される人が多い理由です。
ヤフオクで出品した商品を自分で落札するのはアリ?
そもそも、ヤフオクに出品した商品を自分自身が落札できるのでしょうか?
まず、ヤフオクに複数のYahoo!IDで参加することは可能です。複数のアカウントを持っていると様々なリスクを分散したり、出品用と落札用をそれぞれのアカウントで行ったりできます。
ただし、ヤフオクのガイドライン細則には「自身の出品したオークションに入札行為を行うこと」が出品者の禁止行為として明記されています。事務局側に発覚すると利用停止などのペナルティを受けることとなります。
ヤフオクの自動入札が吊り上げ行為のエサになることも
ヤフオクの自動入札は、設定した最高入札額に達するまで自動で入札を繰り返す仕組みです。予め最高入札額を設定しておけば、それ以上は金額が上がらないので安心ですし便利な機能ですが、吊り上げを行うような出品者の格好の餌食になる恐れもあります。
最高入札額に達すると自動的に入札がストップするので、落札者の最高入札額が相手に知れてしまうわけです。
相手が悪質な出品者の場合、そこを狙って繰り上げ落札などを持ちかけてくる場合があるので、相当な注意が必要です。
ヤフオクの入札履歴などで確認!吊り上げ行為が行われている可能性が高いオークションの5つの特徴
以下に示す5つの特徴のうち、ヤフオクで当てはまるものが多ければ多いほど、吊り上げ行為の可能性が高まります。入札履歴などを確認して注意し対策してください。
1.出品中の商品が少ない
ヤフオクで同時に大量の商品を出品している出品者は、回転効率を重視している業者です。そのため、自分で吊り上げ行為をしている可能性は低いです。なぜなら、吊り上げ行為は手間がかかるため、回転効率が下がるからです。
基本的な自動入札による吊り上げは以下のようにして行われます。
2.複数の吊り上げ用アカウントを用意する
3.入札が少なくなってきたら吊り上げ用アカウントで高額入札
4.入札者の最高入札金額を把握
5.メインアカウントで自分の吊り上げ入札を削除
6.別の吊り上げ用アカウントで、入札者の最高入札額より少し低い金額で入札
以上の手順で、現在のヤフオク入札者の最高入札額を手に入れます。ここからさらに別のアカウントで少しだけ高い金額で入札して、相手がさらに高額で入札してきたら、また同じ手順を使い自分で最高入札額を引き出し高額で落札させます。
このように、ヤフオクで落札金額を吊り上げる行為は意外と面倒くさいのです。そのため、吊り上げ犯が同時に複数の商品を出品していることは少ないのです。
2.入札自動延長あり
入札自動延長とは、終了5分前以降に新しい入札があった場合、入札終了時間が自動で5分延長される機能です。吊り上げ行為をする輩は、ヤフオクで入札自動延長をありにして落札額をあげていることが多いです。
ただし、入札自動延長は普通の出品者も利用する機能なので、これだけで吊り上げ行為と断定することはできません。他の特徴に当てはまっている場合で、さらに入札自動延長が設定されている場合は吊り上げを疑いましょう。
3.商品ジャンルが偏っている
出品者が特定のカテゴリ商品ばかり出品している場合、特に同じ商品を複数回出品しているときは、出品者本人ではなく、出品者のフォロワーによる吊り上げの可能性があります。
ヤフオクで特定のカテゴリ商品を重点的に出品する出品者には、フォロワーが付きやすいです。フォロワーはフォローしている出品者の新着商品などをチェックできます。
そして、ヤフオクのフォロワーの中には、腹いせに入札して吊り上げ行為をする輩がいます。自分が過去にヤフオクで高額落札した商品と同じ商品が出品された場合に、他の入札者が自分より安く落札しそうになると、嫌がらせで吊り上げ行為をするのです。
4.開始価格が異常に安い
たいして需要が高いわけでもない商品が1円出品されていた場合、出品者が自分で吊り上げ行為をする前提に出品している可能性があります。
5.ヤフオクで入札履歴を見ると、競り合ってくる別の入札者のIDが低評価の場合
現在ヤフオクでは、入札履歴を見ても、他の入札者のIDを全て確認することはできません。ただし、IDの一部と総合評価は履歴から確認できます。
ヤフオクの入札履歴を見ると、他の入札者の評価が低かったり、同じIDの人が入札し続けていた場合は、吊り上げ行為の可能性が高いです。
ヤフオクの吊り上げ行為に騙されない方法
自動入札による吊り上げ行為に騙されて高額落札したくない人は、以下の6つの対策を徹底しましょう。
1.最初は入札額を低く設定しておく
吊り上げ行為があることを前提に、最初は安い金額から入札しましょう。
2.熱くならない
限定品や非売品などは入札合戦が起きやすいですが、巻き込まれてはいけません。周りが見えなくなるほど入札合戦に熱中している状態は特に危険です。どんな状況でも吊り上げ行為の可能性を念頭において、冷静に入札すべきかどうか判断しましょう。
3.事前に相場を把握する
ヤフオクの過去の落札相場の履歴は、オークファンというサイトで確認できます。
ヤフオクの落札相場を履歴で把握したら、それ以上の価格で入札しないように、あらかじめ入札価格の上限を設定しておきましょう。そうすれば、たとえ吊り上げ行為をされても、損をすることはなくなります。
4.入札前に出品者の評価を確認する
吊り上げ行為を行う出品者の評価は、あまり良くないことが多いです。入札は出品者の評価履歴を確認してから行いましょう。
5.ネットで出品者の評判を探る
吊り上げ行為の常習犯の場合は「出品者ID 吊り上げ」と検索すると情報が出てきます。
6.ヤフオクでの過去の入札履歴・落札価格を調べる
ヤフオクで過去に出品した商品がある場合は、その商品の入札履歴と落札価格を確認しましょう。新規アカウントでの入札履歴が多い場合や、ヤフオク落札価格がいつも相場を大きく上回っている場合は、吊り上げ行為を行っている可能性が高いです。
ヤフオクの吊り上げ行為を通報する方法
前述の通り、吊り上げ行為はヤフオクで禁止されています。吊り上げ行為の可能性が高い場合は、ヤフオクに通報しましょう。
ヤフオクでは全員に通報する権利がある
ヤフオクでは、ガイドラインに違反している行為を見つけた場合、誰でも直接ヤフオク運営に報告できる仕組みになっています。
ガイドライン違反行為に関するお問い合わせフォーム
ガイドラインに違反する行為を見つけた場合は、以下のフォームから報告できます。
違反報告フォームの使い方
上記の違反報告フォームでは、同時に複数の違反行為を報告できます。
左にオークションIDを入力して、右に違反行為の内容と違反だと思う理由を入力して「送信」をクリックください。
違反報告後の流れ
報告後は、ヤフオク運営の方で事実確認をして、違反行為が確認できれば出品者にペナルティが課せられます。
場合によっては、ヤフオク運営から事実確認の連絡が来る場合があります。
ヤフオクの吊り上げ行為は違法ではない?
ヤフオクの吊り上げ行為は立派な規約違反ですが、法には触れないのでしょうか?結論から言うと、ヤフオクの吊り上げ行為は今のところ違法性はありません。
ただし、ヤフオクの参加者を欺く行為は「相手の財産を加害者へ引き渡すために嘘の情報を伝える行為」=欺罔行為(ぎもうこうい)にあたります。つまり、ヤフオクの参加者に対し、価値のないものを価値のあるものと誤信させて高額で落札させようという行為がこれにあたりますから、場合によっては「詐欺罪」が成立することもあり得ます。
ヤフオクで自分で落札する自作自演者がなかなか減らないのは
ヤフオクは、自身の出品したオークションに入札行為を行うこと、また、もちろん吊り上げ行為も固く禁止しています。
ところが吊り上げが発覚してアカウントが停止されても、出品者が別のアカウントを作成してまた同じような行為を繰り返し、いたちごっこがなかなか終わりません。
Yahoo!IDが英数字の伏字になったことでIDの見分けがつきにくくなったのがひとつの要因と言われていますが、事務局側もなかなか判別が難しいようです。純粋に商品を落札したいユーザーの心理を巧妙に利用した手口に事務局も手を焼いています。
ヤフオクでは入札履歴などもしっかり確認し、吊り上げ行為に騙されないようにしよう
現状のヤフオクのシステムでは、吊り上げ行為を100%防止することは難しくなっています。しかし、吊り上げ行為は入札履歴や出品者の評価履歴を確認したりしてある程度見抜くことができます。冷静に対処や対策して、吊り上げ行為に騙されないように注意しましょう。