メルカリに出品していると珍しくないのが、値下げ交渉を持ちかけられることです。
では、「値下げは失礼な行為なのか」というと、決してそうではありません。多くの場合、「こちらが出品している商品を手に入れたい」という純粋な気持ちから来るものだからです。「欲しいものを少しでも安く手に入れたい」というのは、だれもが抱くごく当たり前の心理と言ってよいでしょう。
しかし売り手からすれば、「少しでも高く買って欲しい」というのが本音です。
そこで今回は、メルカリで値下げ交渉された際にやんわりと断る方法について詳しく解説します。やんわりと断るのがなぜ良いのか、断り方の3ステップも紹介するので参考にしてください。
「値下げ交渉」はメルカリの文化!

値下げ交渉は、メルカリ自体も認めている出品者と購入者間のコミュニケーションの一つです。
その証拠に実際にアプリを開いてみると、値下げ交渉が持ちかけられているケースは少なくありません。初心者の場合は値切られることに不慣れで、戸惑いを覚えたり、どのように対応して良いかわからなかったりすることもあるでしょう。
しかし、値下げ交渉はメルカリの文化と捉えて問題ありません。むしろ世界一の人気を誇るフリマアプリだからこそ、出品者と購入者の間で駆け引きが活発に行われているのだと、ポジティブに考えてよいでしょう。
はじめにそんな値下げ交渉に対して、出品者としてどのような心構えで向き合えば良いのかについて解説します。
値下げ依頼はありがたい!
繁盛している店や活気ある商店街であれば、昔から値切られるのが当たり前でした。むしろステータスだと言っても言い過ぎではありません。値下げを持ちかけられるのはそれだけお客さんから必要とされている証ですし、魅力ある商品を扱っているからこそといえるでしょう。
逆に、まったく見向きも価格交渉すらもされないとしたらその方が問題で、商売としては寂しい限りです。よって、値下げに応じるかどうかは別として、「チャンスがあれば値切って買いたいという購入者の姿勢は、むしろ歓迎すべき」というくらいの心持ちでいる方が妥当でしょう。
冒頭でもお伝えしたように、1円でも安く買いたいというのは、人なら誰もが持っているごく当然の心理です。値下げ交渉自体を毛嫌いせず、「されるくらいにならないと一人前ではない!」といった大きな心構えでいる方が、様々なユーザーを相手に幅広く活躍できると考えてください。
値下げは堂々と断ろう!
値下げは文化ですから、「受け入れてもらえることもあれば、断られることもある」というのが常識と考えてください。
値下げを断るのは、悪でもなんでもありません。ごく日常的にあり得ることで、それを覚悟して値下げ交渉をしてくるユーザーが大半と考えてよいでしょう。
よって断るときは、遠慮なく堂々と断ってください。ただし、後述するように断り方はとても大事です。ここが本記事のメインテーマですから、よく理解してください。
断るなら「品良く」
「堂々と」そして「品良く」というのが、おすすめの断り方です。
相手の言葉や態度は、関係ありません。自分の商品を気にとめてもらったことに感謝して、「またご縁があれば、よろしくお願いします」という気持ちが伝わるようにできれば理想です。
実際にそれから時間が経ってから、値切りを断ったことのあるユーザーに別の商品を買ってもらうということはあり得ます。しかも、値切り交渉は他のユーザーにも公開されます。やり取りを通じて人となりを値踏みされることもあるため、後味の悪いコメントは自身の値打ちを下げてしまうと考えてください。
やんわり断るのがおすすめ

堂々と、そして品良く断るには、「やんわり」がおすすめです。では「やんわり」とはどのようなことなのか、掘り下げましょう。
感情的になるのは百害あって一利なし!
正直なところ、非常に失礼な物言いで値切り交渉をしてくるユーザーも存在します。あるいは、初めは穏やかでも、断った途端に態度が一変する例もあります。
しかし、そこで相手のペースに乗ってしまって、感情的になるのは避けましょう。相手が何を言ったとしても、値下げしないのは事実です。それと同時に、本当の目的は、その商品を別のユーザーに理想の価格で買ってもらうことです。したがって、「相手にするべきは、目の前のその人ではない」と心から割り切って、やんわりと対応する方が賢明でしょう。
そして晴れて売ることができた暁(あかつき)には、「あのとき我慢して良かった」と必ず思えるに違いありません。ぜひ、その境地を目指してください。
無視はやめよう!
上記と関連しますが、断っても何かとクドクド言いがかりをつけられることがあるかもしれません。すると、そのまま無視をしたくなる場合もあるでしょう。
しかしこれも、基本的にはNGです。どんなお店もクレーマーの一人や二人くらい存在するものです。公の場でモノを売るということは、それだけ色々な人たちの目にとまるのが常です。それを完全無視してしまうと、やはり品位が疑われかねません。相手を説き伏せようとせず、冷静に、そしてやんわりと品良く、伝えられることだけをコメントすれば良いのです。
「やんわり断る」には2パターンある
「やんわりと断る」というのは、2パターンあります。
1つは、値下げそのものを断って、商品を表示価格以下では売らないために、やんわり断るというものです。
そしてもう1つは、相手が提示してきた値下げ額に対してやんわり断り、それよりも少ない金額の値下げには応じる姿勢を見せるというパターンです。
値下げを回避するコツ3選

値下げ交渉を持ちかけられるよりは、値切られずに売ることができたほうが、余分な気をつかわずに済み手間もかからないので、もちろんよいでしょう。
そこでここからはやんわりと値下げ交渉を断る方法の前に、「そもそも値下げそのものを回避する」、あるいは「結果として損をしないためのコツ」を紹介します。
「値下げ交渉不可」と掲載しておく
メルカリでは、「値下げ交渉不可」としてはじめから値下げを受け付けないことを宣言しても構いません。
方法は、プロフィールに「値下げ交渉不可」とか「値下げ交渉は受け付けません」と記載しておくだけでよいでしょう。
すると出品商品の説明欄で、いちいち「値下げ交渉不可」と書かずに、「プロフィールを必ずお読みください」という文言を添えておくだけで済みます。
万が一値下げ依頼が来たとしても、「プロフィールに記載しております通り…」とやんわり断りやすくなるでしょう。
的をいた価格設定をする
出品額が適正価格であれば、多くのユーザーはそこからあえて値下げを求めようとはしないでしょう。
そのためには出品にあたって、メルカリで同じ商品がどのくらいの相場で販売されているかを確認しておきます。
出品ページで商品情報を入力し、下へスクロールしていくと、「売れやすい価格」が表示されています。

こちらを参考に商品価格を決めると良いかもしれません。
あるいは、同じ商品を検索しても過去にいくらで売れたかがわかるので、参考にするのもよいでしょう。
あえて高値に設定しておく
次は、値下げ交渉には応じるものの、結果として損をしない方法です。
自分が売りたいと思っている価格より、あえて少しだけ高くして出品します。するともし値下げに応じたとしても、本来の希望価格で売れば損はありません。相手にも値下げしてくれたという印象が強く残るので、メリットが大きいでしょう。
ただしこの場合、あまりに底上げをしすぎて高額になると、値下げ交渉すらしてもらえない恐れがあります。しっかりと市場調査をした上で値付けできるかが、ポイントになります。
上手な断り方の3ステップ

ここからは、実際に値切り交渉を断る際に押さえておくべきポイントについて、具体的に解説していきます。
断る時のコメントとして、いきなり「無理です」というのは、あまりにぶっきらぼうすぎるのでおすすめできません。素直で気のいい相手なら良いかもしれませんが、そのようなユーザーばかりとは限らないからです。
10人いたら10人とも、心理状態や性格、商品への思いは異なるので、少し丁寧すぎるくらいがちょうど良いと考えてください。
具体的には、以下の通り3ステップに分けてコメントを記入するとよいでしょう。
ステップ1. まず感謝を述べる
冒頭は、感謝の気持ちを伝えることから入ります。
例としては、
「この度は、多くの商品の中から関心をお持ちくださり、ありがとうございます。」
「コメントをいただきありがとうございます。」
「お問い合わせいただきまして、誠にありがとうございます。」
長くなくて良いので、感謝と丁寧さが伝わるように意識してください。
ステップ2. 丁寧に断る
続いて、値下げ交渉に応じられない旨を丁寧に伝えて断ります。
例としては、
「残念ながら、現在の価格より安くお売りすることはできかねます。」
「せっかくですが今の価格が精一杯で、これ以上のお値下げはできません。」
「あと1,000円安くとのお話ですが、500円までなら可能でございます。ご検討いただけますと幸いです。」
断るところは、はっきりきっぱりと断って、金額についても明記するのがポイントです。特別な事情がない限りは、いたずらに長くする必要はありません。シンプルに分かりやすくを重視してください。
ステップ3. 潔く詫びる
そして最後も肝心です。
値下げが叶わなくても、そのまま購入に進むユーザーもいますが、残念な気持ちで購入を断念するユーザーもいるでしょう。断りのコメントを送る時には、どちらの結果になるかわからないため、お詫びの気持ちを伝えるようにします。
「せっかくお問い合わせいただいたにもかかわらず、ご希望に添えず申し訳ございません。」
「この度はご期待に添えず、すみませんでした。またの機会がございましたら、よろしくお願い致します。」
「こちらの勝手な都合でお断りして申し訳ありません。他にも〇〇など、おすすめの商品がございますので、よろしければご検討ください。」
やんわり断る方法3選

最後に、やんわりと断る方法を3つ紹介しましょう。シチュエーションに合わせて、参考にしてください。
正直に断ろう
先ほど述べたように、断るときはわかりやすくはっきりと、が基本です。
ただし、やり取りの流れによっては、理由をより正直に、丁寧に伝えた方が納得してもらいやすいこともあるでしょう。
例文:
「送料を考えますと、こちらの価格がギリギリとなってしまいます。誠に恐れ入りますが、ご理解いただけますと幸いです。」
「ご希望の価格ですと、私が入手した時よりも安くなってしまいます。商品説明にもございますとおり、目立つ傷や汚れもありませんので、お値下げはご容赦いただきたく存じます。
一点で良いので、ポイントとなる理由を入れると説得力が増すことが多いです。
「いいね」を理由に断ろう
「いいね」が多くもらえている場合は、すぐにでもそのままの価格で売れる可能性が高いです。よって、それを理由に断るのも角が立たなくて良いでしょう。
「ありがたいことに、ただ今『いいね』を数多く頂戴しております。今しばらくこのままの価格で様子を見たいと考えておりますので、ご理解ください。よろしくお願い致します。」
出品直後を理由に断ろう
出品してからさほど時間が経っていない場合は、それを理由に値下げ要求を断ることも可能です。
「この商品は出品して間がないため、しばらくこのまま様子を見たいと考えております。勝手を申しますが、よろしくお願い致します」
まとめ

メルカリで値下げ交渉された際に、やんわりと断る方法について、さまざまな角度から解説しました。
何事も慣れが大切で、何度か繰り返していると適切な断り方がわかってくるでしょう。「相手によって、どのような言葉をチョイスすれば良いか」というコツも、掴めてくるはずです。
断るときは、「堂々と」そして「やんわり品良く」をモットーにして、コメントしてください。