メルカリで送られてきた商品に、送り主の住所や氏名が書いていないケースは珍しくありません。出品者が余計なリスクを避けるために、住所を開示することを避けている場合が多いからです。
しかし、住所を書かないことで発生するリスクもあるため、決してベストな方法とは言えません。トラブルを回避したいなら、別の方法を選択する必要があります。
今回は、メルカリで自分の住所を記載しないことによるリスクと、対策について紹介します。商品を出品するときに住所を知られるのが怖いと思っている人ほど、目を通してください。
メルカリで出品者が住所を書かない理由
荷物を発送する際は、封筒の裏に送り主の住所と氏名を書くのが一般的です。しかし、メルカリで商品を発送する出品者の中には、あえて住所を省略する人も少なくありません。
ここでは、出品者が住所を書かない理由について紹介します。特に普通郵便を多用する人は、この傾向があります。
個人情報が知られるのを避けたいから
自分の住所や名前は、個人情報の中でも非常に重要なものです。万が一悪い人に知られてしまったら、様々な形で悪用されかねません。
特に近年では、一度拡散された個人情報は消すことができず、長年にわたって不利益を被ってしまうケースも多々あります。信用できない相手に、自分の住所と氏名をさらすのはリスクが高い行為と言えます。
メルカリの取引では、事前にやり取りをするとは言え、相手の素性が一切分かりません。購入者がまともだったとしても、封筒の処分方法が雑だったせいで、第三者に住所が漏れてしまうリスクも考えられます。
個人情報が知られるリスクを考えたら、出品者が住所を書きたがらないのも当然と言えます。
住所がなくても送る分には問題がない
普通郵便を送る際は、切手を貼ってポストに投函する形が多いです。そのため、出品者の住所がなくても、送り先の住所だけ書いてあれば問題なく発送できます。
一方窓口で送るタイプの発送方法では、送り主の情報も必要です。そのため、手間がかからず住所の記載も不要な、普通郵便を利用する人がたくさんいます。
法律上は、住所を書かないことによる罰則はありませんし、無事に届けば出品者の住所がなくても、特に問題はありません。そうった背景もあり、普通郵便では住所を書かない人も多いです。
住所を書かないことによって発生するリスク
たしかに普通郵便は、住所を書かなくても発送可能です。住所を公開しないことで、余計なリスクを避けられることもあるでしょう。
しかし、住所を書かないことによって発生するリスクも、決して少なくはありません。自分が大きな損失を被るケースもあるため、リスクの内容と確率は把握しておきましょう。
ここでは、出品者が住所を書かないことによって発生するリスクについて紹介します。
荷物の返送ができない
発送した荷物は、必ず届くとは限りません。発送時のトラブルや、送り先の住所が違うなどの原因により、返送になるケースもあります。
このとき、自分の住所を記載していないと、返送先が分からず自分のもとに商品が戻ってきません。手元に商品を戻すためには、配送会社に問い合わせていろいろと手続きが必要になってきます。
住所さえ記載しておけば、万が一トラブルがあっても自動で返送されます。返送に大きな手間や時間がかかってしまう点は、大きなデメリットです。
商品が手元に戻らないまま破棄される
送り主の住所がない場合、当然返送された場合の通知も来ません。そのため、商品が返送されたことにいつまでも気づかない可能性があります。
返送された商品は、配送業者によって保管されますが、一定期間が過ぎても送り主が現れない商品は、最終的に破棄されます。
返送されたことに気づいたときには既に商品が破棄された後だった、という可能性もゼロではありません。そうなれば、取引や商品の仕入れにかけたコスト分を丸々損することになってしまいます。
住所を書かないことで、最悪の場合商品自体を失ってしまうリスクがあると言えます。
低評価をつけられる原因になる
荷物を送る際に、送り主の名前や住所を書くのは、一般常識です。そのため、記載のない荷物が送られてきたことに対して、不快に思う購入者も少なくありません。
取引で購入者の気分を害してしまうと、低評価をつけられる可能性があります。このケースにおける低評価は不当なものではないため、運営に相談しても取り消しはできません。
低評価が増えれば、ほかの取引にも影響を及ぼします。長い目で見ると大きな損失になる可能性が高いため、低評価を受ける原因になることが、大きなリスクと言えます。
メルカリからペナルティを受ける
荷物に住所を記載しない行為は、メルカリの運営からペナルティを受ける可能性があります。メルカリの利用規約では、荷物に住所や名前の記載が必要だからです。
無記載での発送は、発送における迷惑行為に該当する恐れがあります。ペナルティの内容は、メルカリの利用制限やアカウントの停止など、非常に重いものばかりです。
購入者が通報した場合、ほぼ確実にペナルティを受けてしまうことから、住所を記載しないのは、非常にリスクの高い行動と言えます。
住所を記載しない人が、メルカリ便を利用しない理由
らくらくメルカリ便や、ゆうゆうメルカリ便など、メルカリには住所を記載することなく発送できる手段が用意されています。
にもかかわらず、住所の無記載を普通郵便でおこなう人は後を絶ちません。リスクを負ってまで普通郵便を使うのは、様々な理由があります。
ここでは、住所を記載しないひとがメルカリ便を使わない理由について紹介します。
ただし、いかなる理由であっても、普通郵便における住所の無記載が、リスクの多い行動であることには変わりありません。
理由1.少しでもコストを下げたいから
普通郵便のメリットはなんといっても価格の安さです。
らくらくメルカリ便が210円であるのに対して、定形郵便であれば最低84円で発送できます。
送料は安ければ安いほど、自分の利益を増やせます。発送回数が増えるほど利益の差は如実に表れてくるため、利益を重視する人が利用するケースも少なくありません。
とはいえ、万が一トラブルやペナルティを受ければ、損失の大きさは計り知れません。長期的にコストを下げるという点からは、リスクが高すぎる行動と言えます。
理由2.匿名配送の仕組みを知らないから
メルカリ初心者に多いのが、匿名配送自体を知らないケースです。各種メルカリ便であれば匿名配送ができることを知らず、普通郵便で送ってしまうことがあります。
また、そもそも郵便に、住所や氏名の記載が必要であることも知らない場合もあります。普段から郵便を利用していない人や、経験の少ない若い人の場合は、そういった確率も高いです。
なまじ住所の記載がなくても発送ができてしまうため、こういった勘違いが発生してしまう可能性があります。
理由3.法律上は違法ではないから
住所を記載しない発送は、メルカリ上では規約違反の可能性があります。一方、日本の法律上は、住所を書かずに発送してもなんの罰則もありません。
メルカリの規約をよく確認していなかったり、法律の解釈を優先させたりする人の場合、住所を記載せず送ってしまう人もいます。
しかし、たとえ法律上は問題なくても、メルカリのサービスを利用している以上、サービス内のルールに従うべきです。実際問題、法律には違反していないと主張しても、ペナルティは避けられません。
理由4.単純に書き忘れたから
住所を書き忘れてしまうケースは、だれもが経験する可能性があります。故意でない分、するつもりがなくても起こってしまうのが厄介です。
故意か過失かを問わず、発覚すれば低評価やペナルティを受けるリスクはあります。避けるためには、書き忘れに気づいた時点で、購入者に直接連絡し、謝罪するのがおすすめです。
良識のある購入者であれば、相手から連絡がきたものまで低評価をつけることはほとんどありません。運営にしても、故意でないものにペナルティを課す確率は低いです。
理由5.違法な商品を販売していて、住所がバレると困るから
メルカリの出品者の中には、偽ブランドや模造品を販売する詐欺出品者がいまだに存在しています。
この手のユーザーは自分の住所がバレると困るため、住所を記載しません。また、利益を最優先するため、利用規約も無視して無記載での発送を多用します。
近年は取り締まりが厳しくなっているため、詐欺出品者も年々減少傾向です。しかし、中にはこういった理由で住所を記載しない出品者もいるため、取引相手は慎重に選びましょう。
発送時に記載する内容と手順を解説
前述した通り、ユーザーの中には封筒に住所や氏名の記載が必要だと分からない人もいます。規約違反だから記載が必要だと伝えても、どう書いたらいいかわからないという人もいるでしょう。
そこでここでは、商品の発送時にどんな内容をどこに記載すればいいのかを解説します。書き方が分からない人は、今回紹介する方法をそのまま流用すればいいので、ぜひ参考にしてください。
普通郵便の場合
封筒を普通郵便で発送する場合、表面に送り先の住所や氏名、郵便番号を、裏面に送り主の住所や氏名、郵便番号を記載します。
表面は、右上に郵便番号、右側に住所、中央に氏名を記載してください。誤配を防ぐために、住所は建物名や部屋番号まで正確に記載が必要です。
裏面は、封筒の左側にすべて記載します。左上に郵便番号、中央から左側に住所、その左に氏名を記載してください。住所と氏名の末尾の高さをそろえると、きれいに見えます。
メルカリ便を利用する場合
らくらくメルカリ便やゆうゆうメルカリ便を利用する場合、荷物に住所や氏名を書く必要はありません。
代わりに、発送手続き時に発行されるコードを直接貼り付けることで、発送が可能です。
住所や氏名などの情報は、コード内に入っているため、住所や氏名を公開することなく、配達ができます。
住所を記載したくない場合の対策
配達する際に、住所や氏名を記載しないのは大きなリスクを伴います。それでも住所を知られるのが嫌なのであれば、メルカリ便を利用しましょう。
メルカリ便は匿名配送に対応しているので、ペナルティを避けつつ個人情報を公開せずに、発送が可能です。個人情報を守りたいなら、利用しない手はありません。
ここでは、メルカリ便の活用方法やメリットについて紹介します。住所を知られてしまうことに抵抗がある人は、ぜひ利用を検討してください。
メルカリ便の種類
メルカリ便には、大きく分けて3つの種類があります。
・らくらくメルカリ便
比較的安価で発送できる。発送可能な場所が豊富。
・ゆうゆうメルカリ便
らくらくメルカリ便よりも重たいものを発送できる。受け取り可能な場所が豊富。
・梱包・発送たのメル便
梱包から発送までをすべてメルカリ側でおこなってくれる。費用はかかるが手間がかからない。
匿名配送をするメリット
匿名配送には、多くのメリットがあります。
最も重要なのが、相手に個人情報を知られない点です。取引相手に氏名や住所を教えることなく取引できるため、余計なトラブルを回避できます。
また、匿名配送は発送コードを発行するだけで手続きが完了するので、発送のたびに伝票を書く必要はありません。取引自体の手間を軽くできる点も、大きなメリットです。
さらに、匿名配送は全国どこに送る場合でも、料金が一律で決まっています。コスト計算をしやすい点も、うれしいメリットと言えます。
匿名配送の利用方法
匿名配送を利用する手順は、以下の通りです。
1.商品を出品する際、送料を出品者負担にする
2.出品画面で配送方法の項目から、メルカリ便を選択(どのメルカリ便を利用するかは、この時に選択する)
3.商品が購入されたら、「匿名配送」を選び発送コードを張り付けて発送する
まとめ
個人情報が重要な現在では、自分の住所を知られることに抵抗のある人も少なくありません。しかし、荷物を送る際に自分の住所を書かないと、様々なリスクが懸念されます。
住所を記載しないと、発送時にトラブルがあっても商品が戻ってきません。また、メルカリでもペナルティの対象であり、取引に悪影響を与える可能性が高いです。
住所を記載せず取引をしたいなら、メルカリ便を活用しましょう。匿名配送によって個人情報を隠したまま発送ができるので、リスクを負う必要がなくなります。
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