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Open Dispute(紛争)でAli Expressのトラブルを解決する方法

AliExpressは、中国の巨大企業である阿里巴巴(アリババ)グループが運営しているECサイトです。日本でいうところのAmazonや楽天のようなものですが、その品揃えの豊富さと、中国の物価の低さからくる安さのため、世界中に利用者が存在しています。輸入ビジネスをするうえでの仕入れ先としても重宝します。

しかし、AliExpressには難点もあります。海外のECサイトであるがゆえに、商品が届かなかったり、あるいは届いた商品が破損していた、といったトラブルが起きる場合があります。日本人は、世界でも有数の安心・安定した通販システムに慣れているので、この点に対する抵抗感はひときわ強く、一種のカルチャーショックを受ける方も少なくありません。

AliExpressでは基本的に日本語は通じません。そのため、トラブルを解決しようと思っても、どうしたらいいか途方に暮れてしまいかねません。本記事では、このような場合のために用意されたシステムである”Open Dispute”と呼ばれる紛争のシステムについて、解説していきます。

Open Disputeを利用するのはこんな場合

AliExpressで商品を注文すると、それがあなたのもとに届くまで、通常の無料配送で1~2ヶ月はかかります。まずは焦らず、じっくりと到着を待つことが求められます。

しかし、そのような通常のケースから逸脱しているのであれば、そのときは出品者に問い合わせをして状況を尋ねる必要が出てきます。まだ発送をしていないというのであれば発送を促すべきで、返金をお願いすべき状況も起こり得ます。

ただ、すべての出品者が快くこちらの要望に応じてくれるわけではありません。相手によっては、然るべき役割を果たそうとしないこともあります。

そのようなときに、保護期間内であれば使うことができるのが、紛争――Open Disputeという手段です。これを用いると、あなたと出品者とのあいだに、AliExpressの運営が入ってくれます。これにより、揉め事が正当なかたちで解決されることになります。

具体的にどのような場合にOpen Disputeを使うべきなのか、みていきましょう。

商品が届かない場合

上記で述べたとおり、AliExpressで注文した商品があなたのもとに届くまでには、通常1~2ヶ月という長い時間がかかります。これは無料配送を選んだ場合の話で、有料の配送であれば1週間程度で届くこともありますが、AliExpressの大きな魅力の一つが「安さ」なので、高額な有料配送を用いるかどうかは慎重になるべきところです。

それぞれの配送手段に応じた適切な期間を過ぎても、なお商品が届かない場合は、何らかのトラブルに見舞われた可能性を考えていかなければいけません。まずは出品者に対し、配送状況がどうなっているのかを問い合わせてみましょう。「配送のトラブルを出品者が解決することは不可能なのでは?」と思う方もおられるでしょうが、中国の場合、荷物が運送会社内でストップしており、出品者が催促することによってようやく動き出す、ということもあります。

また、追跡番号がわかっている場合には、運送会社に問い合わせることで、配送状況を教えてくれることがあります。荷物が現在どこにあるのかを知ることができれば、何日かおきに追跡することで、きちんと動いているかどうかがわかります。動きがあれば安心でき、動きがない場合には、それが運送会社への問い合わせをする根拠となります。

AliExpressの場合、発送から60日以内であれば、AliExpress宛にクレームを入れることが可能となっています。これは「保護期間」と呼ばれる期間ですが、荷物がなかなか届かない場合は、この保護期間の延長を申請しておきましょう。

そして、予定の期間を何日か過ぎてもまだ荷物が届かないときに、改めて出品者へ問い合わせをします。それでも埒が明かない場合に、Open Disputeの出番となります。

違う商品が届いた場合や、数が不足している場合

商品はいちおう届いたけれども、その内容が違っていた、という場合があります。サイズや色や数が違っているというだけならまだしも、完全にべつの商品が入っていた、ということもあるのです。日本では考えられないことですが、AliExpressを利用する際には、あらかじめ念頭に置いておくべき可能性です。

このような場合には、まずスマートフォンなどで荷物の中身を写真に撮り、出品者に報告しましょう。良心的な出品者の場合は、返品を求めること無く代品を送ってくれます。一方、対応の悪い出品者の場合、返送料をあなたが負担するかたちでの返品を要求してきたり、次回の注文において割引をする代わりに今回のことには目をつぶってくれ、と提案してきたりします。

出品者があなたに対して後者のような対応をしてきた場合には、「きちんと対応してくれないならOpen Disputeをするぞ」という意図を伝えましょう。脅しのようにも聞こえますが、正当な要求です。

AliExpressの出品者達は、Open Disputeによって出品者としての評価が下がることを恐れています。最悪の場合、出品者アカウントが停止してしまうこともあり得るからです。そのため、あなたがOpen Disputeをちらつかせることで、ほとんどの場合、対応はガラッと変わることになります。

偽物(コピー品)が届いた場合、没収された場合

AliExpressのみならず、中国で販売されている「ブランド品」は、偽物の場合があります。そのため、中国からブランド品を購入しないようにするのが、基本的な自衛手段となります。

しかし、もしあなたがこのような事情を知らずに、ブランド品を銘打たれたものを購入してしまい、その結果として偽物が届いた場合には、その旨を出品者に報告しましょう。出品者は最初のうちは、本物だと言い張ったり、自分は知らないといった責任逃れの対応をしてくるかもしれません。そこでOpen Disputeを使えば、AliExpressの運営が間に入ってくれて、きちんとトラブルを解消してくれます

税関で没収されてしまった場合も、心構えとしてはまったく同じです。本物だと思って購入したのに、実際には偽物だった、だから税関に没収された…という流れであるならば、あなたに非はありません。代品を送るよう求めても、恐らく出品者は本物のブランド品を持ってはいないでしょうから、この場合は返金を要求するのが得策です。出品者がそれに応じるならそれでよしですが、拒否してきた場合にはOpen Disputeの出番となります。

AliExpressのOpen Dispute(紛争)の注意点

「紛争」と聞くと、訴訟ですらあまり縁のない日本人にとっては、とても物騒なものという印象があるかもしれません。しかし、AliExpressにおけるOpen Disputeは、トラブルが発生したときに、それをいちばんきちんとしたかたちで解消するために用意されたシステムです。

むしろ、あなたと出品者だけで泥沼の言い争いを続けるより、はるかに平和的な手段であると言えます。使うべきときには、積極的に使っていきましょう。

しかし、Open Disputeを使う際にも、いくつかの注意点はあります。この項では、それを一つ一つみていきます。

発送されてから10日以降に紛争できる

Open Disputeは、注文後すぐに使うことはできないようになっています。具体的には、商品が発送されてから10日が経たないと、使うことができません。これまで述べてきたとおり、AliExpressの商品は発送から到着までに時間がかかるのが普通なので、10日以内にOpen Disputeに持ち込もうとするのは、焦りすぎだという運営側の判断でしょう。

また、Open Disputeのボタンをクリックしたときに、以下のような説明が出てくることがあります。

You can “Open Dispute” 10 days after the seller ships your items(s). If you have any question about your order, please contact the seller.
(訳:あなたは出品者が商品を発送してから10日後以降に紛争を開始することができます。もし注文した商品に質問がある場合は出品者に問い合わせをしてください。)

この場合、Open Disputeを駆使する前に、一度出品者に問い合わせてみるのも大切です。

紛争には3〜15日かかる

Open Disputeを使ったことについて出品者に連絡をし、出品者が承諾をした場合には、返金の手続きが始まります。また、出品者が5日以内に返信しない場合にも、自動的に返金処理が行われます。これらの場合において問題が解決するまでの期間はケースバイケースですが、AliExpressの公式サイトには、だいたい3~15日で終わると記載されています

ただし、出品者があなたの要求、つまり返金や代品の発送といったことを受け入れない場合には、再度紛争をすることになります。この紛争でもなお問題が解決しない場合には、AliExpressのサービスチームに連絡をすることになります。このようなかたちで、運営があいだに入ってくれます。

出品者によっては全額返金されない場合もある

Open Disputeは、トラブルを解決するための強力な手段ですが、必ずしも最初から全額が返金されるとは限らないことには注意が必要です。

まずは、あなたの希望額を提出します。もちろん普通は「全額」でしょう。それに対して、出品者が丁寧な返信をしてくれる場合には、そのまま両者のみで話をつけ、お互いに納得のいくかたちで終了できるよう努めるのがベストです。

しかし、商品が破損していたのにまともに返金に応じてくれないなど、出品者の対応が悪く、話がまとまらない場合には、AliExpressのサービスチームに連絡をします。ここに至って、ようやく全額返金の機会に恵まれるわけです。

写真の添付が必要な場合もある

商品を受け取ったあとにOpen Disputeをする場合には、写真を添付することが必要となります。まだ商品を受け取っていない場合、つまり商品が届かないというトラブルの場合には、その必要はありません。

写真のサイズは2MBまでとなっているので、大きすぎる解像度で撮影しないよう注意しましょう。Did you receive your goods?”(商品を受け取りましたか?)という質問に対し、Yesを答えた場合には“Need attachment”(添付写真が必要)、Noと答えた場合には“Don’t need attachment(添付写真が不要)という表示がされます。

英語のメッセージは簡潔に書く

AliExpressにおける事実上の公用語は、英語です。中国人出品者とも、英語でやり取りをすることになります。

つまり、出品者の側も、購入者であるあなたの側も、英語のネイティブではないわけです。このとき、回りくどい表現を使ったり、自分の主張を遠慮がちに抑えたりすると、相手に言葉がうまく伝わらず、余計なトラブルを巻き起こしかねません。

英語のメッセージを書くときには、伝えたいことを簡潔に、しっかりと書くようにしましょう。よほど暴力的な表現を使わない限り、最後に”Thanks”などをつけるだけでも、全体のニュアンスがだいぶ柔らかくなります。日本人はどちらかというと単刀直入な主張を苦手としていますが、英語のやり取りをするときには一種の開き直りが必要です。

Open Disputeを申請する手順

初めて紛争という手段を用いるときには、多かれ少なかれ緊張するものです。しかし、手順どおりに進めていくことで、あなたが想像している以上に簡単に済んでしまうのが、AliExpressのOpen Disputeです。

以下でその手順を解説していきます。

Open Dispute

あなたが注文をした商品一覧の中から、紛争をしたい商品を選択します。下記の画像のように詳細を見ることができ、そこに”Open Dispute”と書かれたボタンが配置されているので、これをクリックします。

質問に答える

以下のような質問と回答の流れがありますので、あなたの状況に合わせて進めていきます。

【I want to apply for:】
・Refund only(払い戻しのみ)
・Return goods(返品)

以下は、上記で払い戻しを選んだ場合の例です。

【Did you receive the item?】(商品を受け取りましたか?)
受け取ったならYes、そうでないならNoと回答しましょう。

【Reason for refund request】(払い戻しを要求する理由)
選択肢は以下のとおりです。
quality proble(品質が悪い)
・Does not work propely(正しく動作しません)
・Defective(不良品)
・Has an odor(匂いがする)
Product not as described(説明と異なる商品が届いた)
・Damaged goods(破損品)
・Product arrived damaged(商品到着時に破損)
・Damaged packaging(包装が破損)
・Scratched(キズ)
Received counterfeit goods(偽物を受け取った)
Quantity shortage(数量不足)

【Refund Amount】(払い戻しを希望する金額)
大抵の場合は全額でしょう。

【申し出の詳細をご記入ください:】
この項目だけ日本語で表記されます。

これらすべてに回答していきます。

相手の主張を聞く

Open Disputeを申請すると、次に出品者の意見を聞くことになります。

ここで5日間、出品者が何も返答しなかった場合には、全額返金の処理が自動的に始まります。

出品者が返金に応じる以外の返答をしてきた場合、さらにお互いの意見を出し合うことになります。両者が納得するまで話し合うのが理想ですが、出品者があなたの要求を拒否した場合、大抵はもうそれ以上何も返答してきません。しかし、そうなったとしても簡単に主張を引っ込めないことが重要です。

同意に至らなければAliExpressが判断を下す

あなたと出品者の両者のみで合意に至らない場合には、AliExpressがの運営が最終的な判断を下します。たとえば、商品が届かなかったという主張をあなたがしている場合、荷物の追跡情報などを調べて、その主張が正しいかどうかを判断します。

AliExpressの判断により全額返金となった場合

一応、最後の時間切れが訪れるまで、あなたと出品者とのあいだに話し合う時間が確保されます。しかし、出品者が何を言ってきても黙っていれば、時間切れとなって返金処理が始まることがほとんどです。

ある程度の時間はかかってしまいますが、結果として、あなたが使ったクレジットカードに対して返金処理が為されます。返金処理された月にも、そのクレジットカードで何か支払っていた場合には、その金額と相殺されます。

信頼できる出品者から購入しよう

AliExpressでは、下記の画像のように、メダル→ダイヤモンド→王冠の順に、出品者の評価が高くなっています。

言うまでもなく、メダル1つの出品者から購入するよりも、王冠5つの出品者から購入するほうが、より安心して買い物を進めることができます。ただし、評価が高いほど金額も高くなる傾向があるので、信頼と金額のバランスをしっかり考えるようにしましょう。

Top Brandマークの有無

商品ページ、あるいはストアページに“Top Brand”と表記されている場合があります。これは、正規のブランド店、あるいはAliExpressの中でも特に評価が良いと認められた出品者であることの証となっています。こういった出品者は、まず間違いなく他の出品者よりも商品の品質や対応が良いので、安心して利用したい方は、この”Top Brand”表記があるかどうかをチェックするようにしましょう。

出品者の評価

出品者名にカーソルをあわせると、その出品者の詳細な評価などがわかります。「総合評価○○%」といった数値や、フォロワーの数などが表示されるので、その出品者がこれまでにどのような評価を得てきたのかがすぐにわかるわけです。また、運営期間が長いことも、そのぶん信頼度が高いと判断する材料となります

商品評価・コメント欄

商品画像の右側には、商品評価が5段階で表示されています。また、商品ページの下には、購入者のレビューが表示されています。

これらはAmazonなどと同じ仕組みなので、わかりやすいです。レビューには有益な情報が含まれていることも多いので、英語が苦手な方も、翻訳サービスなどを使ってざっとチェックしてみるのがよいでしょう。

まとめ

AliExpressにおけるOpen Disputeのシステムと、その利用法・注意点について解説しました。すべてが英語なので、人によっては難しく感じるかもしれませんが、わかってしまえば誰にでも簡単に使うことのできるシステムです。

もしあなたが何らかのトラブルに見舞われた場合、しっかりと主張すべきことは主張していくようにしましょう。ただし、紛争の前にまずお互いの話し合いがあるべきである、ということは覚えておいてください。