きれいな写真を撮るためには、撮影キットの活用が効果的です。なかでも撮影ボックスがあれば、撮影環境に左右されず安定して高品質な写真を撮ることができます。
今回は、撮影ボックスの使い方や見分け方、おすすめの撮影ボックスなどを紹介します。特に室内での撮影が多い人は、ぜひ参考にしてください。
撮影ボックスについて
撮影ボックスとは一言で言うと、照明がついた箱です。箱の中に被写体を入れると、照明によってちょうどよく照らされるため、くっきりとした撮影が可能になります。
サイズやカラーバリエーションが豊富なため、被写体に合わせてベストな環境での撮影がしやすいです。安価なものでも十分な効果が見込めることからも、気軽に手を出しやすい撮影アイテムである点もメリットと言えます。
撮影ボックスの使い方
被写体を撮影ボックスの中に入れると、ボックス上部にある照明に照らされることで輪郭がくっきりと浮き出てきます。被写体のきれいな撮影をするために必要な光量が用意できるため、高性能カメラを使わなくてもある程度きれいな写真が撮れます。
また、背景が撮影の邪魔をすることがないため、商品だけが目に留まる写真撮影が可能です。ネットオークションへ出品するための撮影から、気軽にSNSにアップする写真の撮影まで、幅広い用途で活躍します。
撮影ボックスを選ぶ基準
撮影ボックスはたくさんの種類があるため、被写体によっては合わないものもでてきます。選ぶ際の基準について解説するので、どの撮影ボックスを買うかの参考にしてください。
ボックスのサイズ
被写体がすでに決まっているのであれば、撮影ボックスは必ず被写体が入るサイズを選んでください。サイズぎりぎりだと光の当たり方がばらけてしまうため、ある程度余裕をもって入れられるサイズがベストです。
被写体が決まっていない場合は、邪魔にならない範囲で大きめの撮影ボックスを選んでおけば失敗しにくいです。
光量
光量が多いほど、よりくっきりとした撮影ができます。具体的な光量がわからない場合は、ライトの束数からある程度推測してみてください。
また、光量の調整ができるタイプであれば、あえて光量を落とした撮影もできます。光量は写真の出来栄えを決める重要な部分なので、できれば明るさを調整できるものを選んだほうがよいです。
背景スクリーン
基本的に、撮影ボックスの背景スクリーンは白です。ただし、ほかの色でも写真が撮りたいなら、ほかのカラーバリエーションがあるタイプの撮影ボックスを選びましょう。
被写体によっては、白以上に合う背景色がある場合もあります。必要であれば何種類か用意しておき、被写体に応じて使い分けるのも効果的です。
ディフューザー
ディフューザーとは、光を拡散させてやわらかい雰囲気の撮影を可能にする器具です。自然光に近い撮影環境が実現できるため、あまり影を作らない撮影に適しています。
光の加減にこだわる撮影がしたいなら、ディフューザー付きの撮影ボックスを選びましょう。
撮影する角度
撮影ボックスによっては、正面からだけでなく真上や真横からも撮影できるものがあります。正面以外の写真が欲しい場合でも、被写体を動かすことなく撮影ができるため、写真のクオリティに差がでにくいです。
また、撮影する向きによって被写体の雰囲気が変わるため、同じ方向からの写真でも差別化ができます。
おすすめの中型・小型撮影ボックス
中型・小型の撮影ボックスは持ち運びがしやすく、収納スペースも確保しやすい点がメリットです。被写体が小さいのであれば、小回りの利く中型・小型のボックスでも十分に対応できます。
ここでは、中型・小型の撮影ボックスでおすすめの商品をピックアップします。どれを買ったらいいか迷ってしまう人は、ぜひ参考にしてください。
HAKUBA AMZLEDSBX
お手軽な価格で、プロの撮影環境を手軽に再現できます。ブラック、ホワイト、オレンジの三色の背景紙が付属しており、被写体に応じて使い分けることでさらに写真の質を高められます。
また、折りたためるため収納や持ち運びにも困りません。撮影ボックスを使った撮影の入門用としてもおすすめです。
SANWA SUPPLY 200-DG015
組み立てが簡単な中型撮影ボックスです。折りたたむことでコンパクトにできるため、机の横にかけたりといった収納も可能です。
4色の背景紙が付属しており、被写体に合わせた撮影ができます。プラスチック製のスクリーンは布と違い、手入れが不要な点もメリットです。
SAMTIAN F40
56個ものLED照明を使ったライトが特徴的で、光量調整もできるためくっきりとした撮影が可能です。加えて、反射材として使われているアルミニウムフィルムにより、ちょうどよく光が拡散し照明の効果も高くなります。
付属する背景紙も6色と多岐にわたり、様々な撮影に対応できます。また、正面、斜め、真上の3カ所からの撮影できるため、撮影のバリエーションを増やせる点もメリットです。
参考:SAMTIAN F40
Hirano EK-SB003
ライトに力を入れた撮影ボックスです。140個ものLEDライトを10段階の明るさ設定で自由に表現できるため、被写体に最適な明るさを提供できます。
光の色も昼白色、昼光色、自然光の3種類から選択できます。使用している素材も反射率が高く、光を活用した撮影に最適な撮影ボックスです。
PULUZ PU5023
非常に安価な点が特徴で、20cmサイズであれば2,000円以内で購入できます。安価だからといって機能面で劣るわけではなく、3色の光パターンや明るさの調整機能なども備えています。
23×24×23cmと非常に小型なため、場所を選ばず設置できる点も強みです。素材は防水仕様なので、野外の撮影にも適しています。
参考:PULUZ PU5023
QYXINC 32CM
安価ながら、光量調整や複数の撮影スポットなど融通の利きやすい撮影ボックスです。3つの光源パターンを備えており、ストロボがないタイプのカメラでもきれいな写真が撮れます。
USB電源のため、野外での電力供給がしやすい点もメリットです。付属している6色の背景紙を切り替えることで、被写体に合わせた雰囲気での撮影ができます。
参考:QYXINC 32CM
おすすめの大型撮影ボックス
大型の撮影ボックスは撮影できる対象が多く、余裕を持った撮影ができます。また、被写体と一緒に別のものも併せて撮影ができるため、撮影の幅が広がる点も大きなメリットです。
HAKUBA AMZLEDSBX60
64×62×63サイズと大型な撮影ボックスで、バッグやブーツなどの大型なアイテムも問題なく撮影できます。4本のLEDバーが均等にボックス内を照らすため、大きいからと光量を心配する必要はありません。
大型ながら折りたたんで収納することもできるため、使わないときは案外邪魔になりません。組み立ても簡単なので、撮影初心者には特におすすめです。
参考:ハクバ 撮影ボックス
サンワダイレクト 200-DG017
126個のLEDライトを使った大光量の撮影が可能で、スマートフォンやデジタルカメラでも十分にきれいな写真が撮れます。明るさの調整もできるため、適した光量で撮影できます。
シートは耐久性に優れており、安価ながら長く使い続けられる点もメリットです。汚れても簡単に拭き取ることができるため、不測の事態にも対応できます。
SAMTIAN F80
80×80×80cmと、非常に大型の撮影ボックスです。骨董品などの大型なものでもすっぽり入るため、あらゆる被写体に対応できるサイズと言えます。
小型のアイテムに対しても、光量を調整することできれいな撮影が可能です。ある程度撮影スペースを確保できる人は、検討してみてください。
参考:SAMTIAN F80
PULUZ PU5060
優れた耐久性、耐熱性を持つ大型撮影ボックスです。汚れも簡単にきれいにできるため、入るサイズであればペットの撮影にも適しています。
組み立てが簡単かつ折りたたんで収納できる点から、撮影初心者でも取り回しに苦労しません。6枚の背景シートや真上から撮影できるという点も、多様な撮影ニーズを満たしてくれます。
参考:PULUZ PU5060
FOSITAN M100A
105×105×105cmの非常に大型のボックスで、一部マシーンなども撮影可能です。ライトは360度回転可能で、被写体に合わせた光の当て方ができます。
正面、左右、真上からの撮影ができるため、大型のアイテムでも様々な角度から撮影ができます。大きさのわりには価格も控えめなので、撮影するアイテムが大きい人や数が多い人には特におすすめです。
参考:FST-M100A
JUST style 簡易撮影スタジオ
高さ2m越えの超大型撮影ボックスです。マネキンを活用した衣類の撮影や、人が直接入り込んでの撮影もできます。
組み立て式なので、大型ながら持ち運びも可能です。また、ライトの電源はUSBタイプとコンセントタイプから選べるので、撮影シーンによって使い分けられます。
撮影ボックスは自作できる?
撮影ボックスには特別な素材が使われていないため、作ろうと思えば自分で作成することもできます。ただし、自作によるデメリットもあるため、購入するのか自作するのかは吟味する必要があります。
ここでは、撮影ボックスの作り方や、自作のメリット、デメリットなどについて紹介します。
撮影ボックスの作り方
撮影ボックスの作成に必要なものは、パネル、模造紙、接続パーツ、ライトです。小型なものであればすべて100円ショップに売っているため、低予算で作成できます。
作成手順は、以下の通りです。
1:パネル5枚を接続パーツでつなぐ。このとき1面だけ空いている状態にする。
2:パネルの中にすっぽり収まるように、模造紙をカットする。
3:模造紙にしわが出ないように気をつけながら、パネルの奥部分に張り付ける。
4:ライトを上に設置して、向きを調整する。
以上で自作撮影ボックスの完成です。あとは被写体を置いて実際に撮影し、不具合があれば都度調整していきましょう。
撮影ボックスを自作するメリット
・コストが安く済む
前述したように、小さい撮影ボックスであれば100円ショップですべて道具が揃います。1,000円もあれば作成できるため、非常に低コストです。
・サイズが自由
市販の撮影ボックスは、大抵大きさが決まっています。自作であれば奥行や横幅、縦幅などを自由にカスタマイズできるため、自分の撮影に最も適したサイズの撮影ボックスを作れます。
撮影ボックスを自作するデメリット
・耐久性、収納性が劣る
耐久性はどうしても既製品には劣ります。また、折りたたむこともできないため、収納性も低く持ち運べない点は明確なデメリットです。
・背景色の変更が大変
一度模造紙を張り付けてしまえば、背景色をほかの色に変えるのは容易ではありません。既製品のように気軽な変更ができないため、使い勝手の悪さがデメリットと言えます。
撮影ボックスにまつわる質問集
ここでは、撮影ボックスを使う上で、よくある質問を紹介します。初心者の人は同じ悩みや疑問を抱えている人も多いので、少しでも解決の参考にしてください。
撮影ボックスの購入場所は?
最も手軽に購入できるのは、ネット通販です。値段も手ごろなものが多く、初心者でも気軽に購入できます。
だれかに話を聞きながら購入したい場合は、家電量販店やカメラ専門店での購入がおすすめです。撮影ボックスについて理解を深めながら商品を選べる点がメリットです。ただし、ネット通販に比べると高級品が多く、コストがかかる可能性はあります。
中古の撮影ボックスを買う際にチェックする箇所は?
ネット通販やリサイクルショップで中古の撮影ボックスを購入する際は、ボックス内の汚れとライトをチェックしてください。
ボックス内に汚れがあると、光がうまく反射せずきれいに写真が撮れない可能性があります。また、たくさんあるライトのうち一部がつかない状態だと、光量に偏りが生まれてしまい、これも写真の質を落とす原因になってしまいます。
レンタル撮影ボックスの利用はあり?
撮影ボックスは、各種レンタルショップや機材屋などでレンタルすることもできます。レンタル料はサイズにもよりますが、最低でも3,000円程度かかります。中型や小型の撮影ボックスであれば購入できる金額なので、小さい撮影ボックスのレンタルはおすすめしません。
反対に、体が入るくらいの大きな撮影ボックスは、価格も高く収納場所も限られるため、必要なときだけレンタルするのはありです。ほかにも、購入を検討しているものを試しにレンタルして、使用感を確かめるといった活用方法もできます。
まとめ
撮影ボックスは、撮影の補助となる撮影キットの中でも特に重要なアイテムです。場所や天気を問わず安定した撮影が可能になるため、1つは持っておくと撮影の質が高まります。
使わないときには折りたたんで収納できるため、大型のものであっても場所をとりにくいです。被写体ぎりぎりの撮影ボックスだと撮影に支障がでてしまうため、予算の範囲内で大きめの撮影ボックスの購入をおすすめします。
撮影ボックスが1つあるだけで、被写体を問わず高品質な写真を撮るためにとても役立ちます。今回紹介した内容を参考に、ぜひ購入を検討してください。