転売は仕組みが非常にシンプルなので、初心者でも稼ぎやすいビジネスと言えます。最初はそこまで大きな利益を上げることは難しいですが、やればやるほど稼げるようになっていきます。
今回は転売のコツと、転売屋の年収について解説します。
転売とは?
最初に転売の仕組みについて簡単に説明します。
転売の定義
転売とは、お店で買った商品を他の店や個人に売ってその差額で利益を得るビジネスです。
転売の流れ
1.リサーチ
2.仕入れ
3.出品
4.注文発生
5.梱包、発送
6.代金受け取り
これが基本的な転売の流れですが、注文が発生してから仕入れる無在庫転売という手法もあります。
2種類の転売
転売で稼ぐ方法には、大きく分けて2種類あります。
1つ目は、定価より安く仕入れて、定価に近い価格で販売する方法です。中古品転売やアウトレット転売はこの方法です。
2つ目は、人気商品を定価で仕入れて、品薄になった段階で定価より高いプレミア価格で販売する方法です。過去には、PlayStationやiPhoneなどの最新モデルがこの手法で転売され問題となりました。
転売の特徴
転売は仕組みが単純な上、株やFXなどの副業ビジネスと比べるとリスクが少ないというメリットがあります。
転売の主な特徴を3つ紹介します。
初期費用ゼロから始められる
転売は最初に仕入れのための費用が必要で、ある程度の資金が無いと始められないと思っている人が多いですが、実はそうでもありません。仕入れ時にクレジットカード決済などの後払い決済を利用すれば、売上金を受け取ってから代金を払うことも可能です。
転売できるプラットフォームが多い
また、最近はヤフオク・メルカリ・Amazonをはじめ、個人でも簡単に出品できるプラットフォームがたくさんあります。商品写真を撮って説明文を書くだけで出品できるため、物販初心者でも簡単に始められます。
リサーチツールが充実している
転売は仕入れた商品が売れなければ赤字になります。しかし、最近はリサーチツールが充実しているため、しっかりリサーチすれば大赤字にはなることはほとんどありません。
主なリサーチツールを2つ紹介します。
まず1つ目は、オークファンです。オークファンを使えば、ヤフオクやモバオクなどのネットオークションサイトにおける過去の落札商品や落札相場を確認できます。
2つ目は、Amazonの市場調査ツール「ファルコン(Falcon)」です。
ファルコン(Falcon)では、Amazonでの商品の価格・取り扱い店舗数・売れ行きなどを確認できるので、その商品を仕入れる価値があるかどうか効率よく把握できます。
利用方法は簡単で、ファルコン(Falcon)にアクセスして調べたい商品のASINを入力するだけです。
ASINが分からない場合は実際にAmazonで該当の商品を検索後、商品ページ下「登録情報」に記載されているので確認しましょう。
ASINを入力して検索をかけると以下のようにグラフが表示されます。
「最安値」ではその商品の価格の推移が確認できます。安く仕入れ、高く売る転売の基礎にして理想を目指して価格設定の参考にしましょう。
「出品者数」ではその商品を扱っている店舗数です。出品者数が多いほど売れにくい傾向がありますが、出品者数=ライバル数とは限りません。Amazonで実際にその商品の出品者をチェックしたときに、全員が最安値で出品していた場合は出品者全員がライバルとなりますが、価格差が大きい場合は、上位5人までがライバルです。
「ランキング」はその商品の人気度を表しています。グラフが下がっている、つまり1位に近づいている時が良く売れている時期です。情報の収集期間を変えたい時はページ上部で設定を行います。
このように、ファルコン(Falcon)を使えば、Amazonでの商品の価格・取扱店舗数・売れ行きなどを確認できるのです。
参考:ファルコン(Falcon)で商品の価格・取扱店舗数・売れ行きを確認する
転売屋の月収・年収
転売を始めて間もないうちはリサーチが大変で、なかなか思うように稼げません。しかし、やればやるほど売れ筋商品が分かるようになるため、必然的に収入も上がっていきます。
ここからは、転売経験に応じたおすすめの商品を紹介します。
初心者
転売を始めたばかりの頃は、古本など安い商品から扱っていきましょう。
月に5万円ほど仕入れて、利益率が20%だとするなら、大体月収は1万円ほどになります。小遣い稼ぎ程度にはなります。
初級転売屋
転売に慣れてきたら、家電・スマホ・ホビーグッズなど、価格の高い商品もどんどん転売していきましょう。しっかりリサーチすれば、月に20~30万円は稼げます。
中級転売屋
扱う商品が増えてくると、1人で作業するのが大変になってきます。
その場合は外注化しましょう。リサーチ作業以外をすべて外注すれば、1日1時間作業するだけで毎月安定して50~60万円ほど入ってくるようになります。ここまでいくと、ほぼ不労所得です。
上級転売屋
転売事業を始めて2年が経過し所得が900万円を超えた場合は、所得税(法人税)を抑えられる可能性があるので、法人化をおすすめします。法人化する段階までいけば上級転売屋と言えるでしょう。
また、転売事業を行っている者は消費税も納付しなければいけません。消費税は事業を始めて最初の2年間は免除されますが、3年目以降は基準期間である前々年度を参照して課税売上高1000万円を超えていると納付義務が生じます。
一方、法人化するとその最初の2年間は消費税納付義務が免除されます。そこで、個人転売を始めて2年経った時点で法人化すれば、消費税納付義務の免除期間を4年間に延長できるのでお得です。
おすすめの転売商品
転売で稼ぎやすい商品ジャンルをいくつか紹介します。
ブランド品
ブランド品転売は単価が高いため、短時間の作業で大きな利益を上げることができます。商品の状態やブランドにもよりますが、利益率が50%以上になることも珍しくありません。また、他のジャンルと比べるとライバルも少なめです。
ただし、ブランド品転売にはデメリットがいくつかあります。
仕入れ値が高い
そのため、ある程度の資金が必要です。ブランド品を安く仕入れるコツは、付属品が欠品した本体のみと付属品のみを別々に仕入れることです。完備商品は仕入れ値も高くなりがちですが、欠品商品や付属品単体なら安く仕入れることができます。あとは組み合わせて販売すれば高く売れます。
ブランド品は偽物が多く販売されている
ブランド品を扱う場合は、仕入れ時の検品が欠かせません。中には精巧な偽物も存在するため、確証が持てない場合は鑑定士に査定を依頼しましょう。出品する際は、購入時のレシート・ブランドのログ・タグの写真等を掲載して、本物であることを証明しましょう。
回転が悪い
高価な商品は一般的な商品と比べると売れにくいため、必然的に出品から売上までの回転が悪くなります。
サプリメント
需要が大きくて安く仕入れられるサプリメントも転売向きです。特に、定期便で購入することになるタイプのサプリメントは利益を出しやすいのでおすすめです。なぜなら、「定期便ではなくお試しで1回飲んでみたい」という人が通常価格に近い価格で買ってくれるからです。
また、サプリメントは消耗品であるため、回転率が高いのが特徴です。リピーターもつきやすいため、安定して稼ぐことができます。
一口にサプリメントと言っても、数百円のものから数万円のものまであります。そのため、資金が無いうちは安いサプリから転売を始めることができます。慣れてきて資金も貯まってきたら、数万円の高単価サプリを転売していきましょう。サプリを利用している人は年代が高めで経済的に余裕がある人ばかりです。そのような人たちは「価格が高い=効果が高い」と思っている人が多いため、高単価サプリでも購入してくれます。
携帯電話・スマホ
携帯電話・スマホは個人転売で儲かりやすいジャンルの1つです。しかし、ある程度の専門知識が必要になります。
携帯端末には白ロム・赤ロム・黒ロムの3種類があります。
白ロムはSIMカードが抜かれた携帯端末のことです。白ロム端末は2種類に大別できます。1つ目は、最初からSIMフリーで購入した端末です。情報が何も入っていない本当に空っぽの端末で、新しくSIMカードを挿入すれば、そのまま使用できます。もう1つは、ドコモ・au・ソフトバンクなどのキャリアとの契約を解約して、SIMカードを抜いただけの端末です。
赤ロム端末は、料金の未払いや盗難等を理由に通信会社にロックが掛けられた端末です。SIMカードを抜いて他社のSIMカードを挿入してもモバイル通信は使えません。
黒ロム端末は、契約中のSIMカードが入っている携帯端末です。誰でも利用可能ですが、契約者の個人情報が入っています。これを売る人はいないでしょう。
携帯電話・スマホの転売では基本的に白ロム端末しか売れません。巷には白ロムを謳った赤ロム端末が多く出回っているため、仕入れ時は赤ロム端末を掴まされないように端末のIMEI番号を確認する必要があります。
携帯転売で最も稼げる端末はiPhoneシリーズです。iPhoneはどのモデルも需要が大きいですが、その分ライバルも多くいます。Android端末ではZenFoneシリーズやHUAWEIが人気です。
おもちゃ・ホビーグッズ
おもちゃ関係もおすすめです。特に稼ぎやすいのがLEGO商品です。
レゴシリーズは常に新商品が発売され、過去のシリーズはすぐ廃盤になります。廃盤になった商品は正規店では手に入らなくなるためプレミア化します。つまり、プレミア化の早いLEGOシリーズを販売すれば大きく稼ぐ可能性が高まるのです。
他にも、非売品や限定物のフィギュアは、オークションに出品すると高く売れます。
家電
家電は転売初心者でも比較的稼ぎやすいジャンルです。おすすめの家電メーカーは以下のとおりです。
・パナソニック
・SONY
・ダイソン
・CANON
・Apple
特に、SONYの家電はプレミア価格がつくものが多く、大きく稼ぎやすくなっています。ただし、新品を扱う場合は、ほとんどのメーカーで規制があるので注意して下さい。
また、ダイソンの美容家電の中古品はメルカリやラクマで安く仕入れられます。
家電で利益が大きいのはパソコンです。1台売るだけで数千円~数万円の利益になります。転売にはデスクトップPCよりノートPCをおすすめします。なぜなら、ノートPCの方が需要が大きいだけでなく、小さくて軽いため送料を抑えられるからです。
転売で稼ぐコツ
転売で長く安定して稼ぐにはコツがあります。
需要を知る
トレンドは常に変化しています。常に世間の需要にアンテナを張っておきましょう。需要を把握するのにおすすめのツールを挙げておきます。
参考: Yahoo!プロモーション広告公式ラーニングポータル
参考: Googleキーワードプランナー
ライバル調査
需要と市場の調査だけでなく、ライバルの動向もチェックしましょう。特に、転売初心者はライバルから学ぶことが多くあります。
同じジャンルの商品を扱う
売れ筋商品を見つけたら、そのジャンルの商品を優先的に仕入れてください。そうすればそのジャンルに詳しくなりますし、顧客からも「この人は◯◯の専門業者だ」というイメージを持たれ、信頼されやすくなります。
1つのジャンルを極めてから、関連する別のジャンルの商品を仕入れるようにしましょう。
小さくて軽い商品を扱う
小さくて軽い商品の良いところは、送料が安く済むことです。これは、購入者にとってはもちろん、販売者にとっても仕入れの際の経費を削減できるので大きなメリットです。
逆に、大きくて重い商品は個人転売には向きません。例えば、冷蔵庫や洗濯機などの大型家電は、仕入れの段階からして大変です。実店舗で仕入れる場合は持ち帰るのが大変ですし、発送する際の送料も高くなります。また、配送途中に商品が破損するリスクもあります。
利益率が高い商品を優先的に仕入れる
転売で大きく稼ぐ最も簡単な方法は、安く仕入れて高く売ることです。したがって、仕入値と売値の価格差が大きい商品を優先して仕入れていきましょう。
仕入先と信頼関係を築く
最初のうちは様々な仕入先から仕入れるようにしてください。良い仕入先が見つかったら、後はそのお店から継続的に仕入れるようにしましょう。長く取引していると信頼関係ができて、緊急事態にも柔軟に対応してくれるようになります。また、他の人より安く売ってもらえたり、お得な情報を教えてもらえたりすることもあります。
転売は稼ぎやすい
転売は初心者でも比較的稼ぎやすく、やればやるほど収入が上がるビジネスです。これから副業を始めようかと思っている方はぜひ転売を試してみてください。