写真のクオリティを上げるために、撮影セットを作ってみたいと思う人も多いのではないでしょうか。撮影セットで背景や照明を使うことで、プロが撮った商品写真のように撮影することができます。
この記事では、そんな撮影セットを自作する方法やセットを使って上手に撮影する方法を紹介します。「自作は苦手」と思ったあなたには、おすすめの撮影セットや選び方を紹介します。ぜひ最後まで読んでください。
撮影セットってどんなもの?
「撮影セット」と言われると、モデルさんたちが撮影しているスタジオをイメージする方も多いと思います。この記事で紹介する撮影セットは、撮影スタジオをミニチュアのように小さくした「撮影ボックス」です。
撮影ボックスを使うことによって、背景をつけたり照明を自由自在に調整できたりします。例えば、フリマサイトに載せる商品の写真を普通の床で撮るのと撮影ボックスを使って撮るのでは印象が全く違います。
床で撮った場合
撮影ボックスで撮った場合
背景や撮り方を工夫するかしないかだけで、商品の売れ行きにも関わってきます。
撮影ボックスは購入すると高い
撮影ボックスは楽天やAmazonで購入できますが、数千円のものから1万円超のものまでさまざまなものがあります。撮影機材にあまりお金を使いたくないという人にとっては、結構な出費です。
そこで、撮影ボックスを自作する方法を紹介します。
撮影ボックスを自作する方法
撮影ボックスは100円ショップに売っているもので作ることができます。
【用意するもの】
- 組み立てラックシリーズ フリーマルチパネル(355mm×355mm):5枚
- 組み立てラックシリーズ 連結ジョイント(4個入り):2袋
- LEDライト:3つ
- 単三電池(5本入り):2つ ※LEDライトに使用
- 背景紙(模造紙など):1枚
これらを用意しましょう。すべて100円ショップで買い揃えることができます。
1. ボックスを組み立てる
ボックスの底となる1枚のパネルの角に連結ジョイントを付けます。
四隅にあるジョイントにそれぞれパネルを3枚、縦に取り付けていきます。奥までしっかりと押し込んでください。押し込みが弱いとグラつきます。
取り付けた3枚のパネルの上に、ジョイントを付けます。
1枚残っているパネルは後ほど使います。
2. 背景紙をセットする
背景紙を付けていきます。今回は模造紙を使いますが、背景に柄をつけたい場合などは包み紙やラッピングシートを使っても構いません。
模造紙はパネルの幅にカットし、奥のパネルにテープで貼り付けます。模造紙は手前に長く垂らしておいてください。
【注意点】
模造紙にシワや折り目がつかないように気をつけましょう。撮影するときにシワなどがあると思っている以上に目立ちます。
背景紙には、同じく100円ショップで売っているシワになりにくい「EVAスポンジシート」や、その他シワが目立ちにくい材質の紙を選ぶようにしましょう。「EVAスポンジシート」とは、エチレン・ビニル・アセテートからできているスポンジシートです。丸めてもシワになりにくいのが特徴です。
3. 天井を付け、ライトをセット
背景紙をセットできたら、残っていた1枚のパネルを上のジョイントに取り付けましょう。そしてLEDライトを上部と手前2箇所に置いたら完成です!ライトは、撮影に合わせて好きな位置に変えてください。
今回ご紹介したセットは組み立てラックシリーズのパネルとジョイントを使ったので、制作時間は10分程度で作ることができます。
撮影ボックスでうまく撮影できないときの対処法
撮影ボックスが完成しても、実際に撮影してみると、色味がうまく表現できないことがあります。ここからはそんなときの対処法を紹介します。
ホワイトバランスを調整する
「ホワイトバランス」とはカメラにある機能で、撮影する環境での光の影響を補正して、白を白く見せることができます。光には光の色を表す「色温度」というものがあり、「ケルビン」という単位を使って表します。2000Kのように数値が低ければ赤みが強く、8000Kのように数値が高ければ青みが強いことを示します。
撮影ボックスを使って白背景で撮影していると、白が青みがかったようにように映ってしまうことがあります。そういった場合は、カメラのホワイトバランスを調整して青みがかった白を自然な色にすることができます。調整方法としては、青みを消したい場合は赤みを、赤みを消したい場合は青みを足していくイメージです。
白背景で撮影するときは、実際の色と違った白さで写真に映ることがよくあります。そんなときはホワイトバランスで好みの色味に調整してみてください。
ワンランク上の写真にするために
自作の撮影ボックスで写真のクオリティが上がりました。ここからは、さらにワンランク上の写真にするための工夫を紹介します。
背景にこだわる
背景を白にすると、被写体に光がキレイに当たるのでスッキリと映すことができます。一方で、背景が白だけだと単調な写真になってしまいがちです。そこで、撮影するものや写真で表現したい雰囲気に合わせて背景を変えてみましょう。
背景が変わるだけで被写体の印象がガラリと変わります。背景紙には色付きのものを使ったり、柄付きのラッピングシートを使ったりするのもいいでしょう。
他にも、壁紙を活用してみるのも一つの方法です。「壁紙屋本舗」では、「のりなし壁紙」というものがあり、これを撮影用の背景に活用することができます。木目調やコンクリート調などの背景やさまざまなカラーバリエーションの壁紙があるので、撮影するものに合わせて背景を選べます。
参考:壁紙屋本舗
機材にこだわる
ボックスを自作したときに使った簡易的なLEDライトだけではなく、撮影専用の照明機材に変えてみると、写真のクオリティは格段に上がります。また、三脚を使って撮影してみたりレフ板を使って光をコントロールしてみたりすると、プロ並みの写真を撮ることができます。機材を揃えるには費用がかかりますが、一度購入すれば数年は使えますしプロ並みのハイクオリティな写真を撮りたいという方にはおすすめです。
【おすすめの照明機材3選】
1. Neewer 660 LEDビデオライト
660個の白と黄色のLEDライトで明るく照らし、ディフューザーも付いているので強すぎる光を和らげることもできます。ディフューザーとは、ライトからの光を和らげてくれる撮影アイテムです。
参考:Neewer 調光可能な二色660 LEDビデオライト
2. Neewer 2点 ライトスタンド
名前はライトスタンドですが、三脚として使えてレフ板などを支えることもできるので1つ持っているだけでいろんな用途に使えます。
3. Neewer 5-in-1撮影用マルチ対応レフ板とメタルレフ板クランプホルダーセット
5種類のレフ板がまとまったセットです。被写体や撮影環境に合わせてレフ板を変えることができます。
参考:Neewer 5-in-1撮影用マルチ対応レフ板とメタルレフ板クランプホルダーセット
撮影ボックスを選ぶ5つのポイント
撮影ボックスを自作するのは苦手・自作したくないというあなたは、撮影ボックスの購入も検討しましょう。いざ探してみるとさまざまなものがあります。ここからは、あなたに合った撮影ボックスを選ぶためのポイントを、5つに絞って紹介します。
サイズは撮影するものを基準に
撮影ボックス選びで最も重要なのが「サイズ」です。購入する前に、どういうものを撮影するのか想定した上で購入しましょう。被写体がボックスにギリギリ入るぐらいの大きさだと、照明を当てたときに全体に光を当てるのが難しいです。大きいボックスで小さいものを撮影することは可能ですが、小さいボックスで大きいものを撮影はできないので、この点は注意して選んでください。
また、大きめのボックスを購入する場合は、収納スペースもかなり使います。ボックスによっては折り畳んで収納できるものもあるので、収納の面でも比較してみるといいでしょう。
照明は明るいものを
撮影をする上で照明の明るさはとても重要です。照明の明るさは「ルーメン」で表されます。ルーメンとは、光源から出た光の量を表します。撮影ボックスの照明の多くは4,000~5,000ルーメンで、小型のものだと1,000~1,500ルーメンの照明が付いているものが多いです。
照明の明るさと併せて、ボックスの照明機材にLEDライトが何個ついているか確認しておきましょう。ライトの数が多いほどボックス内が明るく照らされるので、映りがキレイになります。また、ボックスには調光器がついているので、明るさの調整も簡単にできるようになっています。
背景色のバリエーション
背景色が白だけだと応用が効きにくいです。写真に変化をつけるために、背景色を変えてみましょう。ボックスの付属品に数種類の背景色が付いているものもあります。いろんな背景色を使ってみたいということであれば、どの色の背景色が付いているのかも合わせて確認しておくといいでしょう。背景色は3種類~5種類ほど付属していることが多いです。
多角度から撮影が可能か
写真撮影ではアングルも大切です。撮影ボックスは前面が開いているものが多いですが、横や上から撮影できるものもあります。
食べ物を上からのアングルで撮影したいという場合には、上から撮影できるものが必要です。こういったマルチアングルに対応しているかどうかは製品説明に書いているので、購入前に確認してみてください。
持ち運びやすさ
自宅やスタジオ以外での撮影にボックスを持ち出す場合には、持ち運びやすさやセッティングのしやすさはポイントになります。
多くの撮影ボックスは折りたたみができるようになっているので、持ち運びも簡単にできます。また、収納ケースが付いていることもあり手提げで持ち歩くことが可能です。
自作が苦手な人におすすめの撮影ボックス3選
撮影ボックスの選び方を踏まえて、あなたにおすすめの撮影ボックスを3つ紹介します。
SAMTIAN 撮影ボックス
コンパクトで、折りたたみ式なので収納も組み立てるのも簡単な撮影ボックスです。
【キットの内容】
- 高さ40cm・幅40cm・奥行40cmの撮影ボックス
- 6色の背景布(黒、白、青、赤、黄色、グレー)
- 調光器
- LEDライト(28個)
- 電源アダプタ
- 電源コード
- 日本語説明書
ボックスのサイズは他にも60cmや83cmの大型のものもあります。
FOSITAN 撮影ボックス
無段階の調光器がついているので、ちょっと明るくしたい・暗くしたい時に自由自在に調節できます。
【キット内容】
- 高さ50cm・幅50cm・奥行50cmの撮影ボックス(LEDライト付き)
- 6色の背景布(黒、白、青、赤、黄色、グレー)
- ディフューザー(拡散布)1枚
- 調光器
- 電源アダプタ
- 電源コード
- 日本語説明書
ボックスのサイズは大型の80cmのものもあります。
参考:撮影ボックス 50x50x50cm 撮影キット FOSITAN 5色背景シート
Konseen 撮影ボックス
超大型の撮影ボックスです。正面から撮影だけではなく、上からも撮影でき多角度からの撮影ができます。
【キット内容】
- 高さ100cm・幅100cm・奥行100cmの撮影ボックス
- LEDライト(4列×96個)
- 3色の背景布(黒、白、青)
- 柔光布1枚
- 収納ケース
- 電源アダプタ
ボックスサイズは他にも60cm,80cmのものがあります。
参考:Konseen 撮影ボックス 大型 100x100x100cm
まとめ
この記事では、撮影ボックスの作り方やクオリティの高い写真を撮るためのポイント、自作が苦手な人に向けて撮影ボックスの選び方、おすすめを紹介しました。
撮影ボックスは100円ショップの材料で自作できます。また、よりハイクオリティな写真にするためには、白以外の背景や機材もそろえるといいでしょう。
自作が苦手な方でも撮影ボックスは購入することができますし、機材を揃えることで、あなたの満足できる写真が撮影可能になります。こだわりの写真を撮りたい方には、撮影ボックスは必須のアイテムです。