海外商品を日本へ輸入する際に関税はいくらかかる?

最近では、日本に居ながら海外の通販サイトで簡単にショッピングが楽しめるようになりました。そのため、外国から商品を日本へ送ってもらう人も増えています。しかし、日本へ商品を輸入するには関税を支払わなければなりません。

そこで今回は、日本へ商品を輸入する際にかかる関税について紹介します。

目次

税関で支払わなければならない費用

海外で商品を購入して日本へ輸入しようとすると、税関では「関税」「消費税」「通関手数料」を支払わなければなりません。支払うべき金額は一定ではなく、商品によって関税率も異なります。

通関手数料

日本へ輸入する商品が課税対象となった場合、通関手数料と呼ばれる手数料を支払う必要があります。通関手数料は荷物1つあたり200円です。

商品によって異なる関税率

日本へ輸入しようとしている商品に関税がいくらかかるのかは、税関のホームページで確認できます。例えば、「ビーチパラソル」は通常6.4%の関税がかかります。

参考:税関「実行関税率表」

また、輸入申告書の品名欄の課税価格が20万円以下の場合は、輸入申告書に「少額貨物簡易通関扱い」と表示し申告することで、簡易な手続きが可能になります。

参考:税関「少額輸入貨物の簡易通関扱い」

個人使用か商業目的か

個人使用目的か、商業目的かで税関での扱いが異なります。個人使用の目的で商品を輸入する場合は、関税の免除制度の対象になる可能性があります。

商業目的での商品の輸入

商売目的で商品を輸入する場合の関税について紹介します。

日本のオークションなどで転売するつもりで海外から物品を輸入した場合は、「商業目的」になります。

関税額の計算方法

商業目的で商品を輸入する場合の関税額は、以下の計算式で算出できます(保険をかけている場合は保険料が商品価格と国際送料にプラスされます)。

関税額 = (商品価格+国際送料+保険料)× 関税率

商業目的では免税対象にはならない

個人使用目的の場合は免税の対象になることがありますが、商業目的の場合は免税対象にはなりません。

課税価格と関税率

商品を日本へ輸入する場合は、課税価格・商品の種類・輸入元となる国の違いによって関税率が異なります。

課税価格とは

課税価格とは、課税対象となる金額のことです。例えば、100円の商品を購入する場合の消費税で考えてみましょう。消費税が10%の場合、消費税は100×0.1=10円と計算します。この場合、100円が課税価格です。

では、200円の商品に関税率が10%かかる場合を考えてみましょう。200×0.1=20なので、関税は20円かかります。

次に、2,000円の商品の場合は、2,000×0.1=200なので、関税は200円かかります。このように、商品価格によって支払わなければならない関税額は異なります。

また、単純に商品価格だけが課税価格となるのではなく、商品価格に送料や保険料がプラスされた分が課税価格となることも覚えておきましょう。

商品によって関税率は異なる

日本へ輸入する商品によっても関税率は異なります。単純に商品の種類だけでなく、使用する目的や材質によっても細かく設定されています。例えば、ブーツの場合は、ゴム製か革製かによっても、また靴底がゴム製かプラスチック製かによっても関税率は異なります。

つまり、輸入する商品の品目だけでなく、その材質もきちんと調べておく必要があるということです。

輸入元となる国によって関税率が異なる

同じ商品でも、どこの国で製造されたものかによっても関税率は異なります。例えば、煎られたコーヒーの場合、スイス製は3.0%ですがベトナム製だと8.1%の関税がかかります。

このように、輸入を行う場合は、その商品が作られた国にも配慮する必要があります。

個人使用目的の場合

個人使用目的であっても、商品を輸入する際は関税と消費税がかかります。関税の計算方法を確認しておきましょう。

関税と消費税がかかる

個人的に商品を輸入する場合、「関税なんて、会社が大量に商品を輸入するときにかかるものでしょ」と思ってしまいがちですが、たとえアメリカ版Amazonで個人的に商品を買った場合でも税関を通る際には関税と消費税がかかります。

課税価格の計算方法

では、関税について詳しく見ていきましょう。個人使用目的の場合は、商品価格の60%が課税価格になります。そして、課税価格が1万円以下であれば関税と消費税は免除されます。

もし、60%つまり商品価格に0.6を掛けた金額が1万円以上になった場合は関税と消費税がかかります。

消費税がかかる

関税がかからない商品の場合でも、商品価格に0.6を掛けた金額が1万円以上であれば消費税はかかります。ちなみに、消費税額は日本国内で購入する場合と同じです。

消費税の詳細な計算方法

2021年3月現在の日本の消費税は10%です。その内訳は、国税部分7.8%、地方税部分2.2%です。税金の計算は、国税部分と地方税部分をそれぞれ計算する必要があります。例えば、20万円の商品を輸入するとして、関税率10%で計算します。

【課税価格】

20万円×0.6=12万円

【関税】

12万円×0.1=12,000円

【国税消費税】

(12万円+12,000円)×0.078=10,296円

端数処理すると、20万円の商品に対して10,300円の国税消費税がかかることになります。

次に、地方税部分を計算しましょう。

【地方消費税】

10,300円×22/78=2,905円

端数処理すると、地方消費税は2,900円かかることになります。2つの消費税を合計すると、13,200円です。

税額合計は、以下の通りです。

13,200円(消費税)+12,000円(関税)=25,200円

個人輸入の場合の免税枠

個人で輸入する場合の免税枠について解説します。海外で購入した商品が免税対象になる可能性もあるので、免税対象かどうかしっかり確認しておきましょう。

免税対象となる条件

海外で購入した商品1つの合計金額が1万円以内なら免税対象になります。荷物一つに4,500円の商品が2つ入っている場合も、合計1万円以内なので免税対象です。

少額輸入貨物扱い

課税価格が20万円以下の場合は、少額輸入貨物扱いとされ、簡易税率が適用されます。簡易税率に関しては税関のホームページに記載されているので、輸入したい商品の税率を確認しておきましょう。

参考:税関「少額輸入貨物の簡易通関扱い」

関税・消費税がかからない条件

個人使用目的であれば、商品金額に0.6を掛けた金額が1万円以下であれば税金がかかりません。つまり、商品金額が16,666円以下であれば関税も消費税もかからないということです。

例えば、15,000円の商品を輸入する場合は、15,000円×0.6=9,000円なので、非課税です。

しかし、たとえ個人輸入だとしても他の誰かに売るつもりの場合は免税対象にはならないので注意してください。

関税と消費税は商品金額による

商品の種類によっても関税率は異なります。自分が輸入しようとしている商品の関税率がいくらなのか予め確認しておきましょう。

関税と消費税を回避する方法

個人的に海外から商品を輸入する際の課税を回避するには、数回に分けて注文するという方法があります。例えば、1万円の商品を3つ購入する場合、一つずつ別々に注文し、それぞれ分けて発送してもらうという方法です。

1万円の商品なら関税も消費税も免除になるのでお得な感じはします。

ただ、複数に分けて発送してもらうと、発送の度に送料がかかってしまいます。普通にまとめて発送してもらった方が結果的に安くあがる場合もあるので注意してください。

関税と消費税の免除に関する注意点

個人輸入では、本来なら課税されないはずなのに課税されていた、ということがあります。

海外の通販サイトでは、割引クーポンが発行されることがあります。例えば、日本円にして19,000円の商品が30%オフクーポンを使用して13,300円で購入できたとします。通常ならば、13,300円の商品では関税と消費税が非課税になります。

しかし、税関に提出されるインボイスにクーポン適用前の価格(19,000円)が記載されていたために関税と消費税が賦課された、ということもあるのです。

この場合、後日税関に連絡して実際に支払った金額を証明できれば、支払済みの関税・消費税が返金されます。

安心できる個人輸入をしよう

今回は、海外から商品を輸入する場合の関税について解説しました。販売目的か個人使用目的かによって、関税は変わってきます。また、個人使用目的の場合、金額によっては免税対象になることもあります。

いずれにしても、自分が輸入しようとしている商品にいくら関税がかかるのか予め計算し、安心して個人輸入を行えるようにしましょう。

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この記事を監修した人

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