この記事では、Yahoo!ショッピングで買い物をする際に、複数のYahoo!JAPAN ID(以下、アカウント)を利用する方法や、複数のアカウントを利用するメリットとデメリットなどについて解説していきます。
Yahooショッピングで普通に買い物をするだけなら、アカウントは一つあれば十分です。しかし、せどりをしているような場合は、プライベート用とせどり用のアカウントを使い分けた方が便利なときもあります。
「複数のアカウントが使えたら便利だろうなぁ」と思ったことがある人は、是非この記事を最後まで読んでみてください。
複数のアカウントを使用する際の注意点
Yahoo!ショッピングで複数のアカウントを作成すること自体はできます。しかし、後で解説するように、複数のアカウントを使用していることが発覚すると、ポイントの付与対象から外されたりします。
また、Yahoo!JAPANの利用規約では、「真実かつ正確な情報を登録」することが利用者の義務とされており、「ほかのお客様のIDを使用してサービスを利用する行為」は禁止されています。そのため、他人の名義を使って複数のアカウントを作成すると規約違反となるおそれが生じます。
規約違反に対しては、一部サービスの停止や、アカウント削除といった措置が科されるため、他人の名義を使って複数のアカウントを作成するのは注意が必要です。
もっとも、規約には複数のアカウント登録を前提とした記述もあることから、複数のアカウントを作成すること自体は直接には禁止されていないと考えられます。そこで、以下では、複数アカウントの運用が露見するのを防ぐために注意したい点について解説します。
携帯電話番号を複数用意する
Yahoo!JAPAN IDを作成するには、携帯電話番号が必須です。
もっとも、同じ携帯電話番号を使って2つ目のIDを登録した場合、1つ目のIDの登録情報にある携帯電話番号は削除されます。そうなるとYahoo!JAPANにログインすることができなくなるので、複数のアカウントを保持して運用したいのであれば、携帯電話番号を複数用意しておきましょう。
なお、アカウントの登録については、Yahoo! JAPANのヘルプページも参照してください。
不審に思われかねない大量注文は避ける
複数アカウントの運用が発覚するのは、基本的に注文を受けたショップからです。普通なら1つしか買わないような商品を一度に大量に買ったりすると、アカウントのデータを確認されて、複数アカウントの運用が発覚しやすくなります。
また、ポイントの大量獲得を目的に複数アカウントを運用する場合、ポイント上限に達するまで買い物をした方が効率的ではありますが、これをやってしまうと複数アカウントを保持している事実が発覚しやすくなります。
ショップに不審感を抱かせるような買い方はしないように気を付けましょう。
複数のアカウントを使って同じショップで注文しない
複数のアカウントを使って同じショップで注文するのも避けるべきです。
せどりをしていると、同じ商品を数多く仕入れたいという場合もあるでしょう。このような場合は、時期をずらして買ったり、色々なショップからバラバラに買うようにしたりして、複数のアカウントを使っていることが発覚しにくい買い方を心がけましょう。
それぞれのアカウントで登録情報を変える
複数のアカウントを作成するときは、登録する情報を可能な限り変えるようにしましょう。氏名や住所などは、家族や親戚、友人などに協力してもらって、できるだけ違う情報で登録するようにしてください。
同居している家族の姓が同じ場合は、ショップ側には同じ名字や住所が注文者として表示されることになりますから、形式的には他人の名義でも不審に思われてしまいます。できれば、名字や住所が異なる親戚に協力してもらった方がいいでしょう。
Yahoo!ショッピングをせどり用の仕入れに使うメリット
ここでは、アカウントの話からはそれますが、Yahoo!ショッピングでせどり用の仕入れを行うメリットについて解説します。
ポイントが沢山もらえる
Yahoo!ショッピングでは、商品を購入するとポイントがもらえます。以前はTポイントだけでしたが、現在はPayPayで付与されるポイントの方が多くなりました。
ストアポイントとして商品価格の1%のTポイントが、PayPayはストアボーナスとして商品価格の1%~14%が付与されます。
出店数・商品点数ともに多い
Yahoo!ショッピングの店舗数は51万店舗以上、商品点数は2.7億品以上にもなります。
おかげでYahoo!ショッピングならいろいろと比較した上で仕入れる商品を選ぶことができます。せどりをするにあたって、商品の豊富さは重要なポイントです。
商品を注文するにあたっての安心感が違う
せどりの仕入れ先としては、ヤフオク!のようなオークションサイトや、メルカリのようなフリマサイトもあります。しかし、この手のサイトには素人が出品しているため、販売者の信頼性に不安があります。
しかし、Yahoo!ショッピングの場合は、出店にあたって法人の場合は法人登記、個人事業主の場合は開業届の写しや納税証明書の確認が行われているため、素性が確かでない会社や人が出店していることはありません。
出店者の素性が確かなのもYahoo!ショッピングのメリットとなっています。
Yahoo!ショッピングで仕入れるデメリット
Yahoo!ショッピングにはデメリットもあります。そのため、メリットだけでなくデメリットも吟味した上で仕入れ先として利用するべきかを判断する必要があります。
Yahoo!プレミアムの会員になると月額会員費が発生する
Yahoo!プレミアムの会員になると、月額462円の会員費が発生する点はデメリットです。
しかし、Yahoo!プレミアムの会員になると、通常のTポイント1%に加えて、PayPayボーナス2%の特典が付く点は見逃せません。
そのため、せどりの仕入れ先としてYahoo!ショッピングを使う場合は、会員費分を取り戻すのは難しくないので、プレミアム会員になっておいた方がお得です(しかも、最大6カ月間は、月額会員費が無料)。
プレミアム会員になると、返品補償や破損補償が含まれる「あんしん補償」が使えたり、ヤフオク!のシステム利用料がお得になったりといった特典も付いてきます。
なお、Yahoo!プレミアム会員については、こちらのページも参照してください。
商品価格は、他のECモールと大差ない
販売価格の面でYahoo!ショッピングとAmazonとで差がないのも、デメリットと言えばデメリットです。各出品者は他のサイトと比較した上で値付けをするものなので、どのサイトでも相場が似通ってくるのです。そのため、最安値の商品を探したいのであれば、Yahoo!ショッピングにこだわる必要はありません。
ただ、Amazonと比べてYahoo!ショッピングはポイントの付与率が高いので、ポイントを計算に入れるのであれば、Yahoo!ショッピングのほうが分があるでしょう。
複数アカウントが発覚した場合のペナルティ
複数アカウントの話に戻りましょう。ここでは複数アカウントの運用が発覚した場合のペナルティについてお話します。
クーポンブラック、ポイントブラックとは?
複数アカウントを運用するメリットは、なんと言ってもそれぞれのアカウントでポイントが取得できることです。
例えば、ポイントが5%付くキャンペーンで30万円分の商品を購入するとします(付与されるポイントの上限は5000ポイント)。
1つのアカウントだけで購入すれば、上限の5000ポイントまでしかポイントはもらえません。しかし、これを10万円ずつ3つのアカウントで購入すれば、合計1万5000ポイントがもえることになるわけです。
しかし、複数のアカウントの運用が発覚すると、クーポンの使用ができなくなったり、ポイントの付与が停止されたりすることがあります。これが、いわゆるクーポンブラック、ポイントブラックと呼ばれる状態です。
ブラックになる理由
クーポンブラックやポイントブラックとなる原因には様々ありますが、その代表が複数アカウントの利用です。
複数のアカウントでクーポンを利用するとクーポンブラックに、また、複数のアカウントで同じキャンペーンにエントリーするとポイントブラックになったりするのです。
基本的にブラック状態は解除されない
ネット上にはクッキーを削除すればブラック状態が解除されるという書き込みもあるようですが、確実な情報ではありません。また、半年から1年程度で自動的に解除されるという書き込みもあるようですが、こちらも真偽のほどは不明です。
Yahoo!側にはあえてブラック状態を解除するメリットはないことから、解除されることはないと考えた方がいいでしょう。
ブラックになってしまったアカウントは諦めて、新たにアカウントを作成した方が建設的です。
新たにアカウントを作成する際の注意点
ただ、新たにアカウントを作成する場合は、従来のアカウントと関連した情報を登録してしまわないよう注意してください。
古いアカウントを作成する際に使った端末を使わないとか、同じクレジットカードを登録しないとか、電話番号を変えるといった対策が有効です。クレジットカードを新たに作るのが難しい場合は、デビットカードを登録しておきましょう。
複数アカウントが原因でブラックになった事例
ここでは、実際にどのような買い方をするとクーポンブラック・ポイントブラックになるのか、その実例をご紹介します。
なお、クーポンブラックとポイントブラックは一応別の概念ですが、実際にはクーポンが利用できないときはポイントも付かないので、あえて区別する必要はありません。
かつては大量のポイントが貰えた
Yahoo!ショッピングには「5のつく日キャンペーン」というものがあります。毎月定期的に実施され、通常以上にポイントが付与されるので、せどりをする人にとっては見逃せないキャンペーンとなっています。
現在はTポイント1%とPayPayボーナス2%の合計3%の付与率ですが、以前は5のつく日キャンペーンで10%以上のポイントが付いていました。そのため、複数のアカウントで商品が順調に売れていれば、売り上げに加えて数万~十数万ポイントをゲットすることもそれほど難しくなかったのです。
調子にのっていると悲劇が……
しかし、複数のアカウントを使っていると、ある日突然、以下のような表示が現れたりするのです。
表示自体はクーポンが使用不可になったことしか書かれていませんが、こうなるとポイントも付きません。
もっとも、クーポンが使用不可になったことに伴ってポイントが付かなくなるだけで、アカウントが削除されたわけではないので、そこまで重いペナルティとは言えませんが、せどりを続ける上では大きなマイナスです。
こうなるとYahoo!ショッピングでせどりを続けること自体はできますが、ポイントの大量ゲットは望めません。
ブラックになってしまったら
このような事態を避けるためには、登録する情報をできるかぎり全部違うものにして複数アカウントの運用に気付かれないようにするしかありません。
その他には、Yahoo!ショッピングで複数のアカウントを運用するのは諦めて、楽天市場などの他のネットショップを利用するという方法もあります。
複数アカウントの運用で逮捕された事例も
これまで見てきたように、複数アカウントの運用に対するペナルティは、「クーポンが使えない」「ポイントが付かない」といったものが中心です。
刑事事件にまで発展することはほとんどありませんが、あまりに悪質な場合は、警察に逮捕されることもあります。
実際にあった事例
実際に逮捕にまで至った事例としては、複数のアカウントを使ってTポイントを騙し取ったというものがあります。電子計算機使用詐欺の事例です。
正確には、Yahoo!ショッピングではなくヤフオク!の事例ですが、落札者にポイントが付与されるキャンペーンが実施されていた際に、複数のアカウントを利用して、自身で出品と落札を繰り返して、不正にTポイントの付与を受けたというものです。
このときは、被害金額も大きく手段も悪質だったため逮捕にまで至りましたが、基本的には刑事事件にまで発展することはないはずです。ただ、複数アカウントの運用には、こういったリスクもあることは知っておいた方が良いでしょう。
複数アカウントの運用は慎重に!
Yahoo!ショッピングで複数のアカウントを運用する方法や、複数アカウントの運用が発覚した場合のクーポンブラック・ポイントブラックについて解説してきました。
アカウントの作成に携帯電話番号が必須になったこともあって、現在ではYahoo!ショッピングで複数のアカウントを作成することは難しくなりました。
ブラックになるリスクもありますから、複数アカウントの運用は慎重に行いましょう。