ヤフオクを利用していると、様々な理由から落札や出品をキャンセルする、もしくはキャンセルされるというケースはよく見られます。
せっかく落札されたのに、相手からキャンセル依頼が来ると戸惑ってしまうかと思います。また、キャンセルの方法がよくわからないという方もいるかもしれません。
さらに、キャンセルをした場合、落札手数料や取り消し手数料がどうなるのかが不安になる方も多いでしょう。もし対応を間違えれば、相手側とのトラブルにもつながりかねません。
そこで今回は、ヤフオクでのキャンセルの方法や手数料の取り扱い、ヤフオクを落札者都合でキャンセルする際の注意点などについて詳しく解説します。ぜひ参考にして、ヤフオクでのビジネスやショッピングに役立ててください。
ヤフオクのキャンセル事情
ヤフオクのキャンセルには、「入札者側からのキャンセル」と「出品者側からのキャンセル」の2種類があります。一体、どのような理由によってキャンセルにつながっているのでしょうか。
まずは、2種類それぞれのケースについて具体的に解説していきます。
入札者側からのキャンセル
入札者側の主なキャンセル理由は以下の通りです。
- サイズなど細かい内容をよく確認せずに入札した
- 同じ商品でより条件の良いものが見つかったために購買意欲がなくなった
- 予定よりも高い値段で入札をしてしまい、金銭面の都合がつかなくなった
- 出品者評価を見て不安を感じた(低評価・評価0など)
入札者側の都合(落札者都合)によるものが多いですが、出品者側のヤフオク評価が著しく低い場合は、キャンセルするのも仕方がないと言えるでしょう。
出品者側からのキャンセル
一方、出品者側からのキャンセルにはどのような理由があるのでしょうか。以下に主な理由を列挙しました。
- オークション終了後に商品に汚れや傷などが見つかった
- オークション終了後に商品が破損、紛失した
- 譲ってほしいという人が現れたり、家族に反対されたりなどして販売意欲がなくなった
- 多重出品していて、他サイトで良い条件で売れた
- 購入意思のない入札者に落札金額を吊り上げられるなどの嫌がらせ行為をされた
以上、入札者・出品者それぞれのキャンセルのケースを解説しました。いずれの場合も、自分勝手な都合によるキャンセルは取引相手に大きな迷惑がかかります。入札や出品は、「購入・販売が前提」ということをしっかり踏まえて取引を行いましょう。
ただし、出品者としては、オークション終了後に商品の欠陥を見つけても編集ページにおいて内容の修正・削除ができないため、やむを得ず出品自体を取り消さざるを得ない場合はあります。
また、入札者による嫌がらせ行為をストップさせるために出品をキャンセルすることもあるなど、勝手な都合による取り消しばかりではないのが現状です。
ヤフオクのキャンセルの手順と注意点
ヤフオクの取引キャンセルは、場合によっては取り消し手数料がかかることもあります。それを知らずに何度もキャンセルを行っていると、支払い額が増えてしまう場合もあるので要注意です。
そこで、この項目ではヤフオクのキャンセルの手順とその注意点について紹介します。キャンセル方法をしっかり把握して、無駄な出費を抑えましょう。
オークションをキャンセルする際の手順
ヤフオクでオークションをキャンセルを行う際の手順は以下の通りです。
まずはヤフオクにログインしてください。その後、「マイ・オークション」→「出品中」と進みます。
キャンセルする商品を選択し、「管理する」→「オークションの取り消し」の順番でクリックします。
「このオークションを本当に取り消しますか?」という確認画面が表示されるので内容をよく確認しましょう。
内容をよく確認し、「取り消す」ボタンを押したら、オークションのキャンセルが完了します。
参考:ヤフオク
入札者が1人でもいればキャンセル料がかかる
オークションをキャンセルする場合、入札者が1人でもいればキャンセル料がかかります。この点についてはのちほど内容を詳しく説明します。
もしキャンセルをペナルティなしで自由に行える状態にしていれば、取引相手に迷惑がかかるばかりか、オークション自体が成立しなくなってしまいます。そのためヤフオクでは、入札者が1人でもいる場合は、商品1品に対してキャンセル料を設定しているのです。
しかし、このようにキャンセル料を設定しても、何度も繰り返しキャンセルを行うような迷惑なユーザーが一定数いるのが現状です。このような迷惑ユーザーは実に厄介な存在ですが、迷惑ユーザーに遭遇した場合は、ヤフオクのシステムを利用してしっかり対処することをおすすめします。このシステムについても後ほど詳しく説明します。
入札者がいない場合は?
入札者がいない場合は、キャンセル料はかかりません。
また、ウォッチリストに入っている商品であっても、誰も入札・落札をしていなければ自由にキャンセルできます。また、値下げ交渉中の場合も、キャンセルが行われると交渉が中断されます。
ヤフオク手数料の種類とキャンセル時にかかる料金
ヤフオクには様々な手数料がありますが、主なものは以下の3種類です。
- 出品システム利用料
- 落札システム利用料
- 出品取消システム利用料
キャンセル時にはこれら手数料はどのようになるのでしょうか。
この項目では、上記手数料の内容と、キャンセル時に必要となる具体的な価格について詳しく解説します。
出品システム利用料
出品システム利用料とは、商品を出品したときに発生する手数料です。
ただ、ヤフオクでは、出品するだけなら基本的に利用料はかかりません。しかし、車両を出品する場合は、3,080円の手数料が発生します。 詳しくはヤフオクのホームページで確認してください。
落札システム利用料は、出品したオークションが落札されたときに発生します。利用料は以下のようになります。
落札システム利用料
- プレミアム会員:落札価格の8.8%(税込)
- 非プレミアム会員:落札価格の10%(税込)
落札後に取引がキャンセルされた場合は、取引終了から14日以内に落札者削除を行えばこの利用料がかかることはありません。
出品取消システム利用料
出品取消システム利用料は、入札者がいる取引をキャンセルしたときに発生するもので、1出品ごとに550円(税込)となっています(車両を出品する場合は1件ごとに3,080円)。
それでは、以下の条件でキャンセルする場合、合計でどのくらいの取り消し手数料がかかるのか見てみましょう。
- プレミアム会員
- 10,000円の商品
- 取引終了後、落札者削除をせずに15日経過
以下のように、なるべく早く取り消し手続きを行うことでキャンセルにかかる手数料を節約できることがお分かりいただけると思います。
- 落札システム利用料:880円(オークション終了後、落札者削除をせずに15日経過しているため、落札額の8.8%の手数料がかかる)
- 出品取消システム利用料:550円
- 合計:1,430円
なお、各種手数料の詳しい内容は、ヤフオクのヘルプに記載されているので参考にしてください。
参考:ヤフオク ヘルプ
ヤフオクでキャンセルする場合の5つの注意点
ヤフオクでのキャンセルは、場合によっては評価が下がったり、取り消しを受け付けられなかったりすることがあるため注意が必要です。
一体、どのような行為がそのような結果を招くのでしょうか。
この項目では、ヤフオクのキャンセルを行う上で注意すべきポイントについてご紹介していきます。
「悪い」評価がつく可能性がある
ヤフオクは、キャンセルを行っても出品者・落札者共に任意で双方を評価できます。そのため、一方的なキャンセルや代金の支払いをしないなど取引が正常に進まなかった場合、相手から「悪い」評価をつけられる可能性があります。キャンセルの場合でも、最後までしっかり丁寧に対応しましょう。
落札者から「非常に悪い」の評価をつけられることがある
中には、自分の都合でキャンセルしたにもかかわらず、落札者都合によるキャンセルとして処理する出品者もいます。
その結果、相手から「非常に悪い」の評価をつけられることもあり、最終的には自分もかなり損をすることになります。そのため、このような行為はやめたほうが無難です。
出品の削除処理ができない場合がある
落札者がいる取引をキャンセルする際、以下のような事情がある場合は、出品の削除処理ができないときがあるので気を付けましょう。
- オークション終了から14日以上が経過している
- 落札者が「Yahoo!かんたん決済」で入金を完了した
落札者の削除ができない場合がある
また、落札者削除の手続きは、以下の場合は行うことができないので注意してください。
- 落札者が「Yahoo!かんたん決済」の処理中または支払いを完了している
- オークション終了後14日が経過した
商品発送後は編集ページからのキャンセルはできない
商品発送後には、ヤフオクの編集ページからキャンセルすることは不可能です。この場合は、キャンセル対応を出品者と落札者で直接行う必要があります。
キャンセルの際には様々な細かい注意点があるので、よく内容を理解してから行うようにしましょう。
また、キャンセル後の無用なトラブルを回避するためにも、出品者側は商品説明に「ノーリターンノークレーム(返品・クレームは受け付けません)」と提示しておき、出品者側の重大な欠陥による返品以外は受け付けない意思を表明しておくのも良い方法です。
落札後の意図的なキャンセルを未然に防ぐには?
出品者にとっては、落札後のキャンセルはダメージが大きいものです。中には最初から購入する気のない悪質なユーザーも存在し、このようなユーザーの標的になった場合、ビジネスにも悪い影響を及ぼしかねません。
そこで、この項目では落札後の意図的なキャンセルを未然に防ぐ方法をご紹介します。ぜひ参考にしてください。
入札者の制限システムを利用する
ヤフオクで取引をしていると、落札後に何度もキャンセルしたり、落札価格を吊り上げたりして他のユーザーの入札を邪魔するようなユーザーも中にはいます。
このような入札は「いたずら入札」と呼ばれ、出品者に多大な迷惑をかけることになります。
いたずら入札を防ぐためには、ヤフオクの「入札者の制限」というシステムの利用がおすすめです。
このシステムでは、「評価が非常に低い」「SMS認証なし」などのユーザーによる入札を制限できます。
なお、この入札者の制限は、出品時の取引オプションで設定可能です。
ブラックリストに登録する
ヤフオクには、「ブラックリスト」と呼ばれる取引したくないユーザーを登録できるシステムがあります。
ブラックリストに登録すると、相互に「入札」「質問」「値下げ交渉」ができなくなるため、相手との関わりを極力避けられるようになります。
もし、嫌がらせをしてくるユーザーがいれば、迷わず登録しておきましょう。
なお、このブラックリストへの登録は相手に通知されることがないので安心して行ってください。
ヤフオクを落札者都合でキャンセルすると相手に迷惑がかかることを考慮し慎重に行おう
今回は、ヤフオクでのキャンセルの方法や注意点についてご紹介しました。
ヤフオクでキャンセルすること自体は簡単ですが、相手に迷惑がかかる場合が多いので、キャンセルは慎重に行う必要があります。特に落札者都合は低評価を付けられてしまう可能性が高いです。キャンセルはマナー違反であるという意識を常に持つことが重要です。
入札者の方は取引前にしっかり商品の説明を読み、ヤフオク入札後に「こんな商品とは思わなかった……」ということがないように心がけましょう。
一方、出品者の方は、商品の管理をしっかり行い、破損や紛失などで出品をキャンセルせざるを得なくなるような事態が生じないように気を付けてください。
さらに、出品者の方は、キャンセルする際にその理由が「出品者都合」なのか「落札者都合」なのかを明らかにしなければなりません。キャンセル後に出品者・落札者双方に任意で評価をつけることが可能です。落札者から「悪い」評価をつけられないよう、理由の選択にも注意が必要です。
なお、落札後にキャンセルを繰り返すような悪質なユーザーには入札制限をかけて未然にトラブルを防ぎましょう。
今回ご紹介した情報を参考にして、ヤフオクでの取引を楽しく行っていただけたら幸いです。