近年では、低価格と品揃えの良さから、中国の通販サイトを利用する人が増えています。
しかし、中国から日本まで到着に時間がかかることもあり、不安に思うことも事実です。
海外通販サイトでの買い物は、主に国際郵便を利用しますが、その種類によって配送日数や料金が異なります。
事前にその特徴を知っておくと、少しでも不安を解消できるでしょう。
また、日本から海外へ荷物を送りたいときにも、国際郵便は多く使われています。
この記事では、国際郵便サービスの各特徴と、中国から日本へ配送される際の注意点を解説します。
荷物追跡するときのポイント
海外通販サイトで買い物をした際、多くの人は荷物追跡をするのではないでしょうか。
海外から荷物が無事に届くか不安に思うこともあるでしょう。
特に初心者の人は、勝手がわからず、とまどうこともあるはずです。
安心して利用するために、まずは2つのポイントを知っておきましょう。
追跡が可能になるのはいつ?
販売者は荷物を郵便局に預ける前に、追跡番号を教えてくれることが多いです。
しかし実際に追跡が可能となるのは、販売者が郵便局に荷物を差し出し、郵便局のコンピューター処理が終わってからとなります。
また、繁忙期では追跡番号がわかってから、追跡可能な状態になるまで10日以上かかるケースも見られます。
そして販売者によっては追跡番号を発行してから、すぐに郵便局に持っていかない人もいます。
いくら待っても検索できない場合は、販売者に問い合わせてみるといいでしょう。
追跡画面の表示に注意
追跡画面で、国際交換局から発送したと表示があるにもかかわらず、なかなか商品が届かないことがあります。
または、以前購入したときと、届くまでの日数が異なるということもあります。
このとき購入者が注意するポイントは、追跡画面の表示です。
国際交換局から発送されたと表示があっても、荷物が日本に向かっている状態ではありません。
この表示は、発送準備が終わって倉庫で保管していることを表しています。
そこから日本行きの便に乗せる予定等は表示されない仕組みとなっています。
繁忙期やセール期間中などは荷物の数が多く、なかなか日本便に乗らないこともあります。
こういう場合に、表示が出てから日本に届くまで、長くかかってしまうということです。
また、以前と同じ注文だとしても、そのときの状況によって、日本に届くまでの差が生まれてしまいます。
国際郵便サービス6つの特徴
郵便局が提供する、国際郵便サービス6つを紹介します。
それぞれの特徴を知って、最適な方法を利用しましょう。
また、郵便局のサイトで送り先と荷物の詳細を入力すると、料金や配送日数が一覧で表示されます。
それぞれ比較できるので、ぜひ利用してみてください。
EMS
EMSはExpress Mail Serviceの略で、日本では「国際スピード郵便」と呼ばれます。
EMSの特徴は、国際郵便のなかでも最速配送が特徴です。
アジア圏だと2~4日程度で届きます。
さらに、世界120以上の国や地域に送ることができます。
損害賠償制度が充実していて、最高200万円の損害賠償額が設定されています。
損害賠償額が2万円を超えると、2万円ごとに50円の追加料金がかかりますが、万が一のことを考えると安心のシステムと言えます。
荷物は重さ30㎏まで、長さ1.5mまたは横周り3m以内という制限が設けられています。
国によっては、その制限に当てはまらないこともあるので、取引国の状況を事前に調べておきましょう。
また、社会情勢によって日本から仕向けできないもの、発送国から日本仕向けの発送ができないことがあります。
状況に関しては郵便局に問い合わせるとわかります。
国際eパケット
国際eパケットは、EMSよりも低価格で荷物を送ることができます。
2kgまでの小型小包で、航空便扱い書留付きなら、この国際eパケットがおすすめです。
配送日数は4日~12日程になります。
しかし損害賠償額は6000円までとなっているので、注意して利用しましょう。
国際eパケットは「国際郵便マイページサービス」というサイトで、専用ラベルを印刷して発送します。
また、ラベルを入れる専用パウチも、上記のサイトで請求が必要です。
これら一式を、荷物と一緒に窓口に出すことで、国際eパケットとして扱われます。
国際eパケットライト
国際eパケットライトというサービスもあります。
これは国際eパケットよりも、さらに安い値段となっています。
荷物は届け先の郵便受けに入れられるので、不在時でも配達が可能です。
また、荷物制限は2kgまでで、国際eパケットと同様です。
韓国や中国、イギリスやフランス、アメリカなど約40ヶ国に送ることができます。
発送の際には「国際郵便マイページサービス」で、国際eパケットライト専用ラベルを印刷します。
しかし配送日数は2~3週間と長く、損害賠償もついていないので注意しましょう。
SAL
SALはSurface Air Liftedの略で、エコノミー航空便のことです。
日本国内と到着国内は船便扱い、両国間の輸送は航空便となるので、船便より速くて航空便より安いサービスとなっています。
航空便では空きスペースを利用するので、安い値段で配送が可能となります。
また、小包をまとめて利用すると10個以上で10%、50個以上で20%の割引が受けられる点もメリットです。
荷物制限は基本的に30kgまでですが、例外もあるので気を付けましょう。
配送日数は2週間前後と長くかかります。
さらに取り扱い国や地域にも制限があり、韓国やベトナムなど一部の国では利用できません。
UGX
UGXとは、ゆうグローバルエクスプレスの略です。
海外ビジネスに特化したサービスで、複数個口扱いや、EMSの規定を超える荷物を送ることができます。
また、集荷対応もあるので、発送の手間を省くことも可能です。
取り扱い国は、アジア圏では韓国、中国、インドネシアなどがあります。
さらに例外を除いてイギリスやフランス、アメリカなどにも対応しています。
船便
船での輸送は、値段が安いことが特徴です。
専用ラベルに記入して、近隣の郵便局へ持っていくことで利用できます。
しかし、配送日数が1~3ヶ月と長いことはデメリットとなるでしょう。
時間がかかってもかまわないのであれば、船便にするとコストは抑えることができます。
航空便と同様に荷物制限は30kgで、一部例外があります。
国際eパケットの注意点
2kgまでの小型物品なら国際eパケットが有効的です。
EMSより配送日数は少し長いですが、値段が安いので利用しやすいメリットがあります。
ここでは、国際eパケットを利用する際の注意点を解説します。
荷物追跡ができる国、発送できる国は?
国際eパケットで荷物の追跡ができる国が限られています。
アジア圏でも限られた国しか発送できません。
そもそも発送できない国もあります。
日本郵便の「国・地域別の差出可否」から「通常郵便物・航空扱い」の欄を確認しましょう。
また「国際郵便条件表」でも確認ができます。
該当の国名をクリックして、通常郵便物の表を確認します。
「特殊取扱」欄の「書留の取り扱いの有無・その他包有」に「〇」「航空便」の両方の記載があれば、国際eパケットの利用が可能です。
また、現在新型コロナウイルスの影響により、各国・地域あての航空便が減便等の措置を行っているため、発送が出来ない国やサービスがあります。発送の際は「国・地域別の差出可否」を参照ください。
料金は?EMSと比較
国際eパケットはEMSよりも安い送料で利用できますが、実際にどのくらい違うのでしょうか。
たとえばアジア圏に1kgの荷物を送る場合、国際eパケットは1,500円かかります。
EMSの場合は中国・韓国・台湾では2,200円、その他のアジアでは3,150円なので、国際eパケットの方が700~1,650円安いことがわかります。
また、国際eパケットは割引サービスがあり、まとめて荷物を出すとさらに安くすることが可能です。
10通以上で40円、50通以上で50円の割引が適用されます。
新型コロナウイルスの影響によって輸送コストが高騰し、2021年6月1日よりEMS特別追加料金が導入されました。2022年6月1日に新たな地域が追加される等、変更が続いているため想定外の損を出さないように扱う際は必ず確認をしておきましょう。
China Post追跡番号の見分け方
中国の通販サイトで購入した際に、中国側の発送者が利用するのが「China Post(チャイナポスト)」です。
China Postとは中国郵政の国際郵便のことを言います。
この配送方法の場合、販売者から送られてきた追跡番号によって、China Postのどのサービスを利用しているのかがわかります。
サービスによって、配達日数や料金などが違うので、追跡番号がわかったら確認しておくと安心でしょう。
China Post EMS
中国郵政のEMSは、追跡番号の初めの文字が「E」「EA」の場合です。
国際スピード郵便なので、日本に届く日数は最速となっており、3~5日程で届きます。
EMSの荷物は税関で優先的に処理が行われ、さらに土日祝日でも通関手続きが行われているのが特徴です。
また荷物の追跡は、日本郵政サイトでも検索ができます。
参考:EMS配達状況の確認
China epacket
これは、追跡番号の初めの文字が「L」「LO」「LL」の場合です。
日本には7~10日程で届きます。
しかしEMSの荷物が優先して航空便に乗せられるので、後回しにされて到着が遅くなることもあります。
また、配送料金はEMSより安い設定です。
EMSと同様に、日本郵政の追跡画面で検索が可能となっています。
普通航空小包
この配送方法は追跡番号が「U」で始まります。
値段は安いですが、配送日数が長く、手元に届くまで2週間から1ヶ月程要します。
さらに長い場合は、2ヶ月かかることもあります。
これは、日本向けの航空便とのマッチングを待つ必要があるからです。
各地域の空港から、どのような空路を利用して日本に到着するか知ることはできません。
また、追跡が有効なのは中国国内まで。出国してからは検索ができません。
追跡番号検索から到着まで
続いては実際に追跡番号を検索して、荷物が届くまでを説明します。
中国の通販サイトで購入し、China Postで送られてくる場合は、どのようなことに注意する必要があるのでしょうか。
また、China Post以外の配送方法もあるので、追跡番号をよく確認することが大切です。
海外サイトでの追跡番号検索
China Postの追跡番号を検索できるサイトはいくつかあります。
どのサイトでも、追跡番号を入力すると、荷物の現在の状況が表示されます。
上記の3つはすべて日本語対応可能です。英語が苦手な人も安心して使えるでしょう。
国内サイトでの追跡番号検索
日本郵便のサイトからも追跡が可能です。
検索方法は、海外サイトと同様に、追跡番号を入力するだけです。
しかし日本郵便のサイトでは、China Postの追跡番号が反映されるまでに数日~数週間かかることがあります。
そのため、まずは海外サイトで検索するほうが有効的です。
中国のどこから発送するかチェックしておこう
中国からの発送でも、どこを経由するかで到着までの日数が変わってきます。
まず、通関業務を行っている郵便局を経由する必要があります。
北京市や深圳市は通関業務を行っているので、日本まで4~10日程で届きます。
通関業務のない西安市などは、まず北京市の郵便局へ移送されるので、その分、日本への到着は遅くなります。
しかし通関業務のある都市からでも、場合によっては、数週間かかることもあるので、上記の日数は目安としてとらえておきましょう。
China Post以外の場合
中国からはChina Post以外の配送方法もあります。
これは追跡番号の末尾の文字で、判断することができます。
China Postの場合は、追跡番号の末尾が「CN」です。
そして末尾が「YP」の場合はYanwenという配送業者で、主に台湾などの他国を経由して配送されます。
「SG」の場合は、シンガポールポストという郵政業者による配送で、シンガポール経由となっています。
つまり追跡番号を確認して、末尾が「CN」以外であれば他国経由となるので、日本へ届くのは遅くなるでしょう。
日本へ到着してからは?
追跡画面で日本へ到着と表示されても、通関しなければ手元に届きません。
税関を通って近隣の郵便局まで配送されるには、数日かかる場合があります。
税関検査でなにかしらの問題があった場合や、税関が休みの場合はそこで荷物は止まってしまいます。
しかし税関を通過すれば、ほぼ間違いなく手元に届くので安心していいでしょう。
まとめ
海外通販などで国際郵便を利用する際は、国内郵便と異なる点が多くあり、不安に思うこともあるかもしれません。
追跡番号の反映もしかりで、配送方法によってはお手元に届くまで日数がかかることもあります。
しかしそれぞれの特徴を把握しておけば、慌てず冷静に対応ができるでしょう。
海外へ荷物を送る際も、各サービスをよく比較して最適な方法を選ぶことが大切です。
そして、外国間の輸出入を、トラブルなくスムーズに行いましょう。