ビジネスメールは難しいイメージです。しかし、コツをつかめば簡単で、好印象を与えることが出来ますので、そのノウハウを身につけておきましょう。ビジネスメール次第で良い仕入れ先を見つけられるかどうかの運命が決まります。
初めが肝心!成功するビジネスメールには3つのポイントがある
ビジネスメールは基本的な書き方というものがありますが、その前に好感を持ってもらえるようなメール内容にまとめる工夫も必要です。次の3つのポイントをイメージしながら書くようにしていきましょう。
①メールの件名だけで内容がすぐに分かるものにする
パソコンメールにダイレクトメールがたくさん届きすぎて、どれが重要なメールか確認するのが本当に面倒だという経験はありませんか?今やネット社会ですから、個人でもこのような悩みのある人は非常に多いですね。これが仕事のメールだとすると、本当に1日何十件、さらには何百件なんてこともありえるのです。
こちらが初めてメールするならなおさら相手に読んでもらえるメールにしたいですね。件名に一目で内容が分かるような文章を入れておくと、相手もスムーズに対応できますので、非常に好印象です。
- 「○○のパンフレット送付依頼」
- 「○○の値段交渉の件」
- 「○○の取引依頼について」
さらに、緊急性があるのかないのかも分かると、先方からするとありがたいはずです。
- 文頭に【至急】とつける
- 文頭に【重要】とつける
- 文頭に【〇月〇日までに返信ください】とつける
これをつけるだけで印象が変わりますね。ちなみに「分かりやすく」と言っても、ダラダラと長いタイトルをつけていては相手は困惑します。最低でもスマホからでもタイトルが途中で切れない20文字以内におさめることが大事です。
さらに短く簡潔であるほど分かりやすいので、理想は15文字前後だと覚えておいてください。ちなみにタイトルに「はじめまして」など内容の分からないものをつけると、ウイルスやスパムメールではないかと疑われる場合もあるので注意しておきましょう。
②初めてのメールでもあいさつ文は簡潔に!
初めてのメールだと、自己紹介を詳しくしなければならないイメージもありますが、先方はこれから取引するかどうかも分からない相手の身の上話を聞くほどの時間はありません。詳しくするのは要件に対する説明文のみにしておきましょう。
しかし冒頭のあいさつ文は非常に大事なのは間違いありません。分かりやすく「簡潔に」書きましょう。
「突然のメールで失礼いたします。初めてご連絡差し上げます。(会社名)(部署名)の(フルネーム)と申します。貴社のホームページを拝見し、ご連絡させていただきました。」などと、簡単に会社でどのような担当の仕事をしているか分かるようにしておきましょう。
2回目以降のメールに対して、あいさつ文は「お世話になっております。」の一文だけで十分です。
③メールを確実に読んでもらう為に出来る工夫
メールを開いた時、またはホームページを開いた時、おびただしい文字の数が並んでいて読む気が失せたなんて経験はありませんか?メールに慣れていない人ほど、この失敗は多いです。初めてのメールでこれでは読んでもらえる可能性が無くなってしまうかも知れません。
メールにおいて「読みやすい」ということは非常に重要度が高いのです。
- 2~3行以上は続けず改行をする
- 段落を分けてみる
- 箇条書きなども使ってみる
とにかく要件がすぐ理解できるように、シンプルな内容で、分かりやすい・読みやすいを徹底して意識しましょう。
【ポイントは3つ】好感の持てるビジネスメールが成功につながる
好感の持てるビジネスメールのポイントを押さえたところで、今度はビジネスメールの書き方についてご紹介していきましょう。
- 【宛名】
- 【あいさつ文・自己紹介】
- 【本文・結び】
と項目ごとに確認していきます。
ビジネスメールの書き方①:宛名
メールでも手紙でも宛名を書いたら、とりあえず「様」をつけておけば良いような気がしませんか?伝えたい人に伝えたいことを確実に送るためには、宛名は非常に重要です。ビジネスメールでは最低限のマナーがあり、場合によって書き方が違うこともありますので、しっかりおさえておきましょう。
まず基本は「会社名」+「部署名」+「役職名」+「氏名」+「敬称」です。ここでの間違いは許されません。これから取引したい相手なのに社名を間違えたり、氏名を間違えていては話になりませんね。非常に悪印象でしかないのです。ちなみに株式会社にありがちな「前株」「後株」も大事です。間違いの無いようにしておきましょう。
【個人名が分からず会社の部署あてにメールを送る場合】
○○株式会社 御中
○○株式会社 営業部 御中
のように「御中」を使用します。
【個人名が分かっていてメールを送る場合】
○○株式会社 営業部 佐藤様
大きい会社だと、同じ部署に同じ苗字の人がいる可能性があるので、分かるならフルネームで記載しましょう。ちなみに「御中」と「様」を同時に使うのは宛名を二重に指定していることになり、ビジネスメールとしてはNGです。
【メールの宛名:悪い例】
○○株式会社 営業部 御中 佐藤様
これでは営業部に届けば良いのか、佐藤様でないといけないのかが分かりません。
ビジネスメールの書き方②:あいさつ文・自己紹介
ビジネスメールはいきなり要件から入ると唐突感が出て、失礼な印象になってしまいます。まずは「突然のメール失礼いたします。」や「初めてご連絡させていただきます」などと、初回のメールであることが分かる文章を簡単に入れましょう。
その後に「会社名」「所属部署」「氏名」を忘れずに書きます。
【メール例文】
「突然のメール失礼いたします。○○株式会社 営業 佐藤と申します。」
このような感じで、こちらの情報を簡単に書いておきましょう。この自己紹介を必ず書いて、その流れで要件に入っていきます。
【メール例文2】
「突然のメール失礼いたします。○○株式会社 営業 佐藤と申します。この度は○○の件でご連絡させていただきました。」
このように、あいさつ文や自己紹介文を入れることで、自然な流れで要件に入っていけますし、読んでいても不自然さは感じられません。
ビジネスメールの書き方③:本文・結び
ここから本題に入っていくのですが、最初につけた件名のとおりに、より具体的に分かりやすい文章を心がけて書いていきましょう。箇条書きなどを使用しながら、読みやすい内容にしてください。
メールの最後の結びの言葉も入れると、メール全体が引き締まります。
- 「ご検討くださいますようお願い申しあげます」
- 「ぜひご検討いただきますようお願い申し上げます」
このような言葉が一般的によく使われるので参考にしてください。
参考:仕入れ先への問い合わせメールのやり方、国内・海外共に解説します
【ポイントは3つ】成功する簡潔なビジネスメールの書き方
メールボックスにメールが溜まっていたら、どうしますか?1つ1つメールを開けて確認していく人はほとんどいません。それは個人のメールでもそうだと思います。仕事のメールは、特に時間が決まっているもの、取引先との重要なものなど、確認しなければならないものがたくさんありますよね。
ほとんどの人が、まず「件名と送信者を見ながら重要なものがないか」をザっと確認するはずです。いちいち開かないと内容が確認できないメールは印象が良いとは言えません。件名を見るだけで、緊急性があるのかないのか、どんな内容なのかが分かるようにしておきましょう。
①読みやすく明解なメール文:箇条書きを使用する
ダラダラと自分の言いたいことだけを書いている文字だらけの長文メールがあると、読む気が無くなってしまいます。ビジネスメールは、こちらが読んでほしいものですので、出来るだけ相手に「読んでみよう」という気になるメール内容を目指すべきです。
【成功しないメール】箇条書きなし
弊社は、○○サイトで○○を専門に扱っており、貴社商品である(商品名1)(商品名2)(商品名3)を是非取引させていただきたくご連絡させていただきました。
【成功するメール】箇条書きあり
弊社は、○○サイトで○○を専門に扱っており、貴社商品である次の商品を是非取引させていただきたくご連絡させていただきました。
・(商品名1)
・(商品名2)
・(商品名3)
このように箇条書きにするだけで、どの商品で取引したいと考えているのかが一目瞭然ですね。先方がメールを読み直して商品名を確認しようとしたとき、すぐに見つけられるのです。相手が読みやすいと、検討してもらえる可能性も広がりやすいので、このあたりは上手に使い分けるようにしてください。
②無駄なメールのやり取りは成功を逃す
先方もそうですが、ただでさえ多いメールのやり取りを減らしたいのはこちらも同じです。1つずつ聞いてみるのではなく、要件に対して、こちらの情報は出来る限り先に書いておくのも賢明な方法です。
【成功しないメール】1つずつ聞く
「価格はどのくらいまで下げていただけそうでしょうか」
「○○でお願いいたします。」
「○○で再検討いただけないでしょうか」
「私の一存では決めかねます。上司に相談させてください。」
「分かりました。お返事はいつ頃になるでしょうか」
「〇月〇日頃にお返事します」
「出来れば、その前日の〇日でお願いしたいのですがよろしいでしょうか。」
「分かりました。」
【成功するメール】こちらの情報を先に書く
「大変不躾なお願いではありますが、弊社の取引価格の希望は○○です。また誠に勝手ながら、出来ればお返事は〇月〇日までにいただけたら幸いです。是非前向きにご検討いただきたくお願い申し上げます。」
この内容であれば、いつまでにどの内容で検討してほしいのかが分かります。先方もいつまでに返事をすれば良いのかが明確だと仕事もスムーズになりますので、出来るだけこちらの情報は先に書いておくようにしましょう。
無駄なやり取りがないので、先方もこちらも負担が減ります。
③「返信不要」の気遣いが好印象と後の成功をもたらす
ビジネスメールは、どんな小さなメールでも返信することがマナーでもあります。メールを受け取った相手は、一言でも返信しておかなければと思ってしまいがちですが、返信不要のメールをしたのなら「返信不要である旨」を必ず文中に書いておきましょう。
「このメールは一読いただけたら、返信は不要です」などの一文があれば、先方も気兼ねなくメールを終えることが出来ますね。たった一文ではありますが、相手の負担を減らす意味でも、非常に好印象を与えるものでもあります。覚えておきましょう。
【添付資料がある場合】事前にチェックしておきたい3つとは
メールでは、より詳しい内容をやり取りするために、ファイルを添付することが出来ます。便利な添付ファイルですが、何も考えずに添付していると、場合によっては相手が困惑することもあります。添付ファイルをつける前に必ずチェックしておきたい3つのポイントを押さえておきましょう。
①ウイルス感染していないことを確認する
パソコンは便利ですが、うっかりウイルス感染してしまうと、とんでもないトラブルを起こしかねません。添付したファイルにウイルスが感染していたら、先方の個人情報や社外秘情報が漏洩してしまうなどの甚大な被害を与えてしまいます。
送信する前にウイルス感染がないかのチェックは必ずしておきましょう。無料のツールもありますので、積極的に活用していきましょう。
②相手側の「容量制限」「閲覧できるファイルの種類」などを確認しておく
どんなファイルでも、どんなメールでも添付ファイルをつければ良いのではありません。そもそも自分の使っているファイルの種類が相手のメールで受信可能とは限らないのです。さらに相手が使用しているプロバイダの契約内容によっては、サーバの使用量の制限や一回で受信できる容量制限などもありますので、先に確認しておきましょう。
容量の大きいファイルを添付する場合、ファイル数が多い場合などは、圧縮して送るようにすることをおすすめします。また次のようなファイル形式だと問題なく閲覧できることが多いので参考にしてください。
- Word文書(doc/docx)・Excel文書(xls/xlsx)
- PDFファイル(pdf)
- テキストファイル(txt)
- 圧縮ファイル(zip)
- JPEGファイル(画像)(jpeg/jpg)
③添付ファイルの内容をメールで書いておく
まれに添付ファイルを見逃すことも考えられます。ファイルが添付されていること、またファイルの内容などを文面に記載しておきましょう。
【成功するメール】添付ファイルの種類を明記
・○○開催についてのご案内(doc/docx)
このように添付ファイルの種類が分かるようにしておくとベストです。
成功するビジネスメールのテンプレートサイト2つ
ビジネスメールを完全に教科書通りに覚えなくてはと考える必要はありません。今はビジネスメールを手軽に簡単に、かつ正しく送るための「テンプレート」が存在するのです。その中でもおすすめのテンプレートサイトを厳選しましたので、是非利用してみて下さいね。
【成功者のメールテンプレサイト1】BASE U
ネットショップなどで役に立つテンプレートが例が掲載されています。
- 購入お礼テンプレート
- 商品発送テンプレート
- 商品到着確認テンプレート
- 新商品紹介テンプレート
是非活用していきましょう。
参考:BASE U
【成功者のメールテンプレサイト2】ビジネスメールの教科書
こちらはより詳しいテンプレートが欲しい人におすすめです。
- 商品予約のお礼を伝えるメールの文例
- 再入荷をお知らせするメールの文例
- レビューの書き込みのお礼を伝えるメールの文例
- キャンセルをお知らせするメールの文例
- 欠品をお詫びするメールの文例
などがあり、とても内容が詳しいです。かなり参考になるはずですので、ビジネスメール初心者の人ほどチェックしておきたいですね。
参考:ビジネスメールの教科書
やり取りはメールが良いのか電話が良いのか見極めることが大事
メールは時間を選ばず、忙しい相手を煩わせることのない便利なツールですが、取引先によっては電話を希望する場合もあります。特に担当者が年配であれば、メールより電話で話したがる傾向にあるので、その辺は見極めていきましょう。
こちらがメールを送信し、メールで返信をお願いしたところで、メールを頻繁に確認しない・メールが苦手な担当者であった場合、返信が遅れがちになります。メールにはメールアドレスと電話番号を記載し、どちらでも良いので都合の良い方法で返信をもらえるように依頼しておくことが賢明です。
仕入れの交渉は営業部の営業マンに
まず仕入れの交渉をする場合、メールでも電話でも良いので、営業部に連絡を入れましょう。
担当者名が明確であれば、その人あてに電話をするかメールを送ります。担当者名が分からない場合は、電話であれば「○○会社 ○○部の佐藤と申します。この度、商品名○○の仕入れを検討しているのですが、担当の方はいらっしゃいますか」このような流れで、話をスムーズに出来る相手をお願いしましょう。
メールであれば、宛先を営業部あてにして、担当者の返信を待ちましょう。
カタログの送付依頼をする
ここはまず商品カタログを送付してもらいましょう。お目当ての商品以外に、取引したいと思える商品を扱っているかも知れません。たいていのメーカーは小売り用にカタログを用意していることがほとんどですから、ほとんどの場合、送付してもらえるはずです。
先方には「仕入れの取引を考えている」「カタログで検討したい」旨を伝えておくと、仕入れの取引に必要な書類も一緒に送付してくれることもあります。連絡の際は「仕入れを検討している」ことを伝えておくことがベストですね。
カタログが送られてきたら確認しておいた方が良いこと
たいていのメーカーはカタログを送付する際、取引申込書や価格表などの詳細書類を添付してくるはずです。積極的に営業を展開しているメーカーなら営業マンから電話連絡が入ることもあります。しかし、カタログのみを送付するだけのメーカーもあるのは事実です。
価格表や掛け率が分からないなら、先方に連絡をして教えてもらいましょう。
好印象を与えるビジネスメールで仕入先獲得に成功しよう
成功する人は、仕入れの取引依頼のメールの書き方から違うのですね。ビジネスメールのコツをおさえ、好印象を与えるように工夫しましょう。ネットショップは仕入れが肝心!良い仕入れ先をゲットしてくださいね。