転売ビジネスや物販などを行っていれば、日本から海外に荷物を送る機会も多くなるでしょう。そうなると、できる限り送料を抑えたいと思うのは当然です。
海外に国際小包を送る方法には、大きく分けて船便・エコノミー航空便・航空便・EMSの4種類があります。荷物の大きさや重さによって適する輸送方法は異なりますし、各輸送方法には異なる特徴があります。
時間がかかっても送料を抑えたいと思うなら、船で送る小形包装物や国際小包が良いでしょう。もし荷物を届けるスピードを優先したい場合は、EMSで送れば多少割高にはなるものの最短2日程度で届けることができます。
今回は、荷物の大きさや重さ別に安い送料で国際小包を送る方法と、送る際に気を付けるべき点をご紹介します。
国際小包を送る4つの方法と特徴をマスターしよう
日本から荷物を送る場合、東アジアに位置する中国や台湾への送料が一番安く、配送先が遠方になるほど高くなっていきます。詳しい料金は郵便局の公式サイトで調べることができますのでご覧ください。
ここでは、配送に要する時間と料金を簡単にまとめてみました。
・船便
所要時間:1~3ヶ月
料金:4つのなかで一番安い
・SAL便
所要時間:1~2週間
料金:通常の航空便より安い
・航空便
所要時間:3~6日
料金:船便より高いがEMSより安い
・EMS
所要時間:2~4日
料金:最も高額
どの配送方法を選んでも、送れる荷物はひとつにつき最大30kgまでです。また上記の表はあくまで目安であり、運送便や通関の状況次第では日数が増える場合もあります。
船便の特徴とメリット・デメリット
船便のメリットは、国際小包の送料が最も安いことです。東京から15kgの荷物を上海に送ったとして7,400円、シンガポールなら8,600円、ブラジルでも12,000円で送れてしまいます。地球の裏側まで約1万円で送れるのは大変助かりますね。
ただ到着まで時間がかかるのが難点です。場所にもよりますが、1~3ヶ月程度かかってしまいます。また長い輸送の間に荷物同士がぶつかって段ボールが壊れたり、中の物が破損したりする可能性もあります。天候によっては梱包が濡れてしまう場合もありますので、水に弱いもの、衝撃に弱いもの、賞味期限の短い食材などには不向きです。この手の商品を船便で送るのであれば、通常より厚めの段ボールを用いたり、緩衝材を多めに入れて商品を守ったりする工夫が必要です。
エコノミー航空便(SAL便)の特徴とメリット・デメリット
エコノミー航空便(SAL便)は、飛行機の空きスペースを利用して荷物を配送するというものです。輸出国・輸入国間は航空輸送してくれるものの、船便として扱われるので、船便より速く航空便より安いのが特徴です。
国際小包の配送にかかる日数は6~13日程度で、船便よりだいぶ日数を抑えられます。15kgの荷物をSAL便で上海まで送った場合、必要な輸送費は9,300円、シンガポールなら11,100円、ブラジルは23,100円です。船便と比べれば高くなりますが、アジア圏なら場所によっては1万円以下で送れるので、ビジネスに活用されている人も多くいます。
ただ送り先の国が限られているため、発送可能かどうかを郵便局の公式サイトで確認しておくことをおすすめします。
航空便の特徴とメリット・デメリット
航空便は飛行機を使って国際小包を輸送する方法です。3~6日ほどで到着し、船便に比べて日数を大幅に減らすことができるのがメリットです。その分送料は上がりますが、短い日数で破損のリスクも抑えつつ送りたいという場合におすすめです。
15kgの荷物を航空便で上海まで送った場合、送料は10,850円、シンガポールなら16,550円、ブラジルは37,850円です。距離が伸びると送料も上がりますが、アジア圏内なら約1万円で送れるのはありがたいですね。
EMS(国際スピード郵便)の特徴とメリット・デメリット
上で挙げた4つの輸送方法の中で最も早く届けられるのが、国際スピード郵便(EMS)です。国際郵便の中でも最優先に取り扱われるため、2~5日で到着します。したがって、急ぎの書類や食品を送るのに適した配送方法といえるでしょう。とにかく早く届けられるのがメリットで、デメリットと言えば、送料が一番高くなってしまうことです。
15kgの荷物をEMSで上海まで送った場合、送料は14,600円、シンガポールは18,350円、ブラジルは41,700円です。
冷蔵0〜10℃/冷凍-15℃以下で、鮮度やおいしさをそのままに届けるクールEMSというサービスもあります。新型コロナウイルスのため配送を中止している国もありますが、最近一部配送先への引き受けが再開されました。使用したい場合は、事前に郵便局公式サイトで確認してみてください。
小さい荷物を安く送るなら「小形包装物」
2kg以下で(長さ+幅+厚さ)が最大90cmまでの小さい荷物を送りたい場合は、小形包装物(small packet)を利用すると安い送料で送ることができます。
配送方法は航空便、SAL便、船便から選ぶことができ、選択した配送方法によって送料が変わってきます。
さらに安い送料で送りたい場合は、ひとつにまとめて送る予定だった荷物でも小型包装物の条件に合うように2つに分けて送りましょう。ひとつにまとめて送るよりも送料を抑えられる場合があります。
例えば4kgの荷物を国際小包で上海まで送ると、SAL便で3,700円ほどかかります。
これを2kgずつ2つに分けて小形包装物で送ると、SAL便で各1,745円×2個で3,490円となり、多少お得に送ることができます。
もっとも、配送方法や重さによっては2つに分けたほうが高くなる場合もあるので、まずは郵便局の公式サイトで値段を比較し、最適な配送方法を選んでください。
もう一つ注意点は、小形包装物で配送したいという旨をしっかり郵便局員に伝えないと、国際小包で扱われてしまう場合があることです。配送方法が変われば、料金が大きく変わってきてしまうので注意しましょう。
参考:小形包装物 – 日本郵便
国際小包はまとめて配送して割引を受けよう
国際小包を一度に10個以上送ると、割引サービスが受けられます。たくさん送る予定があるなら、一度にまとめて送りましょう。これで送料を抑えることができます。割引率は以下の通りです。
- 個数10~49個:割引率10%
- 個数50個以上:割引率20%
ビジネスで大量に荷物を送る機会が多い方であれば、覚えておきたいテクニックです。
安く手に入った切手で送ろう
国際郵便を安い送料で送るもう一つの裏技は、切手で送る方法です。普通に郵便局で切手を買い、貼って送っても安くはなりません。切手を金券ショップやヤフーオークションなどで安く手に入れるのがポイントです。
額面より安価で手に入れた切手を使って国際小包を送れば、その分送料を抑えることができます。
また、クレジットカードや電子マネーでポイントを貯めているなら、郵便局のオンラインショップ「切手ショップ」で切手を購入する際、それらの決済方法で支払うのもおすすめです。支払い代金は切手の額面通りですが、クレジットカードや電子マネーのポイントが貯まるので、結果的にお得な買い物になります。
2kg以下の荷物を送るなら「国際eパレット」か「小型包装物」
2kg以下の小さめの小包なら、以下のサービスがおすすめです。
- 小形包装物
- 国際eパケット
- 国際eパケットライト
3つのサービスの特徴をそれぞれ簡単にご紹介します。
小形包装物
2kg以下で(長さ+幅+厚さ)が最大90cmまでの小さい荷物を送りたい場合に使えるのが小型包装物です。オプションで追加しない限り書留がないのが不便ですが、すべての配送方法(航空便、SAL便、船便)から選ぶことができるため、送料を抑えられます。
船便やSAL便を選べば、安い送料で海外へ輸送することができるでしょう。
国際eパケット
国際eパケットは航空便扱いになるので割高にはなりますが、EMS(国際スピード郵便)より安く送ることができます。書留付きで6,000円を限度に補償もあるので安心です。
国際eパケットライト
国際eパケットライトは、エコノミー航空便(SAL)で送るため、国際eパケットより送料が安くなります。書留はなく、小型包装物と大きな差はありませんが、追跡サービスが付いている分割高になっています。
安い送料で2kg以上の荷物を送るならこれ
もし大型の荷物や重い荷物を海外に送りたいときは、どの輸送方法が一番安くなるのでしょうか。
2kg~30kgまでの荷物は「国際小包」扱いになります。まず送料を調べるうえで確認しておきたいのが、大きさの規定です。縦横高さが細かく決められているので、条件をしっかり調べるのが大切です。
次に知っておくべきことは、配送方法です。「国際小包船便」と「国際小包SAL便」には、それぞれ良い面と悪い点があるので、違いを比較し一番合った配送方法を選びましょう。
国際小包のサイズ制限をチェック
国際小包は配送先の国や地域別でサイズの制限が異なります。配送する前にしっかり確認するようにしましょう。
国際小包船便を詳しく解説
2kg以上の荷物を送る場合、一番安い配送方法は「国際小包船便」です。や保険(補償)が受けられるうえ、国によっては追跡番号も付いていて安心です。
追跡番号が付けられる国は以下の通りです。
- アジア:香港、台湾、マレーシア、インドネシア、カンボジア、グアム、中国、韓国、ラオス、シンガポール、タイ、ブータン、スリランカ、ミャンマー
- オセアニア:オーストラリア、フィジー、ニューカレドニア、パプアニューギニア 、トンガ、サモア
- 北中米:米国(アメリカ)、カナダ、ジャマイカ、コスタリカ
- 中近東:アラブ首長国連邦、イラン、イスラエル、ヨルダン、シリア、キプロス
- ヨーロッパ:フランス、ドイツ、英国(イギリス)、オランダ、スペイン、スロベニア、アイルランド、ポルトガル、アイスランド、オーストリア、スイス、チェコ、デンマーク、エストニア、ベラルーシ、ベルギー、ポーランド、ハンガリー、リトアニア、ラトビア、クロアチア、ルーマニア、ノルウェー、ロシア、ウクライナ 、フィンランド、ルクセンブルク、モルドバ、スウェーデン、ブルガリア
- 南米:コロンビア、アルゼンチン、ブラジル、ウルグアイ
- アフリカ:エジプト、エチオピア
国際小包船便の送料を調べる際は、送り先の国が第1地帯、第2地帯、第3地帯、第4地帯、第5地帯のどこに入るかをまずチェックしましょう。郵便局の公式サイトは地帯別に日数や料金を調べられるようになっているので利用すると便利です。検索する際は、配送手段の欄を「船便」に変更してください。
国際小包SAL便を詳しく解説
「国際小包SAL便」は1~2週間で届く上、EMSより安い費用で送れるのが魅力です。追跡番号や保険(保障)をつけることができるのも便利です。
追跡番号が付けられる国は以下の通りです。
- アジア:中国、香港、マレーシア、シンガポール、タイ、グアム、インドネシア、スリランカ、サイパン、ウェーキ、北マリアナ諸島、ミッドウェイ諸島
- オセアニア:オーストラリア、ニュージーランド
- 北中米:カナダ、米国(アメリカ)
- 中近東:アラブ首長国連邦、イスラエル
- ヨーロッパ:オーストリア、スイス、ベラルーシ、ドイツ、デンマーク、エストニア、フランス、英国(イギリス)、ハンガリー、ベルギー、フィンランド、アイルランド、アイスランド、ルクセンブルク、ラトビア、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スウェーデン、スロベニア、ウクライナ、チェコ、スペイン、リトアニア、モルドバ、クロアチア
- 南米:アルゼンチン、コロンビア
- アフリカ:エジプト、南アフリカ
国際小包SAL便の送料を調べる際も、送り先の国が第1地帯、第2地帯、第3地帯、第4地帯、第5地帯のどれに入るかをまずチェックしましょう。その後日本郵便公式サイトにある料金表から配送料を調べます。調べる際は配送手段の欄を「エコノミー航空(SAL)便」に変更してください。
30kg以上の荷物は複数口を郵便で
日本郵便の一口の配送重量は最大30kgまでと決まっています。では30kg以上の荷物を送りたい場合はどうしたらいいのでしょうか。
もちろん海外への配送を行っているDHLやFedExなどの配送業者を利用することもできますが、日本郵便より高額になることがほとんどです。ビジネスで利用したい場合や送料をできる限り抑えたい場合は、複数口に分けて日本郵便から配送するのがおすすめです。
国際小包の料金が安い会社についてはこちらの記事で詳しく解説されています。あわせてご確認ください。
参考:国際小包の料金が安いのはどこ?3社を徹底解説 – ダンボールワン
発送前にチェックすべき2つのポイント
海外へ国際小包を送りたい場合、どういった点に気をつければよいのでしょうか。チェックポイントは「航空危険物の有無」と「伝票の記載内容」の2点です。
「航空危険物」が入ってないか確認
まずは荷物の中に「航空危険物」が含まれていないかチェックしてください。
国際小包では、船便か航空便かに関わらず航空危険物を送ることができません。運送途中で発火の恐れがあるものや爆発する可能性のあるものは、安全面を考えて配送が禁じられています。
一見問題なさそうなものも危険物に指定されている場合がありますので、送る前には以下の品物が入っていないかよく確認してください。
- 香水
- ヘアケアトニック
- マニキュア
- 花火
- アルコール飲料
- モバイルバッテリー
- 電子タバコ
- スプレー缶
- etc
伝票は正確にもれなく記入する
もう一つのチェック項目は「伝票」です。国内に送る荷物とは違い、国際小包のラベルには荷物の中身や値段、個数などを正確に記入することが求められます。
もれなく記載できるよう梱包前にメモを取っておくのがおすすめです。EMS以外では、万が一配送先に配送できなかった場合に備え、予備の住所を忘れず記入しておきましょう。
初めて海外に配送する時や荷物が多い時は、ラベル記入に時間を要します。郵便局で伝票をもらい、自宅で落ち着いて記入するのが良いでしょう。
ラベルの記入については郵便局公式サイトに例が載せられているので、参考にしてみてください。
まとめ
今回は安い配送方法で国際小包を送る方法をご紹介しました。それぞれの配送方法にメリットとデメリットがあり、特徴もさまざまです。送る荷物によっては一番安い船便が最適とは限りません。高額のものを送る場合は、船便より高くEMSより安い「SAL便」の方が得策だと判断するときもあるでしょう。
ぜひ荷物の中身やどれほど急を要しているかなどを考え、一番合った配送方法を選んでください。