メルカリでは、出品する際の値段をいくらにするかで、売上実績にずい分と差が生じます。しかも高めに設定して売れることもあれば、低い値段で売れないケースもあります。そのからくりや理由を知って対策できるかどうかが、結果を大きく左右するといってよいでしょう。
そこで今回は、メルカリ出品における値段設定のコツや高く売れる方法・値下げの断り方、売れやすくなる工夫についてまとめました。
値段設定の流れ

まずオーソドックスな値段設定の流れについて解説しましょう。
相場を調べる
値段設定の際は、自分の希望価格は一旦横においてメルカリにおける相場を調べるのが鉄則です。いくら自分が売れると考えて値付けしても、ユーザーがその値段では買いたくないと思えば売れることは難しいからです。逆に想定以上に高く設定しても、メルカリユーザーがそこに価値を見出せば売れることもあり得ます。
同じ商品でも、時期や年度によって売れる価格が変動することも珍しくありません。というのも、メルカリの月間アクティブユーザーは2,000万人を超えており、国民の6人に1人が利用している計算です。よってメルカリでの売れ筋には、世の中のトレンドや流行り廃りが思いのほか如実に反映されているのです。
例えば、大ヒット映画のキャラクターグッズやポスターなどは、人気が沸騰している最中であれば少々高くてもあっという間に売れるでしょう。TikTokでバズった昭和ポップスやアイドルソングのCDやレコードなども、メルカリ内では注目度がアップして値段が一時的に高騰することも十分に考えられます。そのタイミングを逃さなければ、大きな利益を獲得することもできるのです。
そう考えると、自分では思い入れの強い名品でも世の中で注目されていない時期に売るのは勿体無いかもしれません。「あえて出品せずに、時期を待つ方が適切」、という場合もあるのです。
送料を値段に上乗せする
メルカリでは、送料を出品者が負担する方があきらかに売れやすくなります。よほど希少性の高いレア品でない限り、送料が自己負担とわかった時点で購入をとりやめるユーザーが非常に多いからです。
しかし送料を負担すると、たとえ売れたとしても販売手数料とともに売上価格から差し引いた結果、ほとんど利益が出ないか、場合によっては赤字になる恐れもあるでしょう。これでは出品する意味がありません。そこであらかじめ送料分を出品価格に上乗せしておけば、利益が圧縮される度合いを減らすことができます。
また、メルカリ便の「ネコポス」を活用すれば、1kg以内の商品を全国一律210円で配送できます。するとどの地域から注文がきても送料が変動することはないので、上乗せ価格が計算しやすくなるでしょう。
値下げを見越して値段設定する
送料同様、値下げ分を見越して価格に上乗せするのもおすすめです。
メルカリはフリーマーケットのため、値下げ交渉が日常的に行われています。自分が購入者の立場になって考えると、安い方がもちろん嬉しいですし、間違いなく購買意欲が高まるでしょう。
多くのユーザーは、メルカリに「安さ」を求めています。ヘビーユーザーの中には、「値下げ交渉をして1円でも安く買うことに、やり甲斐を持つ人」が一定数いると理解しておいてください。「その駆け引きも、メルカリならではの面白さ」とポジティブに理解できると、末長く楽しめるかもしれません。そこで値下げ要求されることを想定して、「ここまでなら安くできる」という金額分をあらかじめ価格に上乗せしておくのです。
相場の調べ方

実際に相場を調べる方法を解説しましょう。
具体的には以下の3つになります。
- 過去の販売価格を調査
- 現在の出品価格を調査
- 他のECサイトの相場を調査
過去の販売価格を調査
すでに売れた実績がある金額を把握することは、値段設定の有力なデータとなります。
方法は、
- 商品名や品番
- サイズ
- カラー
といった情報を検索窓に入力します。

続いて、画面右上の「絞り込み」をタップしてください。

遷移画面で、以下の情報を入力していきます。
- 商品の状態
- 配送料の負担→「送料込み」を選択するのがおすすめ
- 販売状況で「売り切れ」にチェックを入れる
入力できたら「完了」をタップします。

「商品の状態」を選択するのは、自分が出品しているものと似た保存状態での販売価格でなければ参考にならないからです。
すでに売れた商品が「SOLD」と表示されるので、できるだけ直近で売れた商品の価格をチェックします。その際には「新しい順」をタップしてください。あまりに以前の金額だとやはり参考にならない可能性が高いからです。
現在の出品価格を調査
現在の価格をチェックすれば、出品した場合に直接のライバルとなる相手がいくらで出品しているかを把握することができます。
方法は、
商品情報を入れて検索
↓
「販売中のみ表示」にチェックを入れる
↓
「価格の安い順」をタップする
すると出品中の商品が価格の低い順に表示されます。

最安値と同じか1円でも安くすると、売れる確率が高まるでしょう。もちろん商品の保存状態によっては、それより高くても売れる可能性はありますし、安くても売れない場合もあります。
他のECサイトで調査
メルカリで販売実績のない商品の場合は、上記の方法で検索しても価格を把握することができません。
そのような場合や、あまりに価格のデータが古すぎる場合は、Amazonや楽天、Yahoo!ショッピングなどで現在の販売価格を調べるのもおすすめです。
また「falcon(ファルコン)」というサイトで相場検索してみるのもよいでしょう。豊富なデータから、さまざまな商品の相場をチェックすることができます。
高く売れるコツ3選

続いて、商品を1円でも高く売るコツを3つ紹介しましょう。
商品画像を工夫する
商品画像のクオリティを上げると、高く売れやすくなります。
参考になるのは、高級ブランドの広告やカタログ、ユニクロなど人気ファストファッションのチラシなどです。
画像が美しく、綺麗であれば、見た目の印象がよくなるでしょう。
- 自然光や照明をあてる
- アングルを工夫する
- ディスプレイをおしゃれにする
- 雑貨やアクセサリーをアクセントとして飾る
- 床や机に置くよりはハンガーに吊す
などです。
意識するかどうかで同じ商品でもセンスアップした演出ができるので、ぜひ工夫してみてください。
商品説明とタイトルを工夫する
商品説明で、価格設定の理由をしっかり明記しておくのも有効です。
「他の同等品と比べてどこに価値があるのか」、「保存状態がどのように良いのか」、「いかに大切に扱ってきたか」という点を具体的に詳しく説明できれば、説得力が増すでしょう。とくに商品知識が浅いユーザーの場合は、踏み込んだ情報が記載されていることで安心感を抱きやすいです。
またタイトルにも「レア品」「美品」「最後の一品」などと付記してアピールするのも、訴求力が高まるのでおすすめします。
再出品する
出品したものの思ったように買い手がつかない場合は、再出品してみるのもよいでしょう。
もっとも簡単で効果が上がりやすいのは、「値下げ」です。しかしそれは奥の手としてとっておいて、価格を据え置いたままで再出品してみるのです。
一旦、商品を削除して再出品すると、初めて出品した時と同じくタイムラインの上位に表示されます。するとユーザーの目に止まりやすいうえに閲覧するユーザーも最初の時とは異なるため、より広く訴求できる効果が期待できます。
ただし、再出品は何度も繰り返すと、業者と疑われたり悪意ある行為とみなされたりして、ペナルティの対象になる恐れがあります。よって大事をとって、1回までにしておくのが無難でしょう。
値下げ交渉で上手く断る方法

メルカリでは、値下げ交渉がもちかけられることが珍しくありません。値下げに応じてしまうと利益が減るので、できれば上手く断った上で売れるに越したことはないでしょう。そこで、値下げ要求の断り方について解説します。
コメントでの断り方
値下げ交渉は、コメントを使ってもちかけられます。よってその場合は、同じくコメントで返信して断ることになります。
その例文を紹介しましょう。
「この度は商品をご覧いただき誠にありがとうございます。値下げのご依頼をいただきましたが、こちらとしては現在の価格が最安値でこれ以上の値引きはできかねます。誠に申し訳ございません。ご理解いただけましたら幸いです。よろしくお願いいたします。」
「コメントありがとうございます。この商品は思い入れが強く、◯◯円より安値でお譲りすることは考えておりません。ご無理を申し上げますが、再度ご検討いただけましたらありがたく存じます。よろしくご理解のほどお願い申し上げます。」
プロフィールにメッセージを入れておく
プロフィールに、「値下げに応じることができない」という旨をあらかじめ記載しておくのもよいでしょう。
「お値引きはいっさい受け付けておりません」「値引き交渉はお断りします」といったシンプルな文言で構いません。
このように一言添えておくと、値下げ要求された場合に「プロフィールにもございます通り・・・」と理由づけして断りやすくなるのでおすすめです。
しつこい相手への断り方
断っても繰り返し値下げを求められることもあります。どうしても受け入れられない場合は、キッパリとその意思を伝えることが大切です。
「すでにお伝えした通り、この商品を値下げするつもりはございません。この価格での購入を希望している方もおられるので、これ以上の値下げ交渉はお断りいたします。ご理解いただけましたら幸いです」
それでも繰り返しコメントが送られてくるようであれば、無視してよいでしょう。
値下げ要望の上手な受け入れ方

値下げを受け入れないのも高く売るためには大切な考え方です。しかし、「そもそも売れないよりは、売れる方が良い」という考え方もあるでしょう。あるいは商品によっては、利益が減っても構わないと思えるケースもあるかもしれません。そのような場合の戦略について紹介しましょう。
ユーザー心理を巧みに読み取る
値下げ交渉は、昔からさまざまなシーンで行われてきた商売上の慣習ともいえます。それでビジネスが成立するのは、予算上の理由に加えて「得した!」という心理がユーザーサイドに働くからともいえるでしょう。つまり値下げ額も大事ですが、「値下げしてもらった」という事実も重要だということです。
そう考えると、冒頭で述べたように、「値下げを想定した価格設定をしておく」のがとても良い方法といえます。
あらかじめ「100円なら値下げしても利益が確保できる」といった具合に、許容できる金額を具体的に設定して価格に上乗せしておくのです。その上で、「では特別に100円値下げします!」と伝えれば、相手もお得感を抱き、自身も想定内のため損をすることはありません。
ちなみにアプリ内では、「100円以上」値下げすると検索時に最上位表示される仕組みになっています。よって買い手がつかず、値下げ交渉ももちかけられない場合は、100円ずつ値下げしてみるのも奥の手としておすすめです。
売れやすくなる工夫

最後に、より売れやすくなる工夫について2点紹介しましょう。
返信は迅速・丁寧に
コメントのやりとり次第で売れやすくなることはよくあります。
メルカリはクリック一つで即購入できるので、ユーザーの「欲しい」「買いたい」という気持ちが冷めないうちに購入手続きまで誘導することが大事です。
そのためには、コメントに対して1秒でも早くに返信してください。疑問に対して速やかに返事が来れば、「なら買おう!」と思ってもらいやすくなるからです。
また、コメントの言葉遣いも敬語を意識してください。相手がどのような言い方をしてこようとも、丁寧な言葉で品よく返答するのがおすすめです。きちんとした印象を与えると信頼を得られて、その分買い手がつきやすくなると理解してください。
評価を高めることを第一に考える
メルカリでは取引の後に必ずお互いを評価することになっています。評価の内容は全ユーザーに知られるため、自身の評判に直結します。評価が高ければ信用してもらえますが、低ければ警戒されて買い手がつきにくくなります。
そのことを常に念頭におき、例えばコメントや嫌がらせがあったとしても、冷静に対応するようにしてください。その相手ではなく、その他大勢のユーザーからの評判を下げないためにも、感情的な返答や辛辣な表現は控える方が賢明でしょう。
まとめ

メルカリでは、相場をよく調査して値段設定すると商品が売れやすくなります。それ以外にも記事内で紹介した対策を行うことで、より高く販売することは可能です。
ぜひさまざまな工夫を楽しみながら1円でも高く売れるように努めてください。