食品は扱いが非常にデリケートなため、食品転売には細かいルールがたくさんあります。しかし、いくつかの注意点さえ守れば非常に稼ぎやすいジャンルです。また、ライバルも少ないため、初心者にもおすすめです。
今回は食品転売の特徴から、食品をAmazonで転売する方法や注意点まで詳しく解説します。
食品転売の特徴
食品転売とは、文字通り食品・飲み物などを転売することを指します。
他のジャンルよりデリケート
転売というと家電やおもちゃなどが有名ですが、食品も転売の対象になります。ただ、食品は直接体内に取り込むものであるため、他のジャンルと比べると扱いが難しく、販売方法や発送方法も若干異なります。
転売できる食品
食品は法律で規制されているもの以外であれば、基本的に何でも転売できます。ものによっては別途手続きや許可を取る必要があります。
またAmazonで転売する場合、食品メーカーによっては販売が規制されているものあるため注意が必要です。
FBAを使った食品転売
FBA(fulfillment by amazon)とは、Amazonの物流拠点であるフルフィルメントセンター(FBA倉庫)に商品を事前に納品しておくことで、商品の管理・注文処理・配送・返品を全てAmazonが代行してくれるサービスです。
家電やおもちゃなどをAmazonで転売する場合は制限なくFBAが利用できますが、食品の場合は以下のような条件があります。
・室温で保管できる
・倉庫到着時点で60日以上の消費期限がある
・消費期限が「年・月・日」もしくは「年・月」の順番で印字されている
「18℃以下で保存」や「要冷蔵・要冷凍」など、室温で保管できない食品はFBA販売不可です。ただし、「冷暗所で保存」「直射日光・高温多湿を避けて保存」など、室温での保存が可能であり、なおかつ保存温度の指定がない食品は可能です。
消費期限は原則として60日以上必要で、消費期限まで45日を切ると販売不可になります。しかし、お菓子類などそもそも消費期限が短い(製造日から90日以内)食品に関しては、倉庫到着時点で30日以上消費期限があれば販売可能で、販売不可となるのは消費期限まで15日を切った場合となっています。
また、お米・塩・ガム・ペットフードなど、そもそも消費期限の設定がないモノに関しては、別途販売可能期間が決められています。
食品の分類 | 販売可能期間 |
---|---|
塩・砂糖・調味料・ガム・ペットフード | 320日 |
輸入米・玄米 | 135日 |
精米済みのお米 | 22日 |
FBAでは、消費期限(販売可能期間)が短いものから順に発送しています。一度FBA倉庫に納品して期限切れとなった食品は、返送されず廃棄されます。廃棄手数料は後日出品者に請求されます。
参考:Amazonでの出品にFBA倉庫を利用するべき?仕組みからメリット・デメリットまで徹底解説!
食品転売のメリット
Amazon食品転売には、他のジャンルにはないメリットが4つあります。
回転が速い
食品は消耗品です。また、3,000円以下と価格帯が安い食品がほとんどです。そのため、とにかくよく売れます。
まとめ買いされやすい
食品や飲料はまとめ買いする人が多い傾向にあります。特に水やドリンクは、単品で購入する人よりも箱買いする人の方が圧倒的に多いです。
ライバルが少ない
Amazonで食品を販売するには、出品申請許可を取る必要があります。これが1つの参入障壁となっているおかげで、他のジャンルに比べるとライバルが少なくなっています。
また、食品は消費期限が45日以内になると自動的に廃棄されてしまうため、食品転売に尻込みしている転売屋は多いと言われています。
リピートが大きな利益を生む
食品には消費期限や賞味期限があるため、消費スピードが早いのが特徴です。そのため、リピート購入してもらえるようになれば、大きな利益が見込めます。
一見不安定に見える食品転売も、一定のサイクルで消費され続けるという特徴を活かすことができれば、十分収益が見込めるのです。
仕入れがしやすい
食品は仕入れがしやすいのも魅力です。例えば、全国のスーパーやドラッグストア、ディスカウントストアで、時間と場所を気にせず仕入れられますよね。
ポイントは、複数の実店舗やネットショップを仕入れ先として確保しておくことです。店舗が実施するセールのタイミング次第では、安く仕入れることも可能でしょう。
賞味期限や消費期限に余裕がある商品は、安いときに大量仕入れすることもおすすめですが、その場合は高回転率であることを確認しましょう。
食品転売のデメリット
食品転売も良いことばかりではありません。特に大きなデメリットを2つ紹介します。
商品一つあたりの利益が少ない
食品は商品単価が安く、利益率も低い傾向があるため、商品一つの売り上げから得られる利益が少なくなりがちです。そのため、月数十万円の利益を出すには大量仕入れ・大量転売が条件となります。
消費期限に注意が必要
そして最大のデメリットは消費期限があることです。前述の通り、消費期限が近い食品は自動的に廃棄されてしまいます。そうなると、仕入れにかかった分だけ赤字になってしまうため、注意が必要です。
カテゴリー申請が必要
Amazonで販売する場合は、「食品&飲料」のカテゴリーにおいて出品許可申請を行う必要があります。他のカテゴリーに比べ、許可を得るのが難しいため、申請が受理されるまでに時間がかかってしまうのがデメリットです。
許可を得るまでは出品ができず、すぐに利益を得られません。これから始めたいと思っている人は注意しましょう。
納品作業に手間がかかる
Amazonでの食品販売には以下のような納品ルールがあり、納品作業に手間がかかってしまいます。
・要期限管理商品のみを梱包する
食品や飲料などの要期限管理商品だけを個別で梱包して納品しなければいけません。例えば、おもちゃや電化製品などの期限がない商品も取り扱っている人は、食品・飲料と分けて梱包する必要があります。
・同じ商品は期限が同じものだけ梱包する
複数個の同じ商品を納品する場合は、期限別に梱包しなければいけません。例えば、同じ商品でも賞味期限が10/1のものと10/10のものがある場合は、2つの箱に分ける必要があります。
・梱包箱に「要期限管理商品」ラベルを貼る
食品を入れた箱には、「要期限管理商品」ラベルを貼る必要があります。貼るラベルのサイズもA5以上と決まっており、複数の箱で納品する場合は、複数枚のラベルが必要です。
食品転売に必要な資格・許可
食品転売の場合、扱うものによっては許可や資格が必要です。
お酒を転売する場合
自分用に購入したお酒を1~2本転売する場合を除き、お酒を継続して売るには酒類販売免許が必要です。
酒類販売免許の申請方法
酒類販売免許は酒類を売り出す前に取得しておく必要があります。無料で申請できますが、免許を取得した場合は、免許1件ごとに登録免許税が課せられます。申請に必要な書類や詳細は国税庁のホームページをご参照ください。
無免許酒類販売に対する罰則
無免許でお酒を転売し続けると、酒税法違反で1年以下の懲役または50万円以下の罰金が課せられます。
お酒の空き瓶転売
食品転売の話からは少しそれますが、お酒の空き瓶も結構需要があります。人気の銘柄の空き瓶がオークションサイトに数多く出品されています。
空き瓶を転売する場合は、酒類販売免許は必要ありません。その代わり、古物商許可が必要になります。これは古物(一度消費者の手に渡った物)の仕入れに必要な資格で、許可を取らずに古物を転売すると、古物営業法違反により3年以下の懲役又は100万円以下の罰金が課せられます。
ただし自分で飲んだお酒の空き瓶を販売する場合は、古物商許可は必要ありません。古物商許可は古物を転売目的で仕入れる際に必要な資格だからです。
食品は古物に該当しない
食品は古物に該当しないため、食品転売に古物商許可は必要ありません。
自分で加工した商品の転売
自分で手を加えた食品を転売する場合は、別途許可や資格が必要になる場合があります。例えば、自分で育てた野菜をそのまま販売する場合の許可は不要ですが、その野菜を漬物にして販売する場合は「食品衛生責任者」という資格と、「食品衛生法に基づく営業許可」が必要になります。
輸入食品を転売する場合
海外から輸入した食品を転売する場合は、輸入届出済証を税関に提出する必要があります。輸入届出済証は検疫所の検査に合格すると発行されます。加工食品は食品検疫所、野菜・果物類は植物防疫所、肉類(ハムなども含む)は動物検疫所で検査されます。
Amazon食品転売のコツ
Amazon食品転売で大きく稼ぐコツをいくつか紹介します。
出品制限を解除する
Amazonでは、食品・飲料カテゴリに出品制限がかけられています。そのため、まずはAmazonのセラーセントラルにログインして、出品許可申請をする必要があります。
ショッピングサイトのポイントで仕入れ値を安くする
商品を出品するためには、出品したい商品ごとに出品許可申請をする必要があります。つまり、出品したい商品が決まってはじめて、出品許可申請をするフェーズにたどり着きます。
そこで早速商品のリサーチといきたいところですが、その前にお得に商品を仕入れる方法を押さえておきましょう。高く売ることはもちろんですが、安く仕入れることも転売で成功するためには必要です。
安く仕入れる方法の一つは、ショッピングサイトのカードを利用して仕入れることです。
楽天カードやYahoo!ショッピングカードを使ってそれぞれのショッピングサイトで商品を仕入れると、ポイントが貯まります。獲得したポイントを次回の仕入れ時に使えば実質的に値下げされたのと同様であり、特に転売のように大量に商品を購入する場合は、ポイント還元との相性が抜群です。大量のポイントを獲得して、結果的に仕入れ値を安く抑えましょう。
賞味期限の確認
扱う商品が決まったら早速仕入れ先を探しましょう。仕入れの際は、賞味期限と消費期限を必ず確認するようにしてください。
冬は売り時
冬は気温が下がるため、衛生的にも食品転売しやすいと言われています。Amazonでも冬になると扱える食品の幅が広がります。例えば、チョコレートなどは普段FBA販売できませんが、10~4月頃はFBA販売が可能になります。
テスト仕入れ
初めて扱う食品は、最初は少量の仕入れから始めましょう。テスト仕入れの結果、回転率・利益率が高いようであれば大量仕入れに切り替えましょう。
セット売りで利益率を上げる
大量仕入れに切り替える際におすすめなのが、「セット売り」です。あなたもセット売りの商品を購入したことがあるはずです。例えば、3個で1セットになった缶詰や、6本入りの2Lのペットボトル飲料などです。こういった販売手法が、いわゆるセット売りです。
1点あたりの商品価格が上がるだけでなく、Amazonの手数料も抑えられる一石二鳥の販売方法ですのでぜひお試しください。
必ずFBAを利用する
Amazonでは自己発送の商品よりもFBA販売の商品の方が売れやすい傾向があります。FBAはAmazonが梱包・発送するため、個人発送よりも迅速で丁寧なイメージがあるからです。FBA販売の場合は、自己発送の商品よりも値段が高くても売れます。
メーカーからのクレーム
地方のお土産や限定品などを出品するとメーカーからクレームが来ることがあります。しかし、クレームが来た場合はすぐに出品を取り下げれば問題はありません。
出品NGメーカー
過去にクレームを提出した食品メーカーを参考までに挙げておきます。
・神戸アールティー
・塩抜き屋
・減塩専門店 無塩ドットコム
・結わえる
・株式会社だいずデイズ
・有嘉多屋
・神戸のおまめやさん みの屋
・イベント工房 雅
・松坂まるよし
・香詩苑
・博多通りもん
・ママパン(ママパンオリジナル商品のみ)
・ROYCE
・萩の月
・北菓楼
・カルディ
・無印良品
どのメーカーの商品でも、出品すると注意の電話やメールが来ます。特にカルディと無印良品は、訴える旨が書かれた通知文が自宅に送られてくるケースもあるため注意してください。
食品の仕入れ先を決める
食品転売のコツが把握できたところで、次は仕入先について見ていきましょう。
Yahoo!ショッピング
ヤフー株式会社が運営するYahoo!ショッピングは、ポイント還元率の高さがウリです。
参考:Yahoo!ショッピング
特に、PayPayとの連携によるポイントバックが強力です。獲得したポイントで次回の仕入れ額を安くできるため、仕入れにはもってこいのネットショッピングモールです。
そんなYahoo!ショッピングでお得に仕入れるためにも、ポイントをより多くゲットする方法を身につけておきましょう。
まずは、「Yahoo!プレミアム会員」への登録を済ませてください。プレミアム会員になると、ヤフー関連ショップ(PayPayモールやLOHACO)でも、常に3%のポイント還元がついてきます。なかでもPayPayモールは日曜日が最大22%還元(上限あり)と特にお得なので、日曜日の利用がおすすめです。
参考:Yahoo!プレミアム
次に、クレジットカードの「ヤフーカード」を発行してもらいましょう。ヤフーカードは初期費用も年会費も無料ですし、審査は最短2分で終了するため、申請から1週間ほどで使用できるようになります。
ヤフーカードを利用すると、3%のポイント還元を受けられます(5のつく日には7%までポイントアップします)。さらに、PayPayの決済にヤフーカードを登録すると最大1.5%のポイント還元を受けられので、こちらも利用しない手はありません。
参考:ヤフーカード
Qoo10
eBayが展開するネットショッピングのモールQoo10(キューテン)は、商品数においてこそYahoo!ショッピングや楽天市場に劣るものの、安さをウリに存在感を発揮しています。
普段から商品全体の価格が安いにもかかわらず、そこに日替わりの割引クーポンが加わることで安さに拍車がかかっています。
また、外国人出品者が多いのも特徴で、彼らから購入することで一際安く商品を仕入れることも可能です。ただし、国内出品者との取引とは違ってトラブルになるケースも多いため、ある程度の慣れと見極めが必要な点には注意してください。
また、1日3回のタイムセールをはじめ、1日限定の激安商品や「共同購入」による特価セールも見逃し厳禁です。
参考:Qoo10(キューテン)
サンプル百貨店
話題や人気の商品が半額~無料で手に入るサンプリングサイトがサンプル百貨店です。利用者数は300万人を突破しており、大型ネットショッピングモールの仲間入りを果たしています。
どんな商品でも定価より安く手に入りますし、タイムセールや商品限定クーポンを利用すれば、さらにお得になります。
参考:サンプル百貨店
公式ショップ
大型ネットショッピングモールだけでなく、実は公式ショップも穴場の仕入れ先です。
公式ショップとは、メーカーなどが運営している自社ショッピングサイトのことです。市場では品切れ状態の商品も公式ショップでは取り扱っているなんてケースもあるため、公式ショップの有無は一度確認しておきましょう。
ショップサイトは他にも「ポンパレモール」「ドン・キホーテ」「ヨドバシカメラ」「コストコ」「au PAY マーケット」など多数あるので、ご自身が取り扱う商品に合った仕入れ先を見つけてください。
基本的に複数個で売られているため、大量仕入れに適しています。コストコ仕入れについては下記の記事を参考にしてください。
参考:大量仕入れも可能!コストコ転売で儲かる狙い目商品を解説
食品転売は難しいけどブルーオーシャン
食品転売は必要な資格や許可が多く、メーカー規制もあるため他のジャンルと比べると若干敷居が高いと言えます。しかし、そのおかげでライバルが少ないので、しっかりリサーチすれば大きく稼ぐことができます。まずはショッピングリサーチャーを使ってAmazonでよく売れている食品を調べてみてください。