Amazonデリバリープロバイダとは?配送の追跡は可能?詳しく解説します!

近年Amazonで買い物をすると、配送方法が「置き配」に初期設定されているケースが増えてきました。背景には関わる配送業者の比率が変化したことにあります。具体的には、AmazonデリバリープロバイダAmazon FLexなど、Amazon独自の配送部門のシェアが大きくなりました。2022年4月現在、これら独自の配送部門は、記載上は一括して「配送業者:Amazon」となっています。

この記事では、その変化の背景と実情を見ていきます。その上で、「配送業者:Amazon」が抱える問題点を掘り下げていきます。商品を受け取る際に少しでも安心できる方法を選びたい人におすすめの情報です。

目次

Amazonデリバリープロバイダとは?

最初に、そもそも「Amazonデリバリープロバイダ」とはどんなものなのか見ていきましょう。

Amazonデリバリープロバイダ導入の背景

もともとAmazonの流通は、佐川急便やヤマト運輸、日本郵便などの大手の運送会社が担っていました。しかし、流通量が増えるにつれ、それだけでは全てをまかなうことが難しくなります。そこで、2013年からAmazonが導入したのが、Amazonデリバリープロバイダです。

これは地域限定の配送業者と手を結び、大手より安い値段で配送をまかなうシステムです。その上で佐川の撤退、ヤマトの値上げ問題などが重なり、2017年頃からはデリバリープロバイダが大きくシェアを伸ばすことになります。

参考:Amazon公式サイト・Amazonとともに配達(法人向け)

2020年時点でのデリバリープロバイダ9社

2020年時点でデリバリープロバイダに名を連ねていたのは以下の9社です。()内は担当地域、『』内は後述する追跡番号の上2桁の数字になります。

  • 丸和運輸【桃太郎便】(全国)『55からの12桁』
  • 若葉ネットワーク(全国)『82からの12桁』
  • 札幌通運(北海道、宮城、関東全域)『66からの12桁』
  • ヒップスタイル(神奈川)『83からの12桁』
  • 遠州トラック(静岡、愛知、福島、富山、関東全域)『85からの12桁』
  • ギオンデリバリー(東京、神奈川)『84からの12桁』
  • SBS即配サポート(東京、千葉、埼玉)『45からの12桁』
  • ロジネットジャパン(関西全域、愛知、静岡)『66からの12桁』
  • TMG【※2020年10月まで】(九州全域、東京、兵庫、広島、岡山)『11からの12桁』

2020年時点としているのは、現時点でAmazonからの正式なデリバリープロバイダ業者のリリースがないからです。カスタマーサービスで質問しても、具体的な回答はありません。

これら9社の中でも中核を担っていたのがTMGでしたが、2020年10月で契約が打ち切りになっています。TMGの契約打ち切りの時期から、更なるシステム改変が進んだようです。結果的に2022年4月時点では、「デリバリープロバイダ」という名称が表立って出てくることが少なくなっています。

Amazon FLexの導入と、「配送業者:Amazon」への統合

さらに2019年から、「Amazon FLex」という新しい配送システムが導入されました。輸送力を持つ個人事業主と契約を結んで、Amazonの輸送を専門に引き受けてもらうやり方です。更なる輸送コストの引き下げを狙ったシステムというわけです。

そして、2022年4月現在、AmazonデリバリープロバイダとAmazon FLexは、表記上一括して「配送業者:Amazon」として扱われています。ちなみに、Amazon Flex担当分の荷物の追跡番号は、『99』もしくは『DA』からはじまります。

参考:Amazon FLex

デリバリープロバイダ各社の配送追跡は可能?

一般的に運送会社が配送を担う際は、追跡番号(トラッキングID)が発行されます。この数字を用いることで、注文した荷物がどこにあるのか、かなり細かく把握することができます。

では、デリバリープロバイダの場合はどうでしょうか?過去と現在の状況を見ていきます。

配送中の荷物の追跡方法とは?

Amazonでは注文履歴から、追跡番号を調べることができます。「注文履歴」→「配送状況を確認」の順に選択してください。

ステータスが配送中になると、配送業者と追跡番号が表示されます。

配送が終了すると、「配送状況を確認」というボタンが使えなくなります。追跡番号が必要な場合はそれまでに確認しましょう。ちなみにAmazonで注文すると、注文時、発送時、配送中、配送完了のタイミングで4通のメールが届きます。その中の3通目にも追跡番号が記載されています。

配送業者がヤマト運輸などの大手の場合は、それぞれの公式サイトに配送状況を確認できるページがあります。Amazonにもリンクが記載されています。

ですが現時点では、「配送業者:Amazon」の取り扱う荷物に関して、追跡番号ページへのリンクはありません

参考:Amazonヘルプ(配送業者の連絡先情報)

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「配送業者:Amazon」統合前は可能だった模様

過去には配送業者の連絡先情報ページの中に、「配送中のお荷物の状態照会」というリンクがありました。しかし、デリバリープロバイダの配送追跡はかなり精度が低く、悪い評判も多かったようです。

現在は個々のデリバリープロバイダが扱う荷物の追跡は、追跡番号を用いてもできません。追跡番号自体は発行されますが、再配達依頼のときにだけ必要になる数字となっています。

「配送業者:Amazon」が扱う荷物の追跡、再配達依頼のやり方

では現状において、荷物の追跡や再配達依頼はどのようにすればいいのか、簡単に説明します。

配送追跡のやり方

基本的に「配送業者:Amazon」が担当する荷物に関しては、購入者が自力で追跡することはできません。ステータスが「配送完了」となっても商品が届かない場合は、ヘルプの記載通りにカスタマーサービスを利用しましょう

この際、チャットサービスを使うのが一番効率的です。アカウントサービスページの下段にある「カスタマーサービスに連絡」から、「チャットを続ける」を選びましょう。チャット画面に移行し、速やかなやり取りができます。

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再配達依頼のやり方

再配達依頼には主に3つの方法があります。

まずは不在伝票に記載されているQRコードを読み込んで、配達状況ページに進む方法です。

「再配達を依頼する」→「希望する日時を選択」→「再配達を依頼する」と操作すれば完了です。

2つ目は注文履歴から同様に再入力するやり方です。以上の2つの方法の場合は、追跡番号が必要ありません。

最後に、電話でも再配達依頼ができます。「0120-889-068」が、「配送業者:Amazon」が取り扱う商品全般の受付回線になっています。音声ガイダンスに従って再配達依頼を完了させてください。ただし、この場合は追跡番号が必要になります。不在伝票にも記載されていますが、文字がかすれて読めない場合などはやや面倒になります。

ちなみに、配送中に問題が生じた際に、ドライバーから電話がかかってくるケースがあります。この場合の番号は発信専用のものが使われています。「050-3131-1651」からの発信にリダイヤルしても、繋がらないので注意しましょう。

「配送業者:Amazon」が抱える問題点と可能性

ネット上でのAmazonデリバリープロバイダや「配送業者:Amazon」に対する評判は、あまりいいものではありません。特にヤマト運輸のシェアが下がり、デリバリープロバイダが台頭した2017年からしばらくは、不評が多かったようです。その理由と実際の過去の事例、今後の変化について探っていきます。

大手運送業者に比べ、人材やサービスの質が落ちる

根本的な問題は、人材の質が揃わないことにあります。

デリバリープロバイダに参入して大きく業績を伸ばした丸和運輸は、その際にかなりの新規人材の獲得や流通網の整備を行っています。言わばAmazon FLex戦略の先取りでシェアを拡大したわけです。ですが、このやり方は悪く言えば寄せ集めになります。そうなると、人材の質が整うまでに時間がかかるのは避けられません。

ましてAmazonにおいては、配送量も膨大です。過酷な作業量を安価な賃金でこなすのに、質を高めるモチベーションを持ってもらうのは簡単ではありません。今後ますますネットショッピングの需要が増えていく中で、延々と続いていく課題なのは間違いありません。

かつての悪評①時間通りに届かない、追跡の精度が低い

ここからは、デリバリープロバイダ時代に多かった悪評を一部取り上げていきます。

まずは時間通りに配達されないケースが多かったようです。不安になった購入者が追跡をかけても情報の精度が低く、余計にやきもきする結果に繋がっています。それだけ人材的に余裕がなく、支えるためのシステムも整っていなかったことがうかがえます。

かつての悪評②荷物の管理がずさん、応対が無愛想

荷物の扱いがずさんで、到着した時に箱が潰れていたり、中身が破損していたりするケースも多かったようです。

対応が非常に悪い、無愛想だという声も散見されます。また、服装のルーズさを指摘する人もいます。それまで大手配送業者の配達員の対応に慣れていた分だけ、粗が目立ってしまったのです。

かつての悪評③置き配などの雑な対応が目立つ

今では一般的になった「置き配」ですが、2019年頃までは不評の種となっていました。在宅しているのに玄関前に置き去りにされた、強引に宅配ポストにねじ込まれた、隣の家の前に放置されていたなどの声が挙がっています。

宅配ボックスの暗証番号の記載忘れなども多かったようです。様々な理由で連絡を入れても繋がらないという声が多く、相当数のトラブルが生じていたことがうかがい知れます。

2020年4月から「置き配」がデフォルトに

Amazonは2020年4月から、「置き配」を「配送業者:Amazon」が取り扱う荷物のデフォルト設定としています。

時代の流れにうまく便乗した感はありますが、結果的に2年が経過した2022年4月現在で、「置き配」はかなりの認知度を得たと言っていいでしょう。サイン不要で対面を必要としないシステムは、購入者サイドにとっても便利です。一方で、もしも商品に問題があった際の対応や検証に、より難しさを生じさせたとも言えます。

参考:Amazon公式サイト(置き配指定)

2021年4月から導入された「Key for business」

「置き配」に対する購入者サイドの心理的抵抗を薄めるために、Amazonも更なる施策を打ち出しています。その面白い例として、この項では2021年4月から導入された「Key for Business」という取り組みを見ていきます。

具体的には、オートロックのマンションでも個人情報を流出させることなく「置き配」が可能となるシステムです。まだ導入されて日が浅いのですが、Amazonの影響力を考えても、今後こういったやり方が主流になっていく可能性は高いと言えます。

ヤマト運輸も2022年4月から、同様のサービスを開始したというリリースがありました。

こうした効率化に向けての取り組みは、少しずつでも問題を改善させるきっかけになります。

参考:Amazon公式サイト(Amazon Key for Business)

参考:ヤマト運輸(ニュースリリース・マルチデジタルキープラットフォーム開発について)

受け取り側の意識の変化や自衛も必要

今はまだ大手運送業者は、対面配送を基本にしています。しかし、ここまでの流れを見ても、今後「置き配」を中心とした、不在配送が可能なやり方のシェアは大きくなっていくでしょう。

そのため、受け取る側にも意識の変革が求められます。サービスや対応が悪いと嘆くだけでははじまりません。それが当たり前と思って、トラブルに発展しないための自衛策を講じましょう。

「置き配」に関しては、やはり多くの人の目につく場所に放置されるリスクが高いと言えます。オートロックがあるマンション内などであれば、まだリスクは低くなるかもしれません。それでも、盗難の危険がゼロとは言い切れないのです。

それを防ぐのに、例えば自前の宅配ボックスを用意するなどのやり方が有効と言えます。

自分なりに「置き配」への心理的抵抗を弱めていく方法を模索するべきなのです。

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「配送業者:Amazon」を利用せずに済む方法は?

では、確実に「配送業者:Amazon」を避けるやり方はあるのでしょうか?この項ではそれを探っていきます。

購入者が配送業者を選ぶことはできない

まずAmazonが販売する商品全般においては、購入者が配送業者を選ぶことはできない仕組みとなっています。配送先や在庫の保管場所など様々な要素をふまえて、Amazonがもっともスムーズに配送できると判断した業者が選ばれます。購入者サイドからは、出荷完了のメール通知、あるいは、注文履歴のステータス更新まで、配送業者を知ることはできません。

お急ぎ便やプライム会員でも例外ではない

過去には通常便がデリバリープロバイダ、お急ぎ便などの特別なサービスはヤマト運輸や日本郵便と、棲み分けができていた時期もあったようです。しかし現在では、どの配送方法でも「配送業者:Amazon」を確実に避けることはできなくなっています

比較的確実性の高い方法は?

現時点でもっとも確実と言われているのは、コンビニなどの店頭受け取りを指定するケースです。対応可能な店頭受け取りは以下の4つです。

  • ローソン
  • ファミリーマート
  • ミニストップ
  • ヤマト運輸営業所止め

デメリットは自分で受け取りに行く必要があることと、3辺の合計が80cm以内、重さが10kg以内までという制限があることです。しかし、確実に「配送業者:Amazon」を避けられるのと、自分のタイミングで受け取りに行けるのは大きなメリットと言えます。

それ以外にも、「Amazom Hub」や「プライムナウ」などのサービスは、それぞれ専門の配送業者が運んでくれます。どうしても「配送業者:Amazon」を避けたいと思うならば、これらを選びましょう。

注文する荷物によって使い分ける意識が大切

実際問題、配送業者をえり好みしていては不便の方が大きいと言えます。「置き配」でも問題のない商品ならそちらを選び、どうしても慎重に運んでほしいものは確実性を取るなど、上手く使い分けていきましょう。

大切な荷物を守るため、正しい知識と対応策を身につけよう

この記事では、Amazonデリバリープロバイダの導入からの流れと、それに伴う問題点を紹介してきました。現在の状況に至るのにどういう経緯があったか、どんなリスクがあるのか、ざっくりでも理解していただけたかと思います。

今後もAmazonを利用するのであれば、配送に伴うリスクは意識しておく必要があります。それに対処できる知識があるだけでも、不安なく快適にAmazonを使いこなす大きな助けになるでしょう。

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この記事を監修した人

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