DHLの「通関手続き中」のステータスの意味とは?配達完了までどのくらいかかる?

海外の通販サイトで商品を購入した際に、追跡サービスなどで荷物の追跡を行うと「通関手続中」と表示されることがあります。

しかし、この「通関手続中」というステータスがなかなか動かず、不安に感じる方もいることでしょう。

一体、通関手続き中とはどのような意味で、表示されてからどのくらいの期間で自宅に配達されるのでしょうか。

そこで今回は、DHLなど国際郵便サービスのステータスの意味や、配達完了までの日数などについて詳しく解説します。

目次

「通関手続き中」が表示されてから配達完了までの日数について

通関手続きは、国際便で届けられる物品の審査等を行う業務です。

郵便の内容物や必要書類に不備や不審点などがなければ問題なく完了しますが、問題があると判断された場合は通関で検査が行われます。そして、通関検査に引っかかると荷物追跡サービスに「通関手続中」というステータスが表示されることになります。

では、この通関手続中が表示されてから届くまでの日数はどのくらいになるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

基本的には数日で配達が完了する

通関手続きは、何の不備もなければ5時間程度で完了します。

そのため、「通関手続中」の表示から配達が完了するまでの日数は、基本的に1~3日程度です。

1週間程度かかる場合もある

通関手続中の表示が出た場合でも通常は1~3日程度で荷物が届きますが、場合によっては1週間程度の日数を要することもあります。

特に国際書留郵便の場合は、土・日・祝日に通関手続きが行われない関係上、配達までの日数が長くなる傾向にあります。

ただし、EMSや国際小包等の場合であれば、土・日・祝日にかかわらず通関手続きは行われるため、1週間以上かかることはまれでしょう。

繁忙期はさらに時間がかかることも

毎年12月~1月にかけての期間は、クリスマスやお正月などの大きなイベントが重なることもあって、通関や国際郵便交換局が込み合う繁忙期となります。

そのため、この時期に通関手続中のステータスが出た場合、配達完了まで1週間以上かかることもあります。また、EMSも繁忙期は時間がかかることがあるため注意が必要です。

海外から日本への荷物が届くまでの日数例

海外から日本に荷物が発送された場合、配達が完了するまでにどの程度の日数がかかるのでしょうか。

この項目では中国、アメリカ、シンガポールの3か国から日本に発送された場合を例にご紹介します。

「中国→日本」の場合

以下の画像は、中国から日本へ発送した場合の例です。約1週間程度で到着しています。また、通関手続中と表示されてから配達完了するまでの日数は1日でした。

「アメリカ→日本」の場合

次にご紹介するのは、アメリカから日本へ発送した場合の例です。こちらも中国同様、約1週間で荷物が到着しています。なお、通関手続中から配達完了までの日数は1日でした。

「シンガポール→日本」の場合

こちらは、シンガポールから日本へ発送した場合の例です。到着は約10日ほどで、通関手続中の表示から1日で配達も完了しています。

通関手続きが遅れる原因とは?

通関手続きは、何か1つでも法律上の問題があればストップしてしまいます。

この項目では、通関手続きが止まってしまう原因について解説していきます。

インボイスの記載ミス

通関手続きでは、インボイスなどの通関書類が通関士によってチェックされます。このインボイスの内容に記載ミスがある場合、訂正が必要になり、手続きに時間がかかることがあります。

また、訂正するにはインボイスを発行した外国の輸出者と連絡を取り合う必要があるのですが、担当者が休みだったり、すぐに対応してくれなかったりすると、なかなか訂正が進みません。また、時差の関係で連絡がつきにくいこともあり、こうなってしまうとますます手続きが遅れてしまいます。

アライバル・ノーティスの発行の遅れ

船便の場合、船が国内に入港すると、輸入申告に必要な「アライバル・ノーティス」と呼ばれる貨物到着通知が船会社から発行されます。

しかし、外国の船会社によってはアライバル・ノーティスの発行が遅れることがあり、そうなってしまうと当然通関手続きもストップしてしまいます。

関係機関の承認が下りない

輸入品目によっては、税関以外にも他の関係機関からの許可を受ける必要があります。たとえば食品を輸入する場合だと、原材料や製造工程などを検疫所に申請して承認を受けなければなりません。これを「他法令の承認」と呼びます。

この承認を受けなければ輸入許可書が発行されないため、通関手続きが止められてしまいます。

特に繁忙期は検疫所が混雑するため承認がなかなか下りず、手続きも遅れがちです。

税関の審査が長い

輸入実績のない輸入者の場合、書類審査以外にも貨物検査が必要な場合が多くなります。そうなると貨物をコンテナヤードから取り出し、検査場に持ち込むなどの手間がかかるため、余計に時間がかかってしまいます。

また新商品を輸入した場合も、貨物検査まで行われることが多く、手続きに時間がかかります。

食品衛生法の対象になる商品を輸入する場合

食品衛生法とは、「食の安全を保つための法律」です。

つまり、食品の安全性を維持しつつ、衛生上の危害発生を防止することにより、国民の健康を保護するための法律です。

このような食品衛生法の対象になる商品を輸入する場合は、通関時にその輸入目的や方法について通関士が判断する必要があり、手続きに時間がかかる傾向があります。

この項目では、食品衛生法の対象になる商品の輸入手続きについて解説します。

食品衛生法の対象となる商品の種類とは

食品衛生法の対象となる商品は以下の通りです。

  • 食品(すべての食べ物・飲み物。ただし薬機法の対象となる物品を除く)
  • 添加物(保存料、着色料等)
  • 器具(食器、コップ、調理器具、食品製造用機械等)
  • 容器包装(食品保存容器、食品パッケージ等)
  • 乳幼児用おもちゃ

このように、食品そのものだけでなく食品に接するものも対象となっているため、非常に範囲が広いのが特徴です。

「個人使用目的」か?「販売目的」か?

食品衛生法の対象となる商品を輸入した場合、まず輸入の目的が「個人使用目的」「販売目的」であるかの検査を受けます。

個人使用目的の個人輸入とは、輸入を行う個人が自分で利用することを目的とした輸入です。個人使用と判断された場合は、特に検査もなく通関できます。

一方、「販売目的」の個人輸入は、国内で輸入商品を販売することを目的とするものです。販売目的で輸入する場合、輸入自体だけでなく国内販売に関する法規制にも従わなければなりません。結果として、多くの手続きや検査を受けることになりますし、場合によっては輸入量の制限や輸入そのものが禁止になったりすることもあります。

販売目的と判断された場合

販売目的と判断された場合は、メールや電話などで税関から連絡が入ります。そして、「検査に通す」または「通関せずに破棄する」のどちらかを選ぶことになります。

検査に通す場合は、食品検疫所へ輸入の届出や税関での審査、輸入許可の申請などを行います。

ただし、検査には数万円単位の出費や数週間~数か月単位の時間がかかります。一方、破棄するとなった場合は、仕入れにかかった出費がすべて無駄になってしまいます。このような事情があるため、個人や小規模で行う食品の輸入は、採算が取れない場合が多いのです。

郵便局の追跡サービスのステータスの意味と実際に届くまでの日数

海外から輸入した商品を郵便局の追跡システムで調べると、「国際交換局からの発送」をはじめとする様々なステータスが表示されます。

この項目では、海外からの荷物に適用されやすいステータスの意味について詳しく解説します。

「国際交換局から発送」

まず、「国際交換局から発送」というステータスについて説明しましょう。

このステータスには「国外からの発送」「国内からの発送」の2つの意味があります。

国外からの発送は、「現地での税関手続きを完了した荷物が、海外の国際交換局から日本に発送された」という意味です。

一方、国内からの発送は、「検査などが完了した荷物が、日本の国際交換局から宛先の住所へ発送された」ことを意味します。

しかし、郵便局の追跡システム上では、国外、国内にかかわらず「国際交換局から発送」というステータスになります。

「通関手続き中」

先ほどから出てきている「通関手続き中」のステータスについても改めて説明しましょう。

通関手続き中は、国際交換局で書類や荷物の検査が行われていることを示しています。まれに、通関手続き中が2回以上表示されることがありますが、この場合は何らかの問題が発生し、二次審査が行われている可能性があります。

「通関保留中」

「通関保留中」とは、必要書類に不備があったり、荷物の中身に問題があったりすることで、税関による検査が終了していないことを示しています。

通関保留中になる主な理由は以下の通りです。

  • 必要書類が不足している
  • 偽ブランド品、コピー品の疑いがある
  • 輸入が禁止されている商品の可能性がある

また、通関保留中が表示された場合、翌日以降に再度荷物の検査が行われることになります。そして、荷物の受取人に対しては、税関から今後の対応に関する書類が送付されます。

「税関から名宛人に照会中」

「税関から名宛人に照会中」というステータスは、通関保留中になった荷物の受取人に対して、税関が連絡を行っていることを示しています。

受取人は、税関から届いた書類の内容を読み、必要な書類などを用意します。もし何の対応もしなければ荷物は返送され、受け取ることができなくなります。

「輸出許可済み」

「輸出許可済み」とは、通関保留中であった荷物に対し、輸出許可が出たことを示しています。

輸出許可が出た荷物は、税関による検査を通過して、輸出先へと発送されます。

「国際交換局から発送」が何度も表示される理由

「国際交換局から発送」のステータスは、2回以上表示されることがありますが、この主な原因としては、以下のようなものが考えられます。

  • 物量の増加による遅れ
  • 便の欠航
  • 荷物の再検査
  • 荷物を運ぶためのコンテナ不足

ただ、時間が経てば発送されることが多いのでそれほど心配することはありません。

DHLなどの国際郵便サービスの荷物を追跡するには

この項目では、DHLやFedExなどの国際郵便サービスの荷物の追跡方法についてご紹介します。

国際郵便サービスの多くは荷物の追跡サービスを行っており、メールでの配送案内には「トラッキングナンバー(追跡番号)」が記載されています。このトラッキングナンバーを使えば、荷物の現在地を特定できます。

各国際郵便サービスの荷物の検索フォームにトラッキングナンバーを入力すると、現在の状況を示すステータスが表示されるので参考にしてください。なお、DHLはステータスの日本語表示にも対応しています。

参考:トラッキングおよび追跡 – DHL

英語のステータスの日本語訳

DHLのように日本語に対応している国際郵便サービスもあるものの、中には英語のみの追跡サービスしか行っていない会社もあります。そこで、英語のステータスの意味をいくつか解説しますので、ぜひ参考にしてください。

・Posting/Collection

「荷物を引き受けました」

・In Customs / Held by import (export)Customs

「通関手続中」

・Item held by export Customs

「税関で荷物を保管中」

・Departure from inward office of exchange

「国際郵便交換局から荷物を発送」

・Processing at delivery Post Office

「宛先付近の郵便局に到着」

・Delivered

「お届け済み」

国際郵便サービスのステータスの意味を理解すれば、荷物が届かないときでも安心

今回の記事では、国際郵便サービスのステータスの意味や配達完了までの日数について詳しく解説しました。

荷物の追跡には「通関手続き中」や「通関保留中」など様々なステータスがあります。それぞれのステータスによって配達に時間がかかったり、新たな書類等の準備が必要になったりと対応が異なります。

その他にも、食品を輸入する際には、食品衛生法等の関係でより手続きに時間がかかる場合もあります。

このように、国際郵便サービスのステータスの意味や、特定の品目の通関手続き状況を理解すれば、ある程度の配達日数が予想できるため不安も解消できます

海外から商品を購入する際には、ぜひ今回ご紹介した情報をお役立てください。

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