「荷物の追跡をする方法が分からない」
「追跡できないときにはどうすればよいのか」
国際郵便を利用する際、このように悩んだことはないでしょうか。
国際配送をする場合は国際郵便がおすすめです。スピード重視・安さ重視など様々な要望を叶える配送プランが多数用意されていますし、書留にすれば追跡も可能です。
しかし、国際郵便物が追跡できない場合があります。
そこでこの記事では、
- 国際郵便の種類とおすすめの発送方法
- 国際郵便が追跡できない理由
- 国際郵便が届かない場合の対処法
について解説しています。
何かとトラブルの多い国際郵便。うまく活用できるように、この記事の内容をぜひ参考にしてください。
国際郵便の種類
まず最初に国際郵便の種類について説明します。国際郵便には一般的に6種類の配送サービスがあります。
- EMS(国際スピード郵便)
- 国際小包
- 小形包装物
- UGX(ゆうグローバルエクスプレス)
- 国際eパケット
- 国際eパケットライト
国際小包と小形包装物には3種類の発送方法があります。
- 航空便(AIR)
- エコノミー航空便(SAL便)
- 船便
現在、国際郵便はコロナウイルスの影響で国によって発送できない、一部サービスが利用できない場合がありますので、確認しておく必要があります。
参考:国・地域別の差出可否
速さで選ぶなら「EMS(国際スピード郵便)」
配送スピードで選ぶならEMS(国際スピード郵便)がおすすめです。
EMS(国際スピード郵便)で送られた荷物は国際郵便の中で最優先に扱われるため、最速で配送されます。2~4日で荷物が届きます。
ただし、配送料は若干高めです。例えば、日本からアメリカのニューヨークに2kg以内の荷物を発送する場合は、配送料7,900円で3日で配送されます。
EMS(国際スピード郵便)で配送が可能な荷物の重量は配送先によって異なります。詳しい重量・送料は以下のページで調べることができます。
EMS(国際スピード郵便)を利用すると追跡番号が発行され、荷物紛失時は通常で2万円、追加料金を支払って申し込みを行うと最大200万円まで補償されます。
また、2022年6月1日よりEMS・国際小包の料金改定および特別追加料金が導入されました。それに伴ってEMS(国際スピード郵便)や国際小包(航空)、国際小包(SAL)、国際小包(船便)の料金が改定され、EMS・国際小包料金の地帯区別変更とEMS・国際小包特別追加料金の導入がされています。
重い荷物を送るなら「国際小包SAL便」
2kg以上の重い荷物を安く配送したい場合は、国際小包としてSAL便で発送するのがおすすめです。
国際小包は最大30kgまで配送可能です。国際小包の発送方法は、前述した航空便(AIR)、エコノミー航空便(SAL便)、船便の3つです。
配送スピード順に並べると以下のようになります(送料が高い順でもあります)。
- 航空便(AIR)
- エコノミー航空便(SAL便)
- 船便
船便は配送料が安いですが、配送に1~3ヶ月かかります。航空便(AIR)は3~6日で配送されますが、配送料が高いです。書留にするとEMSとほぼ変わらない値段になってしまいます。
おすすめはエコノミー航空便(SAL便)です。
1~2週間で配送され、配送料も安いです。書留にしたとしても、EMSの半分ほどの送料で済みます。
2kg未満の荷物は「小形包装物SAL便」
2kg未満の軽い荷物は、小形包装物としてSAL便で発送するのがおすすめです。
小形包装物として配送できるのは3辺合計90cm以内(1辺60cm以内)、2kg未満の荷物です。
追跡番号は必須
トラブルを予防するために、国際配送する際は追跡番号を必ず発行してもらいましょう。
EMSは自動的に追跡番号が発行されます。その他の配送方法を利用する場合は、書留にすれば追跡番号が発行されます。
EMSで発送した荷物を追跡する方法
続いて、EMSで発送した荷物を追跡する方法を解説します。
EMSで追跡可能な国
EMSで発送した荷物を追跡できる国を以下に示します。
【アジア】
韓国、シンガポール、タイ、台湾、中国、ベトナム、香港、フィリピン(一部地域のみ)、マカオ、マレーシア、インド、インドネシア、カンボジア、スリランカ、ネパール、パキスタン(一部地域のみ)、バングラディシュ、ブータン(一部地域のみ)、ブルネイ(一部地域のみ)、ミャンマー(一部地域のみ)、モルディブ(一部地域のみ)、モンゴル、ラオス(一部地域のみ)
【オセアニア】
ニュージーランド、オーストラリア、クック(一部地域のみ)、ソロモン(一部地域のみ)、ニュー・カレドニア、パプアニューギニア(一部地域のみ)、フィジー
【北米】
アメリカ(グアム等海外領土を含む)、カナダ、メキシコ、サンピエール及びミクロン
【中南米】
アルゼンチン、ウルグアイ、エクアドル、エルサルバドル、ガドループ、キューバ、コスタリカ、コロンビア、ジャマイカ、チリ、トリニダード・トバゴ、パナマ、パラグアイ、バルバドス、仏領ギアナ、ブラジル、ベネズエラ、ペルー、ホンジュラス、マルチニーク
【ヨーロッパ】
アイスランド、アイルランド、アゼルバイジャン(一部地域のみ)、アンドラ、イタリア、ウクライナ(一部地域のみ)、英国(イギリス)、エストニア、オーストリア、オランダ、ガーンジー、北マケドニア、キプロス、ギリシャ、クロアチア、サンマリノ、ジャージー、スイス、スウェーデン、スペイン、スロバキア、スロベニア、チェコ、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、フランス、ブルガリア、ベラルーシ、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、マルタ、モナコ、ラトビア、リトアニア、リヒテンシュタイン、ルクセンブルク、ルーマニア、ロシア(一部地域のみ)
【中近東】
イラン、レバノン、アラブ首長国連邦、イスラエル(一部地域のみ)、イラク、オマーン、カタール、クウェート、サウジアラビア、シリア、トルコ、バーレーン、ヨルダン
【アフリカ】
ウガンダ、エチオピア(一部地域のみ)、ガーナ、チュニジア、マダガスカル(一部地域のみ)、モロッコ、ルワンダ、アルジェリア、エジプト、ガボン(一部地域のみ)、ケニア(一部地域のみ)、コートジボワール、ジブチ、ジンバブエ、スーダン(一部地域のみ)、セネガル、タンザニア(一部地域のみ)、トーゴ、ナイジェリア、ナイジェリア、ボツワナ(一部地域のみ)、南アフリカ共和国、モーリシャス、レユニオン、シエラレオネ(引き受け停止中※2022年12月現在)
EMSの追跡番号の確認方法
EMSの追跡番号は、EMS伝票の控えに記載されています。
EMSの追跡番号
EMSの追跡番号は「EM987654321US」というように13桁で構成されており、必ずEから始まります。最後のアルファベット2文字は発送国を示しています。
EMSの荷物を追跡する方法
EMSで発送された荷物を追跡するには、以下のページで追跡番号を検索する必要があります。
参考:EMS配達状況の確認
空欄に追跡番号を入力して「EMSの追跡」をクリックしてください。
すると、以下のように配達状況が表示されます。
既に配達が完了している場合は配送履歴に「お届け済み」と表示されます。
EMS追跡結果の配送履歴の見方
配送履歴の表示項目の例を以下に示します。
- 引受
- 国際交換局から発送
- 国際交換局に到着
- 税関検査のため税関へ提示
- 通過
- 保管
- 差出人に返送
- お届け済み
注意が必要なのは「保管」と「差出人に返送」です。
「保管」は配達時に受取人が不在であったため郵便局で荷物が保管されている状況ということです。海外では不在配達後には再配達されません。不在配達の荷物を受け取るには、受取人本人が郵便局に取りに行く必要があります。保管期限内に取りに行かないと、差出人に返送されます。
EMSの追跡情報が更新されない場合
また、配送が遅れたりトラブルがあったりすると、EMSの追跡情報が何週間も更新されないことがあります。
国際小包を追跡する方法
国際小包で発送された荷物が現在どこにあるのかを追跡する方法としては、郵便局のホームページから荷物の追跡をすることが基本的な方法となっているので、解説していきます。
郵便局のホームページから追跡する方法
郵便局のホームページに入り、「郵便・荷物の追跡」タブにお問い合わせ番号を入力し、虫眼鏡をクリック。いつ、どこを通過したのかなどが表示されます。
追跡ができなかった時の対処方法
お問い合わせ番号を入力したにもかかわらず、番号が見つからないと表示されて追跡ができない場合があります。
送り主側が送料を安くするため、安い代理店に依頼しており、その代理店がある程度荷物を預かるまで集荷依頼がされないため遅れているパターンや、お問い合わせ番号が正しく入力されていない、集荷はされていてもまだ反映されていないなどの様々な理由が考えられます。
数時間から数日待ってみると反映されていることが多いですが、あまりにも遅い場合は送り主に問い合わせし、確認を依頼しましょう。
国際郵便が追跡できない5つの原因
続いて、EMSや書留付きの国際郵便が追跡できない原因を5つ紹介します。
情報処理に時間がかかっている
まず1つ目は、情報処理に時間がかかっているケースです。
日本を出た後の配送情報は、更新に時間がかかります。国によっては細かい配送状況が一切更新されない場合もあります。
例えば、以下のように詳しい配送状況が一切更新されず、いきなり「お届け済み」になる国もあります。
その一方で、以下のように配送状況が逐次更新される国もあります。
追跡できない国・地域にある
2つ目は、追跡できない国・地域に発送してしまったケースです。
上記の追跡可能な国・地域の中にも、追跡できないことが多い国・地域があります。
カナダ・オーストラリア・南米全土・アフリカ全土に向けて発送した荷物は、日本を出た後に追跡できなくなることが多いです。
郵便局のミス
3つ目は、郵便局のミスです。
郵便局員が追跡番号のバーコードスキャンをしていなかったり、書留をつけられない国に間違って発送してしまった場合は、追跡ができません。
発送元のミス
4つ目は発送元のミスです。
外国の通販サイトなどを使い商品を購入すると、追跡番号が間違っていたり、別の追跡番号が伝えられたりすることが日本の通販サイトに比べよくあります。
こういった場合は良心的な業者やサイトであれば問い合わせて、正しい追跡暗号を教えてもらえますが、悪質な業者だと発送したことを偽装するために、故意に偽の追跡番号を教えてくることもあります。
その場合は注文をキャンセルし直ちに返金を要求してください。海外の通販サイトではこういったこともあるので、そのサイトや業者が返金や返品の対応をしっかりしてくれるかを前もって確認することが大切です。
土曜・日曜・祝日は通関手続きがされない
最後に5つ目は、土曜・日曜・祝日は通関手続きがされないため追跡ができない、というケースです。特に国際書留郵便で荷物を送った際に起こります。
このため、土曜・日曜・祝日を跨ぐと、通関手続き以降の追跡ステータスが推移しないということがあります。
なお、国際書留郵便の場合、通関手続きさえ通れば、国内の配達は土曜・日曜・祝日関係なく行われます。
国際郵便が追跡できない理由(中国の場合)
中国からの荷物の多くは、チャイナポストを利用して届けられます。
中国の公共郵送サービスであるチャイナポストは、国内のみならず海外への発送を行っており、中国から直接発送する場合は良く使われます。
しかし、それだけメジャーな発送方法にも関わらずトラブルがよく発生してしまいます。
まずは、商品到着まで時間がかかること。
通常は2~3週間程度とされている納期ですが、1ヶ月以上待たされたというケースも少なくありません。これは、配送料を抑えるために、ある程度商品が集まってから配送を開始するためです。
さらに旧正月ともなると、配送により時間がかかります。せめて荷物が届けば良いですが
- 荷物が届かない
- 荷物が破損している
- 配送先住所が異なる
といったトラブルも報告されています。
荷物がなかなか届かないと不安なので、現在の配送状況を確認したいと思うのは当然のこと。ところが、チャイナポストでは追跡できないことがあります。
その理由として、以下のようなケースが考えられます。
追跡番号に誤りがある
稀にですが、追跡番号が正しくないために追跡できないことがあります。
- 追跡調査サイトで誤った追跡番号を入力する
- 販売者から教えられた追跡番号が間違っている
といったケースがあります。
チャイナポストに荷物が届いていない
販売者から発送済みの連絡があったにも関わらず追跡できない場合は、そもそもチャイナポストに荷物が届いていない可能性があります。
これは、日本国内では販売者が直接配送業者に荷物を送りますが、中国では間に「発送代理店」が存在するためです。
販売者が発送代理店に発送依頼した時点では、チャイナポストに荷物は登録されていないため、追跡番号も反映されません。
発送代理店としては、荷物がある程度集まってからチャイナポストに依頼したほうがコストを抑えられるという考えがあります。そのため、依頼された荷物がすぐにチャイナポストに届かず、中には発送代理店で1週間以上ストップしているケースも。
サービスよりコスト面を重視するお国柄が原因と言えますね。
チャイナポストでの荷物の登録遅延
たとえ発送代理店からチャイナポストに荷物が届けられても、すぐに登録されるわけではありません。
利用者の多いチャイナポストでは、多くの発送代理店から大量の荷物が送られてくるため、データ登録に時間がかかってしまいます。このため、チャイナポストに荷物は届いているのに追跡ができない、ということがあります。
また、中国は祝日で長期休暇を取るケースが多く、1年のうちに3連休や1週間続く休みが何度かあります。国内郵便も取り扱っているチャイナポストでは、イベント前後は郵便を利用する人が増えます。
集荷や登録作業が休暇中にストップしているため、休み明けに処理する荷物の量が増えることもあり、登録に時間がかかるケースも珍しくありません。
追跡番号が反映されない国もある
チャイナポストは中国から日本に発送する際、他の国を経由する場合があるのですが、経由国によっては追跡番号が反映されません。
そのため、他の国を経由している場合は追跡が途絶えてしまうケースがあります。
このように、中国からの荷物発送トラブルはさまざまな要因が重なって起きることが十分考えられます。
事前に知っておくことで、少し不安が和らぐかもしれませんね。
国際郵便が追跡できない時の対処法
続いて、国際郵便で発送した商品が追跡できなかった場合の対処法をケース別に紹介します。
日本から海外へ発送した場合
まず日本から海外へ発送した場合の対処法を以下に示します。
- 追跡番号に間違いがないか確認する
- 追跡情報の更新を待つ
- 発送先の国の郵便局サイトで追跡する
- 調査請求書を提出する
追跡番号を調べて「引受」の履歴があれば、番号に間違いはありません。到着予定日を1週間以上過ぎても追跡情報が更新されない場合は、相手国(発送先)の郵便局サイトで追跡してみてください。相手国サイトでは情報が更新されていることがあります。
参考:海外の郵便局サイトリンク
それでも追跡ができなかった場合は、調査請求書を郵便局に提出しましょう。やり方は後述します。
海外から日本へ取り寄せた場合
次に海外から日本へ取り寄せた場合の対処法を以下に示します。
- 追跡番号に間違いがないか確認
- 発送元の国の郵便局サイトで追跡
- 発送主に連絡
発送主へ連絡する際は例文のように英語で送ってください。
Hello,
I have not received the items I purchased from you on 【日付】.
I checked the tracking number you told, but I didn’t know where my baggage is.
Please check the location of it and tell me.
Best regards,
(日本語訳)
こんにちは。
私が◯月◯日に購入した商品がまだ届いていません。
あなたが言っていた追跡番号を調べましたが、荷物の所在は分かりませんでした。
私の荷物の所在を調べて、教えてください。
よろしくお願いします。
国際郵便が届かない場合の対処法
国際郵便を追跡できず、荷物も届かない場合は、郵便局に調査請求書を提出しましょう。
EMS・書留は調査依頼が可能
調査請求書は、EMSか書留付き、または保険付郵便物で発送した荷物が届かない場合のみ提出できます。期限は発送された日から6ヶ月以内です。(例外として南アフリカあて小包は1年以内)
小形包装物や国際小包を書留なしで発送した場合は、調査してもらえません。注意してください。
調査請求書の提出方法
調査請求書は日本郵便のサイトからダウンロードできます。
参考:調査請求書のダウンロード
調査請求書に必要事項を記入したら、2枚分コピーして1枚を発送した郵便局に届けてください。もう1枚は控えとして取っておきましょう。
調査結果
調査請求書を提出してしばらく経つと、電話か書面で回答が返ってきます。
電話で回答が来た場合は、配達済みの報告が多いです。これに対して書面の場合は、荷物を紛失したため賠償するという内容が記載されていることもあります。
また、調査請求した時点で既に配達済みだった場合は、WEB上の追跡結果が「お届け済み」と更新されるだけで、回答が返ってこないことも多いです。
調査請求書で荷物が動くこともある
税関などで荷物が止まっていた場合は、調査請求書を出すことで荷物が動くことがあります。配送が遅れていると思ったら、積極的に調査請求書を出していきましょう。
国際配送はトラブルが多い
国際配送はトラブルが多いです。必ずEMSか書留付き、保険付郵便物で発送しましょう。追跡できない場合は、相手国のサイトで確認してください。それでも荷物の所在が分からない場合は、調査請求書を提出しましょう。