突然ですが、文章力を高めたいと思ったことはありませんか。
文章力は生まれ持った才能で決まっていると思われがちですが、トレーニング次第で上達させることが可能です。
今回は、そもそも文章力とは何か、文章力を劇的にあげるトレーニング方法などについてご紹介していきます。
Contents
文章力とは何なのか?
そもそも文章力とはどのようなことを指しているのでしょうか?
文章力とは文章を書く力や能力のことを指しています。しかし、そのように言われてもイメージしにくいと思います。
ここでは「文章力」についてもう少しわかりやすく解説していきます。
媒体によって文章力の捉え方は異なる
文章を書く前に知っておいて欲しいことは「どのようなジャンルの文章を書くかによって文章力の捉え方は異なる」ということです。
文章のジャンルは様々です。例えば、Web上で書く文章と言えば、ブログや記事などがあります。紙媒体の文章だと、小説や物語、あるいはマニュアルの文章などもあるでしょう。
どれも「文章を書く」ということは同じですが、求められる文章が異なってきます。
Web上でブログや記事などの文章を書く場合だと、読者がすぐに内容を理解できるように結論から書き始め、そのあとに背景や本題を書いていきます。
一方で、小説や物語を書く場合は、内容を先に書き、最後に結論を書きます。
このように、ジャンルによって求められる文章は異なります。文章力を向上させるには、文章の使い分けができるようになることが大切です。
読者への思いやりを持つことが大切
どんなジャンルであれ、文章を書く際に共通して持っておいてもらいたいことがあります。それは「読者を意識する」ということと、「読者にとっての利益を意識する」ということです。
読者は文章を読む際に、必ず何かしらの期待を持ちながらを読み進めます。例えば、解説記事の読者であれば、何か新しい知識が得られるといった期待を持って読みます。
小説や物語であれば、読み進めることで得られるドキドキやワクワクといった感情を期待しています。
書き手は文章を書く際にこのような期待に答えられるような文章を書くことが大切です。そうすることで、読み手は期待していたものを手に入れることができ、読み終わった後に満足感を得ることができるのです。
そのため、書き手は文章を書き始める前に、これから書く文章はどんな人が読む文章なのか、誰に役立つ文章なのかを考えることが重要です。
また、執筆中も「読者はどんなことを期待しているのか」「どんな疑問を持っているのか」を予測して、その答えを盛り込むような配慮も大切です。
文章の構成の仕方を覚える
文章力を左右するのが「構成」です。文章の構成を上手に作ることができれば、読みやすさが格段に上がります。
Web上の文章を作成する際によく使用されるのが「PREP法」と呼ばれる方法です。PREP法とは文章の最初に結論を書き、その後に理由と具体例を書き、最後にまとめを持ってくるという方法です。
Web上で文章を読む人は、興味がなくなるとすぐにそのページから離れてしまう傾向があります。読者をページから離れないようにするためにまず結論を書き、読者の興味を引くような構成にするのです。
これはプレゼンテーションの場面でも同様です。プレゼンテーションの聞き手は冒頭の部分しか集中して聞いていません。そのため、まず結論を話すことで聞き手の興味をひいて、その後の話を聞いてもらうという構成にしています。
一方で、小説や物語を書く際には「起承転結」や「序破急」といった構成で書くことが多いです。構成の順番を意識的に変えて、読者の興味を引く場合もありますが、この2つの方法で書くことが一般的です。
小説や物語の構成はまず、物語の始まりを書き(起)、その後の続きを書き(承)、話が逆転し(転)、最後に結論を書く(結)という流れです。
それぞれの場面に応じて、適切な構成で文章を書く必要があります。これを覚えておけば、読者の興味を引くことができ、読みやすい文章になるでしょう。
型に沿って文章を書き進める
文章を書く際は、型に沿って書き進めることでわかりやすい文章を書くことが可能です。
Web上の文章の場合だと、下記のような構成で文章を書くことが一般的です。
タイトル→導入→背景→本題→まとめ
まず、タイトルでは、結論を書きます。これは先ほどご紹介したように、読み手の興味を引くことが目的です。
導入部分では、さらに興味を持ってもらえるような文章を心がけます。例えば、共感が得られるような内容や、わかりやすさを重視した文章を入れることで読み進めてもらえるようにします。
背景では、なぜそのような話をするのかという事情を書きます。背景を入れることで、読者に対し文章を読む理由を提示できるようになります。
本題では、内容ごとに文章を分けて書き進めます。長文で本題を書いてしまうと、読者が読み疲れてしまい、読むのに飽きてしまう可能性があるからです。
まとめでは、本文で書かれていることを簡単に一言でまとめます。
このような構成で文章を書くと読者の興味を引くことができるので、読者がページから離れにくい文章になります。
書き慣れないときはテンプレートを使う
文章は書けば書くほど上達していきます。しかし、書くことに慣れていない人は、なかなか書き進めることができないのではないでしょうか。
そんな人におすすめの方法がテンプレート・ライティングという方法です。
この方法なら、あらかじめ型が用意されており後は文章の穴を埋めるだけなので、簡単に書き進めることができます。
文章を書き始める前に構成を読み返す
構成が完成しても、いきなり文章を書き始めてはいけません。まずは完成した構成を見返して、構成だけでも文章の内容がわかるか確認してみましょう。
なぜ、構成だけで文章の内容がわかるように意識する必要があるのかというと、読者は文章を隅々まで読むとは限らないからです。構成がしっかりしていれば、読者も内容を理解しやすくなります。
構成が文章力を左右するのはこのためです。
主語と述語の使い方に注意
文章を書くのが苦手な人は、主語と述語が合っていない文章を書いている可能性があります。読みやすい文章というのは主語述語の関係がわかりやすく、文章の内容がスッと頭に入ってきます。
× 歯医者に行けない理由は、忙しいのが現状です。
◯ 歯医者に行けない理由は、忙しいためです。
下の方が読みやすい文章だと思います。なぜなら、主語と述語が自然な関係で結ばれているからです。通常、述語は1文に1つあり、文章の最後にきます。良い文章というのは主語と述語の関係がわかりやすく、自然な関係になっています。
良い文章を書くためには、1度書いた文章を読み直して推敲すると読みやすくなります。
主語と述語は近くに置く
読みやすい文章を書くコツとしては、文章内の主語と述語を近くに置くことです。例えば、下記の文章を見てください。
■私は、大学にレポートを提出してから、旅行に出かけた
■大学にレポートを提出してから、私は旅行に出かけた
上の文章と下の文章の違いは、主語と述語の位置です。下の文章の方が主語と述語の位置が近いのでわかりやすい文章になっています。
日本語は、文章内で単語の並び順を変えても意味が通じるという特徴を有しています。しかし、文章の並び順によっては読みにくい文章になってしまいます。文章を書く際は、主語と述語を近くに置くようにしましょう。そうすれば、読みやすい文章になります。
省略した主語は途中で変えない
わかりにくい文章の1つに、文章の途中で主語が変わってしまう文章があります。例えば、下記のような文章です。
■映画によって感動させられ、ときには気づきを与えてくれた。
この文章では、前半部分の主語は「私は」となりますが、後半部分では「映画は」となります。途中で主語が変わっているので、文意を理解するのに時間がかかってしまいます。
基本的に、1つの文章中の主語は1つに限定しましょう。そうすれば、読者も読みやすく、理解しやすい文章になります。
逆に主語が複数あると、読む際に紛らわしいだけでなく、読みにくい文章になってしまうので注意が必要です。
述語を複数使用しない
文章を書く際は、主語と述語は一つずつとすることで骨格が見えやすくなります。逆に、述語が複数あると意味が紛らわしくなります。例えば、下記のような例が挙げられます。
■ちょっとした気遣いが大切だと思ったのは、学校での経験から感じるようになった。
この文では「思った」のか「感じた」のか紛らわしく感じてしまいます。できるだけ述語を複数入れないように意識して書くと以下のようになります。
■学校での経験から、ちょっとした気遣いが大切だと感じた。
こうすれば、文章がシンプルになり、主語と述語の関係がわかりやすくなります。できるだけ述語を重ねないように意識すると同時に、主語と述語の関係も意識して文を作るようにしてみましょう。
■マイホームやキャバクラや高級車を買いまくるなど、贅沢三昧であった
この文の「買いまくる」という述語に対して「マイホーム」「キャバクラ」「高級車」という主語が対応していますが、果たしてこれは正しい使い方なのでしょうか?
主語と述語が対応していないのであれば、下記のように書き換える必要があります。
■マイホームや高級車を買い、キャバクラで遊ぶなど、贅沢三昧であった。
こうすれば、主語と述語の関係が適切で、ストレスなく読み進めることができます。
修飾語と名詞は近くに並べる
頭の中に思い浮かんだ文をそのまま書くと意味が伝わらないことがあります。自分の頭の中では情景がイメージできていても、文章にして読んでみると別の捉え方ができることがあるからです。
例えば「きれいな池の鳥を見つけた」という文章があるとします。
この文章の「きれい」は「池」にかかっている解釈と「鳥」にかかっている解釈の2通りが考えられます。
この場合は修飾したい名詞(被修飾語)と修飾語を近くに並べることで意味が伝わりやすくなります。
池がきれいなのであれば、「きれいな池で鳥を見つけた」となり、鳥がきれいなのであれば、「池できれいな鳥を見つけた」とすることで、どちらの名詞を修飾しているのかわかりやすくなります。
このような紛らわしい文章を書かないようにするためには、文章を書いてから言葉を付け加えたり、修飾語の位置を変えたり、さらには読点を使用したりすることで、正確な意味が伝わる文章に修正する必要があります。
少しの工夫だけで文章が格段に読みやすくなるので、おすすめです。
読点の位置を意識する
読みやすい文章を書くためには、読点の位置を意識することも大切です。また、読点の位置を変えるだけで意味が変わってしまうことがあるので、正確に読点を打つようにしましょう。
下記のような文章が例として挙げられます。
■私は急いで横断歩道を渡る人を呼び止めた
このような文章では「私」が急いでいるのか、「横断歩道を渡る人」が急いでいるのかわかりません。このときに、読点を打つだけで、どちらが急いでいたのかわかりやすくなります。
■私は、急いで横断歩道を渡る人を呼び止めた
■私は急いで、横断歩道を渡る人を呼び止めた
上の文章であれば、急いでいたのは横断歩道を渡る人で、下の文章であれば、急いでいたのは私ということになります。このように、読点1つでこれだけ意味が変わってしまうのです。
このようなミスをなくすためにも、文章を書き終わった後は文章の推敲をする習慣をつけましょう。
読者の情報レベルに合わせて文章を書く
読者に対し、思いやりをもって文章を書くのが大切だと先ほどご紹介しました。それに関連して、読者の情報レベルに合わせて文章を書くことも思いやりの1つです。
例えば、不動産について初めて勉強したいという人に対して文章を書くとしたら、あなたはどのような文章を書きますか?おそらく、初めての人でも理解できるように、専門用語や専門的な内容の文章を避け、できるだけわかりやすく書くと思います。反対に、不動産に詳しい人に向けた文章であれば、専門用語があっても問題ないと思うことでしょう。
このように、文章を書く際には、読者の情報レベルを意識することも大切です。相手も知っているだろうと早合点して専門用語を使用すると、読者が理解できない文章になってしまいます。
どのような読者に向けた文章なのか理解した上で文章を執筆するようにしましょう。
難しい漢字はひらがな表記で
Web上で文章を書く場合、パソコンで文章を書くため、普段書かないような難しい漢字をそのまま漢字表記にしてしまうことがあります。
これでは読者が読めなかった場合、読みにくい文章になってしまいます。
「これは読めないかも?」と思った漢字はできるだけひらがな表記にするのが無難でしょう。
難しい漢字や表現は避ける
先ほど解説したように、パソコンだとついつい難しい漢字を使ってしまいがちです。読者が理解しやすい文章にするためには、ひらがな表記にするだけでなく、わかりすい表現を心がけることも大切です。
「助長」「瑕疵」「齟齬」といった普段の生活では使わないような表現は読者が理解しにくので、言い換えてわかりやすい表現にしましょう。
言い換えた表現がわからなければ、類義語辞典などを活用して、理解しやすい言葉を選ぶことが理解しやすい文章に繋がります。
また、難しい漢字や表現などで読み方がわからない場合は、そのまま表記するのではなく、ふりがなをつけることも大切です。
完成した文章を見直す(推敲する)
完成した文章は必ず見直すようにしましょう。自分では完璧に書いたつもりでも見返してみると、表現がおかしな部分や一度読んだだけでは理解しにくい部分があるはずです。
また、誤字脱字も見つかることがあるので、一度客観的に読み返してみることが大切です。
文章の表現を統一してまとまりのある文章にする
完成した文章のうち、伝わりにくい部分や日本語表現がおかしい部分、誤字脱字を見直したあとは、文章の表現にも注目しましょう。
読みやすい文章は一様にして語尾が統一されています。語尾が「です・ます」調なのか「だ・である」調なのか、このどちらかに統一することで、読者は違和感なく文章を読むことができます。
また、語尾の統一に加えて、主観的表現と客観的表現の使い分けを意識してみましょう。主観的表現は起こった事実に対する個人的感想を、客観的表現は起こった事実を指しています。
ブログや体験談などを執筆する際は主観的表現が大切ですが、事実を説明する記事やビジネス文書を書く場合は客観的表現を使用するようにしましょう。
もう一つ気をつける点としては、名詞の表現を統一することです。例えば、「コンピューター」と「コンピュータ」といったカタカナ語の表記や、「会う」と「逢う」といった漢字の表記、「りんご」と「リンゴ」といった文字の種類などの表記を統一することで読者が混乱するのを防げます。
表記を統一すれば、文章中の特定の単語を探す際に効率よく探すことができるようにもなるので、同じ表記に統一することが大切です。
語尾を変えて文章に変化をつける
文章を書くときについしてしまうことが、同じ語尾を何度も使用することです。例えば、下記の文章のようなものです。
「昨日は友達の誕生日だった。他の友達と誕生日のサプライズを準備した。友達はサプライズに喜んでくれた。サプライズが終わってから家に帰った。」
何度も同じ語尾が続くと文章が単調になり、なんだかつまらない印象を与えてしまいます。
語尾を過去形と現在形で使い分ける、できるだけ同じ語尾が続かないようにする、このようなことを意識するだけでも文章の印象が変わるので試してみてください。
口語表現になっていないか注意する
文章を書く際は口語表現になっていないかも注意しましょう。
語尾や表記を統一して、リズムよく読める文章になったとしても、口語表現が入っていると読者は気になります。
特に注意が必要なのは接続詞です。接続詞はふとしたときに口語表現になりがちです。接続詞が下記のような表現になっていたら、言い換えるか、接続詞そのものを無くしてしまった方がいいかもしれません。
・なので、ですので、だけど、それに、
接続詞を多用することは読みにくい文章になるので、文章に区切りがつく度に接続詞を挟むのではなく、接続詞を入れないでおくことも大切です。
1文の長さに注意する
頭に思い浮かんだことを文章にすると、どうしても1文が長くなってしまいがちです。文章が長くなると読者は読むのに疲れてきて、ページから離れることに繋がります。
また、長すぎる文章はそれだけ主語がわかりにくくなるため、言いたいことが伝わりにくいです。
「1文で伝えることは1つにする」と意識すると、文章が自然と短くなり、読みやすい文章になります。言いたいことを1つ1つ文章に分けるので、理解しやすい文章にも繋がります。
誤字脱字を確認
文章を書き終えたら、最後に誤字脱字を確認するようにしましょう。
少しくらいの誤字脱字であれば許してもらえますが、名詞を間違えたり、重要な文章を間違えたりすると、読者はその間違いが気になって内容が頭に入ってきません。
最後に一度読み直し、誤字脱字を確認する習慣をつけましょう。
文章力が上がるトレーニングをご紹介!
それでは、文章力をあげて読みやすい文章を書くにはどうすれば良いのでしょうか?
ここでは文章力が上がるトレーニングについてご紹介していきます。
たくさん本を読む
文章力を上げるトレーニングとして毎日本を読むことが挙げられます。
本でなくても、小説や新聞、雑誌など何でも構いませんが、とにかく活字をたくさん読むことです。たくさん活字を読むことで、自然と日本語の使い方や説得力のある文章を書くことができるようになります。
本を読む習慣がなければ、まずは簡単な文章から読むことをおすすめします。たくさんの本を読むことは、日本語の表現が頭に残るので、文章を書く際にも自然と正しい表現が書けるようになります。
わからない単語は積極的に調べる
本や雑誌などを読んでいる際に、わからない単語に出会ったら積極的に調べるようにしましょう。
普通なら知らない単語に出会っても、前後の文章から何となく意味を予測したり、わからないままにしておくと思います。わからない単語を調べることはそれだけ時間と労力がかかるからです。
しかし、調べた単語ほど、記憶に残り自分の文章表現を豊かにしてくれます。さらに、わからない単語を調べた後は、実際に使ってみることもおすすめです。そうすることで、単語の使い方がわかるようになりますし、使えるようにもなります。
話すように書いてみる
中には、文章を書こうと思ってもなかなか書けない人もいるのではないでしょうか?そんな人におすすめの方法が「話すように書く」ということです。
書くことが苦手でも、人に話すように書けばいいと言われれば、少しハードルも下がるのではないでしょうか。
具体的なやり方としてはICレコーダーを使用して、自分の声を録音することです。まずはじめに文章にしたいことを話してみます。
そのあとに、録音した音声を聴きながら文章に起こしてみます。そのあとに、文章として正しい表現に直して、何度か推敲を行うことで、文章が出来上がります。
これなら、書くことが苦手な人でも気軽に書き始めることができるでしょう。
文章力はトレーニングすれば鍛えられる
今回は文章力を高めるトレーニング方法やノウハウについてご紹介しました。文章力は誰でも鍛えることが可能です。
トレーニングを積み重ねることで、文章力は上達していきます。文章を書くことに苦手意識がある人は、今回ご紹介したトレーニング法を実践してみてください。