仕入れ値から計算を行い値段を決める方法を教えます!

「仕入れや値付けがうまくできない」
「販売価格の設定方法がわからない」
「利益率の計算方法が知りたい」

このような点でお困りではないでしょうか。

ネットショップで利益を上げるためには、販売価格を適切に設定することが重要です。

そのためには、仕入れ値をもとに計算を行い、目標とする利益率を達成する適切な販売価格を求める必要があります。

そこでこの記事では以下のような内容について解説していきます。

・仕入れ値をもとに販売価格を計算する公式
・値付けのテクニック
・利益率の計算方法

適切な販売価格を設定して、ネットショップの利益を拡大させていきましょう。

目次

いい商品を仕入れるための仕入先の探し方について

同じ商品の場合、仕入れ値を安く仕入れることができれば、利益を増やすことができたり、ライバルよりも安い値段で販売することも可能になるので、販売機会を増大させることができます。ですから、ショップの運営には良い仕入先からより安く、というのが最も大切なことになるのです。

基本的に仕入れは卸問屋から行うのが普通ですが、最近ではメーカーや製造業者、工場からの直接仕入れも頻繁に行われるようになってきました。メールや電話でのやり取りもいいですが、やはり最後は人と人のやり取り。実際に足を運んで交渉したほうがいいでしょう。

最も安く仕入れられるのはメーカー仕入、とはいうものの・・・

最も安く仕入れることができるルートは、メーカーや生産者から直接仕入れることです。問屋などの仲介業者が間に入らないので、流通コストをカットすることができて、ショップとしてはより仕入れ値を安く仕入れることができます。

しかし、個人経営の商店レベルでは一つ大きな問題があります。それはロット単位でしか契約をしてもらえない、という点です。ロットは商品によって違い、1ロット20個、30個のこともあれば、100個、1000個のこともあります。

最初から一ショップが同じ商品を1000個捌くのは難しいものです。不良在庫になってしまう可能性もあるということを念頭に置きましょう。

問屋や卸から仕入れをすることのメリットとは

メーカーからの仕入が難しいのであれば、やはり問屋や卸から購入することになります。問屋の多くがネットでの取引も可能で、会員登録をすれば利用できます。少量からの仕入でも小売店よりも安い仕入れ値で仕入れられ、実績がなくてもロット単位での注文にも応じてもらえます。

また、直接足を運んで仲良くなると、プロのアドバイスを惜しみなくもらえることもあります。ネットだけの利用ではなくて、人脈作りの努力をすることも大切ですね。

新規開店の時に卸問屋を利用するには

新規にショップを開店する場合、注意しなくてはいけないのは、安すぎる商品です。卸問屋でも売れ残っていたり、サンプル展示してきたものを、何も知らない新規業者に安く売りつける場合もあるからです。

当然、そのような商品には何らかの問題があります。どんな商品なのかをしっかりとチェックすることが大切です。

参考:仕入れ先の開拓方法を解説!個人が仕入れをするコツとは?

仕入れ前にはビジネス専用口座を用意しておく

ネットショップ運営において、一番初めに大きくお金が動くのは商品を仕入れる時です。その際、事業費の残高確認や仕入れ代金の入金など、お金の把握と管理をする必要があります。

これらを容易にするため、普段使っている生活用口座とは別のビジネス専用口座を用意しましょう。口座を2つに分けておくべき具体的な理由はこちらです。

  • 生活費と分けることで事業費が明確になる
  • 本業の給料と分けることで利益・損失が明確になる
  • 確定申告が楽になる

売上や支払いをビジネス口座にて一括管理することで、お金の流れをきちんと掴むことができます。また、確定申告の際は利用明細や入出金をまとめて確認できるので、あちこちに口座があるよりも断然準備が楽になります。

では数ある銀行の中で、どこを選ぶのが最善なのでしょうか。ポイントは①「ネットバンキングであること」と②「各種手数料が安い」ことの2点です。

この点からおすすめしているのが、PayPay銀行です。

ネットバンキングなので残高・入出金の照会や振込が、スマホやPCからいつでもどこでも行うことができます。

振込手数料はPayPay銀行宛なら55円、他銀行宛なら160円というネットバンキングならではの安さです。年会費は無料、物販で便利なヤフオクを利用する場合は売上金の振込手数料まで無料になるので、経費削減に大変役立ちます。

さらにこちらは銀行口座としてだけでなく、キャシュカード一体型のVISAデビットカードとしてキャッシュレス払いできるのが魅力です。デビットカードはクレジットカードのような後払いではなく、支払い時に口座から即引き落としされるので審査なしで申し込みできます。

経費を抑えて効率よくネットショップ運営をするなら、必ず持っておくべき1枚です。

参考:PayPay銀行 ビジネスアカウント

ちなみに確定申告をする際は、クラウド型会計ソフトのマネーフォワードへ登録するのをおすすめします。

銀行口座やクレジットカードなどをソフトに連携しておけば明細データの自動取得・入力がされ、会計業務や確定申告を簡単に行うことができるのです。税法改正や消費税増税の際にも随時対応して作業してくれるので、雑務に割く時間を最小限に抑えられます。

ネット販売などのサービス業の個人事業主なら、平均で約10時間もの業務時間の削減に繋がります。さらに専門家による事業戦略や資金集めなど、様々なアドバイスをもらうこともできるので一石二鳥です。

さらにこちらのクラウド会社設立というサービスを利用すると、PayPay銀行の振込手数料が無期限で割引されます。

会社設立時の多忙な時期を有効活用するだけでなく、より一層のコストダウンを可能にします。

会計処理から確定申告までスムーズに行えるマネーフォワードの利用料金は月額900円~です。詳しくはこちらをご確認ください。

参考:面倒な事務作業を一手にお任せ クラウド会計・確定申告ならマネーフォワード

仕入や値付けの常識!掛け率とは?!

仕入れや値付けをする場合に、掛け率という言葉を使います。この言葉の意味は、小売り予定価格に対する卸値の割合のことです。卸率とも言います。小売りの帳簿上は仕入原価率といいます。

掛け率はすべての商品が一定ではありません。卸問屋からみて、小売店との今までの関係や取引実績などによって、個別に設定されています。また仕入れ量の変動などによっても変わってきます。

掛け率を理解しておくと、仕入れ交渉ではとても役立ちます。また、理解できていないショップオーナーは相手にもしてもらえないでしょう。掛け率について、しっかりと理解しておきましょう。

掛け率の計算方法とは

それでは掛け率の計算方法について見ていきましょう。

「7掛けでお願いします。」こう言われたときにはどう計算すればいいのでしょうか。

1000円の商品を7掛けであれば、70%の700円で購入できる、ということになります。同じように8掛けなら80%の800円、6掛けなら60%の600円になります。7掛けという人もいれば、7割で、70%で、と人によって使う言葉が違いますが、すべて同じことを言っています。

これは大切なことなので、しっかりと覚えて計算できるようにしておきましょう。

掛け率の相場とは?

掛け率には商品のジャンルによっておおよその相場が決まっています。

アパレル関係は6掛けが一般的です。定価が1万円の商品であれば6000円が仕入れ値ということになります。食品やおもちゃは7掛けです。

これを基準に、交渉してみるといいでしょう。

掛け率の計算はどこでも必要!

掛け率、という言葉をこの記事を読んで初めて知った人でも、実はあなたの職場でも使っていることでしょう。小売りや商社に勤めている人だけが使っているわけではないんです。

というのは、どんな仕事にもお金の流れがあるので、そこで業者に発注した見積もりに対する掛け率、というのがほとんどの場合決まっているものです。

だいたい会社によって、物品は7掛けで購入とか決まっているはずです。社会人であるならば、掛け率の計算は覚えておいた方がいいでしょう。

参考:仕入れ金額の計算方法や利益計上の仕方を基礎から徹底解説

仕入れ値から販売価格を決める方法とは?その計算方法は?

次に値付けについて見ていきましょう。

小売りをする上で、値付けほど難しいものはないといってもいいでしょう。値付けを間違えると、利益が出せずに大赤字になったり、売れるはずの商品が全く売れなくなってしまいます。

安易な安売りをすれば、売れるようにはなりますが、売っても売っても利益が出ない、挙句の果てに次の仕入の資金がなくなり、商品の質を落とさざるを得なくなる、安かろう悪かろうの店だという評判が立つ、という悪循環に陥ってしまいます。

しっかりと売れる商品をライバルに勝ちながらも、適正価格で販売して、最大限の利益で最大限のお客様を獲得する、というバランス経営を成立させるための値付けが大切です。

10%、20%の違いで利益は数倍に膨れる!

たかが10%や20%程度価格を変更したところで、利益には大きな差はない、そんな風に考えていたら大間違いです。

800円で仕入れたものを1000円で販売していたところ、20%の価格アップで1200円にすれば、200円だった利益が400円になります。たったこれだけで利益が2倍になりました。原価を見直すことで利益を上げる方法もあります。800円で仕入れていたものを600円で仕入れられたらさらに200円の利益が出せるようになるのです。

かといって、800円の商品を600円の商品に改悪しては意味がありません。同じ商品を、大量仕入れにしたり、見積もりを何社もから取って比較することで、同じ商品でも原価を下げることが可能です。

価格設定や原価の見直し、利益率の調整で利益が2倍3倍と変わってくるのです。仕事をしてもしても利益が出ないというのは、利益率や価格の設定が安すぎることが原因です。

小売価格は原価から決めてはいけない

仕入れ値に利益率をかけて小売値を決めている業者も多いものですが、実はこれではお客さんは選んでくれません。

というのは、仕入れ値を基準に値付けをするということには、顧客視点が欠けているからです。これだけ良い材料なのだから、この利益率でいきたい、この内容でこの値段なら安すぎるくらいだ、こういった思い込みで価格設定することは、業者の側の視点でしか考えていない証拠です。

顧客が欲しいものを、納得がいく値段で提供する、それが値付けで最も大切な観点です。

ショップ側の都合で価格を決めてはいけない

ショップとしては、どのくらいの利益をこの商品から出したいか、いくら儲けたいのか、という視点で値付けをしたくなります。当然、利益率なども大切なことなのですが、やはり最後にその商品をその価格で選んでもらえるかどうかは、顧客心理にかかっています。

業者の側がいくらこの値段が適正だといっても、お客さんが納得できなければ買ってはもらえません。顧客が買いたい価格を見つけて提供することが大切です。

参考:販売価格の計算をエクセルでする方法。原価や付加価値など価格を決定する基準も解説

値付けのためのテクニック

いざ顧客視点の値付けをしようとするけれども、どうしたらいいのかわからないのが現実です。消費者自身もわかっていないのが普通でしょう。

そこで、値付けのためのテクニックを活用することが必要となります。そのためのテクニックを見ていきましょう。

需要分析を行って市場価値を把握する

値付けをする場合には、その商品の需要と価値を知ることが大切です。その価格であれば消費者はその商品を買ってくれる、という値段帯が必ずどの商品にもあります。その需要曲線を1円単位で計算して見極めることが大切です。

ネット販売が主流となりつつある現在、Amazonなどでも見られるように、価格というのは常に変動するのが当たり前になりつつあります。常に動く値段を分析し、自社の利益を計算し最大化しつつ、消費者に選んでもらえる価格を見極めることが大切です。

値付けは競合調査が大切!

値下げをすれば消費者には喜ばれますが、原材料の値上げなどにより値上げをせざるを得なくなる時もあります。そんな時には、すぐに値上げをするのではなくて、競合相手の動向もしっかりと見極めることが大切です。業界全体で値上げをすれば、消費者はその値段でしか購入できなくなるので、しぶしぶでも受け入れてもらうことができます。

また、他に競合がいない商品の場合には、何らかの理由を付けて値上げをしても、その商品のコアなファンがいれば、ファンは必ずその商品を買ってくれます。

ただし、上の2つの理由以外で安易な値上げをすることは危険です。しっかりと周囲の状況を見極めたうえで判断するようにしましょう。

仕入れ値やコストから計算して値付けをする

ショップを経営するためには、仕入れや光熱費、マーケティング費用などのコストがかかります。それらのコストに必要な利益を計算して上乗せして価格を決める、という方法もあります。

まだ知られていない商品を売る場合には苦労しますが、高い価格でも買う価値があると思わせることができれば、iPhoneが登場した時のようによくわからない商品でも買っていただくことが可能です。

参考:卸値・売値・仕入れ値とは?流通業界用語を徹底解説!

仕入れ値から計算してみよう!値付けの計算例

それでは実際にどのように値付けをしたらいいのか、計算方法をお伝えします。簡単な算数ですが、やり方を間違えている人も多いので正しい方法を覚えましょう。

「値入」により利益を乗せた販売価格の計算について

ここでは、「値入」により利益を乗せた販売価格の計算について紹介します。
例えば、原価が1000円の商品に40%の利益を乗せて価格を決めたい場合は、「値入」という言葉を使用して計算を行います。

「値入」とは、商品の販売価格に含まれる利益のことです。別な言い方をすると、「利益を予想した上で商品の価格を決める」ということでもあります。

「値入」と「粗利」との違い

「値入」と「粗利」はかなり似ていますが、これらの違いを解説します。

まず、「値入」は商品価格から原価が引かれたときの利益です。対して「粗利」は、売上から原価が引かれた時の利益となります。似ているように見えますが、実は大きな違いがあるのです。

わかりやすく表すと、「値入」は販売価格から導くことができる予想の利益で、「粗利」は実際に販売した実績に基づいた利益となっています。「粗利」の場合、例えば2000円で価格設定していた商品を、1500円に値下げした場合、粗利は下がります。

商品を販売するまでは「粗利率」と「値入率」は同じですが、値下げをして売ることで「粗利率」より「値入率」のほうが高くなるのです。

仕入れ値をもとに販売価格を計算する公式

原価をもとに売値を決める計算式は次の2つのパターンがあります。

  • 販売価格=原価÷原価率
  • 販売価格=原価÷(1-想定利益率)

原価率というのは1-想定利益率で出されるので、どちらの計算式も同じことです。

例えば、仕入原価が1万円の商品を30%の利益率で販売する、ということであれば販売価格は次のような計算になります。(小数点以下は切り捨て)

10,000÷(1-0.3)=14,285

利益と利益率を計算すると

利 益 14,285-10,000=4,285
利益率 4,285÷14,285≒0.3

販売手数料を含めた原価から販売価格を算出する方法

Amazonなどのプラットフォームを利用して販売するためには、販売手数料も必要になります。原価に仕入の他に販売手数料も加味したうえで販売価格を毛って知るためにはどうしたらいいのでしょうか。

販売手数料を含めて原価から売価を計算するには次のようになります。

  • 販売価格=原価÷(原価率-販売手数料)
  • 販売価格=原価÷(1-想定利益率-販売手数料)

仕入れ値が1万円で、販売手数料が15%必要な商品を30%の利益率で販売する場合、ということで考えてみましょう。(小数点以下は切り捨て)

販売価格 10,000÷(1-0.3-0.15)=18,181
利  益 18,181-10,000-(18,181×0.15)=5,454

利益率は原価×1.3ではない!

良くある間違いに、利益率を30%に設定した場合、単純に原価に1.3を掛ければいいと考えている人が多いということです。

100円の仕入れ値に1.3をかけると130円になります。利益率を計算すると 30÷130=0.23…… 利益率は30%ではなく23%しかありません。

有料の価格改定ツールにも間違えた計算方法を使っているものもあるので注意が必要です。

原価管理ソフトのおすすめ

原価管理ソフトというのは、原価管理や在庫管理、生産管理などができるソフトです。小売りを広げていくのであれば欠かせないツールです。ここからはお勧めのツールをご紹介します。

〈SmartF〉在庫管理システム

株式会社ネクスタ〈SmartF〉在庫管理システムをご紹介します。

倉庫での在庫管理から考えられた原価管理システムで、案件帯の管理や工数分析、進捗管理ができます。バーコードやハンディ端末で在庫をデジタルデータにすれば、このシステムで簡単に原価管理ができるようになります。

顧客のニーズに合わせたオプション構築も可能になるのが強みです。

クラウドERP ZAC

クラウドERP ZACをご紹介します。

クラウド上で構築されているシステムで、販売管理や経費の管理ができます。作業工程をガントチャートで可視化して、納期を把握しやすくし、一括調整や一括管理がスムーズに行えるようになります。

ビジネスを円滑に進めるために必要不可欠なツールといえるでしょう。

Reforma PSA(レフォルマ ピーエスエー)

Reforma PSA(レフォルマ ピーエスエー)をご紹介します。

WindowsでもMacintoshでもどちらでも使えます。販売管理業務と購買管理業務を一元管理できるので、仕入から販売までこのシステム1つでスムーズに行えます。

利益率の計算方法をしっかりと理解して正しい値付けをしよう!

この記事では仕入れ価格から正しい値付けをするための計算方法などについてお伝えしました。

利益率の計算方法は勘違いしている人が本当に多いと思います。ぜひこの記事で正しい計算のやり方を理解して、きちんと利益を出せるようにしましょう。

仕入と値付けはショップ運営が成功するかどうかの核になってくる部分です。しっかりと考えていきましょう。

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この記事を監修した人

ビジネスのノウハウを実践ベースで徹底的に追求するのがアクシグ。
世界で最も専門的で網羅的なコンテンツを提供し、ノウハウを惜しげもなく提供していきます。

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