レザークラフトを始める場合には、革の選び方や品質の良い革を販売している業者を見極めることが大切です。革を転売しているだけの業者もいますので、革の品質を見極めることが、良質のレザークラフトを作り、販売するためのポイントです。
レザークラフトを作って販売する場合の費用計算の方法も解説していきます。
仕入れの前に革について知る
皮はなめしという工程を経て、「革」に変化していきます。主に2種類のなめしの方法がありますが、それはタンニンなめしと、クロムなめしです。2つのなめしの方法の違いは、なめし後の革の特性にも影響をします。タンニンなめしの革は、使い込むと色が変わったり、形が馴染むので革の良さを楽しめます。
経年変化を楽しむならヌメ革を仕入れよう!
植物性の薬剤であるタンニンを使って皮を加工していきます。タンニンなめしをした革は、肌色のような色に仕上がります。この過程の後に、染色剤などで色を付けていきます。染色剤で色を付けずに、自然の色のままなのが「ヌメ革」と呼ばれる革です。
タンニンなめしの革は、丈夫で伸びに強いのですが、ひっかき傷には弱い特性を持っています。しかし使っていると形がなじみ、色が変わってきて、革を育てる楽しさがあります。経年変化を楽しむには、ヌメ革がおすすめです。
もしタンニンなめしでも、色を付けているのであれば、それほど色の変化がありませんので、タンニンなめしであれば、必ず色が変化するという訳ではありません。
参考:ヌメ革仕入れで失敗しないコツ!おすすめ販売業者もご紹介
強度のある革を仕入れたいならクロムなめし
科学的な薬剤であるクロムを使ってなめしを行います。タンニンよりも安価になめしを行うことができるので、クロム加工の革の方が安いです。クロムなめしが終わった革は、青色に変化しますが、その後染色剤で色を付ける加工がされます。
クロムなめしの革は、柔軟性があり傷が付きにくく、耐熱性が高いという特徴を持っています。
中間を仕入れるならコンビネーションなめし
コンビネーションなめしは、先ほどの2つの種類のなめしを組み合わせたものです。クロムなめしをした後に、タンニンなめしを行います。
2つのなめしの中間の特徴を持った革に仕上がります。
革を仕入れたら仕上げ方法を知ろう!
レザークラフトでは、革は加工をしてから販売されていきますが、その加工方法によっても仕上がりが異なります。革の最終工程でどのような仕上げ方法があるのか見てみましょう。
顔料仕上げ、染料仕上げ(アニリン仕上げ)という方法があります。
仕入れた革に傷が多いなら顔料仕上げ
顔料仕上げというのは、革の表面に塗料を塗って仕上げを行います。革の表面に塗料を塗ってしまうという事は、傷も隠れますし、色も好みの発色の良いものを使えます。
裏を返せば塗料で傷を隠してしまうので、傷が多い革でも一見すると、きれいに見えます。革は動物の成長によって形成されるので、当然傷はあるものです。置かれている環境によって、傷のつき方が異なりますので、傷の多さによってランクが分けられます。
当然傷が多くてランクが低い革は、この顔料仕上げで傷を隠す加工がされます。逆に傷が少ないランクが高い革は、染料仕上げなどで革の良さを生かして加工されます。
顔料仕上げの場合には、革の表面に革の雰囲気が感じられません。傷が隠される代わりに、革の経年変化などは楽しめなくなります。
参考:ヌメ革仕入れで失敗しないコツ!おすすめ販売業者もご紹介
傷の少ない革を仕入れたならアニリン仕上げ
アニリン仕上げの場合は、染料をしみこませて色を付けた後に、アニリン染料で薄い膜を作っていきます。透明感があり、発色も良いという特徴を持っているので、傷が少ない革にぴったりの加工方法です。
例えば、カーフという生後6か月以内の子牛の革は、傷が少なくきめが細かな革です。こうした革にきれいなカラー加工を施したい時に、このアニリン仕上げを行います。
傷に弱いので、コーティングは徐々に薄くなります。そこでアニリン専用のクリームでメンテナンスすることが必須になります。
仕入れ値に影響?革のサイズ
革のサイズは、DS(デジ)という単位で表します。1DSは10cm×10cmという大きさです。革は動物の大きさにかかっているので、すべてが同じではありません。
一般的に下記のサイズが目安になります。
- 牛革:200DS~300DS
- 豚革:100DS~150DS
革を仕入れる際には、ある程度の目安のサイズはあるものの、実際の革のサイズによって価格が決定されます。
革を仕入れる際は作るものを明確に
レザークラフトで作れるものは、たくさんあります。靴、バッグ、衣料の部品など人によって異なります。何を作りたいかを決めておけば、必要な革をお店に行って比較することができます。
型紙がすでにあるのであれば、お店に持っていけば、実際に必要なサイズを確かめられるので、レザークラフトを始める段階で準備しておくと良いでしょう。
仕入れた革で何個の製品が作れるのか?
目安として、トートバッグであれば、30DSほどあれば作成可能です。トートバッグは、レザークラフトの基本でもありますので、最初に作成しておきたい製品です。
ただし革を購入する時には、1枚単位で購入するので、何個ほど作れるのか相談しておきましょう。
参考:タイで仕入れて日本で売ろう!仕入れのコツと日本で稼ぐための方法
仕入れの前に知っておくべき革についての基礎知識
レザークラフトでは、他にも専門用語を使いますので確認しておきましょう。
仕入れる店によって革の大きさが変わる?バンまわり
革1枚の大きさのことを表します。革を販売するお店によっては1枚単位での購入が必要なので、「バンまわり」がどれほどかによって値段が変わります。
仕入れた革を薄く!スキ加工
厚さを薄く漉く加工方法です。革の利用方法や、強度に合わせて加工をします。
箔押し加工で仕入れた革を華やかに
革の表面に箔を押し付ける加工方法。繊細な模様も加工可能なので、革でも細かな花柄などが加工できます。
仕入れた革に手触りを与える吟スリ加工
革の表面にやすりをかけるなどして毛羽立たせる加工方法。
型さえあれば仕入れた革に凹凸!型押し加工
加熱高圧プレスで型を押して凹凸を出す加工方法。ひとつの型さえつくれば、同じ型で革に加工ができます。
ワニ革を仕入れたらボンベ加工!
グレージング(光沢)仕上げのワニ革のウロコに立体感をもたせる加工。
革の仕入れから販売までの費用と原価
レザークラフトは、細かな作業も多いので、いつの間にか時間が経過していることも多いものですが、レザークラフトをして、販売までを考えるのであれば、費用の計算をしておく必要があります。
革の仕入れから加工までの費用
まずは道具をそろえる必要があるので、その為の費用が生じます。
道具などの初期費用と、維持をするための維持費用があります。
革を仕入れた際に必要な道具
最初はキットを購入すると、必要な物が揃っているので、お買い得になります。
もしキットの工具では満足できない場合は、必要な物を買い足していくスタイルがオススメです。
最初のキットとしては、1万円ほどで売っている物で対応できます。最低限の道具を揃えるのに、このくらいの費用が必要で、さらに自分の作品に必要な道具を合わせても、2万円もあれば大体の物が揃うでしょう。
革でブックカバーを作る場合の仕入れ値
ブックカバーを作る際にかかる維持費用を考えましょう。
【革製品の仕入れ値①】革
レザーの品質によって大きく異なりますが、国内で有名な栃木レザーを使うとすると、およそ原価は1000円ほどになります。
【革製品の仕入れ値②】糸
カバーを縫う時の長さとして、本体の倍は必要になりますので、およそ10円として計算します。
【革製品の仕入れ値③】ロウ
糸に塗り付けるロウも必要になります。15gで200円になりますので、およそ10円として計算します。糸そのものにロウが含まれているものもありますので、そちらを使う事も可能です。
【革製品の仕入れ値④】オイル、ワックス、ボンド
トコノールで革の表面を仕上げたり、コバの仕上げをしたり、縫う前にボンドで接着したりします。大まかに計算して、1個当たり100円にしておきます。
このように、ブックカバー1つに対して、1120円がコストになります。この値段を基準にして、価格の上乗せをして販売する必要があります。
仕入れた革で作ったグッズを売ろう!
今は誰でも簡単にネットショップを作ることができます。
レザークラフトを作って、販売をしたい場合に活用できるサービスを紹介しましょう。
【革製品販売サービス①】BASE
趣味の範囲でレザークラフトを作成するのであれば、BASE(ベイス)というサービスがオススメです。
無料でネットショップが作れて、クレジットカードでの決済でも可能です。商品の登録数の制限もなく、在庫管理もしやすいデザインになっています。カスタマイズがそれほどできないのがデメリットですが、無料のサービスも充実しています。
商品を送付する手間はありますが、他にも「ロゴ作成」、「定期購入」、「レビュー設定」、「ブログ設定」などのサービスがあります。
【革製品販売サービス②】 グーペ
注文を受けて制作したり、商品として販売したいのであれば、グーペがオススメです。簡単にきれいなデザインのネットショップが作れるので、オススメのサービスです。
商品の美しさや、レザークラフトの技術を伝えるには、写真やデザインで勝負する必要があります。
【革製品販売サービス③】フリマアプリ
フリマアプリは、商品の売買ができるアプリです。複数のサービスを組み合わせて使うと、売れる確率が向上します。
フリマで革製品販売①メルカリ
フリマアプリと言えばメルカリというほど有名なサービスです。
ユーザー数も多いので、多くの人にアピールすることができるフリマアプリです。販売されている商品としては、中古の物が多いので、ハンドメイドはそれほどありません。販売手数料は、10%になります。
フリマで革製品販売②ココナラハンドメイド
ハンドメイド作品に特化したアプリです。ハンドメイド作品を求めているユーザーに訴えかけることができます。ココナラはユーザー数が多いので、このアプリもかなりのユーザーが使っていることが予想されます。
フリマで革製品販売③minne
こちらもハンドメイドに特化したアプリです。販売手数料は9.6%で、ハンドメイド作品を求めているユーザーが多くいることが考えられます。初心者でも売りやすいアプリになっています。
フリマで革製品販売④モバオク
モバオクが運営しているオークションアプリです。オークションなので、自分が作った作品がいくらで売れるのか試してみたい方にぴったりです。
実際にハンドメイド作品も出品されているので、売れないことはないでしょう。月額料金はかかるのですが、販売手数料はかからないので、利用はしやすいです。
革の仕入れならここ!オススメサイト
通販サイトを通じて革を購入すると、自分が思った通りの革でないということもあります。
しかし、実際の店舗には土地柄遠くて行けないという事も多いものです。
そこで、革を購入するのにオススメの通販サイトを紹介します。
【革の仕入れオススメサイト①】ミヤツグ
革の見本帳を見てから購入できるのがポイントです。カットレザーやゴートレザーなど幅広い商品を取り扱っている、オススメの通販サイトです。
参考:ミヤツグ
【革の仕入れオススメサイト②】レザーマニア
扱っている革の種類が豊富なのが特徴です。レザーだけでなく、レザークラフトに必要な道具も購入できるので、必要な物があれば一緒にオーダーすることができます。海外で有名な革も取り扱っています。
参考:レザーマニア
【革の仕入れオススメサイト③】和乃革
国産の革のみを取り扱っている通販サイトで、質が良いものを主に取り扱っています。質の良い革というと、外国製を思い浮かべますが、国産でも質の良い革があります。その分価格が少し高めですが、質が良いので、作品もきれいに仕上がります。
参考:和乃革
色んな革を仕入れてオリジナルの作品を作ろう!
革を使って多くの作品が作れるのが、レザークラフトです。
技術を向上させれば、市販されていないオリジナルの作品が完成します。
最初は、通販サイトのはぎれなどを使って、練習を重ねて、レザークラフトに慣れていきましょう。慣れてくると、お気に入りの革を使って、一生ものの作品を作ることができます。ぜひ基本をマスターして、難しいバッグなどの制作に挑戦してみましょう。
参考:【稼ぐなら必見!】Amazonでオリジナル商品を出品する方法とは?!