転売は個人でも稼ぎやすいビジネスの1つです。転売には大きく分けて3種類あります。
1.国内仕入れ、国内販売
2.海外仕入れ、国内販売
3.国内仕入れ、海外転売
この中でも特に稼ぎやすいと言われているのが3です。いわゆる個人輸出です。海外は市場規模だけでなく日本製品に対する需要も大きいにもかかわらず、個人輸出には難しいイメージを抱いている人が多いおかげで輸出業を行っているライバルはあまりいません。
今回は、輸出ビジネスの特徴と、輸出におすすめのプラットフォームを紹介します。
個人輸出ビジネスとは?
個人輸出とは、文字通り個人で海外の顧客に商品を販売するビジネスです。
輸出と聞くと港でコンテナ船に貨物を積み込むようなイメージを持っている人も多いかもしれませんが、今はそんなことはありません。郵便局で簡単に海外に商品を発送することができます。
個人事業の中では社会的地位が高い
個人事業はたくさんありますが、社会的地位の低い業種ばかりです。
・アフィリエイト
・Youtuber
・転売、せどり
特に転売に対する世間のイメージはあまり良くありません。正規品を買い占めて定価より高く売る人が増えたためです。
しかし、同じ転売でも販売先が海外になると「輸出業」として認識されます。国内転売も海外輸出もやっていることは同じ「転売」ですが、「海外輸出」というだけで社会的地位が一気に上がります。
そのため、個人輸出ビジネスは友達や家族にも誇ることができます。
クレームが少ない
海外製品は日本製品と比べると全体的にクオリティが低いと言えます。細かい汚れや傷は珍しくありませんし、不良品もしばしばあります。そのため、海外の消費者は商品の品質に対して日本人より寛容です。
日本製品は丈夫でクオリティも高いため、海外消費者からクレームが来ることはほとんどありません。
個人でもできる輸出ビジネス
輸出をする上で特に必要な資格はありません。開業届を出せば、誰でも簡単に個人輸出を始めることができます。
ただし、中古品を扱う場合は古物商許可が必要です。無許可で中古品を転売すると、古物営業法違反により3年以下の懲役又は100万円以下の罰金が課せられます。
個人でも法人でも責任は一緒
個人輸出は法人よりも手軽に行うことができますが、取引に対する責任は同等です。
・商品が破損した
・間違った商品が届いた
・商品が届かない
などの理由でトラブルになった場合でも、個人と法人とで売主が負うべき責任に違いはありません。対応が悪ければ、個人でも損害賠償請求されることはあります。
法人化した方が良いケース
輸出は個人でもできますが、売上が伸びてくると法人化した方が良い場合があります。
所得が900万円を超えた
所得が900万円を超える場合は、法人化した方が所得税(法人税)を抑えられる場合があるためお得です。
現在(2022年9月時点)、個人事業主の所得税率は以下のように設定されています。
1,949,000円以下 | 5% |
1,949,000円~3,299,000円 | 10%(97,500円控除) |
3,300,000円~6,949,000円 | 20%(427,500円控除) |
6,950,000円~8,999,000円 | 23%(636,000円控除) |
9,000,000円~17,999,000円 | 33%(1,536,000円控除) |
18,000,000円~39,999,000円 | 40%(2,796,000円控除) |
4,000万円超 | 45%(4,796,000円控除) |
日本の所得税は累進課税を採用しているため、所得が多くなるほど税率が高くなる仕組みになっています。これに対して、法人税の税率は23.2%に固定されています。(資本金などの条件により税率が変わることがあります)そのため、所得が900万円を超えてくると、法人化した方が税金が安くなるケースが多いとされています。
消費税納付義務が発生した
消費税は事業を始めて最初の2年間は免除されますが、3年目以降は、2年前の売上が1,000万円を超えていた場合に消費税の納付義務が生じます。(特定期間における課税売上高が1,000万円を超えた場合を除く)
しかし、法人化すると、その最初の2年間は再度消費税の納付義務が免除されます。つまり、消費税納付義務の免除期間を2年間延長できるのです。
事業を拡大したい
法人化すると社会的信頼を得られます。
たとえ社員がいなくても、法人化しているだけで「会社」と認識されるため、個人では取引できなかった業者やお店とも取引できるようになります。また、銀行からの融資も受けやすくなります。
個人輸出に必要なもの
個人輸出には経歴も資格も基本的には必要ありません(扱う商品によっては資格が必要)。
作業も全て自宅で完結します。しかし、最低限必要なものがあります。
個人輸出に必要なもの
・パソコン
・ネット環境
・銀行口座
・クレジットカード
・PayPalアカウント
海外取引ではPayPal決済が便利です。PayPalを利用すれば取引相手に口座番号やクレジットカード情報を知られずに済みます。また、配送トラブルが起きた場合も「売り手保護制度」を利用すれば補償を受けることができます。
個人輸出ビジネスのメリット
個人輸出ビジネスには、他の事業にはないメリットがあります。
初期費用が安い
土地を借りたり店舗を建てたりする必要がないため、一般的なビジネスと比べて初期費用が安く済みます。パソコンとネット環境さえあれば初期費用は0円です。仕入れにお金はかかりますが、無在庫販売なら注文が来てから仕入れればいいため、商品を手元に確保しておく必要もありません。
利益が大きい
海外では日本製品に対して「クオリティが高い」というイメージがあります。そのため、「Made in Japan」というだけで相場が上がります。仕入れ値の倍以上の値段で売れることも珍しくありません。
ライバルが少ない
輸出ビジネスには外国語でのコミュニケーション・国際配送の手配・関税の支払いなど様々な参入障壁があります。そのため、国内物販に比べるとライバルが非常に少なくなっています。
また、国内物販と海外物販では市場規模が桁違いに異なります。例えば、日本最大のオークションサイト「ヤフオク」の利用者は2000万人近くいますが、世界最大級のオークションサイト「eBay」の利用者は1億3,800人以上です。市場規模は6倍以上です。
つまり、輸出ビジネスは国内物販より市場規模が桁違いに大きいにも関わらず、ライバルが非常に少ないのです。したがって、いまだに市場が飽和しておらず、ブルーオーシャンがたくさんあります。少しリサーチするだけで独占販売も可能です。
個人輸出ビジネスのデメリット
しかし、個人輸出ビジネスには以下のようなデメリットも存在します。
為替変動の影響を受ける
為替は常に変動しています。円高のときは海外で日本製品が割高になるため売れ行きは悪くなりますが、海外から商品を仕入れる場合は安く仕入れることができます。逆に、円安のときは海外で日本製品が安くなるため、売れ行きが良くなります。しかし、海外商品を購入する場合は価格が高くなります。
そこで、海外輸出をする際は海外輸入も同時に行うことをおすすめします。円安時は積極的に輸出して商品を売り、円高時は海外から安く仕入れた商品をヤフオクなどに出品すると効率よく稼ぐことができます。
配送トラブルが多い
日本の配送業者と比べると、海外の配送業者は荷物の扱いが雑です。
・未着
・商品の破損
・商品の紛失
などのトラブルがしばしばおきます。したがって、海外に発送する際は国内向けの梱包よりも丁寧に梱包した上で、EMSや書留など追跡番号が発行される配送方法で商品を発送しましょう。ただし、以下の国や地域では荷物の追跡ができなくなっているので注意してください。
・アフリカ全土
・南米全土
・オーストラリア
・カナダ
取引相手とのやり取りは全て外国語
これが個人輸出ビジネスをやる上での最大の障壁と言われています。
しかし、取引で必要な外国語は限られています。定型文だけ覚えれば、一応取引することは可能です。もっとも、クレームに対応するとなると、やはり外国語の知識が必要です。翻訳アプリも完璧ではないため、外国語ができるスタッフを雇うことをおすすめします。
海外のおすすめECモール
個人輸出しやすい海外のECモールを5つ紹介します。
アメリカのAmazon
参考:アメリカ版Amazon
アメリカのAmazonは市場規模が大きく、利用者数は1億人を超えています。また、アメリカのAmazonにおける日本製品の売上スピードは比較的速く、相場も高いため十分に利益を出すことができます。
Amazonなら海外の顧客と直接やり取りする機会はほとんどありませんし、カスタマーセンターへの問い合わせも日本語でできます。そのため、外国語が苦手な人でも比較的簡単に取引できます。
また、サイトのレイアウトやデザインが日本のAmazonと同じなので操作も簡単です。
eBay
参考:eBay
eBayは世界最大級のオークションサイトです。オークションサイトと謳っていますが、固定価格での出品が主流です。eBayで出品し始めて間もない間は、1ヶ月3出品・200ドルまでという出品制限がありますが、上限は徐々に上がっていきます。むしろ、この出品制限のおかげでライバルが少ないためおすすめです。
BUYMA
参考:BUYMA
BUYMAでは無在庫転売が公式に認められており、注文発生から18日以内に商品を発送すれば良いことになっています。仕入れ先の在庫がなくなるなどの理由で発送まで18日以上かかる場合は、延長申請も可能です。
BUYMAは日本向けの通販サイトですが、英語版BUYMAへの自動出品設定をONにしておけば、日本のBUYMAに出品するだけで、アメリカのBUYMAにも自動出品されます。
参考:BUYMA(英語版)
Lazada
東南アジアへのEC出店を考えている企業には、Lazadaをおすすめします。
参考:Lazada
Lazadaはベトタム・インドネシア・マレーシア・フィリピン・シンガポール・タイで圧倒的シェアを獲得している東南アジア最大のECモールです。現在は中国の巨大企業「アリババ・グループ」の傘下に入っています。
ただし、LAZADAに出品できるのは現地で法人格を取得した者に限られます。個人での出品はできません。
タオバオ
個人で中国輸出をする場合は、アリババグループが運営する「タオバオ」というサイトをおすすめします。
参考:タオバオ
タオバオは中国国内シェア70%以上を誇る、中国最大のCtoC(個人間取引)ECモールです。日本で言うとヤフオクやメルカリに近いですが、市場規模はその比ではありません。会員数は約5億人、年間流通額は日本円にして50兆円以上と言われています。
海外輸出の中でも中国輸出は難易度が高いため、タオバオには日本人のライバルセラーがほとんどいません。そのため、独占販売も可能です。
個人輸出は稼ぎやすい
個人輸出はライバルも少なく、利益率も高いため非常に稼ぎやすいビジネスと言えます。ぜひチャレンジしてみてください。