中国輸入で液体を輸入する(仕入れる)メリットはあるのか?

中国輸入ビジネス実践者には、輸入ハードルの高い液体商品を取り扱えば「独占販売できる」と思って液体商品に手を出そうとする方がいらっしゃいます。

でも実は、そう簡単に行くものではないので、液体商品の輸入には安易に手を出さないほうが賢明です。

もしそれでも、液体を輸入したい方はこの記事を参考になされて下さい。

それでは、「液体はなぜ輸入ハードルが高いのか?」、「液体を輸入する方法がないのか?」について解説していきます。

目次

液体は航空便NG?

液体は危険性、可燃性のあるものが多いため、人または機体に悪影響を与える恐れがあるとみなされて輸送できないことが多いです。

手荷物でもペットボトル飲料や化粧品の持ち込みなど、日常的に使う液体ですらが制限されていることから航空会社がどれだけ気を使っているかが分かります。

以下に航空便で、危険品とみなされる物品をまとめます。

爆発性の液体

スプレー缶、ライター、ライター用燃料、ダイビング用ボンベ、カセットコンロ用ボンベ、空調設備、リチウムイオン電池など。

引火性のある液体

香水、オイルライター、ライター用燃料、ペイント類、アルコール、ガソリン、マニキュア、アロマオイル、接着剤、インク、発煙筒など。

腐食性のある液体

液体バッテリー、鉛蓄電池、水銀(水銀含有という表記はNGの可能性大)、医療用品、写真現像液など。

中国輸入で液体を輸入する際に見落としがちな商品例

ペットボトルや化粧品だけでなく、様々な商品に液体は使われています。

見落として液体を輸入しないように気をつけましょう。

カメラ・スマホの三脚

カメラ・スマホの三脚には水平を保てているかを図るため、水準器が付いています。

上の画像の赤枠部分が水準器です。カメラ・スマホの三脚以外にも、測量器具にこの水準器が付いていることがあります。もちろんそれらも航空便では輸送できません。

代行業者によってはスルーして発送するところもあるかもしれませんが、空港で止まって輸入できない可能性は高いです。

プリンターなどのインク

プリンターなどで使われるインクには、石油系の原料が使われていることが多いため引火性があります。

化粧品

化粧品については後で詳細に書きますが、石鹸、洗剤、シャンプー、リンス、歯磨き類など、一般的には化粧品と呼ばないものも含まれます。

化粧品は薬機法によって、輸入に制限がかかるため、法律的な条件をクリアするのに手間がかかります。

中国輸入で液体を仕入れるには?

結論から言うと、液体は航空便ではなく、船便を使えば輸入することができるものも多いです。

ただし、化粧品などは薬機法、少し前に流行った家庭用の炭酸水メーカーなどは食品衛生法に引っかかってしまいます。それらをクリアにするには船便での輸入の上、別途書類作成の必要があります。

船便のメリット

船便を利用することで、航空便で輸送できないものを送れるのはもちろんのこと、国際送料を安く抑えることもできます。

船便は荷物のサイズや重量にもよりますが、航空便よりも概ね2割ほど配送料が安くなります。

2割違えば航空便での仕入れではまともに利益が出なかった商品でも利益が出るようになるので、取り扱う商品の幅が広がります。

航空便では扱えない商品を輸送できる船便を利用すれば、Amazonなどでも需要の高いモバイルバッテリーやカメラ・スマホの三脚を仕入れることができます。

船便で液体を輸入することによって他のセラーを出し抜くことができます。

船便には2パターンある

港 to 港

本来、船便は港から港への輸送が基本となっています。そのため、港まで自分で商品を取りに行くか、配送業者を手配しなくてはならなくなります。

中国からの船便は大抵、東京、横浜、名古屋、神戸、大阪、博多の貿易港に出入りしています。他の貿易港を指定すると追加料金を請求されてしまいます。

ドア to ドア

実際のところ、船便に対応している中国の代行業者の殆どは日本の配送業者を手配して、指定の住所まで荷物を届けてくれます。

船便を利用する際には念のため、代行業者にドア to ドアで配送可能かを確認しておきましょう。

船便を利用するには

まず、ご自身がいつもお願いしている中国の代行業者に船便に対応しているか問い合わせてみて下さい。

その際にはドア to ドアでの配送が可能かを忘れずに聞いておきましょう。

もし、対応してもらえなければ船便のときだけは別の代行業者にお願いすると良いです。くれぐれも自力で配送業者の手配をするのはやめておきましょう。

化粧品を中国輸入するには?

化粧品の輸入は薬機法に触れるために制限されています。その制限をクリアにするためには、各種許可や届出などを申請する必要があります。

「化粧品を扱いたいから、ちょっとやってみよう」という軽い気持ちでできるレベルでは無いので注意が必要です。

化粧品に分類される主な商品

まず、どのような商品が化粧品に分類されるのかをしっておく必要があります。化粧品、シャンプー、リンスなど一般に化粧品とは呼ばない商品も薬機法上では化粧品に分類されます。

スキンケア化粧品

クレンジング、洗顔フォーム、化粧水、乳液、美容液、クリーム、ジェル、パック、サンスクリーン剤、など

メイクアップ化粧品

口紅、リップクリーム、ファンデーション、おしろい、アイシャドウ、アイライン、化粧下地、グロス、マスカラ、など

ヘアケア化粧品

ヘアトリートメント、ヘアトニック、ヘアリンス、ヘアスプレー、ジェル、ヘアムース、整髪料、など

フレグランス

香水、オーデコロン、など

特殊品

日焼け止め、など

トイレタリー

シャンプー、リンス、石鹸、ボディーソープ、歯磨き粉、など

化粧品輸入に必要な許可

化粧品を輸入・販売するにはまず化粧品製造販売業許可を取らなければなりません。

製造しているのは輸入元のメーカーですが、薬機法においては日本国内で販売する化粧品の最終責任を持つところを「化粧品製造販売業者」とします。

「化粧品製造販売業許可」だけでは、輸入する化粧品を引き取ることができません。一時的でも化粧品を保管するには「化粧品製造業許可」が必要になります。保管やパッケージへの法定表示も製造業としてみなされるためです。

輸入販売品目ごと届出が必要

まずは「化粧品外国製造販売業者届」です。化粧品を送ってくるメーカーの名称、住所の届出です。

この届出は、製品が何種類あっても取引のある海外のメーカーが1社なら、初回の届出だけでOKです。

次に「化粧品製造販売届」です。これは商品ごとに販売名を付けて、届出をします。販売名の付け方には細かい規制がありますので、各都道府県の薬務課に問い合わせてみて下さい。

この項で解説した化粧品に関する許可、届出はFD申請という電子システムを利用して厚生労働省へ申請します。詳しくは厚生労働省のサイトを参照にして下さい。

モバイルバッテリーは航空便で輸入不可?

現在はスマホやタブレットなどのモバイル端末が普及したこともあり、小型のモバイルバッテリーがAmazonなどでもよく売れています。

ですが、通常モバイルバッテリーは航空便では輸入できないため少し、輸入のハードルが高くなっています。

モバイルバッテリーはAmazon以外でも売れている。

Amazonだけでなく、メルカリヤフオクなどのフリマ、オークションサービスでもモバイルバッテリーは良く売れています。

■ メルカリ

■ ヤフオク

このようにモバイルバッテリーの商品自体の需要の高さがよく分かる結果となりました。

つまり、モバイルバッテリーを商品として扱うことができれば良い回転率で売れていく想像がつきます。

モバイルバッテリーはなぜ航空便NGなのか

モバイルバッテリーには大抵、リチウムイオン電池が使用されています。このリチウムイオン電池が航空便での輸送が禁止されているのです。

リチウムイオン電池は他の電池と比べるとエネルギー密度が高いために、軽量化が図れるなどの利便性もある反面、本質的には危険性が高い電池でもあります。

軽量化が図れるためにモバイル機器に採用されることが多いですが、衝撃保護などの安全性のスペックがギリギリで設計されているケースも多いのです。

そのため、欠陥のある商品だと本来のエネルギー密度の高さをカバーしきれずに発火してしまう恐れがあります。

そのため、発火が即命取りになってしまう航空便においては、リチウムイオン電池を採用しているモバイルバッテリーを輸送することができないのです。

リチウムイオン電池を採用しているその他の商品

モバイルバッテリー以外にリチウムイオン電池を使用している商品はたくさんあります。

例えば、皆さんがお使いのスマホ・タブレットのバッテリーも大抵リチウムイオンです。

あと、iPhone、iPad、iPod、Apple Watch、MacBook、MacBook proなどのAppleのモバイル機器にもリチウムイオン電池が採用されています。

他にも、電動自転車のバッテリーもリチウムイオン電池です。

といったように、最近の充電式の電池はリチウムイオン電池のシェア率が非常に高くなっています。それは過去に主流だったニッケル・カドミウム蓄電池などよりも充電速度が早く、かつ長持ちするためです。

尚、リチウムイオン電池製品も船便を利用することで、輸入することができます。ただし航空便は発注からほんの数日で届くのに対して、船便は1ヶ月ほどかかるケースもあるので注意が必要です。

液体の輸入に関する疑問集

ここまでの解説で、液体の輸入に非常に手間がかかることがご理解頂けたでしょう。

この項では、それだけ手間がかかったとして、結局のところ液体を輸入するのは「どうなの?」という疑問に答えていきます。

結局液体の輸入はしないほうが良いのか?

基本的に液体の輸入はおすすめできません。

前述の化粧品のように法律上クリアしなければならない問題が多くあるためです。化粧品のような薬機法だけでなく、食品衛生法や他の法律により規制されているものもあります。

正直、あまり輸入ビジネスで利益の上がっていない状態から、このような法律的な条件の整理に時間を使うのはもったいないです。

まずは、液体以外の商品で結果を出すことから始めましょう。

また、配送手段を航空便から船便にかえるだけで、輸入できる商品に関しても、商品が届くまでに時間がかかるため、一度にかなりの数を前もって発注できるだけの資金力が必要になります。

そのため、やはり早い段階から液体商品の輸入へ参入するのは控えた方が良いでしょう。

液体を取り扱えば独占的に販売できる?

確かに独占できる可能性は高いですが、OEM商品販売をすれば液体以外でも他のセラーとの差別化は可能です。

また、化粧品に限れば、値段よりも安全性や安心感を重視する傾向が高いので、よほど気合を入れてプロモーションをしないと中国から輸入したマイナーなメーカーの商品がヒットすることは無いでしょう。

液体に手を出すのは安定してから

もし、あなたが月商300万円以上売り上げているセラーなのであれば、液体商品に参入するのも良いでしょう。

それだけ、売上げていれば物販の仕組みは出来上がっているはずなので、法律関係のことに時間を割かれても、それほど影響は無いでしょう。

また、船便の配送による時間のロスがあっても資金繰りを何とかできる余裕もできているでしょう。

上手くやれば、更なる売上向上を見込めるかもしれません。

中国輸入ビジネスで液体を扱う方法 まとめ

液体を航空便で輸入することはできませんが、船便なら可能です。

ただし、化粧品のように法律で規制されているものもあるので、労力をかけて法律的な条件をクリアするだけの価値があるのかをよく考えて、参入するようにしましょう。

また、船便で輸入できるものに関しても、船便は荷物が届くのに時間がかかることを頭に入れておきましょう。

何れにせよ、液体の輸入は初心者が手を出すべきものではありません。液体を中国輸入ビジネスで扱う際は心して臨みましょう。

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この記事を監修した人

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