中国輸入において、仕入れから販売までのスピードはとても大切です。
なぜならば、商品の相場は日々変化しており、もたもたしていると売価が上がるリスクが増えてしまうためです。
できればそのようなリスクは避けたいですよね。
今回は、そんな中国輸入における発送期間が長い場合の原因と改善方法を解説していきます。
輸入手続きと所要時間
空輸、船舶輸送、どちらの場合でも日本に到着後は保税地域に搬入されます。これは原則なので変更できませんし、破った場合は密輸になってしまいます。
保税地域に到着後、税関に輸入(納税)申告を行い、輸入許可書を取得します。
その後、日本国内で貨物を引き取ることができます。
この項目では、その流れや手続きについて解説していきます。
海上貨物の手続きと日数
海上貨物の輸入手続きに要する平均時間は、NACCSを用いた場合で59.5時間です(日本到着から輸入許可まで)。
※NACCSとは輸出入・港湾関連情報処理システムで、オンライン上で手続きを行えます。NACCSを使用する場合は、通関業者専用システムからNACCSへアクセスする必要があるため、通関業者に申告手続きを依頼します。
そのうち、申告から許可まで時間が2.4時間となり、通常はその日のうちに許可が下ります。
しかし、貨物到着の時間が夕方だったり、現物調査や許認可審査が長引いた場合はさらに時間がかかる場合もあります。
予備審査制を利用した場合は43.0時間、特例貨物の場合は34.6時間が平均です。
航空貨物の手続きと日数
航空貨物の輸入手続きに要する平均時間は、12.8時間です(日本到着から輸入許可まで)。
そのうち、申告から許可までが0.3時間となります。
予備審査制を利用した場合は6.5時間、到着即時輸入制度を利用の場合は1.8時間、特例貨物の場合は23.4時間が平均時間です。
特例貨物の所要時間が一般貨物より長くなっていますが、一般貨物の85%が所要時間が比較的短いSP貨物(ドア・トゥ・ドア国際宅配便貨物)が占め、特例貨物が占める割合(2%)よりも大きいことが要因です。
この調査は財務省関税局により3年ごとに行われています。
AEO制度を利用した場合
一部の業者は、保税地域搬入前でも貨物を受け取ることができます。
その制度が、AEO制度です。
AEO制度とは、
- 貨物のセキュリティ管理
- 法令遵守の体制整備
上記2点がきちんと行われている業者に税関長が承認を与え、許可された業者は税関長に対して「輸入(引取)申告書」と必要書類等を提出し輸入許可を得られれば、保税地域に搬入される前でも貨物を受け取ることができます。
AEO制度を使用した場合、輸入許可日の属する月の翌月末までに特例申告書を提出し納税を行います。
申告と納税が分離されている為、貨物の処理が迅速化され比較的早く貨物を受け取ることができるのです。
商品を早く入荷させるための施策3選
中国輸入ビジネスにおいて、商品を発注してから到着するまでの時間(リードタイム)はとても重要です。
リードタイムがかかりすぎて販売時期を逃してしまった等のトラブルにあわないための、「商品到着を早める3つの施策」をご紹介します。
入荷できる商品を先に発送する
代行業者に仕入れを委託している場合、「入荷できる商品を先に発送する」と、リードタイムを1日~2日ほど短縮できることがあります。
複数商品を代行業者に委託している場合、代行業者は全ての商品が手元に揃ってから出荷します。
まとめて発送したほうが、国際送料を安くできるためです。
確かに、仕入れ数が少ない場合は国際手数料が高くなってしまいますが、大量に発注した場合、あまり変わらない場合もあります。
国際送料が増えるデメリットと、1日~2日早く到着するメリットを上手に天秤にかけて、判断しましょう。
木曜日に発送依頼をかける
中国から仕入れを行う場合、木曜日に発送依頼を終わらせる癖をつけておきましょう。
何故ならば、DHL(航空便運送会社)は土日が休業のため、金曜日に依頼してしまうと月曜日出荷になってしまうからです。
木曜日に代行業者へ発送依頼をかければ、金曜日のうちに出荷され時間を短縮できます。
また、木曜日を締日と決めておくことで作業のルーティンが組みやすく、結果的に作業効率の改善にもつながるのです。
危険な商品は発注しない
商品を発注する際、税関で止められてしまうような危険商品は発注しないようにしましょう。
何故ならば、輸入が規制・禁止されていなくても、グレーゾーンの商品は税関で止められてしまうためです。
たとえ法律で禁止されていないような商品でも、アニメグッズのコスプレ等、グレーな商品は発注を止めておきましょう。
仕入れ作業にかかる時間を短縮する
代行業者を利用する
中国輸入ビジネスで商品を仕入れる際に多く利用されるのがアリババです。多く利用されているのが、中国版と英語版である為、仕入れる際に商品の詳細を調べたりする段階で読み方の検索をしたり、同じ商品を日本のサイトで探す際にどうしても時間がかかってしまいます。
そこで、おすすめの代行業者はイーウーパスポートです。イーウーパスポートは中国輸入ビジネスに精通した専任担当者がついてくれるため、中国語の部分の詳細説明や、日本サイトでの検索する際も担当者が調べてくれるなどのサポートが受けられます。
また、中国輸入ビジネスを始めたばかりの時は様々な課題に直面する可能性がありますが、課題解決のサポートをしてくれる担当者がいることで中国輸入ビジネスを円滑に進めることができます。
メール講座を受講する
中国輸入ビジネスの日程に関する情報を深め、事前に対策することで仕入れを円滑に進めることができます。
おすすめはメール講座を受講することです。このメール講座では、実際に中国輸入で成功した講師から、中国輸入の一連の流れや成功の秘訣を学ぶことができます。
また、この講座を受講することで代行業者のイーウーパスポートを無料で利用できる特典が付いてきます。
輸入が禁止されている商品
数量や事業規模に関わらず、輸入が禁止されている商品があります。
禁止・規制されている商品を輸入してしまっては、通関までにかなりの時間を要してしまいます。
しっかりとチェックして、そのような商品は取り扱わないようにしましょう。
輸入が禁止されている商品
下記が輸入を禁止されている商品の一覧です。
- 麻薬
- 指定薬物
- 銃等の武器
- 爆発物
- 火薬類
- 化学兵器
- 一種病原体等及び二種病原体等
- 貨幣、紙幣、銀行券、印紙、郵便切手
- 有価証券の偽造品、変造品、模造品及び偽造カード
- 公安又は風俗を害すべき書籍、図画、彫刻物その他の物品
- 児童ポルノ
- 特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、著作隣接権、回路配置利用権又は育成者権を侵害する物品
- 不正競争防止法第2条第1項第1号から第3号まで又は第10号から第12号までに掲げる行為を組成する物品
注意していただきたいのが、下から2番目の「特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、著作隣接権、回路配置利用権又は育成者権を侵害する物品」に該当する商品です。
ポピュラーなものが、偽ブランド品やアニメグッズなどの違法コピー品です。
中国輸入において、違法コピー品は普通に流通しています。
まず、仕入れるその商品が本物かどうかをしっかりと確認し、少しでも危険を感じたら仕入れをやめておきましょう。
販売を行えば、アカウント停止は免れず、最悪の場合刑事処分を受けることになります。
著作権問題でよく上げられるのが、「アニメのコスプレ衣装」の存在です。
著作権法上でグレーゾーンとなっており、禁止されずに一般化してきている現状にあります。
法律が改正されれば間違いなく販売禁止になる商品である上、競合が多いため、集客に自信のない方は取り扱いをやめておきましょう。
法律に触れてしまう商品
輸入を行う際、必ず確認しておかなければならない日本の法律が存在します。
無事通関しても販売できなかった、等の事態にならないようしっかりと確認しておきましょう。
・電気用品安全法
コンセント付きの電化製品を販売する場合、PSEマークを取得しなければいけません。
・電波法
BluetoothやWiFiルーターを取り扱う場合、技術認証を受ける必要があります。
・食品衛生法
食品、食品添加物、調理器具、容器包装、乳幼児用おもちゃには事前の許可が必要です。
・銃刀法
銃火器やナイフなどは輸入が規制されています。
・薬機法
薬や薬品は許可を受けなければいけないものが存在します。
上記に該当する場合、通関できたとしても販売できないことがあります。
刑事事件にまで発展する恐れもあるので、取り扱いには十分注意しましょう。
もし、化粧品輸入を考え薬機法が心配な方は、下記の記事を参考にしてください。
輸入を見送ったほうがよい商品
CD・DVD・書籍などのメディア関連製品は、輸入を見送った方がよいでしょう。
上記の商品は輸入を禁止されていませんが、中国側の輸出検査がとても厳しいためです。
その中でも、宗教や政治に関する書物の多くは没収されてしまいます。
また、中国国内には、CD・DVDをダビングしたCD-RやDVD-Rを販売するショップが平気で存在しています。
日本の感覚で判断することはとても危険です。
到着遅延の理由3選
中国輸入ビジネスでは、商品到着までのリードタイムは約2週間ほどかかります。
国際配送とはいえ、2週間はとても長いですよね。
この項目では、リードタイムが長くなってしまう理由をご紹介していきます。
中間業者の多さ
中国輸入ビジネスにおいて、仕入れ依頼から到着まで多くの業者を通過します。
①代行業者へ仕入れ依頼
↓代行業者の手元に届くまで3~5日
②代行業者へ到着
↓検品等で1日~3日
③国際便で手配
↓2日~7日
④通関
↓2日
⑤Amazon倉庫に到着
間に業者が多く入ってしまうことで、到着日数がかさんでしまいます。
また、土日を休みにしている業者も多いため、その分日数が繰り越されてしまうのです。
代行業者への到着時間
仕入れを代行業者に委託している場合、タオバオやアリババ、アリエクスプレス等で仕入れた商品を一括で代行業者が集めます。
代行を依頼した商品が多ければ多いほど、代行業者に商品が集まるまで時間を要してしまうのです。
依頼した商品が1つでも遅延すれば、全商品の到着に影響してしまいます。
国際送料の兼ね合いを見て、分けて発送するのも1つの手段です。
税関で止められてしまう
商品を輸入した際、税関で止められてしまう場合があります。
通常の場合で2~3日、何かトラブルが起きれば2週間ほど止められてしまうこともあるのです。
シーズン商品(ハロウィンやクリスマス商品等)を販売する場合は注意が必要です。
販売するタイミングを外してしまえば、発注した商品の全てが不良在庫になってしまう恐れがあるのです。
そのような商品は、時間に余裕を持って仕入れを行いましょう。
商品到着時期を検証
商品が発送されて、手元や倉庫まで届く日数はとても大切な情報です。
この項目では、発送された商品がどれくらいで届くかを検証していきます。
問題なくDHLで発送できた場合
税関で止められず、何のトラブルも起きなかった場合の検証方法です。
DHLの追跡サービスを使用します。
トラブルがなければ、最短3日程で到着します。
土日を挟んだ場合
土日を挟んだ場合、通常よりも2日~3日程の時間を要します。
何故ならば、DHLは土日は休業となっているためです。
税関では、担当官が休みをとっていなければ比較的スムーズに通過できるのですが、運送会社が休みでは発送は行われません。
木曜日までに配送依頼をかけるルーティンにしておき、到着が遅れないようにしましょう。
税関で止められた場合
税関で止められた場合、通常よりもかなり多くの時間を要します。
最長で3週間程も止められてしまい、さらには追加の手数料まで取られてしまいます。
また、3週間も貨物が止まるということは、発注してから1ヵ月もキャッシュフローが止まってしまいます。
場合によっては支払いが行えなくなり、次回の仕入れにも影響を及ぼします。
税関で止められるのは、ほとんどが輸入規制・禁止商品を仕入れてしまった場合です。事前にしっかりとチェックしておき、そのような事態に陥らないよう徹底しましょう。
China Postが届かない
Amazonなどで商品を注文した際、発送元がChina Postを利用することが多々あります。
しかしこのChina Post、「商品が届かない」等の声が多く寄せられているのです。
この項目ではそんな「China Post(チャイナポスト)」についてご紹介していきます。
China Postは、中国の郵便局
China Postとは、中国が公共事業として行っている郵便事業団体です。
中国郵政と呼称される事もあり、日本郵便の中国版といえば分かりやすいでしょうか。
China Postは国内便と国際便両方を取り扱っているため、Amazon等の中国人セラーから仕入れを行うと時折使用されることがあります。
China Postはなぜ遅い?
China Postは、到着がとても遅いことで有名な郵便サービスです。
早くて10日、遅ければ1ヵ月以上も届かないというケースもあります。
なぜ到着が遅いかというと、配送コストを下げるためにまとめて発送を行っている為です。
日本宛の貨物が一定量たまるまで発送されないため、結果的に遅くなってしまいます。
China Postの配達日数と追跡方法
China Postの到着日数は、2週間~3週間はみておきましょう。
しかし、日本行きの貨物がたまってから発送されるため、一概には言えません。
下記が、China Postの具体的な配送スケジュールです。
- China Postへ発送/平均5日
- 荷物の引受け/平均1日
- 中国国際交換局より発送/平均6日
- 日本国際交換局へ到着/平均2日
- 配送先に到着
・China Postの追跡方法
China Postの追跡は、日本郵政のHPから行えます。
①HPにアクセスし、「個別番号検索」をクリックします。
②「お問い合わせ番号」にChina Postの追跡番号を入力後、「追跡スタート」をクリックします。
③配送状況が表示されます。
しかし、前半でもお伝えしたとおり、 China Postでは日本宛の貨物がたまってから発送が行われます。
そのため、HPで確認できるようになるには商品集荷から5日ほどかかる場合があるのです。
表示されなかった場合は、時間をおいて再チャレンジしてみて下さい。
中国の休日について
この項目では、中国の休日、祝日についてご紹介していきます。
日本と同じく中国にも大型連休が存在し、その時期は代行業者も仕事を休んでいる場合があります。
春節(旧正月)や国慶節などの大型連休では仕入れがまったく行えないこともあるので、十分注意しましょう。
1月~4月
【2024年版】
元旦
法定祝日/2024年1月1日(月)
休暇期間/12月30日(土)~1月1日(月) の3日間
日本と同じく、元旦を祝うお休みです。
ただし、中国の簡単では旧正月の方が重要となるので、祝日の意味合いが強いです。
春節
法定祝日/2024年 2月10日(土)
休暇期間/2月10日(土)~2月17日(日)の8日間
春節とは、旧暦の正月です。
中国の正月は、旧正月の春節を指します。
中国にとって最も重要な祝日で、シンガポールや韓国でも同等の祝日が設定されています。
7日間の祝日として設定されていますが、一部を除いた中国国内全ての会社が休みになるので、仕入れを行えるようになるまで2週間ほど要します。
逆に、この期間を狙っていけばライバルセラーと差をつけられるので、販売計画をしっかりと立てていきましょう。
清明節
法定祝日/2024年4月5日(金)
休暇期間/4月4日(木)~2024年4月6日(土)の3日間
清明節とは、中国では春の到来を告げる節気です。
先祖に平和と加護を祈る祝日とされ、日本でいうお盆にあたります。
5月~8月
労働節
法定祝日/2024年5月1日(水)
休暇期間/5月1日(水)~5月5日(日)の5日間
労働節とは、正式名称を「国際労働節」と言い、毎年5月1日に設定されています。
文化やスポーツのイベントが行われ、日本のGWのような祝日です。
端午節
法定祝日/2024年6月10日(月)
休暇期間/6月8日(土)~6月10日(月)の3日間
日本における子供の日にあたります。
主に疫病退散、厄除けのための夏季の節句として重んじられています。
9月~12月
中秋節
法定祝日/2024年9月17日(火)
休暇期間/9月15日(日)~9月17日(火)の3日間
日本における「十五夜」と同じような意味合いをもつ祝日です。
日本では純白の団子をお供えしますが、中国では月餅と呼ばれる月の形をした食べ物をお供えします。
国慶節
法定祝日/2024年10月1日(火)
休暇期間/10月1日(火)~10月7日(月)の7日間
国慶節とは、中華人民共和国の建国記念日になります。
1949年10月1日、毛沢東が天安門にて中華人民共和国の成立を宣言したことから、毎年10月1日が祝日となりました。
この時期は春節と同様、長い期間が休みとなります。
仕入れや在庫管理等の販売計画を前もって立てておきましょう。
中国輸入の日数まとめ
中国輸入の日数、いかがだったでしょうか。
前もって知っていれば、対処できることがたくさんありましたね。
遅い理由としては、大半が防ぎようのないことでしたが、
- 到着済みの商品を先に発送する
- 木曜日に商品を発送をする
- 輸入が規制・禁止されている商品は輸入しない
等を守れば、数日は発送を短縮することができます。
数日でも、中国輸入ビジネスにおいてはとても重要な時間です。
上記を確認しておき、ライバル達に差をつけましょう。