必見!中国輸入でOEMをしたい〜良い工場の見つけ方とは〜

普通に中国輸入転売するのではなく、そろそろOEMをしようかと考えている方もいるのではないでしょうか。
そんなときに一番ネックなのが工場探しです。工場選びはとても重要ですが、一体どうやったら見つけられるのかという声も耳にします。
そこでこの記事では、OEMをしたいけど良い工場を見つけられないという方の為に、OEMをする際の良い工場の見つけ方を紹介していきます。

目次

頻繁に目にする『OEM』 どんなものなのか?

輸入ビジネスをしている方は、よく『OEM』という言葉を見聞きしますよね。しかし定義が曖昧になっていて、タグ付けODMと一緒になっている方もいるのではないでしょうか。
そこで、今回はOEMとは一体何なのかについて説明していきます。

OEMとは

OEMという言葉は、Original Equipment Manufacturing(又はManufacturer)の略語で、直訳すると「独自の(オリジナルの)用品を製造する人」となります。
OEMは外部に自分で設計した商品の製造を委託し、出来上がったものを自分のブランド商品として販売します。

ちなみに冒頭で挙げたタグ付けは、正規品に自分のブランドタグを付けて(または依頼して付けてもらう)自社ブランド品としたものを言います。
そしてODMは、商品の開発から製造までの一連を外部に委託し、出来上がったものを自社ブランド品とすることを言い、これらは同じ様に見えて違うのです。

OEMを選ぶメリットとは

OEMは、自分が設計したものを、工場に依頼して製造してもらうのですが、なぜこの方法を取っている人がいるのでしょうか。OEMのメリットについて解説します。
通常何かを製造するには機械や材料、場所等準備しなければならないものがたくさんあり莫大な費用が掛かりますよね。しかしそれらを自分でも用意せず、他社の場所や機械、製造技術を借りることで、コストを抑えながら自分の商品が作れるのがOEMのメリットです。製造する工場側にとっても、通常の稼働時間外にOEMを製造することでただコストがかかっている状態から利益を生む時間へと変えられるので、OEMは両者にとってメリットになります。

ただし注意したい点がいくつかあります。それは、あくまでもOEMはその工場の稼働時間外に製造されるため、工場のスケジュールによって納期が遅くなることもあること。また、工場の状況によってデザイン面においても全ての希望が通るわけではないことや、ロット数も工場によって異なるという点です。OEMをする場合はこれらのことも理解しておきましょう。

また、製造がお休みしてしまう可能性の高い中国の祝日については、下記の記事を参考にしてください。

参考:チャイナポストが遅い原因と日数を短縮させる改善方法

OEMは開発から製造までが早い

他社の機械や製造技術を借りることによって、自分で機械を持つ必要がないだけでなく製造技術において開発の必要がないので、商品の設計が終わって本受注に入ればその他販売に関して必要なことに専念出来ます。そして商品が出来上がったらすぐに販売に移れるので、効率の良いビジネスが展開出来るのです。

OEMは「商品の設計や販売は得意なのに、製造面の費用や技術面を考慮してオリジナル商品を作ることを諦めていた」という方にも最適の方法と言えます。製造だけを他社に依頼すれば、低コストで商品が作れて利益を上げていくということも可能なのです。また、その工場では既に同じような商品が製造されている為、商品の質や技術を見極めやすいというメリットもあります。

販売予測や実績によって見合ったロットで発注することで、在庫を抱えるリスクも低くすることが出来るという点もお勧めのポイントです。

OEM・ODMを請け負ってくれる工場の探し方とは

OEM・ODMを考える際に、一番ネックになるのが工場探しではないでしょうか。工場選びは、質やコストに大きく影響してくるので間違えるとお金も無駄になってしまいます。
安価・良質・早い納品を実現出来る工場を探すために必要なことを見ていきましょう。

取引の実績がある工場への確認は最優先である

何度も商品を仕入れていて取引実績が出来ている工場は、こちらも商品の質を把握出来ていて相手側もこちらの状況をある程度把握出来ています。
まずは取引実績のある工場に、OEM・ODMの製造は可能であるかを確認してみましょう。付き合いによっては応じてくれる場合もある為、「出来ないだろうな」という固定観念は捨てて聞いてみることをお勧めします。

取引先に製造可能な工場を紹介してもらう

中国の方々は人脈に重きを置いていて、様々な繋がりを持っている人が多いのです。また、仲間意識が強い為、信頼している相手であれば、自分は出来ないことでもその筋に詳しい人を紹介するべく動いてくれます。
あなたが、取引先との信頼を築けていれば、取引先での製造が出来なくても人脈を紹介してもらえる可能性があるのです。無理強いは嫌いますので、謙虚な姿勢で紹介してもらうことは可能かを確認するのも良いでしょう。

現地または中国に精通している信頼が置ける人に紹介してもらう

取引先や取引先の人脈でもOEM・OEM生産が可能な工場が見つからなかった…そういった時でも諦めるのは早いかもしれません。
あなたの人脈に、現地の中国人もしくは中国に精通していて信頼が置ける人はいますか?そういった人がいるならば、伝手がないか確認してみましょう。

OEM・ODMの工場はアリババでも探すことが出来る!

中国に信頼が築けている取引先や知人なんていない…という方でも、OEM・ODM生産が可能な工場を見つける方法があるのでご安心ください。
中国サイトのアリババを使って探す方法を説明していきます。

工場を探す手順

参考:アリババ

サイトを開いたら、製作したい商品のキーワードを入力して検索を掛けます。
今回はカバンを意味する书包を入力しました。

商品画像一欄上に出ている枠内にある、『经营模式』(経営パターンを選択します)というタブにカーソルを合わせて出てきたタブから『生产加工』をクリックします。

これを選択すると、生産加工が可能な商品(店舗)が表示されます。もし、工場の地域に希望がある場合は、『生产加工』の左にある『所在地区』で地域を絞ることが出来ます。

参考:アリババの各ページの見方!商品・出品者ページで注目すべき点は!?

中国語の意味と注意したいこと

経営パターン(经营模式)の中から、いくつか意味とその注意点について説明します。

【生产加工/生産加工】

これを選択して出てくる工場が全てOEM等に対応しているわけではないので注意しましょう。
生産加工のどちらかのみ行っている工場も表示されています。OEMの場合は加工が出来る工場であれば作ることが出来ますがODMは難しくなってきます。
また、どちらも備わっていたとしても、工場の敷地内に併設されているのか離れて構えているかの確認もしなければなりません。

【经销批发/卸売販売】

经销批发で絞られた工場の中には、直接商品を卸してくれるところと、生産加工を行っている工場へ受注する際の仲介をするところがあります。
そのためOEM・ODMが可能かは確認を取りましょう。

【招商代理/販売代理店】

販売代理店ではOEM・ODMを直接製造することが出来ないので、このタブは利用しません。仮に出来たとしても、仲介のような形になるため余分に費用が掛かり効率も良くない為です。

【商业服务/ビジネスサービス】

OEM・ODMではこのタブも使用しません。

上記のことを踏まえると、OEM・ODMが可能な工場を絞る最優先は生产加工です。もしも生产加工で見つからなかった場合は经销批发で検索してみましょう。
しかしどちらにしても、本当にOEM・ODMに対応してくれるかは、その時々の状況によっても違うので確認をしなければ分かりません。候補の工場には忘れず確認を取るようにしてください。

工場の規模を見てみよう

生産加工でどちらも備わっている工場でも、敷地内に併設されているのか離れて構えているかの確認をしましょうという説明をしましたが、一つの目安として規模がそれなりに大きい工場は敷地内に併設されている可能性が高いです。
工場の規模については、ネット上で確認が出来ますので、その方法についても説明していきます。

1.気になる商品のページを開くと、商品画像の上にバーが表示されているのでその中の『公司档案』をクリックします。

会社概要のページに変わるので、その中の情報からある程度規模を予測することが可能です。ただし、この会社概要ページを開いても情報が不十分なものもあります。会社概要は取引先を知る上でも大切なところですが、その部分が記載されていないというのは信用性に欠けると判断し、優先順位は下げた方が良いでしょう。もちろん埋まっているから絶対に良いという断言も出来ませんが、判断材料にはなります。

・成立时间→設立時期
・年交易额→年間売上額
・公司面积→会社面積
・员工总数→従業員数

さらに下に行くと、取引においての口コミ情報が表示されています。

優良工場の選び方ついて

アリババで優良な工場を選ぶ為に、絶対に確認したいポイントを説明していきます。優先事項順に説明していきますので、一緒に確認してみてください。

工場の写真を確認しよう

先ほどの会社概要ページに飛んだら、ページ下部までスクロールをしてください。タブに【车间设备】という項目が表示されます。これは作業場の情報を確認することができ、写真が掲載されている場合はオフィスや作業場の写真を見ることが出来ます。

写真がない工場や載せていても汚い環境の場合は候補から外すと良いでしょう。

優良ショップ認定はされていますか?

商品画像一覧や会社概要ページに、牛のようなアイコンが表示されているものがあります。

これは、アリババが優良ショップであると認定した証で、实力商家と表現されています。
手っ取り早いのは、検索段階で絞り込みの際にオレンジ色で表示されている「实力商家」にチェックを入れることです。

そうすれば、都度確認しなくても優良ショップのみが表示されます。

工場の評価を確認しよう

会社概要ページ右側に、枠に囲まれた部分があります。
ここは、上記で説明した優良認定や評価が表示されている所です。

数字とパーセンテージで表示されているのが、ショップの評価になります。

左の【服务响应率】は、ショップに対して質問を送ってから回答率を評価したものです。右の回头率は返品率です。商品の状況を確認するにはとても重要な数字ですので、必ず確認するようにしましょう。

OEMを依頼するなら気を付けたいこととは

OEMを依頼する際に頭に置いておいてほしいことがあります。
どういったことに注意して依頼を出すと良いのかご紹介していきますので覚えておいてください。

・言葉だけでなくデザイン画と一緒に伝える
・工場の得意分野を理解する
・サンプルは必ずオーダーする

言葉だけでなくデザイン画と一緒に伝える

OEM品は、ロゴを入れるだけ等の簡単なものであっても、言葉だけで伝えるのはやめましょう。
どんな簡単な物であっても、言葉とデザイン画で説明することで、双方のイメージのずれを防ぐことが出来ます。
言葉だけになってしまうと、こちらの意図も完全には伝わりませんし、もしもその場所にはロゴを入れられないという場合はすぐに修正に入れるので時間も無駄にせず済むのです。

工場の得意分野を理解する

工場によって、得意とする生産分野は違います。
同じような機械を使っていたとしても、得意分野外の工場に依頼するとクオリティの低下にも繋がるのです。
一つの商品でいくつもの素材を使用する場合は、それぞれ別の工場に依頼して後で組み合わせるという方法を取っている人もいます。商品の性質や工場によってどの方法を選ぶと良いのか考えてみましょう。

サンプルは必ずオーダーする

サンプル品の製作は必須になります。
一つだけ製造を頼むとコストが掛かるとサンプルを作らずに発注しようとする人がいますが、これはとてもリスクの高い行動です。
サンプルによって、商品の質や、工場側の対応等見極められる部分はいくつもあります。また、思っていたデザインの通りに作られているか確認することも出来るので、リスクを防ぐためにもサンプルは必ず作ってもらいましょう。

中国の工場との関り方、考え方について

中国の工場にOEMを依頼して取引をするならば、どのように関わっていくか、考え方を持つと良いかを説明していきます。異国の人ですから考え方や常識が違うのは仕方のないことですが、これを知っているかそうでないかによって対応や心構えも随分違うのです。

1回では伝わらないと思っておこう

中国の人は大変せっかちな人が多く、自分が損しないことであれば深く考えずに「出来る」と安請け合いしがちです。
日本人が持つ質などへのこだわりに対しても、完全に理解していないことがあります。特に、OEMするにあたってここは譲れないというポイントがあるのならば、100%相手に伝わるまでは製造を進めない様にしましょう。
工場の担当者だけに伝えるのではなく、その工場の誰が見ても「ここはこう作るのだ」と理解できるように仕様書等を作成してください。これで伝わるだろうという思い込みは捨てて、担当者にどのように書くと皆に伝わるかを相談するのも良いでしょう。

絶対に譲れないことは箇条書きでまとめる

仕様書一枚では、こちらのこだわりたいポイントが伝わらないと考えて下さい。
仕様書も分かりやすく仕上げて、尚且つ重要なことを箇条書きでまとめましょう。その時に、一番重要な部分から書くようにして下さい。こちらの希望が100%通らないこともあります。その為こだわりの中でもどうしても外せないことから書いていきましょう。
これも一度では伝わらないと考え、伝わるまで説明・確認していく必要があります。
また、工場によっては製造の工程ごとに担当者が変わることもありますので、そういった場合もその都度伝え確認するようにしましょう。

依頼した条件全てを理解して作ってくれるであろうと構えていると、自分の予想とは大きくずれたものが届いたというケースは珍しくありません。あらゆる面でその都度確認するということと、こだわりの中で優先順位を決めることが大切です。ただでさえ異国の人であり、意思疎通が難しいのでコミュニケーションをとっていくしかありません。

また、中国輸入に関しての言葉の壁については、下記の記事を参考にしてください。

参考:アリババを日本語に変換して仕入れる方法!中国語不要の翻訳テクニックとは

日本に発送前に検品をしてもらおう

中国の工場にOEMを依頼する場合、日本に届いてから物が違ったといっても返金対応となることは殆どないと思ってください。
あなたが考えている物と別物が届かないように、製造前や製造中の確認も必要ですが、製造後の検品も同じくらい重要です。
基準が定められているようなものは、その基準に適合していないと当然日本では販売出来ません。その為、発送前に中国で検品をする必要があります。そして基準に適合している物のみ発送してもらうようにしてください。
もしも現地の工場に足を運べるのであれば、製造ライン・製造後の検品等も確認しておくことをお勧めします。現地で本人が確認できれば一番良いのですが、それが難しい場合は現地の第三者に依頼して検品を行ってもらいましょう。しかしその際は、別途検品に対する費用が掛かる為、工場側とも良く相談してコストを決める必要があります。

中国は工場が多く、今や技術力も上がっているので安価で質の良い物を作る工場も増えてきました。しかし、中国の人の性格、文化等を理解せずにいると取引の際にトラブルが起きやすくなります。また、お金を払うからと横柄な態度で依頼していては、中国の工場側も良い気はしませんし手を貸してくれなくなることも十分にあります。
信頼や仲間意識を持ったうえで、一緒に作っていくという気持ちで取引をしていくと、快く製造をしてくれるでしょう。

中国輸入のOEMでトラブルになることとは

中国輸入のOEMは安価で製造できるため人気ですが、トラブルも頻繁に起こっています。
実際にどんなトラブルが起きているのか紹介していきます。

サンプルで確認したのに本物が違う

サンプルは必ずオーダーしましょうと説明しましたが、なるべく複数個のサンプルを頼みましょう。
というのも、一個のサンプルを頼んだ場合、一個だけ良質の物を送ってきて実際は違ったというケースがあるからです。
複数個のサンプルを頼んで、出来上がりに差はないかを確認しておく必要があります。
もちろんそんなことをする工場ばかりではないので、クオリティの高い工場に最初から当たれば良いですが、不安な場合はいくつかの工場にサンプルを複数個頼んでから決めたり、日本人とのOEM製造の実績はあるかなどを確認しても良いでしょう。

条件の確認不足

サンプルの発注と本発注では、費用や手数料は異なると考えておきましょう。よく、サンプルのときと金額が違うという方がいますが、そのほとんどが本発注の際の条件をしっかり確認していないのです。
工場側は、費用が異なるということをいちいち説明しなくても理解しているだろうと考えているので、あえて何も言って来ません。工場側からの説明を待つのではなく、自分で必ず確認を取ってください。

ブランディングをしなければ売れません

中国輸入でのOEMは安価だし、独占販売できるからと簡単に参入する人がいますがそれは危険です。
商品のブランディングをしていかないと、どれだけ良いものだとしても売れません。また、初心者がいきなりOEMをしても成功するのは難しいでしょう。
販売経験を積んでいて、さらにパッケージやタグ付けの簡単なOEMの経験もした人でないと厳しい世界だということを頭に入れておいてください。

OEM工場の見つけ方のまとめ

中国は人脈が重要視される社会です。取引先や知人等、信頼できるところから工場を見つけるのが一番ですが、難しい場合はアリババで探すようにしましょう。
その際は、ショップの会社概要や、アリババ・購入者からの評価を参考にしてください。
また、日本と中国の考え方は異なりますので、発注する際には双方理解するまで意思疎通を取りましょう。この記事で紹介したポイントを守っていくことで、リスクを最小限に抑えながらOEMに取り組んでいけるはずです。

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この記事を監修した人

ビジネスのノウハウを実践ベースで徹底的に追求するのがアクシグ。
世界で最も専門的で網羅的なコンテンツを提供し、ノウハウを惜しげもなく提供していきます。

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