玩具は子供たちに人気が高く、市場リサーチも比較的簡単なことから扱っている人も多いです。中には国内より安く仕入れられるということで中国などから輸入して販売している人もいるでしょう。
しかし、玩具は子供が使うことを想定しているため、危険が起きないよう法律で定められていることがあります。
また、法律以外にも知っておきたいことをまとめました。
玩具を扱おうと検討している方や、すでに扱っている方は参考にしてみてください。
玩具を販売する際の規制とは
昨今、玩具のハイテク化が目まぐるしく、玩具といっても様々な種類があります。玩具を安全に使用するために設けられている法規制は、その種類によって異なります。
特に低年齢の幼児や乳児が使用するものには、細心の注意を払わなければなりません。
電気用品安全法について(PSEマーク)
電動式の玩具等を安全に使用するために定められている法律で、輸入品であってもこれに則った手続きや表示をしなければなりません。
その前にまず、新たに電気用品を扱う事業を始めた場合は、30日以内に経済産業大臣あてに、事業開始の旨の届け出をする必要があります。
届け出が認められたら、輸入する商品が定められている技術基準に適合していることが確認できてからの輸入になります。
なお、特定電気用品に該当する場合は、国で決められている検査機関で適合性検査を受けて証明書を発行してもらわなければなりません。
輸入後、特定電気用品以外の物も含め、自主検査を行い基準が満たされていればPSEマークを表示し販売という流れになります。
PSEマークを表示する際、併せて事業者名・検査機関・定格電流、定格電圧等の表示も必須です。
また、PSEマークは特定電気用品と特定電気用品以外では形が異なりますので注意しましょう。
【特定電気用品に該当する玩具】
・電熱式おもちゃ(子供向けの調理メーカー等)
・電動式おもちゃ(電動車等)
基本的に上記に該当しない電気を使用した玩具は「特定電気用品以外の電気用品」となります。
玩具安全基準について(STマーク)
STマークは、機械的安全・可燃安全・化学的安全の面で安全に利用できると認められた玩具につけることが許されているマークです。
機械的とは形や強度を意味し、先端が鋭くなっていないかや乳児の誤飲を防げる大きさであるか等を検査します。可燃安全はその名の通り、燃えやすい材質が使用されていないかを検査し、科学的安全は有害物質が使用されていないかの検査が行われているのです。
また、STマーク表示の有効期限は2年間となっており、それを過ぎたものは改めて検査に合格しない限り、表示が許されていません。
使用許諾の契約については契約日から1年となっており、STマークが表示されているものを販売している間は毎年契約更新しなくてはいけないのです。
【STマークが適用される主な製品】
・乳児用のおしゃぶりや歯固め
・クリスマス等のイベントグッズ
・遊ぶことが可能な携帯ストラップ
・テレビに連結して遊ぶもの
・スマートフォンを利用して遊ぶ玩具
上記以外のものはSTマークの基準としては玩具という扱いではなくなるため、それらに合った規制に従いましょう。
なお、STマークが表示されている製品で事故が発生した場合の損害賠償を行うために、事業者は賠償補償の共済への加入も義務づけられています。
不当景品類及び不当表示防止法について
景品表示法とも呼ばれる法律で、同法では過大に商品の価値を上げて謳うことや、消費者の誤解を招く表示、原産国を偽って表示すること等が禁止されています。
輸入ビジネスでもありがちなのが、原産国の表示を偽ることです。中国製だと購入してくれないと考え他国での製造であると表示するなどしてはいけません。
また、商品の種類によっては不当な表示でライバル業者等を出し抜くことを防ぐ公正競争規約が定められています。他にもリサイクル法の対象となるものは、それに基づいた表示が必要です。
玩具を輸入する際に注意すべき点とは
玩具は主に子供が使用するものと考え、取り扱わなくてはいけません。
そこで、特に注意したいことと、玩具にも関係する食品衛生法について説明していきます。
アダルトグッズ・商品の輸入について
アダルト商品(アダルトグッズ)の販売はAmazonでは厳しく規制されており、ヤフオク等他の販売サイトにいたっても、それぞれルールが設けられています。
特にAmazonでは、Amazonが認めているアダルトグッズ商品のみの販売となり、各倫理審査団体で認められたものしか販売できません。
また、児童ポルノ法に違反している商品は「輸入禁止」と定められているので注意しましょう。
海外のアダルトグッズは、日本での倫理審査団体や各販売サイトの基準にそぐわない可能性が高いため、輸入を避けた方が賢明です。
玩具輸入の際の規制とは
玩具はキャラクターを使用した商品も多くありますが、コピー品・偽物は当然禁止です。その他、食品衛生法によって規制されている玩具もあります。
乳幼児が口に入れることを想定している、またはその可能性がある玩具等、食品衛生法に該当するものは、通関の際に「食品等輸入届出書」にて申告しなくてはいけません。
審査して、検査対象となるものは検査の結果で輸入できるか否かが決められます。
これを免れようと、個人使用と偽って輸入を通そうとするのは絶対にやめましょう。
食品衛生法に該当する玩具とは
食品衛生法に該当する玩具は、基本的に6歳未満の乳幼児が使用する際に、口に触れるまたはその可能性があり危険を招きやすいものとされています。
玩具では主に3つの種類に分けられており、
・乳幼児が口を接触させるようにできているもの(おしゃぶり、歯固め、吹いて使用する楽器玩具等)
・アクセサリーの形をした玩具、口に触れる可能性のある知育玩具、その他粘土や風船、ボール、ままごとグッズ、乗り物の玩具等
・上記の物と組み合わせて使用される物(粘土ベラ、電車のレール、食器等)
と、細かく指定されています。
詳細は、mipro(対日貿易投資交流促進協会)が発行する冊子に掲載されていますから参考にしてください。
大人からすると口に入れるものではないと認識していても、乳幼児はその判別がつかないことがあります。そのために起こりうる危険を防ぐ目的で、このように指定されているのです。
輸入規制がある玩具の仕入れ方法について
玩具を仕入れる際に、キャラクターを使用した偽物やコピー品等、知的財産権を侵害するものは輸入が禁止されています。これについては、玩具以外の輸入商品と同様、税関で没収対象となります。
また、食品衛生法に該当するものについては然るべき手続きが必要です。そのことについて詳しく説明していきます。
輸入届け出の流れについて
1.まず貨物が日本の税関に届く前に、食品等輸入届出書の準備作成
届出書と記入方法は、厚生労働省HPから閲覧できます。
2.輸入届出を行う
3.検疫所での検査
4.検査不要の場合やモニタリング検査の場合は届出済証の発行
※検疫所で要検査となった場合は各検査に合格した場合発行される。モニタリング検査に該当したものは合否が出る前に輸入可能だが、不合格となった場合は回収しなくてはならない。
5.通関手続き
6.手元に届く
といった流れになります。なお、この手続きは輸入の都度行ってください。
個人使用目的として輸入
食品衛生法に該当するものであっても、個人使用での輸入の場合は手続きが免除されます。ただし、複数個仕入れていれば個人使用とは認められません。
また、同じ商品を複数回輸入していれば高い確率で商用目的とみなされるので注意しましょう。
販売目的の物を個人使用と偽って輸入するのは、食品衛生法違反だけでなく脱税等の罪にもあたり犯罪です。
堂々とこの方法をすすめる転売業者がいても、同じことはしないでください。
大量のロットを仕入れた場合
数個程度であれば、個人輸入とされることもありますが、大量に仕入れている物はまず商用目的とみなされます。
手続きを行っていない場合、ほぼ止められると思ってください。
手間を省こうと、正式な届出をしないことは違法にあたります。
このような方法をすすめているブログやサイトもありますが、これらの情報を鵜呑みにして行動に移すことは決してしないでください。
輸入関連の相談先と、初心者は避けるべきものについて
輸入に関して不明なことがある際、税関や法律に合わせた省庁に問い合わせるという方法もありますが、それ以外にも専門的な回答を得られる機関があります。
わからないことをそのままにして行動に移すのは危険であり、自分の首を絞めかねません。うやむやにせず、すぐに確認を取りましょう。
そもそもの話として、輸入を始めとした中国ビジネスを包括的に知りたいという方は無料の在宅中国輸入ビジネスメルマガ講座を読んでおくことをおすすめします。
JETRO/ジェトロ (日本貿易振興機構)
ジェトロは独立行政法人であり、2003年に設立されました。日本の貿易促進等様々なことに取り組んでおり、対海外事業を行っている人にとって役立つ情報を発信しています。
各国への輸出入の際の規制や関税のほか、市場調査もすることができ、初心者からベテランまで活用したいサイトです。
MIPRO/ミプロ (対日貿易投資交流促進協会)
ミプロは昭和53年に輸入促進を目的として設立され、現在は一般財団法人となっています。
相談料はかからず安心して相談することができるため、輸入初心者にとっても心強い味方です。また、定期的に輸入ビジネス等に関するセミナーを開催しているので、足を運んでみるとよいでしょう。
初心者が扱うのは好ましくない商品とは
初心者の内は、扱いを控えたほうがよい商品というのがあります。
主に3つですが、破損のリスクが高いことや輸送の際のコストが高いためです。
・ガラス製品等容易に壊れてしまいそうなもの
・一辺が60㎝を超える大きいサイズのもの
・1つの重さが4㎏を超えるもの
慣れないうちは軽く小さめのものから扱った方が無難です。しかし、一般的に上記に該当するような商品を扱う人は少なくライバルが少ない市場でもあります。そう考えると、経験を積んだ頃に扱うのは一つの戦略としてあり得ます。
個人で仕入れ品の輸入を行うのが不安な場合、輸入代行業者と契約するという選択肢も視野にいれてもいいでしょう。
中国輸入代行業者として月に最大150トンもの商品の輸入を手掛けているイーウーパスポートは月額定額制となっています。言語の違いがありますが、イーウーパスポートには困ったときにも日本語が100パーセント通じる専任担当者がいるため安心です。
また、商品の輸入量が多いということもあり、航空便、船便においての選択肢が豊富で、しかも送料レートが格安なのもポイントが高いです。
中国輸入ビジネスの仕入れ先
輸入ビジネスの仕入れ先は多数あり、扱う商品によってそれぞれ向き不向きがあります。そんな中で、初心者が比較的使いやすい定番の仕入れ先をご紹介します。
タオバオ
タオバオ
中国だけでなく世界でも最大と言えるくらいの規模を誇るネットモールです。様々な商品が販売されていて、個人か業者まで出品しています。
初心者に優しい点は、1個からでも購入できるので安心なことや中国輸入の既製品であればほとんど見つかるということです。
アリババ
アリババ
メーカーや工場が直接卸しているケースが多く、複数ロットで購入すればタオバオより安くなるものも多いです。
代行業者にロット数や値段の交渉をしてもらえることもあります。ただし、最初からアリババで複数ロットを仕入れるのはリスクが高いため、売れると確信するまではアリババでなくてもよいでしょう。
天猫(Tmall)
天猫(Tmall)
実はタオバオとアリババも同じアリババグループが運営していますが、天猫は品質が良いもののみが取り扱われています。
それは、出店する企業を厳正な審査や高い保証金等で絞っているためです。
出品数や価格を見るとタオバオやアリババより少なく高めですが、良いものばかりなので安心して良質なものを仕入れることができます。
玩具を中国輸入する際に必要な知識まとめ
玩具を輸入する際は、食品衛生法に該当するものならば然るべき手続きを、それ以外のものでも安心して使用できるための検査や表示を怠らないようにしましょう。個人輸入と称して通そうとするのは極めて危険です。
また、知らずに違反しているということがないように、仕入れてもいい商品であるか、販売するために何が必要かを輸入前に把握しておく必要があります。
法律を守らず、自分基準で販売をして万が一のことがあったら洒落になりません。よく考え、わからないことは調べてからビジネスに取り組みましょう。